カミコン2002。

「あータバコ吸ってるー。」

おせっかいな俺の彼女は、会ってる時はあんま吸わないけど、

めったに吸う、そのめったに遭遇した時にいつも言う。

「体に悪いんやって。剛くんにもモモちゃんにもナナちゃんにも。」

「お前は?」

って1番気にしそうな人物だけはずしてたから言っただけなのに、

「・・・私も。」

って、急に小さくなってぼやいた。

「何いきなり黙ってんの。めずらし。」

「だって!・・・いや、いいや。」

「おい、そこで止めんなよ、気になるだろ?」

「だーいいでしょ?気にしないで。」

とかいいながらなんか赤くなってるわけで。

「あー子供に悪いから?」

なんてちょっとニヤって言ってみたら。

「ちょっ、誰もそんなこと言うてへんやろ?ありえない剛くん、やらしいっ。」

って全力否定。

なんだよ、めんどくせーなー。

とりあえず吸ってたタバコは灰皿。

強行手段は彼女の手首を握ること。

「こっちむいて。はい目見て言ってみ?」

って、かるーくアイドルスマイルをかますと1発。

「・・・ずるい。」

視線をはずすな。

「そらすな。お前が気になる言い方するからだろ?」

最もらしいことを適当に言ってみた。

「・・・気にしてくれてるとか思ってなくて。」

はぁ?

「いやなんか、びっくりしてんやん。」

お前、会ってる時めったに吸わないのは一応気は使ってるつもりなのよ?

今日はなんか勢いっつーか。

・・・気づけよ。

「ばーか。」

えへなんて微妙な笑顔をかまされると、こっちが困ってしまう。

このままキスなんかしちゃってもいいかななんて。

キミに墜ちてしまってもいいかななんて。

いろんなことを考えてるすきに、

「そういや今年のタバコはかっこよかったねー。」

なんて、すぐに交わされてしまう。

最近気づいたことだけど、

オレ・・・いや、男に対してこれから何が起きるとか、そういうのの直感はかなり働くらしい。

・・・ふーん、そういう気分じゃないわけか。

「いつ来たっけ?」

「大阪ラスト。」

なんて、聞かなくたって見つけてたんだけど、

「どこにいたんだよ、俺見てねーぞ?」

って、キミの手首を解放してやる。

「・・・。」

最低とか言われんのかなーって思ってたんだけど、

「ウソツキ。」

やっべー顔に出たかな。

「キツツキ?」

ってとりあえず返したら、

「わけわかんねー。」

ってけたけた笑ってら。

現金なヤツ。

「お前俺の投げたボール、取った人んとこ行って見せてもらって、恐れ多くも触らせてもらったらしいな?」

「なっなんで知ってんの?しかもなんか具体的すぎ。何情報?」

「裏情報。」

「あ、そういや勢いで健くんに言っちゃったっけ。」

「恐れ多くってなんだよ。別に、そんなん見なくたっていいだろ?本人前にいるんだしさ。」

って軽い気持ちで言うと、なんか非常に迫力有な表情。

「ちゃうねん。ここにいる剛くんとライブの剛くんは全然違う!もうめちゃめちゃかっこええねんってぇ。」

おーい、どっちもオレだなんだけどー。

どういう反応したらいいんだー?

なんて少しの沈黙があった後。

「あ。」

自分の言ったことをもう1度リピートしたらしく真っ赤になった。

その姿がなんかめちゃめちゃ愛おしくて仕方なくて。

「やる?」

「何を?」

一瞬おびえたキミはきっと違うことを想像したはず。

「ソロの映像。」

「ソロの・・・映像?」

たまには思い切ったこともありかななんて。

「お前にだったら、捕まってもいいよ。」

なんて真面目に言ったもんだから、

言ったオレも真っ赤なわけで、

言われたアイツはもっと真っ赤なわけで。

「まぁ撃たれんのは勘弁な。」

って笑わそうと思ったのに無理で。

またしても沈黙で。

彼女は動かなくて。

「つ・・・つかまえないの?」

なに、ウェルカム状態なのは俺だけ?

って焦ったらすぐに抱きついてきた。

「つかまえた。」

・・・参ったな、オレ。