伊藤:相手のスピードが事故の最大の原因であると主張した状況報告書に基づいて話をした。
北里:「交差点に入って事故が起こったら、双方に過失があります」という一般論に終始。
伊藤:「一般的にはそうでしょうが、この事故のケースを考えてください。そのような判断の仕方がおかしいと私は思うのですが」
北里:「道路の幅やセンターラインの形状から見て過失責任の割合は4:6ぐらい、あとはスピードが勘案されて10〜20%ぐらい割合が変わってくるでしょう」、と主張するのみ。
伊藤:「そう判断する根拠は何ですか」
北里:「道路形状から判断するのが一般的です」
伊藤:「その判断がおかしいと考えているのですが」
北里:「・・・」
伊藤:「このケースではいかにスピードが大きく事故に関わっているのか、そのために状況証拠をたくさん記した事故状況報告書を出したのですが」
北里:「道路の状況で事務的に判断し、報告書はあまり重要ではありません」

北里:「『無灯火だったのではないか』というのも『ではないか』という書き方が問題です。結局は証拠が無くて分からないことですよね。」
伊藤:「もちろん、目撃者というような証拠はありませんが、報告書に書いたような他の状況から見てそう考えるのが妥当であって、単に相手方の主張を認める訳にはいかないのではないですか。そこを総合的に判断するための材料として、長々とした報告書を提出したのです」

しかし北里さんはまた道路の形態の話に戻る。「総合的に判断するための材料」という意味がよく理解できていない様子がもどかしい。

伊藤: 「判断材料として、私が描いた図だけではなく、警察もすぐに写真を撮っていましたから必要になれば」
北里: 「警察は関わりたくないでしょう。第三者に写真は見せてくれないでしょうし」と、むしろ自分自身が警察に関わりたくない口ぶり。
伊藤: 「現場に来た警察官は『何かあれば』ということで連絡先と名前も名乗りましたよ」
北里: 「でも警察は人身事故でないから現場検証もして無くて、関係ないです」
伊藤: 「写真は何枚も撮ってましたよ。それが必要で、第三者が無理なら私本人が見せてもらいますが」
北里: 「いや、当事者でも見せてくれないのではないですか」
伊藤: 「とにかく、連絡してくれと警察官は連絡先を名乗ったので、そういう事実があったことを伝えておきます」
北里: 「警察は何も関係したくないんですよ」

お話にならない。

伊藤: 「ところでなぜ今日まで連絡をくれなかったんですか」
北里: 「わたくしごとで、先週は出張だったんです。すみません」
伊藤: 「わたくしごとは関係ないですね。北里さんが調査に当たれないにしろ、副担当もいるのですから、最低限こちらからの報告書類が届いているなりの連絡はすべきではないのですか。私は速達でお送りしたのですよ。」
北里: 「はい。すみません」

伊藤: 「で、これからどれくらい時間がかかるのですか」
北里: 「いろいろなケースがありますから、一概には言えません」
伊藤: 「それは分かっています。主張に食い違いがあればそれだけ時間はかかるでしょう。しかし聞きたいのは、今後報告書に基づいていつごろ調査が行われ、私への聞き取りがいつ頃行われるかという、今後の段取りです。」
北里: 「はい、またお話を聞かせてもらいます」

結局、明確な返答はなし。次はいったいいつになるのか。また長い時間をあけられて、こちらから電話をしなくてはならなくなるのだろうか。