近畿の屋根 大峰山脈を駆ける「奥駆修行」登山
山と渓谷〔No.698〕1993年9月号 P36 掲載
大峰山脈スピード縦走
93年5月29日〜30日 高嶋航・木田知宏・内炭孝夫(奈良山岳会)
5月29日 5月30日
4時00分 大峰大橋スタート 5時30分 持経の宿スタート
5時20分 山上ヶ岳 7時35分 佐田辻
6時40分 大普賢岳 9時25分 岩の口
7時55分 行者還岳 11時58分 玉置山
10時10分 弥山 トータル 6時間28分
10時30分 八経ヶ岳
13時40分 釈迦ヶ岳
17時00分 持経の宿
トータル 13時間
今回の山行は、国体(山岳競技)の練習もかねて行なった。選手のレベル アップにともない、国体もフルマラソンを2時間30分で走るようなランナー やトライアスリートが多く参加するようになってきた。私たも、意識を改革 して、彼らのようなスピードを取り入れなければならない。またそのことが、 自分たちの山行をより豊かにできると思ったからでもある。
5月29日、午前0時すぎ大峰大橋に着き仮眠をとる。3時起床。全員8`の ザックを背負い、4時にスタートする。5時20分、山上ガ岳。6時40分、 大普覧岳。行者還岳、7時55分と快調なぺ−スで進む。しかし、弥山への登 りは暑くなり、疲れもでてきたので苦しい。10時10分、弥山着。水を補給 し、10時30分に近幾地方最高峰の八経ガ岳に着く。
この先のルートは、今回のメンバーはだれもまだ歩いたことがない。急に道 がわるくなり、倒木が道をふさいで歩きにくくなってきた。しかし,静かでと てもきれいなところだ。釈迦ガ岳、13時40分。山頂でココアを作り、元気を つける。ここから先の山は、低くなるが意外にもアップダウンがはげしい。すで に出発して12時間がたち、睡眠不足もあって疲労はピークに達してきた。天候 もあやしくなってきたが、予定どおり持経の宿へ17時ちょうどに到着した。夜 より雨となる。
30日、5時30分、雨具を着て出発。佐田辻、7時35分。笠捨山は巻き 道の標識が現われたので思わず巻いてしまう。ところが、これが失敗で、か なりの時間をロスしてしまう。埋め合わせのためペースをあげる。
9時25分、地蔵岳を越え、一気に岩ノロまで下る。ここでやっと玉置山が見 えた。もう何も考えず、がむしやらに登る。登山道は、林道と幾度も交差して ややこしい。カッエ坂の登りは、最後の力をふりしぼり全力疾走する。11時 58分、玉置山の山頂に到着してゴールとなる。
今回の所要時間は、初日が13時間、2日目が6時間10分であった。
今度は、ぜひ、北アルプスでこのような山行を試みてみたい。
コース概念図