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石山の石より白し秋の風(松尾芭蕉)

松本隆行(奈良県・TOSS大和)

なぜ風が白いのかを考えます。


「石山の石より白し秋の風」

発問1 季節はいつですか。


秋ですね。

発問2 季語は何ですか。


「秋の風」ですね。
秋風が石山の岩肌よりも白く感じられるという意味の俳句です。石が白いのは分かりますが、風が白いというのはよく分かりませんね。なぜ風が白いのか勉強しましょう。

「発句也松尾桃青宿の春」

発問3 季節はいつですか。


春ですね。

発問4 季語は何ですか。「宿の春」ですね。


「桃青」とは、「芭蕉」の前の俳号です。

「石の香や夏草赤く露暑し」

発問5 季節はいつですか。


夏ですね。

発問6 季語は何ですか。


「夏草」ですね。

「しぐるゝや田の新株の黒むほど」

発問7 季節はいつですか。


冬です。
発問8 季語は何ですか。
「しぐれ」です。

「発句也松尾桃青宿の春」
「石の香や夏草赤く露暑し」
「石山の石より白し秋の風」
「しぐるるや田の新株の黒むほど」

発問9 四つの俳句を見て、気付くことはありませんか。


(画面のなかで「青」「赤」「白」「黒」を強調してある。)
色が入っていますね。
古代の中国で始まった五行思想というものがあります。すべてのものは木・火・土・金・水の五つからできているという考え方です。日本でも五行思想は広く知られていて、知識人にとっては常識だったのですね。
五行思想によれば、季節も木・火・土・金・水にあてはめられます。春は木、夏は火、秋は金、冬は水です。が、土が余りますね。そこで、それぞれの季節の終わり十八日間を「土用」と呼ぶことにしました。
 さらに、木・火・土・金・水には色も割り振られています。木は青、火は赤、土は黄、金は白、水は黒です。赤は朱と書きますね。黒は玄米の玄です。人生の移り変わりを青春・朱夏・白秋・玄冬という言葉で表すそうですよ。北原白秋のペンネームはここからとったのでしょうし、青春という言葉は今でも広く使われています。
 秋の風が白い理由は、五行思想にあったのですね。

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