FREEDOMにおこしいただきありがとうございます。
ささやかですが、健くんの日常話にお付き合いください。
感想もいただければ大喜びです☆

「なんかわかるな。健が剛くん好きって気持ち。」

隣りで雑誌を読んでいた彼女がそんなことを言った。

「でしょ?剛いいでしょ?」

普段あんまり俺の仕事に干渉してこない彼女が、

たまにメンバーのこととか、

番組とか舞台の話をすると少しうれしい。

俺が今日はこんなことしたあんなことしたとか、

あーでもないこーでもないと伝えてたから、

話は聞いてくれてると思うけど、

こうやって自発的に言われるとすごくうれしくて、

思わず声が弾んだ。

照れくさいんだけどさ。

「うん。とってもかっこいいね。」

そんなかわいい笑顔を俺に向けてくれる。

うれしいなぁ。

幸せだなぁ。

かわいいなぁ。

って、あれ?なんか違うくない?

もう一度雑誌に目を落とした彼女を見ると、

うんうん、って、頷いてる。

剛のページを見て。

「どこらへんがよかったの?」

少し空いていた距離を縮めて雑誌を覗きこむと、

彼女は少しびくって逃げた気がした。

え。

かっこいいってそういうこと?

俺今、剛に負けてる?


「こ、ここなんだけど。」

身をひいた罪悪感からか少し声が逃げていた気がした。

なんだよ。

「ああ・・・これ。」

進路の話をしたとかの記事で、

俺もこの剛の記事、いいなぁって思ってたんだ。

なんだよ。

勝てないよ。こんなの。

「でも、健もいいよね。私今の髪型好きだな。」

悪気はないんだろうな。

褒めてくれるのうれしいし。

でも、外見を褒められる俺と、

内面を褒められる剛と。

どっちがいいかって言われると、

やっぱり剛だと思う。

悔しい。

大好きな人の1番は、ずっと俺でありたいのに。

子供みたいだけど、彼女の持ってた雑誌を取り上げて、

彼女の視界に入らないように後ろに隠す。

そして、行き場に困ってた手をしっかり取って目を見て告げる。

「かよこにとって、剛って何?」

「え?突然何?」

「好き?」

回りくどい質問なんていらない。

聞きたい気持ちはそれだけ。

少し顔を赤くした彼女の顔が、もっと赤くなった気がした。

「健が剛くん好きなのと、同じ感じの好きじゃないかな。」

はにかんでそう言われた。

 
俺と同じ?

それって結構上位じゃん!

ダメだよ。

かよこは俺だけ見てればいいんだから。

「それってものすごく好きってことじゃん!ダメだよそんなの。」

って握った手を咄嗟に上下に振ってしまって、

おもちゃをとりあげられた子供みたいな行動してた。

ハッと気付いて手を放し、

「ごめん。」

って、自分でもわかるくらいの悲しい声が聞こえた。

「そんな上位なわけ?」

しゅんとしてしまった俺に、少しムッとしたようなかよこの声。

「だって一緒って言ったじゃん。」

「健がそんなに剛くん好きだなんて思ってなかったんだもん。」

って、俯いてしまった。

そういえば前に「井ノ原くんと最近よく出かけるね」

って話をしていた気がした。

「舞台、また井ノ原くんと一緒に言ったの?」って。

「剛くんの舞台、3回も行ったんだって?」

思えばよく言ってた気がする。

それは、俺が気付かなかっただけで、

大事なサイン。

男友達同士なんて妬かないって思うのに、

メンバーなら尚更って思うけど、

女心はわからない。

だけど。

「なんか、ヤダ。」

少しむくれちゃったかよこはとてもかわいくて、

フイって俺に背を向けてきた。

「男だよ?メンバーだし。」

だって、そうじゃん。

そんな色めいた感情なんて湧くわけないし。

「でも、ヤダ。」

人の背中って俺すごく好き。

なんだか抱き締めたくなるから。

「好きだよ。ちゃんと。」

腕の中にしっかり閉じ込めて、

耳元で伝えてみると、さっきと同じ。

またビクって跳ねた。

そうか。

さっきのは逃げたわけじゃなかったんだ。

そう思うと楽しくなって、彼女の耳にいっぱい口付ける。

イチイチ身を竦めたり、いろんな反応をしてくれるから、

やっぱり飽きない。

「俺、好きだよ。いーっちばん好き。」

ちゃんと伝えれば、ちゃんと笑顔で返してくれる。

うれしいなぁって思う。

彼女が隣りにいることが。

幸せだなぁって思う。

俺を好きでいてくれる、かわいい彼女。

こういうのは、大歓迎かも。