練習1回目(2000年8月3日)

二種免許は一種免許と違い指定自動車教習所での修了証明書があっても、技能試験が免除される制度はないようです。従って、必ず自分の住んでいる都道府県の運転免許試験場に直接行って受験する必要があります。

また奈良県下でバスの運転練習ができるのは奈良交通自動車教習所のみでした。教習所を尋ねるとバスの練習ができるわりにはコースの敷地が狭いなあと感じました。料金は1時間10,500円(税込み)で1時間から予約ができます。また4回目以降は8,400円(税込み)と安くなります。

他のホームページの体験記を見る限りバスに慣れるには時間がかかると思い、初めから2時間の練習をすることにしました。

練習車両は道路で走ってる奈良交通の鹿の絵が描かれているバスそのもので、外から見た印象は6tトラックとは比べ物にならないくらいで大きかったです。

運転席に座るとさらにその大きさを実感する!普段乗せてもらっているバスも自分が運転するとなるとこんなに大きく感じるなんて。本当に自分の思うとおりに走らすことができるのか・・・。

教官に挨拶をして早速運転開始です。最初はやはり車両の感覚をつかむ為、外周を数週しました。バスの前輪は運転座席より後ろにある為、トラックとはまた全然感覚が違いました。右左折するときはこれでもかというくらい車両の頭を突っ込み素早くハンドルを回します。車両の頭がコースからはみ出してもタイヤは全然大丈夫なんです。

踏切、坂道発進と続きますが、こえはそれほど問題ではありません。

問題はクランクの通過です。これが今回の練習で一番難しかった。

車両をコース幅いっぱいに寄せて進入し、自分の体が曲る方向の道端を越えたところで素早くハンドルを切ります。このタイミングが絶妙で少しでも速いと後輪が脱輪、反対に遅いと外側のサイドミラーがポールに接触します。バスのクランクはポールすれすれに通すと聞いていましたが、ここまでとは思いませんでした。あの大きな車両をサイドミラーとポールの間隔を5cm程度(決して大げさではありません)に保つようにして走行します。2時間の練習で5回くらいクランク通りましたが、切り返しなしで通過することは1回も出来ませんでした。めちゃくちゃ難しいー!

続いてS字ですが、これも大型トラックより車両の頭を出さないといけないのですが、案外上手くいきました。

そしていよいよ大型二種にのみ課題がある鋭角コースです。

これも道幅一杯に車両を寄せ前進し、前の道路端が半分隠れたところで目一杯ハンドルを切ります。そしてタイヤが道路ぎりぎりの所まで進みます。その後ハンドルを反対に切り後輪が道路ぎりぎりの所までバックをします。それこまで上手く行けば後は前進するのみです。これは最初にハンドルを切るタイミングをつかめば上手くいきます。

次は方向変換です。これも大型トラックが運転できればそれほど難しくないと思いました。注意する点はあまり車両を右に寄せすぎない事。バックする時にハンドルを目一杯切ると前輪が脱輪する為、ハンドルが切れず進入角度があまくなってしまいます。

問題は縦列駐車です。これも大型一種と要領は同じですが、ハンドルを切るタイミングが難しく間違えばそれなりの微調整が必要です。トラックと違い車両が大きい為、きちんと左に寄せないと車両が完全に納まりません。かなり難しいー!

最後に発着点にもどる練習です。バスはお客さんが乗り降りするため、乗降口を接地しているポールにきちんと合うようにして止めなければなりません。これもポールが運転席からどの位置に見えたら止めてよいかを教わりました。

と言うわけで1時間目で一通りの課題を教わりました。


練習2回目(2000年8月3日)

2時間目は1時間目で行った課題を繰り返し練習することになり、踏切、坂道発進、S字、クランク、鋭角、方向転換、縦列駐車を行いました。しかし課題がこれだけあると時間が経つのは早く、それぞれ2〜4回しかできませんでした。

運転の手応えもあまりないまま2時間の練習は終了です。


適性検査・学科試験(2000年8月8日)

二種免許を取得するには適正検査、学科試験、技能試験があります。まず適性検査と学科試験に合格しないことには技能試験を受けることが出来ません。

試験問題は一種免許の時に勉強する必要のなかった「旅客自動車運転者の心得」が2割含まれるので、前もって問題集を購入し勉強しました。普通免許を取得して運転歴10年以上なので出来て当然だろうと思ってましたが、実際に問題を解いていると結構忘れていることが多く、またひねくれたような問題が多いことに気付きました。普通免許を取得しているからと油断して受験すると落ちることも・・・。現に当日は受験者7人中4人しか合格していませんでした。

ちなみに私は合格組みです。合格発表は電光掲示板によって行われます。前もって勉強しといて良かった!

早速技能試験の予約を行って帰りました。

ちなみに大型二種免許の技能試験は火、木曜日の午前と午後の週4回行われ、電光掲示板によって空き状況がわかります。

    


練習3回目(2000年8月14日)

技能試験を明日に控えて最終チェックとばかり、もう1時間練習しました。

今日も一通りの課題事項を練習しましたが、クランクは切り返しすることなくクリアできませんでした。ハンドルを切るタイミングが難しいー!しかも試験場と教習所は右左折が逆なのでさらに不安を感じた。また大型トラックのときと同様に内輪差の感覚が難しいー!


技能試験1回目(2000年8月15日)Aコース

二種免許は鋭角コースが加わり、さらに合格基準点が80点以上(一種は70点以上)となるのでかなり厳しくなります。

受験者は一種免許と比べて少なく、今日は6人しかいませんでした。試験開始時間までにコースの下見をし、今日の課題であるAコースを頭に叩き込む。

大型一種を取ったからと言ってもバスの運転の難しさは半端ではない。最初は無事にコースを完走することを目標としました。

自分の順番が来て、緊張しながら運転席に座る。例によって試験官に「お願いします」と一言する。

座席を調整し、サイドミラーを確認、ルームミラーを調整(するふりだけ)する。サイドブレーキとニュートラルに入っていることを確認しクラッチを切りブレーキを踏みエンジンスタート!大型一種と違うところは車内の安全も確認することである。そしてミラーと目視で右後方を確認し発進する。

出発点からしばらくは直線コース、そして障害物2つ、踏切と進み、坂道発進へ来る。坂道発進は特に難しく思っていなかったが、教習車とサイドブレーキの感じが違い、後ろに下がりそうになったりしてクリアするのに時間がかかった。そして教習所では1回も切り返しなしでクリアできなかったクランクに入る。

入口を慎重に入り道幅一杯に車両を寄せる。タイミングを測りハンドルを目一杯に切り、クラッチ操作だけで超低速で進む。ポールにぶつかるかどうかギリギリであった為、切り返しを意識したがイチカバチカで進んだところなんとかぶつからず右コーナーをクリア。続いて左コーナーだがこれもなんとかクリアする。ふぅー・・・。

そして右折を繰り返しS字コースへ。ここも慎重に進みなんとかクリアー。次は左折を繰り返しもう一つの難関である方向変換へ。後方確認をし、慎重にバックする。これもなんとかクリアーできた。そして最後の難関である鋭角コースへ。

鋭角コースも教習所で練習した通りに出来て無事にクリアーする。

次に50km走行であるが、バスは50kmに達するのが遅いのでコーナーを立ち上がると直ぐにアクセル全開。50kmで一定速度に保ち、50km終了の看板手前でポンピングブレーキで減速する。

そして発着点に戻り乗降口をポールに合わせて停車。ギアをバックに入れてエンジンを切り試験終了。

試験結果は30点。試験官のアドバイスとしては、S字の出口で半脱輪したようでもうちょっと慎重に走る事、それと右左折で車両を寄せるのがあまいところがあるとの事でした。あとは交差点の確認を忘れたところがあったようです。

今日の所は試験中止もなくコースを一周できたからとりあえず良しとするか。


練習4回目(2000年8月23日)

用事があり次の試験まで10日も開いてしまうことになったので、もう一度教習所で練習することにした。

さすがに4回目ともなると教習所のコースとバスにも慣れ、だんだんと要領が掴めてきた。クランクコースも切り返しなしでクリアできるようになった。
でもやっぱり難しいのには違いないが。

しかし2回目の試験はなんとなく自身をもって望めるような気がした。


技能試験2回目(2000年8月24日)Bコース

今日は縦列駐車のあるBコースで試験です。

前回コースが一周できたので、コースは違うが今日は合格するつもりで試験に挑みました。

出発点からしばらくは直線コース、そして障害物2つ、踏切と進み、坂道発進と進む、そして難関であるクランクへ。今回も切り返し無しでクランクをクリアする。なかなか調子が良い。

そしてS字へ慎重に進入し、出口も注意して脱出する。次はいよいよ初の縦列駐車。

教習所で教わったタイミングでハンドル操作を行う。あとは微妙にハンドルを調節し車両を枠の中に入れる。ふーっ!なんとか入ったか。ギアをニュートラルに入れ、サイドブレーキを引き駐車完了の合図をする。教官のOKをもらい発進する。

後は鋭角コースと50km制限を進み、発着点に戻る。なんか自分では満足のいく走行であったので試験結果を楽しみにする。

試験結果は65点。あーっ!もうちょっとやんか、残念!

教官のアドバイスは左折時に大回りになってる、安全確認が抜けてるとのこと。また確認ミスか!


技能試験3回目(2000年8月29日)Aコース

今日は方向転換のAコースです。今日こそ合格を目指して試験に挑もうとしたら突然雨が・・・。

大型一種も含めて雨が降ったのは今日がはじめて。しかも試験官は厳しいと評判の方で、午前中の試験を見学していた方の話しを聞くと、午前の試験では半分の人が試験中止になっていたとか。

なんか憂鬱な気分で試験開始です。

今までに受けたアドバイスに気を付けながらバスを発進させます。運転に集中しているせいか雨なんか全然気にならなかった。いつも通りに各課題を通過し、発着点に戻ります。試験官の怖い顔を見て試験結果を待ちます。

試験結果は60点。今日こそは自信があったのに。

試験官のアドバイスは右左折時の車両の寄せ方は良かったが、進路変更するタイミングが遅いところがあるとの事。30m手前では進路変更が完了していなければならないのでもっと早くしないといけないらしい。後は安全確認を一つ忘れていたとのこと。

また安全確認かー!いったい何処でーって感じでした。うーん、大型ニ種は簡単には合格させてくれない。


技能試験4回目(2000年95日)Aコース

今日で試験4回目なんでそろそろ本気で合格したい。

なんとラッキーなことに慣れたAコースで、試験の順番はなんと1番目。1番目は待ってる間の緊張感がなくて良いかも。今日は絶対安全確認を忘れないとばかりに試験前にイメージトレーニングを念入りに行った。

試験官に挨拶をし出発する。安全確認と進路変更に特に注意を払いながら各課題を順調に通過して行く。障害物、踏切、坂道発進、クランク、S字、方向転換、鋭角、50km走行、そして発着点へ。ポールにも上手く止めることができた。サイドブレーキ、ギヤをバックにしエンジンをストップし試験官の顔を見る。

試験官は「おめでとう。がんばって下さい。」と言われた。やったー!やっと合格だー!

試験待ちの人に「合格しました」と挨拶をすると、「おめでとうございます」と言ってくれた。

早速免許証発行の手続きをしてもらう。


感想

大型一種の体験記でも書きましたが、試験コースは絶対に覚えておく事です。そして進路変更と安全確認の場所は頭に叩き込むことが大切です。
安全確認と進路変更は遅れても減点になりますので、どこで行ったら良いのかイメージする事が大切だと思います。運転技術はもちろん大事ですが、一番しょうもない減点は安全確認だと思いました。

運転技術に関してはやはりクランクと縦列駐車が特に難しいと思います。こればっかりは練習無しでは厳しいと思います。

一度もバスの運転練習をせずに試験を受けてられる方もいらっしゃいましたが、最短期間、最小費用で合格するには教習所での練習も一つの手段かと思います。試験費用もバカになりません。

免許取得にかかった費用

写真代金 400円×1枚
教習所練習代 39,900円(10,500円×3回+8,400円×1回)
技能試験代 17,600円(4,400円×4回)
免許証発行代 1,750円
合計 59,650円

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