鐃緒申鐃縮1鐃ス@鐃スs鐃緒申鐃スN鐃縮亀鐃銃ブ鐃緒申鐃ス[鐃夙僕
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  今夜はどうしても眠れない。
普段なら何時でも何処でも幾らでも眠れるのに。
理由なら判っている、仕事の所為だ!
明日はどうしても仕事が休めない。
元々は自分の仕事ではなかったのだけれど気が付いたら廻ってきていた。
皆が皆嫌がっていて上司までもが見て見ぬふりを決め込んでいる。
どうも僕は要領が悪いらしい。昔から鈍いと言われていたのだけど
これほど実感したことはなかったかもしれない。
何しろこの仕事は失敗すれば会社に大損害を与えてしまい、リストラの
対象に漏れなくなるらしい・・・。
勿論成功する可能性はほぼゼロとのことだ。
あぁ〜どうしよう〜やっと就職できたのに。
せめて明日のためにも早く眠らなけ・れ・・ば・・・・Zozozo

「おや?僕は眠ったのかな?」
パジャマ姿で何もない真っ白な空間で僕は一人呟いていた。
「おめでとーございます!!」
突然、ショッキングピンクの亀が二足歩行で僕へと近づきざま言った。
異様な光景だ。
バランスがとりにくいらしくフラフラ短い尻尾で支えて歩いていた。
とりあえず僕へとお祝いを述べているので理由を聞いてみることにした。
「そこのピンクの亀さん、何がおめでたいのですか?」
  すると亀は、よくぞ聴いてくれましたとばかりに目を輝かせ、
「何がおめでたいって?そりゃあもう、まず私自身以上におめでたいものはございませんよ!」
と、イキイキと答えた。
「何といっても『亀』ですからね。
昔から『鶴は千年、亀は万年』と申しまして、亀はめでたいものの象徴です!
しかも!見てくださいよ、このステキなカラー!!他にはちょっと居ませんよ!」
…確かに他には居ないだろうよ…。
僕は溜息混じりに、まだまだ続くいかにもめでたい亀の自慢話を聞き流していた。

僕は夢を見ているんだ…。自覚は有った。
冷静に分析するなら、この亀はもしかすると自分の憧れなのかも知れない。
僕は鈍い。亀はきっと鈍い僕自身の姿なのだろう。しかし、僕はここまで自分に自信を持つことは出来ない。こんな風になれたら、例え鈍い亀と他人に罵られようと幸せに生きていけるに違いないのに…。
そんなことを考えながら、同時に、まるで突然不思議の国に迷い込んでしまったかのようなメルヘンチックなこの夢の展開に、ちょっとした少女趣味を感じて愕然とした。
亀はまだしゃべり続けているが、よもや僕の耳には届いていなかった。
 
「はっ!」
ガバリっと勢いよく起きた僕は、どうして目が覚めたのかと
キョロキョロと辺りを見渡した。
どうやらいつの間にか眠りまだ薄暗いが朝を迎えたようだった。
普段ならゆっくりと目覚まし時計が鳴る前に徐々に覚醒するのに
まだ心臓がドキドキしている。なんて夢を見ていたのだろうか?
夢に道理を求めても仕方がないのだけど・・・。
やたらと疲れる夢だった。
ショッキングピンクの亀・・・。
「はぁ〜」
しかしそんな夢になんて係わっている暇は僕にはない!
今日はリストラの印籠を渡させる日になる予定なのだから。
どうせ辞めさせられるなら精一杯を果たして満足のいく状態で辞めたい。
よし!
と気合いを入れふと枕元を見ると・・・
「おや?もう朝ですかぁ〜おはようございます」
・・・亀が居た。
 

幻覚だ!!僕は幻覚を見てるんだ。夢の中の亀が何で現実の世界に
いるんだよ。きっと、仕事のストレスってやつさ。それで病気になって。
そのうち、緑色の鯨が空を泳いで太陽食っちまう幻を見るに違いないよ。
ああどうしよう、これから大事な仕事が待ってるっていうときに!!
その時、突然僕はめまいを覚えて倒れこんでしまった。普段こんな事はないのに。
多分、睡眠不足のせいだ。
「ぎゃっ!!」
僕のおなかの下で声がした。そして気が付いた。僕が、ピンクの亀の上に
倒れこんだことを。
僕は恐る恐る、身を持ち上げる。床には・・・・
「いない?!」
いないぞ!!あの幻が。これで仕事に集中できる。と、思ったのに!
「あー、びっくりした突然倒れるからさぁ。かんべんしてよぅ」
かっ亀が、僕のシャツの中で喋っている。この展開はもしや、なつかしのアニメ?
  僕は反射的に亀を指差し、大きく叫んでしまっていた。
「この瞬間、オマエの名前は『ピン吉』に決定!」
「えっ!?別に名前を付けるなとは言いませんが、それにしてももうちょっとセンスってものが…」
「うるさい!ピンクのピンなんだから、ピッタリじゃないか!!」
「何だか荒れてますネェ……何か嫌な事でもあったんですか?」
「……さてと、ずいぶん寝汗もかいたみたいだし……」
そして僕は、おもむろにそのシャツを脱ぐと、そのまま洗濯機に押し込んだ。
  〜〜うぉぉぉぉ〜〜ぶっっぶっぶ・・ぶ・・・ぶ・・・・〜〜〜
目・・・が・廻るぅぅぅ〜

「気のせいだ!何も聞こえない聞こえない」
そうブツブツと言いながらも僕は仕事の用意をしつつ
パンをトースターへ突っ込んだ。
急がなくては!遅れる訳にはいかないんだぁー!

バタバタバター

ボタボタボター

「っえ?ボタボタ!?」
恐る恐る僕は不思議な音の否、聞いた事はあるが今は聞きたくなかった
音が聞こえる方へ目を向けるとそこには・・・(涙)



 
やっぱりピンクの亀がいた。はぁー、
洗濯機の威力か、シャツからは分離され
今は、口を尖らせ仁王立ちになり僕をにらみつ
けていた。全身を泡だらけにして。
ひどいじゃない!って訴えてる。
はぁぁ、これが亀じゃなく可愛い女の子かあるいは
可愛い??子だったら、今すぐ飛びつくのに。
(妄想中・・・・)
「なんだ、形なんて重要じゃないよ。大切なのは、
 魂だから。姿なんていくらでも変えられるよ。」
ピンクの亀はなおも語る。まるで呪文のように・・・
「あなたの望むままに」
僕の望む姿はこれだ!!

 
………これだ!!…って…、
確かに女のこの方がいいって思った。それは認める。認めよう。
しかし、そこに現れたのは、黒瞳がちで、まつげが長くて、パッチリとした瞳の可愛い
頭に赤いリボンと全身をフリルで着飾った、「ピンクの亀(女の子バージョン)」だった…。
………やっぱり、結局「ピンクの亀」なんじゃん………(泣)
「だから言ったじゃないですか。要は心なんですよ!ハートです!ソウルです!魂ですよ!!」
「わかった……。わかったから、とりあえず元の姿に戻ってくれ。その方がマシっぽい……」
僕は痛切に感じた。こんなヤツに少しでも期待した自分が間違っていたのだと。
「なんかもう、どうでもよくなってきたなぁ…。さっさと会社行って、全てにケリつけてくるか…」
僕の中で、何かが吹っ切れたような気がして、僕は破滅の待つ会社へと向かうことにした。
 
スーツの胸ポケットにピンクの亀を忍ばせ、僕は歩いて会社に向かった。ポケットの中で揺られて亀は酔いそうだと愚痴をもらしているが知るものか。会社に連れて行けと懇願したのは亀のほうなのだから、これくらいは我慢すべきだろう。それにしても、やっぱりあの取引がうまくいくとは思えない。やはり僕はリストラされるのか??
「はぁー。やだなぁ・・・・」
出るのはため息ばかり。空も鉛色で今にも雨が降りそうだ。よく見ると道ですれ違う人はたいてい傘を持っていた。そしてやっぱり降り出した。ほんとついてない。傘も無い、未来もない、ポケットには亀・・
僕はカバンで雨をよけながら会社に向かう。そして会社が見えてきたちょうどその時、一台の高級車が僕の横に止まった。そしてドアが開き降り立った人物を見て僕は驚いた。
「よお、久しぶりやなぁ」
男は僕を見るとにっと笑って近づく。整った綺麗な顔なのにこの粗野な笑顔でいっぺんに男くさくなる。高校の頃と少しも変わらない。彼と僕は学生時代一番の親友だったが、いろいろとあり卒業以来一度も会ったことがなかった。僕は彼との間での出来事を思い出し、少し胸が痛みどんな顔をしたらいいのか分からなくて、うつむきありきたりな挨拶を交わすにとどまった。
「ちょっと話あるんやけど、ええか?車乗ってくれや」
「えっ、でも会社が・・・」
なんだこの唐突な展開は、会社はどうしよう?話って何??
僕はどうしたらいいんだ!!亀さん答えてくれー!


 
僕は迷った。…しかし、あまりゆっくり考えている時間は無かった。

だから僕は決めた。どうせ会社に行っても苦しんだあげくにクビになるだけ…。
クビという、サラリーマンにとって一番ムゴイ現実は、すでに僕に突きつけられたも同然だ。
これ以上、上司に何をどう怒られようが恐いものは無い。
クビになったら、その上司の縁も切れるわけだし…。

ならば、彼からいつまでも逃げていないで、いっそこの機に今までのわだかまりをとく方が、実りが多いように思えた。
彼がどんな話をしようとしているのかは解からない。
もしかしたら今より酷く悩まされることになるかもしれない。
でも、そうじゃないかもしれない。
そして、これは彼との仲を再び取り戻すための、最後のチャンスなのかも知れないとも思えた。

だから僕は、勇気を出して彼に答えた。
「ああ、うん、少しぐらいなら大丈夫…」(←ダメだ!僕は何て消極的なんだ(泣笑))
 
「少しぐらいねぇ?・・相変わらずな物言いやな」
彼は少し笑うとさっさと車に乗り込んだ。

ちょっとだけなら・・・少しなら・・僕の学生時分からの口癖。
僕はいつもこうやって予防線を張っていたような気がする。
世間からも彼からも。
相変わらずな僕を見て彼は呆れたのかもしれない。
僕はそんなことを考えながら彼の車に乗り込んだ。
助手席のシートからかすかに女物の香水の香りがした。
彼女のものだろうか?
車はゆっくりと走りだす。
「あまり遠くには行かないでくれよ。会社から離れすぎるのは・・」
「安心せえや。送り狼にはならんから」
??あまり会話が成立しているとは思えないが、とにかく僕は
彼と話をすることにした。


  「実はやなぁ〜、お前にええ話があるんやけど乗らんか?」
突然連れ込まれた(?)ホテルの一室で僕はお茶を入れながら聞いていた。
いったい何故僕はこんな所でお茶なんて入れているんだ?
「はい。入ったよお茶」
僕は彼にお茶を差し出して彼の前のソファーへ座った。
一応聞く体制を取った僕に…
 
「お前って会社に忠誠誓うタイプと違うよなぁ?」
「なっ、なんだよいきなり」
彼は突然僕の腕を掴んで引き寄せると、そっと耳元で囁いた。
誰にも聞かれたくない話なのか、それとも単なる気まぐれなのか
僕の肩を抱きこみさらに声をひそめて続けた。
「ピンクの亀って知ってるか?」
「えっ、ぴっ・・??」
「お前の会社なあ、裏で武器の密売してるって知ってたか?」
武器??僕は、突飛な話の展開について行けず唖然とした。
彼は、そんな僕の様子ににやりと笑うと突然僕から身を離す。
「ピンクの亀ってのは武器の名前らしいで。詳しい事は分からん
から、お前に探り入れてもらいたいんやが?」
「ぼくに??なんで・・・」
「モラルに欠けた人物で、武器開発のキーマンらしい宮田と
親しい関係にあるのはお前ぐらいやからなあ」
過去モラルに欠けた行為を僕にさせていたのはお前じゃないか!
僕は、いらいらしつつも彼の提案を選択肢のひとつに置いた。
そして僕は・・・

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