20セルシオ前期 ナビコンピューター移植
                 企画・施工・レポート / CS_O さん

この画面は10系セルシオのマルチの写真です。
10系マルチ付きにお乗りの方ならすぐにお気付きになられるかもしれませんが。メニュー画面に航続可能距離・CDCRAFT・軌跡表示・自動再探索・フロントワイド等々が表示されています。
これらすべて作動し、またタッチパネルも表示部分でちゃんと次ぎの画面に次ジャンプします。
以下、10系セルシオへの20前期ナビコンピューター取り付けレポートに・・・・・

今回の移植に関してはすべて(企画・施工・レポート )CS_O さんにお任せいたしました。
この場をお借りしてCS_Oさんにお礼申し上げます。
『ありがとうございました』

★取り付け加工に必要な部品
・20前期ナビゲーションコンピュータ
・20前期ナビゲーションレシーバ
・20前期CD−ROMプレーヤ
・各機能部品に差し込むコネクター類
中古で入手する場合は配線付きコネクターを入手された方がなにかと便利との事です。今回の移植用部品全ては中古で入手しました。

★まずはじめに、取り付けまでの経緯・・・・
2002年トヨタ純正ナビディスクが10月発売、しかも価格が半額!!と言う当HPの掲示板でのミスターセルサスさんの書き込み、意気揚々とトヨタのHPを見て10系のナビディスクを探したのですが、なな、なんと・・・・10系用のディスクのみ定価変わらずしかもバージョンは99年のまま、『それってトヨタから見捨てられた訳』とかなり凹んでしまいました。
時期を同じくして、当HPでもお馴染みのCS_Oさんが20後期のDVDナビ付き事故車を部品取りとして入手され、DVDナビを20前期に移植すると言う計画を進行されていたのですが、残念さがらシステムの移植は無理と判明しました。移植加工にむけて、10系・20系前期・後期のナビの相違を調べられていたCS_Oさんから、書き込みを見て下記のようなメールをいただきました。
『諦めるのは、まだ早い?』
今回、7インチワイド化計画で、EMVの互換性をすべて調べた結果の副産物があります、それは、「20系前期と10系後期のEMVに互換性有り!」なんです、僕の考えでは、マルチディスプレイを10系のまま使い、ナビゲーションECUと、ナビゲーションレシーバと、CD−ROMプレーヤーを20系前期でいくと言う訳です、問題のエアコン操作は、どうやら「OK」みたいですねえ(推測ですが…)、通信は、TX+とTX−だけで、エアコン信号も20系前期と同様に、直接EMVディスプレイに入力しています。配線図上の信号のやり取りは、ほとんど同じでした、ただ、細かい事を言うと、20系前期のECUを使うので、10系に装備のメンテナンス画面と方位画面は無くなりますね、そうそう、でもオーディオについては、まず問題ないと思います、最新ROMが ’99年で打ち切りの10系EMVから、一足飛びに20前期最終のEMVに変更してみますか?
以上、悪のささやき「上級編」でした。

まさに、『史上最強の悪の囁き上級編』です。このメールを見た私はもう感激以外のなにものでもなく、早速部品ゲットにのりだしました。そこで以前20前期ナビコンピューターを前期最終ユーロ仕様に交換されたミスターセルサスさんに連絡をとり、部品を譲ってもらう事になり今回の取り付けになりました。この取り付けの前のした準備の調査はプロであるCS_Oさんが綿密に調べ、部品の確保と加工方法など万全の体制で望んだのは言うまでもありません。

取り替えた部分は赤の部分です。

*GPSアンテナは20系は1系統のみなのでフロントを使用しています。         
*CD-CRAFTを作動させるようにするためには20前期のCDチェンジャーが必要になります。
*TVキャンセラーは20系前期型のものが必要になります。               


               参考までに品番を書いておきます。
             ●ナビゲーションコンピュータ

車 型

対応年式

品 番

10系ナビから見た機能アップ

10系・後期

9208-9410

86112-50010

20系・前期

9410-9511

86112-50020
政令指定都市のNTTタウンページ情報・番地表示・探索時間の短縮等

20系・前期(中期)

9511-9608

86112-50030
フロントワイド・ヘディングアップ・軌跡表示の追加

20系・前期(ユーロ)

9608-9707

86112-50040
到達予想時刻・VICS対応

※今回移植した部品の品番です。
・マルチディスレイコンピュータ全品番ともに ¥363,000

●ナビゲーションレシーバ

車 型

対応年式

品 番

10系・後期

9208-9410

86851-50010

20系・前期

9410-9608

86851-50020

※今回移植した部品の品番です。
・20系ナビゲーションレシーバー ¥108,000
 
※9608以降はナビゲーションコンピュータと一体になっています。

●CD−ROMプレーヤ

車 型

対応年式

品 番

10系・後期

9208-9410

86871-50010

20系・前期

9410-9511

86871-50020

20系・前期(中期)

9511-9608

86871-50030

20系・前期
(ユーロ・後期のCDタイプ)

9608-9807

86871-50040

※今回移植した部品の品番です。
・CD−ROMプレーヤ全品番ともに    ¥160,000
★CS_Oさんの見解では20前期最終のユーロバージョンはFM多重の絡みで、
  10系への移植はむかないのでは??と言う事です。

ディスクプレーヤマガジン

車 型

対応年式

品 番

20系・前期

9410-9511

86273-50040

20系・前期(中期)

9511-9608

86273-30020

20系・前期
(ユーロ・後期のCDタイプ)

9608-9807

86273-30020

※今回移植した部品の品番です。
・ディスクプレーヤマガジン全品番ともに   ¥4,400
最後にマガジンの品番は20系初期型だけセルシオ専用設計のようで
  95/11〜98/08(ユーロ以降)は共通のようです。

※試しに目的地検索をやてみましょ〜う!!


1.奈良県にある近鉄桜井駅周辺からの探索です。
 目的地は大阪府阿倍野区にします。

2.この画面で大阪市を選んで大阪市をタッチします。
 20系からは政令指定都市は都道府県の他に市の
 表示がでます。

3.阿倍野区にタッチします。

4.例では阿倍野区周辺をタッチしました。

5.800mの地図がでてきました。

6.設定がやりにくいので詳細図を出す事に・・・
 ここで20系ナビの進化が見られます。切り替え時間
 が非常に早いです。

7.20系ナビは画面スクロールも10系よりストレス
 なく変化します。
 (ただ最新のに比べると20系と言えど・・・)

8.設定は終了するとこのような画面がでてきます。

9.探索中画面は10系と同じです。
 でも速度は2倍程早いです。

10.探索終了ですが、試しにルート変更してみます。

11.10系には無い画面です。

12.上記表示と違うルートになったのが、お分り
  いただけると思います。

13.10系には無い案内道路一覧です。

14.試しに周辺地図だしてみました。
以上で探索終了です。
20系オーナーの方は全然感動もないと思いますが、10系オーナーにとっては感動モノです。
全体的に10系からの操作から比べると、タッチの回数が減った事とストレス無しに次ぎの操作にいける事、探索時間の短縮等、機能アップされています。
ちなみに今回の20ナビ部品は、前期の2型いわゆる中期と呼ばれる型です。

★移植に関する概要
マルチディスプレイ(EMV)は、ナビゲーションとオーディオ(TVも含む)と、エアコンの管理を行っています。この管理は、マルチメディアECU(ナビゲーションコンピュータ)で行い、各状態をEMVで表示させています。今回の移植は、ナビゲーションに関する部分のみの移植を行いました。交換部品は、ナビゲーションコンピュータ、ナビゲーションレシーバ、CD−ROMプレーヤの3点です。20系前期のEMVには、MPXボディーECUの管理が介入しておらず、10系とほぼ同じ構成になっています。
相違で見ると、10系 → 20系で廃止になったのは、メンテナンス画面と前回表示地図画面復帰で、20系から追加されたのは、ヘディングアップ、フロントワイド、軌跡表示、自動再探索、販売店検索等のサーチ情報の拡大です。しかしながら、20系ECUを使うために、オーディオ画面ではDSP等の表示が無くなり、エアコン画面では後席優先暖房の表示が無いなど不具合は出ます。
でもこれは、表示上の問題で、従来のボタン位置をタッチすれば動作します。
では移植に関する手順ですが、まず10系と20系では、各ECUのコネクター形状及び並びも異なりますので、このコネクター変換から行いました。一応、完全にもとの状態(10系ナビ)に戻せるように、既存のハーネスに、20系ECU用コネクターを枝割り変換する方法で行いました。
変換したハーネスの本数は、トータル58本で、ステアリングセンサー信号、マグネチックフィールドセンサー信号、左右輪回転信号、車両情報信号、マルチディスプレイ用RGB出力信号、オーディオ ⇔ TVチューナー ⇔ ナビゲーションレシーバ ⇔ CD−ROMプレーヤ⇔ エアコンECU ⇔ EMV−ECU ⇔ EMV ディスプレイ⇔ 後席コントロールSW間のBUS通信信号(TX+&TX−)などです。次に、ナビゲーションコンピュータとCD−ROMプレーヤの設置場所は、当然加工が必用でしたが、既存の各ECU設置場所に何とか納めました。最後に、GPSアンテナですが、10系では前後2個のアンテナを使用していますが、20系では1系統のみの使用の為、今回はフロントのアンテナを使ってみました。

             ユ
CD−ROMプレーヤを加工して元の位置に・・・・
今回の加工で配線等は理論上で計算できる範囲なのですが、実は配線後の処理に苦労しました。10系はスペースがあまりなく、元の位置に納めるのに非常に苦労しました。さりげに純正風・・・でも苦労の固まりです。
             ヨ
             ユ
ナビゲーションコンピュータ、ナビゲーションレシーバです。これもブラケット類の現物加工し元の位置へ、あと上に載っているのが20系のTVキットです。ここもトランクアームの逃げと配線の長さのバランスで取り付けに苦労しました。
          
             ヨ


*マルチ画面は、はめ込み合成です(笑)
20マルチ移植にともない、操作スイッチで不要になるスイッチが出てきました。
そのスイッチはメニューの下にある地図ボタンです。

あまった部分をどう活用するかお楽しみに!!
現在なにに利用するか検討中です・・・・

その他
20系より後座優先ヒーターは無くなったので、右の画面と見比べていただいてお分かりいただけると思いますが、微妙にスイッチの位置が異なります。 10系後期専用装備の後座優先ヒーターが画面に出ています。
ちなみにリアエアコンは20の画面でもちゃんと作動しました。
ガジンに4枚しかCD入っていないので、画面には4枚分の絵しか出ていません。この部分も配置は同じなんですが微妙に位置が異なります。 10系の画面です。この画面は20前期になっても同じレイアウトみたいです。
システムの最大の違いはDSPの有無です。画面のスイッチ配置が全然異なります。ただ機能はちゃんと作動するのですが、画面を司るコンピューターが20前期のものなので、絵は20用のものが出て機能は10系となんとも奇妙な組み合わせとなっています。 20系前期本来のイコライザーの絵です。本来10系後期には左下のようなDSPをイコライズする画面なんですが、10系オーディオに20系のマルチ画面制御なのでいたしかたない部分ですが・・・
上部の2枚写真の部分は、10系の画面では左の写真のような画面です。
システムを入れ替えと同時に失ったものはこの情報画面にあるメンテナンス画面です。20系前期からは無くなっています。
タイヤ・オイル・フィルターなど普段忘れがちなものをメモできるので便利だったのですが・・・・ナビの機能アップにはしょうがありません。


夜画面


昼画面

★無事完成して・・・・
あくまで理論上でしか動作確認出来ていなかったので、チョット自信がない部分もあり、実際にちゃんと動作した時は感動的でしたねえ。苦労した点は、イイ意味ほとんど有りませんでしたが、根気の要る作業でしたね、長時間… 前かがみの姿勢は、かなりキツいものでした。そうそう、試運転で発覚した配線ミスも、無事修整出来て良かったでした。


●作業時間 ※CS_Oさんに取り付け依頼しました 
●取り付け難易度 ★★★★★
●満足度 ★★★★★ 
●コメント ホント長時間に渡る移植手術、朝10時にスタートして途中休憩などを行いながらですが、ほぼ1日ぶっ通おしで行われたCS_Oさんの気力と体力にはびっくりです。作業を終えて試運転を終えた時はすでに次ぎの日の夜明けを迎えていました。長時間にわたる作業お疲れ様でした。最後にCS_Oさんの名言!!『わずかな可能性が、夢を現実に変えるんですよネ』まさにその通りです。セルシオを熟知した観点からの発想、さすがはプロと唸らされました。
肝心の取り付け後の感想ですが、一部画面表示には不具合がでていますが、機能上なんら問題がないのでかなり満足しています。トヨタが見捨てた10系のナビを20前期の部品とハイブリッド制御する事により、使い勝手と機能向上を手にする事ができました。そうそうこの交換でナビソフトを最新バージョンを入れる事が出来るようになりました。
お金ためて20系前期用ナビソフト買うぞ〜!!