「 ざ(dza) 」の万葉仮名
2012年6月29日更新    万葉散歩フォトギャラリー管理人 植芝 宏
■「 ざ(dza) 」の発音に当てられている万葉仮名
 エクセルを使用して、万葉集に収録されている歌から発音「ざ(dza) 」を含む句を抽出。
抽出した「 ざ(dza) 」を含む句から、

射、謝、邪、社、座、佐、狭、去

を見つけて集計したところ、「 ざ(dza) 」の発音に当てられている万葉仮名は99例あった。
ページの中で混同を防ぐため、古事記歌謡の番号の頭には「K」を,、日本書紀歌謡の番号の頭には「N」を付けた。


■「 ざ(dza) 」の発音に当てられている万葉仮名



その他
例数 85 5 3 2 1 1 1 1
割合 86% 14%

音仮名・・・射、謝、邪、社、佐
訓仮名・・・狭、去

管理人メモ
射・・・呉音:ジャ、ジャク、ヤ、ヤク、漢音:エキ、シャ、セキ、ヤ
謝・・・呉音:ジャ、漢音:シャ、常用漢字表外:ざ、さ
邪・・・呉音:ジャ、ヤ、漢音:シャ、ヤ
社・・・呉音:ジャ、漢音:シャ
佐・・・呉音:サ、漢音:サ


■「 ざ(dza) 」の発音に当てられている万葉仮名の各巻の分布
巻/仮名 (計)
1 1               1
2 2               2
3 2       1   1   4
4 1 1             2
5 11     2         13
6 2             1 3
7                 0
8                 0
9                 0
10 1         1     2
11 1               1
12 1               1
13     3           3
14 10               10
15 18               18
16                 0
17 19 2             21
18 5               5
19 5 2             7
20 6               6
(計) 85 5 3 2 1 1 1 1 99

■相換表
番号 原文 読み
4071 之奈可流 しなざかる
4220 之奈可流 しなざかる
3993 礼奈美 さざれなみ
3226 礼浪 さざれなみ
3608 安麻可流 あまざかる
880 阿麻迦留 あまざかる
3966 多乎里加左牟 たをりかざさむ
2188 手折可 たをりかざさむ
4094 奈比多麻比 いざなひたまひ
322 庭乃 いざにはの
4487 子等毛 いざこども
K039 阿藝 いざあぎ
N029 阿芸 いざあぎ
N035 阿芸 いざあぎ
K069 岐登良佐泥 さざきとらさね
N060 岐等羅佐泥 さざきとらさね
904 立阿 たちあざり
N096 多多企阿播梨 たたきあざはり
     
434 ■夜能 かざはやの
     
1112 去来率河之 いざいざかはの


■作者別、「射 」の使用句数
句数 作  者
23 大伴家持      
7 柿本人麻呂      
4 大伴池主      
3 坂上郎女 山上憶良 中臣宅守  
2 藤原仲麻呂 旅人従者    
1 (陰陽師礒氏法麻呂) 葛井大成 丹比大夫 内蔵縄麻呂
(神司荒氏稲布) 沙弥満誓 置始長谷 丹比部國足
(大判事丹氏麻呂) 藤原永手 置始東人 壬生宇太麻呂
(大令史野氏宿奈麻呂) 大伴旅人 土師御道  
23 作者未詳      


■古事記歌謡
7首、9例 K006、K044、K048、K053、K069
K077、K092
1首、1例 K039

■日本書紀歌謡
2首、3例 N028、N029
1首、2例 N035
1首、1例 N060
1首、1例 N096


■管理人メモ
 巻5の904 立阿里(たちあざり)の「ざ」は足で立ってうろうろする意味ではなく、天の神を仰いでは祈り、地の神に伏して額づいたりして、神と交わる意であろう。
庭乃(いざにはの)も同様の意と考え、「ざ」は交わる意と考えられる。



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