古事記の「豊雲野の神」の野の発音は「ぬ(nu)」か? 「の(no)甲類」か? 2021年10月12日 万葉散歩フォトギャラリー管理人 植芝 宏 |
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岩波書店 日本古典文学大系『古事記祝詞』・『「日本書記上』・『「日本書記下』・『萬葉集一』・『萬葉集二』・『萬葉集三』・『萬葉集四』を底本としています。 詳細データが欲しい方はメールをください。 返信メールに詳細データのエクセルファイルを添付して差し上げます。 また、この万葉散歩は古いソフトを使って作っているため、表示できない漢字が多々有ります。 ■1・■2・■3・・・などと、何とか表示できない漢字を表現してきましたがこれにも限界があります。 幸い詳細データのエクセルファイルでは表示できない漢字が随分と減ってきて、今では■1・■2・■3・・・などの漢字も表示できるようになりました。 古事記・日本書紀・萬葉集における”検索用原文”ではなく”底本の原文”を知りたい方、漢字の表記の有無や読みの種類・漢字の位置やその分布、 漢文の訓読みの順番等々をお知りになりたい方、ぜひお気軽にお問い合わせください。 また記載ミスの発見がございましたら、ご一報をお願いします。 お手間をおかけして申し訳ありません。 どうぞよろしくお願い申しあげます。 メール uehiro08@kcn.ne.jp
1、出典 古事記
日本書紀
2、「野」の表記
3、万葉仮名 各漢字の読み
「努」を使った語彙一覧
「怒」を使った語彙一覧
「奴」を使った語彙一覧
「弩」を使った語彙一覧
4、岩波書店 『日本書紀上』の補注によれば 豊斟渟尊 トヨは、もと擬音語。 鳴りとよむ音を疑した語。 後に転じて稲の収穫の豊富なことを形容する語。 斟は、酒などをつぐ意。 クムと訓む。 クミとも訓める文字。 渟は沼の意。 ヌと訓む。 もともと古代日本語では、a ・ o ・ u の三音は、後舌母音として互いに結合しやすい音であり、また、語を形成する際に交替しやすい音である。 ことに o と u とは交替しやすい(たとえば、足結をアヨヒ ・ アユヒ。石上をイソノカミ ・ イスノカミなど)。 それと別に m と b とも交替しやすい音である。 また、日本語のハ行子音は、奈良時代には両唇音の F であったが、更に古くは P の時代があったと推定されるので、ハ行子音 F は、バ行子音 b またはマ行子音 m と交替する可能性が大きい。 以下、豊( toyo )という形を便宜上省いて説明すると、まず、kumunu (斟渟)は kumono (雲野)という古事記の形の交替形であり、kumuno (組野)もまた kumono の交替形である。 この語は、混沌浮漂の状態を示す語と見られ、古事記の 「 豊雲野 」 という表記が、最もよくその中心的な意味を示すものと考えられる。 ・・・以下略。 万葉仮名一覧は岩波書店 日本古典文学大系『古事記祝詞』・『「日本書記上』・『「日本書記下』・『萬葉集一』・『萬葉集二』・『萬葉集三』・『萬葉集四』を底本としています。 底本では、下表以外の野は「の」とルビを打っているので、万葉仮名一覧もまた底本に従い下表以外の野は「の」としました。
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