伝言板 


ぶどうの好きな言葉・詩集などです。あなたの心にもどうぞ...。

 あいだ みつを
相田 みつを 「ただいるだけで」(にんげんだもの)より
あなたがそこに ただいるだけで その場の空気が あかるくなる
あなただそこに ただいるだけで みんなのこころが やすらぐ
そんなあなたに わたしも なりたい

     こうふくろん
アランの幸福論より
人間は 幸福に目を向けると 幸福になれる
不幸に目を向けると 不幸になれる

 かねこ みすず
金子 みすゞ
 「わたしと小鳥とすずと」(金子みすゞ童謡集)より
わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、地面(じべた)をはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、きれいな音ではないけれど、
あの鳴るすずはわたしのように、たくさんなうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。

 なかはら ちゅうや
中原 中也
 「生ひ立ちの歌」
幼少時 私の上に降る雪は 真綿のやうでありました
 少年時 私の上に降る雪は 霙(みぞれ)のやうでありました
 十七〜十九 私の上に降る雪は 霰(あられ)のやうに散りました
 二十〜二十二 私の上に降る雪は 雹(ひょう)であるかと思はれた
 二十三 私の上に降る雪は ひどい吹雪とみえました
 二十四 私の上に降る雪は いとしめやかになりました……

私の上に降る雪は 花びらのやうに降つてきます
 薪の燃える音もして 凍える空の黝む頃
 私の上に降る雪は いとなよびかになつかしく 手を差し伸べて降りました
 私の上に降る雪は 熱い額に落ちもくる 涙のやうでもありました
 私の上に降る雪は いとねんごろに感謝して、神様に長生きしたいと祈りました
 私の上に降る雪は いと貞潔でありました

 あいだ みつを
相田 みつを
 「トマトとメロン」(にんげんだもの)より
トマトにねぇ いくら肥料をやったてさ メロンにはならねんだなぁ
トマトとね メロンをね いくら比べたって しょうがねんだなぁ
トマトよりメロンのほうが高級だ なんて思っているのは 人間だけだね
それも欲のふかい人間だけだな

トマトもね メロンもね 当事者同士は 比べも競争もしてねんだな
トマトはトマトのいのちを 精一杯生きていいるだけ
メロンはメロンのいのちを いのちいっぱいに 生きているだけ
トマトもメロンも それぞれに 自分のいのちを
百点満点に生きているんだよ

トマトとメロンをね 二つ並べて比べたり
競争させたりしているのは そろばん片手の人間だけ
当事者にしてみれば いいめいわくのこと

「メロンになれ メロンになれ カッコいいメロンになれ!!
金のいっぱいできるメロンになれ!!」
と尻ひっぱたかれて ノイローゼになったり やけんぱちで
暴れたりしているトマトが いっぱいいるんじゃないかなぁ