青い海と白い岩

――タイでのリゾート&クライミング――

高嶋 航

11.27 いつものように研究班が終わってから、関空へ向けて出発する。近くの銀林堂という本屋で暇つぶし用の本を購入。京阪、地下鉄、南海を乗り継いで午後10時すぎに関空についた。喉が乾いたと思って財布を見るとあともう2550円しかない。これでは空港税(2650円)が払えない!あわてて郵便局に行くもATMはすでに閉まっていた。本を読みながら内炭氏を待つ。午後11時に待ち合わせをしていたが、なかなか来ない。12時近くになってようやく現われた。彼が言うには、送迎会をしてもらって、近鉄に乗ったところ人身事故でダイヤが遅れ、南海の最終に間に合わずJRの最終にぎりぎりで滑りこんだらしい。送迎会をしてもらっておきながら最終に乗り遅れて帰ったではまったくの笑い話になるところだった。

11.28 バンコクには早朝に到着。プーケット行きの飛行機は4時間待たねばならない。機内でお粥を少し食べたものの、お腹がすいていたのでカフェテリアへ行って見る。ところが思ったよりも高い。これは空港内だから高いに違いない、きっと飛行機の中で何か食い物が出るに違いないからがまんしようということになった。職場の図書室のねえちゃんにもらったキットカットで空腹を紛らわす。意に反して機内ではジュースしか出ず、空腹を抱えながらプーケットに到着する。空港の外にもたいした店はなさそうで、ともかく目的地へ向かうことにする。空港内のカウンターでバスの値段を聞く。400バーツ(1バーツ=3.5円)。たしか200バーツくらいと聞いていたが…。時間を聞くと午後2時までないとのこと。あと3時間も待っていられない。じゃあタクシーはと聞くと2000バーツといわれた。高いと思ったが(実際は1000-1200バーツくらい)空腹のせいで思考がストップしており、早く行けば早く食い物にありつけるという一心でとにもかくにもタクシーに飛び乗った。売店で小さなパンとコーラを購入。2人で60バーツだ。バスだとKrabiというところまで行って、そこから50分ほど船に乗るとPhra Nangにつくのだが、タクシーの場合はAo Nangまで行くと船に乗る時間は15分程度ですむ。最初は気持ちよく景色を眺めていた。石灰岩の岩塔があちこちにあって、登攀意欲をいやがうえにもかきたてた。ところが1時間ほどたつと空腹のせいで、酔いはじめた。目をつぶったりして必死に吐き気を押さえる。その後の1時間がものすごく長く感じられた。Ao Nangについたときはもうふらふらだった。さらに熱帯の熱い空気が体を覆い、不快極まりない。早速食堂へかけこむ。やきめしとコーラで125バーツ。腹が満たされて俄然元気になる。青く美しい海岸が目の前にあった。近づくと大勢の人が集まってくる。船の客引きたちだ。元気になると値切る気も起きてきて100バーツを80バーツにしてもらいPhra Nangビーチへ。海から屹立する岩峰群をまわりこむと白い海岸が現われた。こうして僕たちはいきなりトップレス海岸に登場した。Sunriseバンガローの場所がわからず、右往左往していると、どこかで見た奴がいる。岡田くんだった。僕らは地図をしっかりと見てなかったのでわからなかったのだが、普通はRay Layビーチの方へ上陸するらしい。このPhra Nangビーチは五つ星ホテルのプライベートビーチ(ただし宿泊客以外でも入れるが…)ということだ。中野くんは?と聞くと下痢で寝ているらしい。前夜のシーフードで2人とも当たったという。また聞くところでは著名な女性クライマーであるあのLynn Hillが来ているという。当初の予定では1人1部屋ということだったが、ハイシーズンのため部屋がとれず2人で1部屋ということになった。ダブルベッドに男2人ずつで寝るわけである。ことに岡田&中野部屋は昨晩交互にトイレに行き、狭いベッドでうめきあっていたという。僕と内炭さんの部屋はSunriseではなくYa Yaというところにあって1晩450バーツ。先発の2人に蚊取り線香30巻とチョーク2袋を渡して、部屋に行き荷物を下ろして早速クライミングへ向かう。初心者の多いOne, Two, Threeエリアは人でごった返して登る気がしない。Diamond Caveエリアにむかった。海岸から少し奥に入ったところにあるのだが、林の中にいきなり象が現われてびっくりする。ボルトの打ってある岩場に到着したが、ルート図には載っていない。じっとしているとすぐに蚊が集まってくる。すぐに蚊取り線香をつける。難しさはわからないがとにかく登ってみる。石灰岩特有の様々な形状のホールドをつなげながら豪快にハングを越していく。5.10ノーマルくらいに感じた。ついでその横の前傾壁を登る。これも5.10ノーマルくらいだった。岡田くんは登らないというから、よっぽど体調が悪いのだろう。今日はこれで切り上げて、宿に戻ってシャワー(当然ながら水)を浴び、食事に行く。今日は豪華に行きたかったが中野くんと岡田くんはさすがに控えめだった。シーフードはもう食べたくないという2人を横目にシーフードのたっぷり入ったカレーを食べる。ビールもココナツジュースもおいしい。部屋に戻り蚊帳を張って寝た。

11.29 7時に目覚める。あ、いまタイに来ているんだとびっくりする。なんだかまだ夢の中のようだ。Ray Layビーチで朝食をとる。Australian Breakfast(フルーツ入りのシリアルとパン、目玉焼き、サラダ、ジュース)とコーヒー(計110バーツ)。青い空と青い海を眺めながらの朝食、なんて贅沢なんだろう。ちなみに中野くんは本日もバンガローで休息。砂浜を歩いてTon Saiエリアに向かう。砂浜のどんつきから山道を越え、その向こうの海岸に降り立つ。ここはどっかぶりの岩で難度は高い。まずTon Saiの手前のDum’s KitchenというところでPahn Taalod(6A=5.9-5.10a)でウォーミングアップをする。その後Ton Saiに移ってJust Dust(7B=5.12a)にトライする。しかしホールドが濡れており、2ピン目をクリップしたところで断念して降りる。ついでどっかぶりながら6A+(=5.10a-5.10b)というStalagasaurusへ。横にはなんとLynn Hillがいた。登る準備をしていると、Lynn Hillがいきなり水着に着替え始めた。しかも全く体を隠しもしないで。これには一同唖然。X氏は年甲斐も無く、もうこれで帰っても満足だと非常に喜んでいた。岡田くんは相変わらず登らないというので、内炭さんが登る。その後、横のBabes in Thailand(7A=5.11b-5.11c)が空いたので僕はそちらをトライする。かぶってはいるけれどもホールドは比較的大きく、ムーブもそれほどない、所謂「持久力オンリー」のルートだが、最後のガバを取りに行くところで力尽きた。オンサイトは逃したものの、もう一度トライすればいけそうだ。これを見ていた岡田くんがもう我慢できなくなったのだろう、トップロープで登るといいだした。しかし病後とあって、クライミングは冴えない。これで火がついたのか彼はTyrolean Wallエリアに移動してLonges Feschtl(6B+=5.10d)をリード。しかしオンサイトはならなかった。僕もトップロープでトライするが、先ほど力を使い果たしてしまっており、テンションをかけまくってようやく上までいった。内炭さんも同様だった。潮が引いたのでRay Layへは山道を通らずに海岸沿いを歩いて帰れた。やきめしとコーラ×2、それにやたら甘いパイナップルのデザート。昼からは休憩したかったが、The Keepへ向かう。ここは傾斜はそれほどないのだが、どのピッチも長い。最初にトライしたのは28m、ボルト13本というBabo Does Thailand(6C=5.11a)。まず岡田くんがオンサイト。内炭さんは2テン(2回テンションをかけた)。ついで僕がオンサイトする。下部のスラブムーブが核心で、そのあとは快適なガバを延々と辿って往く。下には青い海が広がり、ぐんぐん高度を上げて行くのが心地よい。徐々に元気を取り戻した岡田くんはついで左横のMedusa’s Lover(6C=5.11a)をオンサイト。カメラを引き上げて、僕が登る写真を取ってくれた。このルートは26mでボルトは9本。僕は2度ほどルートを間違えて行き詰まったものの、オンサイトした。宿に戻ると夕暮れ間近だった。中野くんもさそってRay Layビーチへ。ここで夕暮れを眺めながら海で泳いだ。宿に戻ってシャワーを浴び、Coco’sというレストランへ。中華料理風のカシュナッツと鶏の炒め物、シーフードいっぱいのトムヤムクン、ビール、ココナツラッシー、ミックスフルーツミルクシェークでしめて260バーツ。食べるのが怖いという中野くんはあいかわらずお粥だが、岡田くんは食欲が戻ってきた。

11.30 Ray Layで朝ご飯。ヨーグルトシリアル、トースト&エッグ、オレンジシェーク、コーヒー。店の人が40バーツの計算違いをして1人10バーツずつ還元。10時すぎに岩場へ向かう。今日いくLow Tide Wallは干潮の時しか歩いて行けない。船をチャーターしようとしたところ1人20バーツといわれて、止めた。One, Two, Threeエリアを過ぎ、調子よく歩いていたが、1箇所深いところがあって通過できなかった。じゃんけんで船を呼びに行こうかとか話していたが、手を振って呼んでみると、どうやらわれわれの動向を見守っていたらしく船がやってきた。岬を廻りこんだところに壁はあった。壁の前は砂浜だが、まだ誰もいない。これこそプライベートビーチだ。水着もかなぐり捨てて泳ぐ。ひとしきり泳いでからようやく岩を登ることにする。まずはもっとも見栄えのするLow Tide(6B=5.10b-5.10c)から。海に1台、砂浜に1台と計2台のカメラを配してから登る。最初はかぶっており、ピンが遠いがなんとかなった。あとは海をバックに快適&豪快なクライミングが20mにわたって続く。難を言えば暑いこと。南向きの岩場で熱帯の日差しをまともに浴びる。汗が噴出してくる。下りるやいなや海に飛び込んだ。継いで岡田くんが登るが、最初の部分が登れず一旦断念。そのうち外人パーティーがやってきた。中野くんはすいすいと登る。内炭さんは昨日で疲れたようで昼寝をしている。岡田くんは再トライで登りきった。その後は暑くて登る気がせず、海に入ったりぶらぶらしたりしていた。Hueco Wallを覗きにいくと、トップレスの女性が居たのはいいとして、まるでつららのような巨大なコルネが垂れ下がっていた。もちろん下は海。これは素晴らしい。Travel with the BludgeonBrothers(6A=5.9-5.10a)にまず岡田くんが挑んだ。壁から空中にぶら下がるコルネへと移る場面はしびれた。残念なのは写真をとるいい場所がなかったことだ。この快適な登攀を終えて再びLow Tideに戻り、海に入る。潮もだいぶ引いて、泳げるだけ深いところへいくにはかなり歩かねばならなかった。僕たちは深さ20cmくらいのところで寝転がった。海の水はあたたかく、まるで温泉にでも入っているかのようだった。天然の露天風呂、しかも後ろは岩、目の前は果てしなく広がる青い海。潮が満ちると歩いて帰れず、またここから船を呼ぶことは不可能なので、帰ることにした。あんなに深かった海だが、帰りは水につかることも無かった。2時過ぎ、遅まきながら昼ご飯とする。やきめし、やきそばにココナツシェークで140バーツ。店の人はまた計算間違いをしていた。しばらく休んでから、すぐにCoco’sで晩御飯。お腹はすいてなかったけど、だらだらと食った。シュリンプカレー、ココナツラッシー、ミックスフルーツシェーク、シーフードカバブ、バラクーダのステーキと食いまくる。中野くんはもよおして途中で宿に戻った。

12.1 朝早く起きすぎたので散歩する。Sunriseのバンガローによって、部屋に戻ってしばらくすると、「高嶋さん、ビレイしてください」と言って岡田くんが入ってきた。まじかよ…とか思いながら、仕方なく彼の「朝飯前クライミング」につきあった。結局レッドポイントはできなかった。朝飯を食べにRay Layのレストランへ行ってびっくり。メニューが替わっていたのだ。今日からハイシーズンで、軒並み値上げだ。たとえば中野くんご用達のお粥(コーヒー付)は30バーツだったのが50バーツに。Australian Breakfastは90バーツから120バーツへと。おまけにSunriseの宿泊代も上がっていた。なんてこった。フレンチトーストとシリアル、ジュースにコーヒーを頼む。内炭さんもどうやら下痢気味らしく、朝はお茶だけだった。今日はTon Saiのマルチピッチに挑む。僕と岡田くんは下痢の2人(「ピーピーズ」と名づけた)とはできるだけ組みたくなかった。というのも、途中でもよおされると困るからだった。岩の基部でグッパをすると、われわれの望みどおりにパーティーが分かれた。大笑い。とりつきを一度まちがえ、改めてスタート。もちろん、ピーピーズを先にやるわけにはいかず、僕らが先にスタートする。最初は木登りからテラスをトラバース。一応ロープを使ったものの、これはピッチ数には入っていない。Humanalityの1ピッチ目はまず岡田がリードした。ところがすぐにビレイ解除のコール。濡れていやらしい部分を越えて合流する。ひょっとしたらここからがスタートかもしれない。次のピッチは空中に垂れ下がる巨大なコルネを廻りこんで行く露出感満点のピッチ。6a+(=5.9-5.10a)だから難しくはない。登るに連れて海がどんどんと広がって行くのが気持ちいい。岩自体はやさしいので、景色をみながらクライミングを心行くまで楽しむことができる。終了点にて前のパーティーに追いつく。アメリカ人の夫婦だが、奥さんの方がむちゃくちゃへたくそで何回もテンションをかけている。彼女が核心を越えるのをテラスで待つ。そのうちピーピーズの2人も登ってきた。岡田くんが6B(5.10b-5.10c)をリードする。フォローして上がっていくと、彼女はまだ登っていなかった。話をしていると、次のピッチはものすごく“exposed”だと言われた。どうみてもスラブで、かつルートは右上しているので、スラブのトラバースかと思うとちょっといやな気がした。相変わらず海は美しい。下から人が手を振っているのに答える。彼女が見えなくなってから、登攀を開始する。6B+(=5.10d)だから大丈夫と心に言い聞かせる。すぐに彼女に追いついた。そして驚いた。空間に浮き出た巨大なコルネの下をトラバースしていくとばかり思っていたのだが、彼女はそのコルネに飛び移っていたのだ。ボルトはフェース沿いに打たれているので、彼女のムーブを見なかったらきっと苦労したに違いない。地上100mはあろうかというところで、岩に背を向けて危なげに空から垂れ下がるコルネに足を踏み出すのは勇気が必要である。しかもコルネまでは結構距離があるのだ。なかば空間に身を投げるかのように体を放り出す。緊張の一瞬だ。コルネを捕まえると、しばらくはコルネとフェースの間をのぼり、ついでコルネからまたフェースに戻るところが怖い。しかもフェースにはほとんどホールドなんてないのである。彼女でもいけたのだから、と気をとりなおして取りついてみると、意外に簡単だった。ピーピーズでは中野くんがずっとトップをやっていたが、彼はこの場所で詰まってしまい、テンションがかかってしまった。最後のピッチ(6B=5.10b-5.10c)、彼女は出だしでつまづき、僕らがあのホールドだ、次はこれだと教えてやってようやく登って行った。岡田くんがリードし、フォローして終了点についてみると、アメリカ人夫婦が下降の準備をしていた。これがまた動作がものすごく遅い。相手が日本語がわからないのをいいことに無茶無茶文句をいったが、どうしてあれほど非効率でかつ遅いのか、ぼくたちには理解できなかった。太陽がさしはじめ、気温が上昇してきた。それと追いかけっこをするように下降し、海に飛び込んだ。午後2時にまたしても遅い昼食。今回はしかしビール、コーラ、シーフードの炒め物、ご飯とセーブしておいた。午後はビーチで昼寝をしたり、本を読んだり、海でぷかぷか浮いていたりと気ままに過ごした。やっぱり晩はあまりお腹がすかなかったが、ビール、ココナツシェーク、トムヤムクン、ご飯、鶏の炒め物などを食べた。風がきつく寒気がしたので、最後は熱い紅茶まで飲んだ。岡田くんが最後に注文した焼肉は結構すごかった。しかし490バーツも払った彼はそのあとさかんに後悔していた。

12.2 「テーブルクロス」僕らはそう呼んでいた。Ray Layビーチで、僕らがいつも食べるレストランの隣にあるレストランで、派手なテーブルクロスが印象的だが、それだけに高そうで、近寄りがたかったのだ。朝は150バーツのバイキングということで、昨日挑むつもりだったが、ピーピーズの様子を見て割に合わないと判断して断念した。昨晩はテーブルにまで座りメニューを見たが、アルコールは一切ないということで断念した。そして今朝、もう僕らの滞在日数がわずかしかないことから、とうとうここへやってきたのである。僕と岡田くんは食いまくった。特にやきめしがうまかった。まるで「回転すし」の如く皿を重ねて行った。朝はゆっくりして、10時ころにPhra Nangビーチへ。ここで船をチャーターして、すぐ目の前にあるHappy Islandへ渡った。ところがまだ潮が高くて、とりつき付近は海の中だった。一旦荷物を置いて、Phra Nangビーチまで泳いだ。200mくらいはあったろうか。ここで潮の引くのを待つ。岡田くんはひまを持て余していたが、内炭さんは幸せそうだった。僕はもう我慢できなくなって、岡田くんと島へ戻った。潮がだいぶ引いていた。この日、残念だったのは、カメラの電池が切れてしまって写真が一枚もないことだ。それはともかくこれまで5.11aが最高グレードだったので、これでは日本へ帰れないとLand ofSmilesの1ピッチ目(7A=5.11b-5.11c)にトライした。このルートも非常に長く、25mでボルトが5本。核心は下部のかぶった部分だ。オンサイトを狙ったが、果たせなかった。核心の部分でいろいろなムーブを試して、ようやく遠いガバを取るムーブを発見、そのまま上へ抜けた。上部はスラブで、かなりランナウトし、怖い。次に食べ過ぎで気持ち悪いという岡田くんがトライ。中野くんもトライする。僕はもう一度核心部分だけをおさらいした。どうやら行けそうだったので、リードする。あっさり、余裕をもってのレッドポイントだった。内炭さんはその横のDon’t Worry Be Happy(6A=5.9-5.10a)へ。彼にとって久々のリードだ。潮がだいぶ引いた。帰りは膝がつからないくらいだった。岡田くんはThe Keepに行きたがったが、僕らは無視。代わりに彼が昨日の朝にトライしたMuai ThaiエリアのChicken Head(6C+=5.11b)にトライするが、フラッシュならず。その間、これまで全く精彩を欠いていた内炭さんがまずはMuai Thai(6B+=5.10d)、ついでPattica Samupade(6B+=5.10d)と狂ったようにオンサイトしはじめた。僕らもそれに触発されて、これらのルートをオンサイトした。中野くんがOne, Two, ThreeのQuartz(7B=5.12a)にトライするというので、ビレイしにいった。彼はここにいる間にこのルートを落とす気である。僕も前にトライしたが、かなりのフィンガーパワーを要し、自分に向いていないと判断し、取りついていない。そのうち雨が降ってきた。今日は最後の晩だ。Coco’sへ行こうと考えていたが、雨が止まないので、Ya Yaのレストランに変更する。するとホワイトボードに本日のスペシャルとしてKing Lobsterという文字が書かれているのが目に入った。早速Lobsterを見に行った。僕らの前に外人がいて、1匹しかいないLobsterを注文してしまうんではないかと心配したが、幸いにも彼らはバラクーダを注文したにとどまった。そのLobsterは100g=120バーツで、900gあったから1080バーツだった。こんなとき、僕らの口癖はジグザグで400円のコーヒーを飲むと思ったらこれくらい安いもんやということであった(あと、王将の定食も比較の対象になった)。さらにカニ3匹(40バーツ×3、中野くんは相変わらず食べない)を頼んだ。さらに個人的にグリーンカレー、ビール、ミックスフルーツシェーク、パパイアラッシーなどを頼んだ。Lobsterが焼きあがると、写真をとった。僕らは注目の的となった。ぷりぷりの肉が食っても食っても尽きない。さんざん食いまくった挙句、岡田くんはまたバラクーダを見に行った。彼はなんと600gも注文したのだ。すでに中野くんは下痢のため宿舎へ帰っていた。ホイル焼きにしたバラクーダを猫にあげたりしながら、なんとか食べきった。すでにレストランに入って2時間を軽く経過していた。これだけ食っても1人570バーツだった。(後日、内炭氏がロブスターの分を日本円で還元してくれた)

12.3 最後の朝は勿論「テーブルクロス」だ。ところが意外なことに焼き飯がなかった。これは非常にショックだった。このとき岡田くんはLynn Hillに話しかけられて、少し話をしたらしく、上機嫌だった。食事が終わると、荷物をまとめて出発した。中野くんも買いだしのため、Krabiまで同行した。よくよく考えてみると、今回はいきなりPhra Nangへ入ったので、Krabiは始めて訪れるタイの都市であった。いささかとまどいながら、バスの出発時間までぶらぶらする。250とふっかけてきたのを200バーツに負けさせたエアコンバスだが、エアコンはあまり効いていなかった。トイレ休憩をはさんで2時間半で空港に到着した。バンコクでは6時間ちかく待たねばならなかった。まずはレストランで最後の食事。いま思うにここで食べたタイ風サラダがよくなかったのだろう…。

12.4 大阪まであと1時間。朝食が出た。半分も食べないうちに、もよおしてきてトイレに駆け込む。下痢だ。ご飯は結局食べられず、パン、ヨーグルトなどを持ちかえる。関空でまたトイレ。JRで帰る内炭さんとここで別れる。ラピートを使おうと思ったけど、すぐにはない。急行の方が早く着くとのことで急行に乗る。堺あたりで、もよおしてきたが、なんとかしのいで難波に到着。ここでまたトイレに駆け込む。地下鉄は無難に過ごしたものの、トイレのない&京橋から七条まで止まらない京阪特急に乗る勇気が出ず、急行でのろのろ帰る。出町柳で叡山電車の出発を待っているときにまたピンチが訪れるが家までがんばった。そして家に帰るやいなやトイレに駆けこんだ。

後記 3日経った今も下痢はおさまらない。ピーピーズと馬鹿にしていた自分がこのさまだから情けない。ただ中野くんみたいにお腹が痛むわけでもないし、熱があるわけでもない。問題なのは、急にもよおしてきて、そして5分と我慢していられないことだ。明後日には中国へ旅立たねばならないが、こんな状態だと心配だ。早く治りますように…。

再後記 4日目、ようやくかたい「もの」がでた。昼は生協で日替わり定食を食べることができた。明日から中国=中華料理。またおいしい料理を食べまくるぞ!!!