なーんか実感ないんだよなー。

最近の仕事はハードだった。

別に、それが嫌っていうわけじゃなくて、仕事って好きだし。

けど、イキナリオフになったらなったで、ちょっと気持ち悪い。

今日って休みなんだよねー。

ほんとかなー?

なんか変な感じ。

ま、いっか。

なにしよっかなー?

そう考えているとブルーが走って来た。

「うぉっっっ。」

思わず声がでちゃうような見事な乗っかかりだった。

・・・重い。

「もーそっちいっちゃダメでしょ?」

ん?

声の主はだった。

「あれ・・・いたんだ。」

しまった、これって毒?

「ちょっといたんだはないでしょ?いたわよ、ずっとさっきから。」

そういやさっき電話かかってたんだっけ。

今から来てもいいかって。

忘れてたよ。

「なにやってんの?」

がJを抱きながら俺に声をかける。

「別に。」

「そう。あ、ねぇ。」

「なに?」

「ドッグフードってどこにあるの?」

「え??」

「ご飯の時間でしょ?」

時計をみるともうお昼時。

おや?俺今日何時に起きたっけ?10時くらいだっけ?

ウソ、そんなに悩んでたわけ?

バカじゃん。

「ほら、早く行こうよ。お腹空いちゃったよ。」

そんなことをいうからついついからかいたくなっちゃう。

「なに?はドッグフード食べんの?」

「・・・なにいってんのよ。それは健でしょ。三宅犬。」

「なっ・・・」

見事に返されてしまった。

「だーれが犬だよ、このやろーっっ。」

がおーとかいいながら追いかけてると、俺ってマジで犬みてーって普通に考えてしまう。

っていうかここって俺とと2匹の犬しかいないわけでしょ?

なんでこんなにうるさいんだろ。

「けん早くーっ。」

・・・ま、いっか。

「フライパンきれいだね。」

は俺達の昼ご飯を作る。

俺は2匹の犬のエサの準備をする。

その空間が妙に自然だった。

「ちゃんと洗ってるからね。誰かさんと違って。」

「・・あたしだって、ちゃんと洗ってるもんっ。」

「はいはい。で、なに作んの?」

「秘密。」

秘密ってさー・・別に隠すことでもなんでもないんじゃ・・・。

「今日ってさ、お休みだったの?」

カラン。

あれ、これって最後の1つ?

もー終わりかなー?

そう思って袋の中を覗き込んでみる。

「そ。めずらしくオフの日なの。」

なくなっちゃった。

買いに行かなきゃ。

「1日?」

「そ、1日。めったにないっしょ?こんな日。」

「ウソー、オフなの?じゃぁ外食しよーよー。」

え、なんかめんどくさい。

「お前が作りたくないだけじゃないの?」

「違うよー。行きたいとこがあんの。健ぜーったいおいしいって言うよ?」

ふむ。

ま、たまにはワガママ聞いてあげなくちゃね。

「じゃぁ、準備しますか。」

やったーなんて、子供のように喜ぶ彼女を見ていたら、なぜかイイコトをした気分。

すると彼女の携帯が鳴った。

「・・・どうしよ。」

画面を見た彼女が焦ってる。

「なに?」

「え・・なんか・・またかかってきて・・・」

それは、彼女のストーカーってやつ。っていうか元カレってやつ?

「出なくていいじゃん。」

はっきり言う俺に対して、

「だって、出なかったらまたかかってくるもん。」

その声で着信は途切れた。

案の定もう一回かかってきた。

「携帯ちょーだい。」

「え?」

そういうヤツにはガツンと言ってやらなきゃさ。

俺だって子供じゃないんだから、それくらい言えるよ。

「もしもし、?」

「もしもし。」

相手が男の声だってわかると「誰だ?」って聞いてきた。

「俺さ、の彼氏なわけ。っていうかアンタに渡さないよ?いい加減に諦めてくんない?」

そういうと「はぁっ?」って返してきた。

俺はすーっと深呼吸をひとつする。

後ろじゃが不安そうに見守っている。

「もう電話なんかしてくんじゃねーよこのバカっっ。」

ぴっ。

「終わった。」

そう言って携帯を投げてやる。

「番号とか変えた方がいいんじゃないの?」

「ごめん。」

謝られたくなんかなかった。

なんか、の悩み、俺じゃ解決できなかったのかな?って不安になるから。

泣きそうな顔してる彼女の背中に手を回す。

「もっと頼ってよ。」

だって俺、のこと、好きだからさ。

「俺がしてあげれることだったら、なんでもする。」

「ごめんね。」

「謝んなって。」

「・・・ごめん。」

相変わらずな彼女にちょっと笑ってしまう。

「ご飯食べに行くんでしょー?早く準備しよーよ。」

「うん。」

このとびきりの笑顔が、永遠に俺だけのものであるように。