ろ(ro)甲類・ 乙類に使用されている漢字の混用一覧
                            
2022年10月26日     万葉散歩フォトギャラリー管理人 植芝 宏
のページは原文と校異は奈良県橿原市立橿原図書館所蔵の国史大系第壹卷『日本書記』と国史大系第七卷『古事記』を底本(略称橿原)とし、
読みは日本古典文学大系『古事記』・『「日本書記上』・『「日本書記下』を底本として作成しました。
萬葉集は日本古典文学大系の『萬葉集一』・『萬葉集二』・『萬葉集三』・『萬葉集四』を底本として作成しています。
日本古典文学大系の略称を「日典」とします。

 例文は一例のみを示していますが、このページの詳細データが欲しい方はメールをください。
返信メールに詳細データのエクセルファイルを添付して差し上げます。
また、この万葉散歩は古いソフトを使って作っているため、表示できない漢字が多々有ります。
■1・■2・■3・・・などと、何とか表示できない漢字を表現してきましたがこれにも限界があります。
幸い詳細データのエクセルファイルでは表示できない漢字が随分と減ってきて、今では■1・■2・■3・・・などの漢字も表示できるようになりました。
しかしそれでもなお、原文の漢字を表現できないときは、国立国会図書館デジタルコレクション 国史大系第壹卷と国史大系第七卷を活用することにしました。
国立国会図書館デジタルコレクション 国史大系第壹卷 日本書記 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991091
国立国会図書館デジタルコレクション 国史大系第七卷 古事記  https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991097
略称は「国立」としました。
さらに、史的文字データベース連携検索システム https://mojiportal.nabunken.go.jp/ja/ を漢字辞書として活用することにしました。

記載ミスの発見がございましたら、ご一報をお願いします。
お手間をおかけして申し訳ありません。
どうぞよろしくお願い申しあげます。
メール uehiro08@kcn.ne.jp


色分け

K …古事記
N …日本書紀
M …萬葉集


移ろふ
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 うつろ 移ろ M 宇キ路 2
乙類 うつろ 移ろ M 宇キ呂 13

混用の萬葉歌
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 うつろ 移ろ M 宇キ路 2

十六年四月五日独居平城故宅作歌六首
通し番号 作者 巻_類_番号 句番 原文 ひらがな文 訓読文 1 2 3 4 5 6 7
31838 万葉集巻第十七 大伴家持 17_短歌_3916 _5/5 宇キ路比奴良牟 うつろひぬらむ 移ろひぬらむ
右六首歌者天平十六年四月五日独居於平城故郷舊宅大伴宿祢家持作

述恋緒歌一首并短歌
通し番号 作者 巻_類_番号 句番 原文 ひらがな文 訓読文 1 2 3 4 5 6 7
32739 万葉集巻第十七 大伴家持 17_短歌_3982 _2/5 宇キ路布麻泥尓 うつろふまでに 移ろふまでに
右三月廿日夜裏忽兮起恋情作大伴宿祢家持

----------


  ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 かぐろき・にぐろき・くろき・くろ か黒き・丹黒き・黒き・黒 M 迦具漏伎 1 K 迩具漏岐 1 K 久路岐 1 N 矩盧 1 N 倶盧 1 M 久路 2
乙類 かぐろき か黒き M 可具呂伎 1  

混用の萬葉歌
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
乙類 かぐろき か黒き M 可具呂伎 1

佐婆海中忽遭逆風漲浪漂流経宿而後幸得順風到著豐前国下毛郡分間浦於是追怛艱難悽惆作八首
通し番号 作者 巻_類_番号 句番 原文 ひらがな文 訓読文 1 2 3 4 5 6 7
29220 万葉集巻第十五 作者未詳 15_短歌_3649 _4/5 可具呂伎可美尓 かぐろきかみに か黒き髪に

----------


  ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 しろ・じろ K 斯路 2 K 斯漏 2 K 士漏 1 N 辭漏 1 N 士漏 1 M 之路 12 M 思路 2 M 志路 1 M 自路 1 M 思漏 1
乙類 しろ M 之呂 1  

混用の萬葉歌
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
乙類 しろ M 之呂 1

中臣朝臣宅守与狹野弟上娘子贈答歌
通し番号 作者 巻_類_番号 句番 原文 ひらがな文 訓読文 1 2 3 4 5
29875 万葉集巻第十五 狭野弟上娘子 15_短歌/○_3751 _1/5 之呂多倍能 しろたへの 白栲の
右九首娘子
参考
同じ狭野弟上娘子は甲類の「漏」でも「白栲の」と謡っている。
中臣朝臣宅守与狹野弟上娘子贈答歌
通し番号 作者 巻_類_番号 句番 原文 ひらがな文 訓読文 1 2 3 4 5
29736 万葉集巻第十五 狭野弟上娘子 15_短歌_3725 _3/5 思漏多倍乃 しろたへの 白栲の
右四首娘子臨別作歌

----------

御諸(みもろ)
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 みもろ 御諸 N 美母盧 1  
乙類 みもろ 御諸・三諸 K 美母呂 3 M 三毛侶 2

混用の日本書記歌謡
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 みもろ 御諸 N 美母盧 1

通し番号 見出し 西暦 歌謡番号 原文 ひらかな文 訓読文 1 2 3 4 5 6 7
18870 日本書紀
巻第十七
継体天皇七年九月 癸巳513年9月 N97 美母盧我紆陪■ みもろがうへに 御諸が上に
■・・・休の木を爾に換える。

----------

宜し(よろし)
ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 よろし 宜し N 與盧斯 1  
乙類 よろし 宜し K ■222呂志 1 N 與慮斯 1 N 與慮志 1 M 与呂之 2
■222・・・史的文字データベース連携検索システム https://mojiportal.nabunken.go.jp/ja/ で「與」を検索。
      https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AACVS15000133 の「与」に同じ。

混用の日本書記歌謡
ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 よろし 宜し N 與盧斯 1

通し番号 見出し 西暦 歌謡番号 原文 ひらかな文 訓読文 1 2 3 4 5 6 7
15534 日本書紀
巻第十四
雄略天皇六年
春二月壬子朔乙卯
壬寅462年
2月4日
N77 與盧斯企夜磨能 よろしきやまの 宜しき山の

----------

室(むろ) 甲類?乙類?
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 むろ M 牟路 1 M 武路 1
乙類 むろ K 牟廬 1 N 務露 1

混用の萬葉歌
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 むろ M 牟路 1 M 武路 1

東謌/相聞
通し番号 作者 巻_類_番号 句番 原文 ひらがな文 訓読文 1 2 3 4 5
28242 万葉集巻第十四 作者未詳 14_短歌/○_3506 _1/5 尓比牟路能 にひむろの 新室の
28436 万葉集巻第十四 作者未詳 14_短歌_3543 _1/5 武路我夜乃 むろがやの 室草の

混用の古事記歌謡・日本書記歌謡
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
乙類 むろ K 牟廬 1 N 務露 1

通し番号 見出し 見出し 歌謡番号 原文 ひらがな文 訓読文 1 2 3 4 5 6
3771 古事記中卷 神武天皇 東征 K11 意■439牟廬夜尓 おほむろやに 大室屋に ■439
■439→≠フ且を屓に換え、屓の貝を田に換える(橿原)・・・富に作る(国立・日典) 古事記 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991097 コマ番号48/484(68ページ4行目)。
史的文字データベース連携検索システム https://mojiportal.nabunken.go.jp/ja/ 「富」で検索。
https://mokkanko.nabunken.go.jp/ja/6AACVS15000089 の木簡「富」は■439(橿原)に似ている。

通し番号 見出し 西暦 歌謡番号 原文 ひらかな文 訓読文 1 2 3 4 5 6
5123 日本書紀巻第三 神武天皇即位前紀
戊午年冬十月癸巳朔
戊午前663年
10月1日
N9 於朋務露夜珥 おほむろやに 大室屋に

----------

ししくしろ・・・枕詞。甲類?乙類?
 黄泉のヨにかかる。シシ(肉)を串にさしたものは、ヨイ味、ウマイ味がするので、シシクシロはヨミ・ウマイ(熟睡)にかかる。
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 ししくしろ 鹿くしろ N 矢自矩矢盧 1
乙類 ししくしろ 完くしろ M 完串呂 1

通し番号 見出し 西暦 歌謡番号 原文 ひらかな文 訓読文 1 2 3 4 5
18850 日本書紀巻第十七 継体天皇七年九月 癸巳513年9月 N96 矢自矩矢盧 ししくしろ 鹿くしろ

挽歌/見菟原處女墓謌一首并短哥
通し番号 作者 巻_類_番号 句番 原文 ひらがな文 訓読文 1 2 3
17714 万葉集巻第九 高橋虫麿歌集 9_長歌/○_1809 _37/73 完串呂 ししくしろ 完くしろ しし くし
右五首高橋連蟲麿之謌集中出

----------

遥遥に(はろはろに・はろばろに) 甲類?乙類?
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 はろはろに 遥遥に N 波魯波魯爾 1 N 波魯波魯■ 1 M 波漏波漏尓 1
乙類 はろはろに・はろばろに 遥遥に M 波呂波呂尓 2 M 波呂婆呂尓 1  
■・・・休の木を爾に換える。

混用の日本書記歌謡・萬葉歌
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
甲類 はろはろに 遥遥に N 波魯波魯爾 1 N 波魯波魯■ 1 M 波漏波漏尓 1

通し番号 見出し 西暦 歌謡番号 原文 ひらかな文 訓読文 1 2 3 4 5
27731 日本書紀巻第二十四 皇極天皇三年夏六月 644年6月 N109 波魯波魯爾 はろはろに 遥遥に

通し番号 見出し 西暦 本文/分注 原文 ひらかな文 訓読文 1 2 3 4 5
28016 日本書紀巻第二十四 皇極天皇四年
六月(丁酉朔)己酉
645年6月13日 本文 波魯波魯■ はろはろに 『遥遥に
■・・・休の木を爾に換える。

雑謌/思君未盡重題二首
通し番号 作者 巻_類_番号 句番 原文 ひらがな文 訓読文 1 2 3 4 5
9252 万葉集巻第五 吉田宜 5_短歌_866 _1/5 波漏波漏尓 はろはろに 遥遥に
天平二年七月十日

混用の萬葉歌
  ひらがな文 訓読文 原文/例数
乙類 はろはろに・はろばろに 遥遥に M 波呂波呂尓 2 M 波呂婆呂尓 1

天平勝宝七歳乙未二月相替遣筑紫諸国防人等歌/陳防人悲別之情歌一首并短謌
通し番号 作者 巻_類_番号 句番 原文 ひらがな文 訓読文 1 2 3 4 5
38118 万葉集巻第二十 大伴家持 20_長歌_4408 _47/77 波呂波呂尓 はろはろに 遥遥に
二月廿三日兵部少輔大伴宿祢家持

遣新羅使人等悲別贈答及海路慟情陳思并当所誦之古歌
通し番号 作者 巻_類_番号 句番 原文 ひらがな文 訓読文 1 2 3 4 5
28745 万葉集巻第十五 作者未詳 15_短歌_3588 _1/5 波呂波呂尓 はろばろに 遥遥に
右十一首贈答

天平勝宝七歳乙未二月相替遣筑紫諸国防人等歌爲防人情陳思作歌一首并短歌
通し番号 作者 巻_類_番号 句番 原文 ひらがな文 訓読文 1 2 3 4 5
37993 万葉集巻第二十 大伴家持 20_長歌_4398 _41/45 波呂婆呂尓 はろばろに 遥遥に
右十九日兵部少輔大伴宿祢家持作之



トップページへ