【総括】
「マリア様がみてる」競作短編、いかがでしたでしょうか?
この企画、そもそもがチャットで冗談半分に口したことから、いつの間にかはじまってしまったものです。
かくいう私自身も、本当に書くことになるなど想像もしてませんでした。
でも、なかなかどうして、やりはじめてしまえば楽しく書き上げることはできました。少なくとも私は(笑)
原作のファンとしてうまくこの世界を表現できるかという不安もあったのですが、書いているうちに自然と気にはならなくもなってきましたしね。
その結果としては仕上がったのが、ああいう作品なのですが、あれが正しかったのかどうかは読者さまの判断にお任せいたしましょう。
ただ、今回は各担当者とも良い作品を書いてくれたと思います。
マスカさん担当の黄薔薇の話は、原作ではあまり一緒のエピソードのない黄薔薇三姉妹たちの関係がえがかれています。原作ではありそうでなかったネタでもあるだけに、ある意味では新鮮なものを感じさせてくれます。
隻眼の道化師さん担当の白薔薇の話は、あまり白薔薇に限定しているという感じではありませんが、原作にある心地よくも楽しい雰囲気が出ているように感じました。
そして私、滝沢沙絵が担当した紅薔薇の話は、本作あとがきでも書いた通り少し掟破り。
でも、それぞれの担当ともに言えるのは、ちゃんとそれぞれの持つ「マリア様がみてる」という世界がえがかれているということ。
単純に原作の雰囲気を再現するのではなく、各担当ともそれぞれ“こうあってほしい”という書き手の思いが作品にこめているように思いませんか?
少なくともそういう部分こそは二次創作の醍醐味でもあり、今回の企画においては良い意味でそれが引き出せたのではないかと感じております。
なにはともあれ、こんなふうに様々な思いを馳せれる作品というのは素晴らしいものがあります。
魅力的な原作を書いて、私たちをこんなにも楽しませてくれている今野緒雪先生にはホント感謝したいですね。
もし、原作を未読の方がいましたら、そちらも是非読んでみて欲しいです。
今回の私たちの競作短編を通じ、「マリア様がみてる」という世界をもっと楽しんでいただけたら、同じファンとしてそれに勝るものはありません。
文責:滝沢沙絵