Home
またまたこのおじさん変なことをいい出しましたね。専門的な話というか、勝手に解釈しているだけですから、同意出来ない方、興味のない方はすっとばして下さい。
ボサノバというとすぐシンコペーションの多用と言われるのですが、僕にはいわゆるシンコペには聞こえないのです。

リズムを上下運動としてとらえ、八分音符を矢印とすると、シンコペは"up""up""up"となりますね。これだといかにもシンコペ・シンコペした感じになるのですが、
ボサノバの場合もっともっと自然な形で入っているんです。で上下運動ではないのではと。
話は変わりますが、欧米の古いホテルに泊まると、ブラインドスクリーンの芯やトイレットペーパーホルダーが楕円になっているのがあるのをご存知ですか?

楕円だと円とは違い勢いをつけるとクルッ、クルッと廻るんです。
その昔ニューヨークの古いホテルでこれに気づき、ブラインドスクリーンを面白がって引っ張っていたところ、勢いがつきすぎてスクリーンが芯からはずれバサッと落ち、こっそり直すのに冷や汗ものだったことを思い出します。

また、機関車の車輪は円ですが、それを動かす動力伝達棒とでもいうのでしょうか、あの横棒。
あれは楕円運動をしますよね。
楕円の回転に勢いをつけるのはこの矢印の力です。

何だか物理のような話になってきましたが、丸印の位置が四分音符の終わりのタイミングとすると、この矢印はまさしくシンコペの位置にあたるのです。
ボサノバを聴きながら、楕円運動でスイングして見て下さい。
シンコペの位置が良く理解できると思います。このスイング感を感じながら、矢印の部分で歌っていくと、ごくごく自然なシンコペで歌えるのです。

いろいろな歌手を聴くと、いろいろな楕円があって面白いですよ。
横長の人、斜めの人、円に近い人、また矢印の力の入れ方もいろいろあって、これも個性のひとつになるんでしょうね。
でも実際は、こんな物理の授業みたいなことを考えながら歌っていることはないですよね。

みんな心の中で感じている楕円のようなスイング感から、自然発生的に、シンコペのタイミングが出てくるんだと思います。
PageTop