カラヴァッジョ Caravaggio (1571~1610)

本名ミケランジェロ・メリーシ・ダ・カラヴァッジョ 1571年ミラノで生まれました。彼の激しい気性のせいか、彼の生涯は不詳事件の連続で、最後は殺人事件にまで発展し、逃亡生活のうちに悲惨な死を迎えます。しかし彼の絵は、深い宗教性を持つ主題を当時の日常の中に置き換え、徹底的なリアリズムのもとに劇的な場面構成と光の効果を十分に生かした明暗法で描かれ、17世紀の多くの画家たちに多大な影響を与えました。

2002年4月にCohohは「イタリアハイライト八日間」という格安ツアーに参加しました。忙しい行程でしたが、空き時間はカラヴァッジョに焦点を定めて美術館・教会を駆け巡りました。そのとき見た作品を掲載します。 borghese
National Gallery
ローマ国立古代美術館
(バルベリーニ美術館)
ボルゲーゼ美術館
ローマ
ボルゲーゼ美術館
予約が必要です。鑑賞時間も2時間。
カラヴァッジョ以外にもよい作品がたくさんあるので、2時間はぎりぎり。
「果物籠を持つ少年」
70×63センチ 1593年、

籠の果物や葉の描写力はすごいものです。

「執筆する聖ヒエロニムス」
112×157
同じ主題の他の作品を紹介します。モンセラート、サンタマリア修道院附属美術館
「病めるバッカス」66×52センチ 1590年代前

若きカラヴァッジョの自画像です。

「馬丁たちの聖母」
292×211 1606年

大きな画面で三人だけの人物ですが、迫力のある絵でした。

「聖ヨハネ」
159×124 1600年
「ゴリアテの首を持つダビデ」
1610年
ゴリアテは自画像。この絵をローマに送って殺人罪の特赦を得ようとしたそうです。

バルベリーニ美術館(国立古代美術館)
「ホロフェルネスの斬首」
144×195 1598年 
生々しい残虐な絵ですが、何故か惹かれます。ユディットの表情複雑です。
「ナルキッソス」
110×92 1598年頃
2ヶ月前に岡崎市立美術館で見たものでした
「洗礼者聖ヨハネ」
99×134 1603〜4年
上のボルゲーゼ美術館にもありますがこの主題の絵は何枚かあります。

ドリア・パンフィーリ美術館
「エジプトへの逃避途上の休息」
130×160 1596年頃
「マグダラのマリア」
106×97 1596年頃
「洗礼者聖ヨハネ」
132×97 1600年頃
カピトリーノ美術館にも同じものがあるそうです??

サン・ルイジ・ディ・フランチェージ聖堂
礼拝堂の中に入れないので、「聖マタイと天使」以外は絵を横から見ることになります。それでも、向かって左の「聖マタイの召命」は比較的よく見えました。キリストがこちらを向いているようで、カラヴァジョの絵の迫力は十分味わえます。「聖マタイの殉教」はちょっと暗く印象が薄いです。
「聖マタイの召命」
322×340 1600年頃
カラヴァッジョの絵の中ではCohohの最も好きな作品です。
「聖マタイと天使」
296.5×189 1602年
最初に描いた作品が拒否されたために描き直したものです。最初の作品は焼失しています。モノクロの写真が残っています
「聖マタイの殉教」
323×343 1600年頃

サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂
礼拝堂は狭く、暗くて、おまけに中に入れないので、それらしき絵があるという程度、鑑賞にはほど遠いです美術館ではないからやむを得ないのかもしれませんが・・
「聖ペテロの磔刑」
232×201 1600年
「聖パウロの回心」
230×175 1600年

ローマで見逃した作品がいくつかあります。
特に「巡礼の聖母」は見ておきたかったです。

カピトリーノ美術館:「女占い師」「洗礼者聖ヨハネ」
サンタゴスティーノ聖堂:「巡礼の聖母」

フィレンツエ

ウフィッツィ美術館
観光シーズンをはずれていたためか、待ち時間なしですぐ入館できたのは幸いでした。閉館間際であり、カラヴァッジョ以外にも見たいものがたくさんあって、肝心のカラヴァッジョの印象が薄れました。
「バッカス」
95×85 1596年
「メドゥーサの首」
60×55 1598年頃
「イサクの犠牲」
104×135 1601年頃

ミラノ

アンブロジアーナ絵画館 ブレラ美術館
「果物籠」
46×64.5 1597年
この時代純粋の静物画って珍しいです。籠が台からはみ出ています。不自然なようですが、これで真横から見た籠の奥行きがでて、空間を感じリアルに描かれた果物が一層生き生きとしてくるのではないかと思います。
「エオマの晩餐」
141×175 1606年
右は1600年代はじめに描かれたロンドンナショナルギャラリーにある作品ですが、このブレラ美術館の方がいいと思います。

だいたいカラヴァジョの主な作品は見られたような気がします