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第1 〜  5話は、 第1章 クラス委員の役目 “PART1”
第6 〜10話は、 “PART2”
第11〜14話は、 第2章 少 女 覚 醒 “PART1”
第15〜17話は、 “PART2”
第18〜21話は、 “PART3” をご参照のこと。



< 目   次 >
第22話 「V計画始動」   .......2009.11.5(Vol.895)
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第23話 「夢の叶え方」
  .......2010.2.19(Vol.903)
 
あ と が き
ご  感  想





2009.11.5(Vol.895) 初出___Cont.No.RV0222    第23話へ 目次へトップへ


    第2章 少 女 覚 醒



空子「これから、二人には、この袋を持って、小町通り(こまちどおり)
   一周してきてもらいます。それで、今日のヘアモデルの仕事は終了です。」
 小町通り。砂良も、何度か聞いたことがあった。男子禁制の女の子の園、砂良がテレビで見た時は、本当にそのような所があるのなら、是非とも行ってみたいと思っていた。
 空子は、砂良と彩乃に、「バージン・ヘア」と書かれた手提げ付きの紙袋に、往復の交通費とモデル料に買い物代を上乗せしたお金を入れて、それぞれ渡した。
 それから、なゆきとひかりにも、「メーテル・ヘアエステ無料体験コース」と書かれた紙袋が渡された。買い物しながらゆっくりと、人の目に止まるように歩いて下さいということらしい。
空子「そこで、もしも、髪のことについて聞かれたら、今日あったことを、
   そのまま言えば、いいですから。」
 ヘアケアには、人一倍気を使っている女の子が集まる場所なだけに、メーテルのロゴマークのある紙袋を持って歩いているだけで、注目の的になってしまう。それだけ、予約を取るのが難しい人気店なのである。まして、砂良や彩乃のような美しいロングヘアーの女の子ともなれば、より一層注目度が高まる。
砂良 「でも、こんなに沢山もらっちゃっていいんですか?」
空子 「はい。あなた達の髪には、それだけの価値があります。どうぞ、
    思う存分、使って下さい。」
彩乃 「小町通りって、どんな店があるんですか?」 
空子 「そうね、洋服とかアクセサリーとか、女の子が喜ぶような物なら何
    でも。そうだ、ここに、同年代のファッションリーダーがいるから、
    みんなをコーディネートしてもらいましょう。」
ひかり「お願いします、先輩。」
なゆき「えっ?私?」
彩乃 「お願いします。」 
砂良 「お願いします。」
なゆき「えーーーっ、困ったな。う〜ん、・・・みんな長過ぎ。」
砂良 「えっ?」
なゆき「スカート、もう春なんだから。」
ひかり「じゃー、決まり。最初に行くお店、私が案内するから、ゆきちゃん、
    みんなに合うミニスカート選んでね。」
 皆さん、聞きましたか?ミニスカですよ。

   ミ・ニ・ス・カ

 乙女の長〜い黒髪に、ミニスカート
ですか・・・。誰かさんが、好きそうな組み合わせですねー、小池さん(笑)。
 女の子向けのファッション雑誌でも、大活躍のなゆき。ポニーテールとりぼんの他に、ミニスカートも彼女のトレードマークになっている。前者の2つは辞めても、これは、是非とも継続してもらいたい。
 さて、メーテルを出て、小町通りにまで行かずとも、砂良達は、通りすがりの老若男女の注目を集めていた。シャンプー、ヘアエステ直後の4人の長〜い髪の少女が、並んで歩く様は、見る人の心を引き付けて離さなかった。
 メーテルから隣の小野小町駅まで続く小町通り(
第19話参照)。男子禁制の女の子だけの街。ここには、バージン・ヘアの女性しか、入れないというルールがあり、別名バージンロードとも呼ばれる。その入り口付近には、監視員が常時二人も立っていて、男子や茶髪女が入場出来ないように見張っている
 それでも、彼等に透明人間を止める術はなく、作者は、難無く入場出来た。いやー、照れますなー、こういう雰囲気は。明らかに、オッサンが来る所ではない。
 それにしても、道行く女の子の髪の長くて綺麗なこと。おっ、あの子もこの子も、みんな。本当に、素晴らしいですねー。
 予想通り、メーテルの紙袋を持った4人は、そんな髪長少女達の質問攻めに合ってしまった。なゆきは、普段の髪型と違うため、最初は気付かれないものの、そういう女の子達には、すぐに分かってしまう。予想以上の時間をかけて、ひかりの案内する最初の店に着いた。そして、その向かいには、髪長美少女戦士サーラのグッズの店があった。当然の如く、吸い込まれるように、入ろうとする砂良。
ひかり「砂良ちゃん、こっちが先。」
 後ろ髪を引かれる(私が引っ張ってあげたい!)思いで、砂良は、ひかりの奨める店に入った。
 ミニスカショップ・ひらり、本当に、店内ミニスカだらけだ。こうして見ると、可愛いのが沢山ありますねー。あれなんか、砂良が履いたら。こっちのは、彩乃にいいかな。
なゆき「沢山あって、迷っちゃうね。」
 とか言いながら、なゆきは、3人に合いそうなスカートを、次々と選んでいった。
 流石に、ファッションリーダー。それぞれの個性をよく理解している。なゆき以外の3人は、3つある更衣室にそれぞれ入って、早速、試着してみた。
 最初に、更衣室から出てきたのは、砂良。
 おーーーーっ、これは、ツボだ。赤のチェック柄じゃないですか!!
砂良「ゆきちゃん、どう?」
 可愛いーーーー!!!膝をちょこんと曲げて、スカートを横に広げるポーズ、男子はこういうのに弱い。堪りませんなー。
なゆき「うん、良いんじゃない。ゆっくり一周してみて。」
 横からの姿、良いですねー。スカートの裾から下にはみ出ている髪の長さ、半端じゃないですねー
 更に、90度回転して、次に、後ろ姿。あら、まあ。髪が長過ぎて、スカートが見えない。
 でも、こうして、じっくり見ると、本当に、美しい・・・。シャンプー直後のバージン・ヘアというのは、こんなにも艶つやなのか。膝の裏さえも隠れてしまうこの長さで、先細りもなく、ああ、ただ、ため息・・・。 
なゆき「砂良ちゃん、髪でスカートが見えない。」
砂良 「あっ。」
 砂良は、スカートが見えるように、両手の甲で長〜い髪を持ち上げたが、その長さ故、それだけでは、スカートが見えるようにはならない。しかも、ヘアメイク直後なだけに、余りにも、サラサラのすべすべで、その重さに耐え切れなくなり、敢なく落下。結果的に、超官能的なサラサラのポーズを見ることが出来た。ご馳走様でした!!!
なゆき「横にずらさないと駄目みたい。」
 砂良は、顔と体を、30度くらい右に傾けた。

   サラサラサラーーーーーーーーー!

 良いですねー、この髪の動き。砂良の長〜い後ろ髪が、振り子のように、砂良の背中とお尻を滑って行った。この時点で、スカートの半分以上は見える。更に、右手で後ろ髪を全部右肩の前に持っていった。 
砂良 「これで、どう?」
なゆき「O.K.大丈夫だよ。」
砂良 「じゃー、これに決めるね。」
 砂良は、右手で長〜い後ろ髪を元に戻しながら、半回転した。
 その時、チェックのスカートと砂良の長〜いバージン・ヘアが、同時に空中に浮かび上がり、二重に輪のある惑星のように、2つの円周を鮮やかに描いていった。そうして半周した後、砂良の長〜い前髪は、その反動で逆方向に戻り、砂良の顔を全て覆い尽くして、のっぺらぼーーーーーーーーーーになってしまった!!!!
 ありがとうございましたーーーー!!!!

「ジャーン」
 次に、出て来たのは、彩乃だった。彼女も、砂良と同じ柄のミニスカだった。
 ヒューーーーーー!!これも、なかなかプリティですねー。
なゆき「それも、可愛いけど、もう一つの水色のも試してみて。」
彩乃 「はーい。」
ひかり「どう?」
 おーーーーーーっ、ひかりのは、超ミニ。この長さだと、砂良と同様に後ろ髪でスカートが見えない。しかも、タイトですよ、タイト!カッコイイですねー。
なゆき「それもいいけど、4人のバランスを考えるとね。さっきの白いのなんてどうかなー?」
 こんな具合に、他の3人がなかなか決まらず、砂良は、暇を持て余していた。
 そんな中、何気に、外を見ていると、向かいの店から、二人の小さな女の子が出て来るのが見えた。まだ小学生のように見えるが、制服を着ている。そして、その制服は、髪長美少女戦士サーラの主役の二人が学校生活の場面で着ているのと同じ物だった。
 そうか、あの店で買った制服を着ているんだと砂良は思った。サーラのグッズショップなら、夕紀と花恋(第13話参照)が着ているのと同じ物が置いてあっても不思議はない。
 砂良は、自分と同じ趣味の可愛い二人組がとても気になって、店の外に出て、彼女達の動向を追っていった。二人とも、長〜い黒髪にカチューシャをしていて、キャスター付きのバッグをコロコロ引っ張りながら、何処かに急いで向かっているようだった。
 やがて、その内の一人が立ち止まって、両手で鼻と口を押さえた。
「クシュン!」
 何とも、可愛いらしいくしゃみだ。カチューシャが半分飛び出して、今にも落ちそうになった。
「クシュン!」
 結局、二度目のくしゃみで、カチューシャが落っこちて、のっぺらぼーーーーーーになってしまった!!!!!
まりん、だから、マスクした方が良いって、言ったでしょ。」
 もう一人の女の子が、カチューシャを拾いながら言った。
きらら、ありがとう。」  
 砂良は、この可愛いらしいくしゃみがまた見たくなって、彼女達の行く方に、一緒に歩いて行った。
 やがて、二人は、大きな広場の真ん中にある噴水に辿り着いた。そして、その噴水の中心には、長〜い髪を洗髪している美しい人魚姫の像があった。当然の如く、こんな物があれば、絶好の記念撮影スポットになり、彼女達も、ツーショットの写真を撮ろうとしていた。そこで、目を付けられたのが、こんな所までついて来た砂良である。
「すいません、写真お願いしてもいいですか?」
 そうでなくても、人から頼まれ易い性分の砂良は、人魚姫の像をバックに一枚。それから、二人とも、余りにも可愛くて、ポーズも上手いので、兄から借りていた携帯で、もう一枚撮った。
「ありがとうございます。そのスカート可愛いですね。」「ああ、これは、あのお店で・・・。あっ、いけない!お金払わずに、出て来ちゃった。じゃー、私、これで。」
 砂良は、慌てて、ミニスカショップに戻って行った。
「ねぇ、あの子の髪。」
「長くて、綺麗だね。」
「私達も、あんなだったら・・・。」
「大丈夫。そのために、水を汲みに来たんでしょ?信じようよ、しとりの泉の伝説。」(第15話参照
「うん。」


 ・・・
ひかり「砂良ちゃん、何処行ってたの?もう、履いたまま行っちゃうんだから。」
砂良 「ごめんなさい。ねぇ、ひかりちゃん、あっちの広場に、大きな噴水が
    あるでしょ?そこで、記念写真撮ろうよ。」
ひかり「えーーっ、そんな所まで行ってたの?」
 ということで、砂良達は、次の店で、買ったばかりのスカートに合う服を選んで、噴水の前で記念撮影することになった。さすがに、お洒落なロングヘアーの女の子が集まる街だけあって、黒髪の美しさが引き立つような明るい色の服が多い。ヘアメイク直後の美しいバージン・ヘアに、なゆきがコーディネートしたファッションは、芸術性の高い噴水広場の景色にとてもマッチしていた。
彩乃 「わあ、感動しちゃう!」 
なゆき「写真では見たことあるけど、やっぱり本物は凄いねー。私、ここまで
    ついて来て、良かった。」
 初めて見る人魚姫の像は、相当インパクトがあるらしく、彩乃もなゆきも、しばし、呆然としていた。
砂良 「次に、何処行こうか?」
ひかり「私に任せて、面白い所があるから。」
 ひかりに導かれて、砂良達は、「マジカルコムコム」と(通称:マジコム)いう店の前に来た。この店の前には、大きな櫛のオブジェが展示してあった。
「みんな、この前に並んで。私が撮ってあげるから。」
 ひかりは、砂良の携帯を取り上げて、皆を整列させた。
ひかり「砂良ちゃん、もう少し右に寄って。ゆきちゃんは、もうちょっと左。」
 やがて、地面から、重々しい音が聞こえてきた。何だろう?と思った時には、もう遅かった。砂良達が立っていたのは、地下鉄の通気孔の真上だったのである。ゴーーーーという音とともに、ミニスカートの真下から吹き上がる強風

   きゃーーーーーーーーーー!!!

 ひかりは、こういうチャンスを逃さない。この美味し過ぎる場面を見事に動画で撮影していた。
 上昇気流に気付かずに、ふわりとめくり上がるスカート。それに気付いて、慌ててスカートを押さえる髪長美少女達。そして、なおも吹き続ける上昇気流に乗って、空中を浮遊していく長〜いバージン・ヘア
 そして、そして、風が治まった後の髪長美少女達の姿。それは、正に、のっぺらぼーーーーーーーーーーではありませんか!!!!!
 いや〜、最高ですねー。全てが、神がかり的な美しさだ。ひかり、good job!!!
砂良「もう、こんなに乱れたら、空子さんに怒られちゃう。」
 いやいや、そんな姿の君達も、とても美しい。
 そして、ここで乱れてしまった長〜い黒髪を、この店の櫛で綺麗に整えるという具合に、都合よく物語は進行していくのであった。
 この店には、いかにも女の子が喜びそうな可愛いらしいデザインの櫛の他に、金の櫛、銀の櫛、銅の櫛に、マイナスイオンが出る櫛等、超高級な物まで、あらゆる種類の櫛が、ズラリと並んでいる。そして、店内の各所に、大きな鏡が設置してあって、4人娘達は、二手に分かれて、互いの乱れてしまった長〜い黒髪をくしけずり、直していくのであった。

 メーテルのヘアエステ直後のひかりなゆきの平仮名チームは、ひかりが先攻である。即ち、現役髪長美少女アイドル真白なゆきの長〜い髪に、櫛を入れることが出来るのである。ひかりは、超〜〜〜〜〜不安定な半のっぺらぼーになった現役アイドル、なゆきの前髪を、一度完全なのっぺらぼーーーーーーーーにしてから、やや不安定な元の状態に戻した。
 う、羨ましいーーーーーーーーー!!
 そのまとまりの良さは、髪長美少女アイドル、そして、メーテルのヘアエステの実力を十分に知らしめるものだった。後ろ髪は、殆ど直す必要もなかったが、ひかりは、更に櫛を通して、元のピカピカの鏡面ヘアにした。そして、その鏡で、自分の前髪も直してしまった。
 よって、なゆきがひかりの前髪を触ろうとしても、案の定、ひかりは、頑なに拒み続けて触らせなかった
 立花ひかり、前髪命。
 その代わりに、太股にも達する漆黒の長〜い後ろ髪に櫛を通すことが許された。正に、いとをかし・・・。

 さて、こちらは、皆さんお待ちかねの幼なじみワンレン美少女コンビ。ワンレンの少女が、櫛を手にした時、我々は何を期待すべきなのだろう。
 野村美容師によって、きっちりと七三に分けられた彩乃の分け目は、先程の上昇気流によって、前の方が、少しずれてしまった。これはいけない、折角、ヘアモデルを任されたというのに。
 分け目を直す第1段階、一旦、分け目のない状態、即ち、のっぺらぼーーーーーーーーーーーー!!!にすることである
「彩ちゃん、いくよ。」
 砂良が手にした櫛は、彩乃の前髪を確実に捕らえて、瞬く間に、分厚いカーテンは閉じられてしまった。

  おーーーーーーっ、ビューティフォーーーーー!!!!

 シャンプー&ドライ直後の彩乃のバージン・ヘアは、何の抵抗もなく、たった一櫛で、艶つやの黒い壁になり、彩乃の顔の前で、ゆらゆら揺れていた。
「彩ちゃん、どっち分けだったけ?」
「こっちだよ。」
 彩乃は、自分の手で髪をかき上げて、分け目の位置を示すと、直ぐに手を離した。

   サラサラサラーーーーーーーーーーーーー!!!

 こうして、元に戻った黒髪のカーテンを、砂良は、再び、七三分けにした。
砂良「シャンプーしたばっかりだから、つるつるだね。」
 さて、いよいよ、真打ちの砂良の登場である。砂良の場合は、特に、分け目がずれることはなかったが、話の流れ的に、何もしない訳にはいかない。
 彩乃は、鏡の近くで、面白い櫛を見つけた。高層ビルの窓拭きをする時に乗るゴンドラの形をしたおもちゃのような物が付いた櫛である。
 その櫛を砂良の髪の乱れてしまったところに挿して、自由落下させる。そうすると、髪を滑り降りている間、ゴンドラの中の人形が、髪を拭いているかのように動き出すのである。

  ピコピコピコ、ピコピコピコ、ピコピコピコーーーー

彩乃「わあ、面白ーーーーい。」(彩乃は、決して、「超〜ウケるーー」なんて言わない。)
 これを繰り返した後、最後には、前髪で落下させて、お約束ののっぺらぼーーーーーーーー!!!をマジコムのお客さんに披露した
 こんなことを繰り返しているうちに、マジコムの店内は、すっかり、メーテルで使用されたシャンプーの香りで満たされていた。
 彩乃は、そのおもちゃのような櫛がいたく気に入って、自分用に一つ買っていった。
 次に、砂良達は、りぼんの専門店、カチューシャだけを扱う店等、色んなショップに入って、店内の様々なサンプル品でヘアアレンジをして、その姿をカメラに納めていた。
 そして、シャンプーの専門店では、色んな商品のCMが流れていて、皆くぎづけになっていたが、M&R社のモニターで、砂良があまり見たくないCMに切り替わったので、砂良は目を背けて、携帯で撮った写真を見返していた。
一枚目、彩乃の長〜い前髪を、一カ所だけ白い髪留めで支えた姿。実は、こういうシンプルなのが一番好きだったりする。余計な飾りもなく、清楚なお嬢様っぽくも見えるし、あの髪留めが外れるのを想像するのも、また一興。
二枚目、滅多に見られないなゆきの三つ編み。先細りもなく、どの角度から見ても、艶つやしている。編み目も、均等に規則正しく並んでいるので、砂良が編んだに違いない。
三枚目、これも珍しいひかりのポニーテール。以外にもと言っては失礼だが、ピンクのりぼんがよく似合っている。耳と顎(あご)が露(あらわ)になって、ちょっと勝手に撮らないでよと言ってそうな表情がとても良い。
四枚目、ちょっと大人っぽい砂良のバレッタ姿。長〜い前髪をバレッタで後ろで留めている。基本的に、前髪は垂らしてなんぼというスタンスに変わりはないが、こんな女子社員が同じ会社にいたら、惚れてまうやろーーーーーーーーーーー!!!
 そして、地下鉄の通気孔の上で撮った動画。これらの画像を見て、もっと色んな物が撮りたくなった砂良は、
「ひかりちゃん、もっと面白い景色の所に行こうよ。」
ひかり「う〜ん、ちょっと、小町通りからは外れるけど、に行こうか。」
砂良 「うん、行きたい。」
彩乃 「彩も、行きたい。」
 いや〜、海ですか。海といえば、やっぱり、あれでしょ、あれ。そう・・・風!!
 青い海、白い砂浜、乙女の黒髪。そして、彼女達のバージン・ヘアと買ったばかりのミニスカートに容赦なく襲い掛かるドリームアイランドの名物、海風。
 彩乃、なゆき、ひかり、そして、膝越えロングの砂良の長〜い髪でさえも、地面と平行を保ったまま風の海を泳いでいる。これは、爽快だ。
 この何ともダイナミックで美しい姿を撮ろうとギャラリーがかなり集まってきた。ただし、四人が横一線に並んだ状態のフォーショットは、長過ぎてカメラの幅に納まらない。でも、良い眺めだ・・・。
 それから、海と言えば、バカヤローでしょ。
砂良 「校則のバカヤローーーーー!!!」
なゆき「社長のバカヤローーーーー!!!」
ひかり「転校ばっかりさせやがって、バカヤローーー!!!」
砂良 「彩ちゃんは?」
彩乃 「えっ、あ、今日は楽しかったーーーーー!!」
 この風は、彼女達の純真な心の叫びを神様に届けてくれるのだろうか?
 砂良の長〜い髪さえも、泳がせてしまうこの風は、砂良達が住んでいるあの街のあの丘にも吹き抜けている。
 海風で、すっかり乱れてしまった長〜い黒髪を整えようとすると
彩乃 「あっ、いけない。あの店で買った櫛、忘れてきちゃった。」
ひかり「ああ、マジコムね。」
 という訳で、また、あの店に戻って行った。同じく、大きな櫛のオブジェの前。今度は、わざと地下鉄が通過するのを待って、通気孔から吹き上げてくる風の上に全員で乗っかった
 スカートを押さえながら、長〜いバージン・ヘアがふわふわ舞い上がる中で、キャッキャキャッキャと楽しんでいた。
 まだまだ、子供ですねー。でも、何とも微笑ましい光景だ・・・。
 そして、店内に入ると、白髪のお爺さんがいて、

爺さん「あなたが忘れたのは、この金の櫛かな?」
彩乃 「いいえ。」
爺さん「では、この銀の櫛かな?」
彩乃 「いいえ。
爺さん「では、この銅の櫛かな?」」
彩乃 「いいえ、このおもちゃの櫛です。」
爺さん「そうか、正直なお嬢さんだ。あなたには、この櫛を差し上げよう。」

 お爺さんがくれたのは、金の櫛でも銀の櫛でもなく、店の前に展示してあったオブジェと同じ形をした置物だった。

彩乃 「お、重い。」
爺さん「その櫛は、プラチナ製でな。取り外して、普通の櫛としても使えるん
    じゃよ。」
ひかり「えっ!そんな高価な物を。プラチナって、金よりも高いんじゃない
    ですか?」
爺さん「昔から、美しい心の乙女にこそ、美しい黒髪が宿ると言われておる。
    君は、これを使うに相応しいだけの美しい心と黒髪の持ち主だ。」
砂良 「彩ちゃん、良かったね。」
彩乃 「ありがとうございます。勿体なくて使えないけど、良いお土産に
    なります。」
 さて、小町通り巡りの締めは、「サーラショップ」で本当の買い物をして終わった。
空子 「みんなお疲れ様でした。小町通りは、どうでしたか?」
砂良 「色んな物が買えて楽しかったです。」
なゆき「殆どサーラグッズでしょ。」
空子 「そう。ちゃん(第21話参照)、例の物持って来て。」
 空子は、砂良と彩乃の「バージン・ヘア」と書かれた紙袋に、容器に「V」と書かれたシャンプーとトリートメントを入れて、同時にメモを渡した。
空子 「この紙に、このシャンプーの使い方とヘアモデルとしての心得が
    書いてあるので、よく読んでおいて下さいね。これからのことは、
    ひかりちゃんを通じて連絡しますから。」
砂良 「はい。このVって、バージン・ヘアの頭文字ですよね。だったら、
    ウに濁点じゃないですか?」
ひかり「流石、秀才。」
空子 「よく知ってるわね。ハになっているのは、長い髪の女性の
    シルエットで、この濁点が、二重の艶を表現してるの
。」
なゆき「じゃー、間にある点は、何ですか?」
空子 「これは、魔法の一滴っていう意味。」
砂良 「魔法かあ・・・。」
 もしも、今、砂良に魔法が使えたら、迷わず、髪を伸ばしていられることを望むだろう。
 今日の役目を終え、砂良達がメーテルを出る時、副店長の空子だけでなく、なゆきとすっかり仲良くなった琴も、出口まで見送りに来てくれた。
砂良 「今日は、とても良い経験が出来ました。私がヘアモデルに選ばれたら、精一杯頑張ります。」
彩乃 「彩も頑張ります。」
琴  「空子さん、この子達見てると、なんか癒されますよねー。そうだ、
    4人でアイドルグループとか組んだらどう?
砂良 「えーーーーっ!岩井さんの方が可愛いですよ。」
琴  「お世辞はいいから。この4人なら、成功間違い無しだって。」
なゆき「じゃー、琴ちゃん、グループ名考えて。」
琴  「う〜ん、すぐは無理かな。」
なゆき「それじゃー、次会う時までの約束ね。」
 ここでは、髪を短くされずに済んだし、とても楽しい経験が出来た。でも、全てが解決した訳ではない。なゆきと渋宿の美容室で引き起こした事の後始末が、まだ残っていた(第19話参照)。砂良達は、なゆきに付いて、彼女が所属するプロダクションに同行することにした。
 再び、ブルーマリン号に乗った砂良達が向かった先は、渋宿、オフィスエイト。ここで、髪長美少女アイドル・真白なゆきの運命が決まる

次回に続く・・・

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2010.2.19(Vol.903) 初出___Cont.No.RV0223     目次へトップへ


    第2章 少 女 覚 醒



 一人の少女が、鏡台の前に座って、長〜い黒髪を丁寧に解かしている。彼女は、何かを決意したような真剣な表情をしている。
 やがて、ブラッシングが終わると、メイド服に着替え始めた。彼女の名は、垣内結奈(かきうち・ゆいな)。現役の女子高校生にして、西埼玉市で一番の長者と言われる三杉家に仕えるメイドである(
第14話参照)。
 因みに、何故、今、私がここにいるのか。それは、帰りのブルーマリン号が、余りにも混んでいて、そのショックで、ここまでワープしてしまったのである。
 さぞかし大変だったんでしょうねって?そりゃもう大変ですよ。電車の中は、長〜い髪の女の子達ばかりで、ぎゅーぎゅー詰めで、皆髪を解いて乗ってる訳ですからねー。私なんか、砂良とひかりの背中に顔を挟めれ、シャンプーの甘い香りと美しいバージンヘアのつるつるでひんやりとした感触で、もう夢心地でした。
 でも、ブルーマリン号が、東京メトロポリス駅に到着して、新たな客が、どっと乗車して来た時は、もう限界。気を失って、ギュイーーンですよ。
 着替えを終えた結奈は、再び鏡台の前に座り、引き出しを開けて、その中にある光る物体をじっと見つめていた。
「玲奈様、あなただけに、辛い思いをさせません。」
そう言うと、引き出しを元に戻して、立ち上がり、部屋を出て行った。

「しぶじゅくー、しぶじゅくー、終点、しぶじゅくー」

 東京都、渋宿、オフィスエイト。砂良のクラスメート、真白なゆきが所属する芸能プロダクションである。現社長、八木八作(やぎ・はっさく)、彼で二代目になる。
 元々、オフィスエイトは、子役タレント事務所からスタートした。その後、前社長の八木矢七(やぎ・やしち)は、アイドルの低年齢化とともに、必ずバージンロングの女の子の需要が高まるだろうと、早くから髪長美少女タレントの発掘に着手して、業界でも一目置かれたプロダクションとなった。
 しかしながら、一度、ロングヘアブームに火が付くと、大手プロダクションも、どんどんその分野に参入してきて、オフィスエイトの存在価値も、かなり薄れてきた。
 そんな時に、2代目の八作社長に、テレビのバッサリ企画を持ち掛けたのは、放送作家の眉月康(まゆづき・こう)だった(第19話参照)。眉月は、数字を取るためなら、手段を選ばない男で、業界では、彼を疎んじる者も多いが、たまに成功もするので、なかなか切られずに、しぶとく生き残っているゴキブリのような男だ。「面白ければ、なんでもいい。」それが、眉月の口癖である。
 八木社長は、幼い時から、なゆきのタレントとしての才能を見抜いていたが、それ故に、「髪長美少女戦士サーラ」の出演以外で、特に大きな仕事を与えてやれなかったことに、後ろめたさを感じていた。丁度、そんな時に、テレビのゴールデンタイムの出演の話が来たので、まんまと乗せられてしまったのである。
 なゆきは、この話を聞いた時、すぐには納得しなかったが、もしも、これで有名になれば、自分の夢に一歩近付けるかもしれないと、仕方なくOKを出した。それに、幼い頃から、自分に目を掛けてくれた社長に逆らうことは出来なかったのである。

八木社長「なゆき、あそこまでのことをしたなら、覚悟は出来てるな。4月
     からの更新の話は、白紙撤回させてもらう。ご両親には、私から
     も連絡するが、一度手続きで、こちらに来てもらうことになると
     思うが・・・」
「ちょっと、待って下さい。あの時は、私達が勝手に連れ出しただけで、ゆきちゃんは全然悪くないんです。お願いします、何でもするので、許して下さい。」
 砂良は、そう言って、深く頭を下げた。すると、背中にあった砂良の長〜い黒髪が、雪崩のようにざーーーーーーーーーっと、落ち始めて、砂良の頭の下にある滝壺に向かって、流れ込んで行った。
「お願いします!」
 続いて、彩乃も深く頭を下げると、床に髪の毛先が全て付いてしまった。彼女がワンレングスでなければ、付かない髪もあっただろうに・・・。
八木社長「じゃー、なにか?君が、なゆきの代わりに、その長〜い黒髪を
     バッサリ切るとでも言うのかね。」
 ずっと頭を下げたままの砂良は、ふと我に返り、しばらく動けずにいたが、ゆっくりと頭を上げた。
 そして、そこには、顔だけでなく、前半身の殆どを多量の長〜い黒髪で覆い隠されてしまったのっぺらぼーーーーーーーーーー!!!!の砂良が、社長の正面に立っていた。
「砂良ちゃん、もういいから。」
そう言いながら、なゆきは、砂良ののっぺらぼーを手ぐしで整えていった。
 彩乃は、そんな砂良の様子を見ると、自分も顔を上げて、こちらも、のっぺらぼーーーーー!になった。
 やっぱり、この二人には、この姿が、本当によく似合う。
 彩乃の方は、ひかりが、手ぐしで直してくれた。
 ああ、羨ましいーーーー!!!私も、やりたい!
なゆき「社長、今まで、本当に、お世話になりました。お母さんには、私の方
    からも話しておきます。」
 なゆきが、挨拶をしている間、砂良は、自分の髪を両手で握りしめて、じっと見つめていた。そして、大きく深呼吸息した後、突然、八木社長のデスクに近付いて、机の上のペン立てに入れてあったハサミを取り出して、二三歩後ろに下がった。
なゆき「砂良ちゃん、止めて!」
 砂良は、なゆきが整えてくれた前髪を一束掴んで、顔の真ん中に垂らした。
「何でも・・・、何でもするって言ったはずです!」
 それから、持っていたハサミを前髪の束に近付けて、大きく開いた。
八木社長「あ、わわわ・・・」
 それまで、立ち上がって、身を乗り出していた社長も、腰が抜けていくように、ドカッと椅子に落ちていった。
 そして、開かれたハサミが、遂に、砂良の前髪を捕らえた
「空子さん、ごめんなさい!!!」

 ぎゅっ!!

 砂良は、思い切りハサミを握りしめた。でも、殆ど手応えがなかった。それだけ、鋭い刃のハサミだったのだろう。あの美しい漆黒の芸術は、こんなにも、あっさり切断出来てしまうのか。
 さよなら、の私・・・。
 やがて、砂良は、手の力が抜けて、ハサミから手を離した。
 
 ・・・ん?

 砂良の長〜い前髪を切断したかと思われたハサミは、そのまま砂良の黒髪を捕らえたまま、すーーーーーーーーーーーっと、滑り降りて、ポトッ
社長「ああ、これ、ハサミの形した櫛なんだよ。事務所の女の子を驚かす
   ために買ったんだけどね。」(←そんなのあり?)
 八木は、そう言いながら、ハサミ型の櫛を拾った。
社長「でも、凄いねー、こんなにつるんと滑ったのは、初めてじゃないかな。」
 それを聞いた砂良は、全身の力が抜けて、膝から前のめりに倒れ込んでしまった。そして、砂良の多量の長〜い黒髪が、社長室の床に扇状に広がった

 おーーーー!美しい。

 その姿に、皆見とれていたが、なゆきは、倒れ込んだ砂良に近付いて、
「砂良ちゃん、私は、もう大人の世界にいるんだよ。」
 その言葉を聞いて、砂良は、ピクリと反応した。それから、他の三人は、砂良の長〜い髪を踏ん付けてしまわないように、砂良の髪を整えながら、体を起こした。それから、黒髪のカーテンを開くと、砂良の顔は、涙でぐちゃぐちゃだった。なゆきは、再びカーテンを閉じて、髪ごと砂良の体を抱擁して、
「今日してくれたことは、一生忘れないよ。これからも、友達でいてね。」
 その言葉に、砂良は、再び、号泣して、彩乃も、もらい泣きした。そして、普段は冷静なひかりも、例外ではなかった。
 砂良が泣き止むまでしばらくかかったが、何とか立ち上がって、4人は退室することとなった。
なゆき「失礼しました。」
八木社長「なゆき、ちょっと待て、忘れ物だ。」
 社長は、机の引き出しから、真っ白なりぼんを取り出して見せた。
なゆき「それは記念に残しておいて下さい。多分、数年後に高く売れますよ。」
社長 「・・・そうだな。」
なゆき「社長、いえ、八木さん。私、まだ、夢を諦めてないですから。」
 最後に、こう言って、満面の笑みで、お別れの挨拶をした。
 そして、オフィスエイトの玄関を出た瞬間、真白なゆきは、アイドルから、ただの女の子に戻った。
 普通の女の子に戻ったなゆきは、歩き慣れたオフィスエイトから渋宿駅に行くまでの道で、自分の夢について語ってくれた。
なゆき「私ね、将来、事務所の社長になるのが夢なの。」
砂良 「社長?」
なゆき「それでね、砂良ちゃんみたいな長〜い髪の女の子だけを集めて、
    絶対に他には負けない髪長美少女王国を作りたいの。」
彩乃 「へぇー、凄いね。」
なゆき「でも、その為には、まず、私が、髪長アイドルとして成功しないと
    駄目でしょ。だから、こんなことで諦めないの。事務所は、他にも
    あるんだから。」
 夢を語るなゆきの顔は、とても輝いて見えた。
ひかり「でも、中学とかは、どうするの?」
なゆき「事務所の方から、ロングヘアの許可を取ってもらうはずだったんだ
    けど、親から言ってもらうことになるかな。」
砂良 「神中(かみちゅう)?」
なゆき「うん、だから内緒にしてね。事務所クビになったこと。入学式までに、
    何とかすれば良いんだから。」
ひかり「凄い楽観的だねー。」
なゆき「そうだね、自分でも不思議なくらい。今日、皆と会ったお陰かな。」
彩乃 「あっ、渋宿駅。」
砂良 「また、混んでなきゃいいけど。」
ひかり「この時間帯じゃー、ちょっとね。」 
 ひかりが言うように、ちょっとどころではなかった。砂良達は、何とかホームに辿り着いたようだが、あちゃー!帰りのブルーマリン号以上に混んでやがる。
 これは、避けた方が良さそうだ。さっきの現役女子高生メイドの言葉も気になるし、三杉邸にワーーープ!


    ギュイーーーーン!


 埼玉県西埼玉市。まるで、ゴルフ場のように広いこの草原は、「三杉ヶ丘」と呼ばれる三杉邸の庭である。
 今日は、ここで、あるCMの撮影が行われている。M&R社のシャンプーの新商品のCMである。
 M&R社では、社長の大蔵が撮影現場を指揮するほどに、シャンプーのCMに特に力を入れていて、これまでも、そのCMに出演したタレントの名前を商品名にするイメージ戦略で、他社をリードしてきた。
 そして、CMに起用されたタレントも、美髪タレントとして、芸能界で活躍する場合も多かった。バージンヘア用シャンプーのイメージモデルに選ばれた少女・秋本エレナも、CM出演後は、同世代の女の子からいくらか注目される存在となったが、何を勘違いしたのか、腰まで豊かに伸びていた艶やかなバージンヘアに激しくシャギィを入れてしまったのである。最長部の長さは、さほど変わってないが、後ろから見た姿は、以前と比べてスカスカになっていた。そして、その姿で、マスメディアに多く登場したため、彼女の名前が付けられたシャンプー「ERENA(エレナ)」は、順調だった売り上げが伸び悩み、M&R社は、バージンヘア戦線で大きく遅れをとることとなってしまった。
 そんな訳で、今回の玲奈様のCM出演(再度、第14話参照)は、社長令嬢の特権を使ってとか、娘を出演させてギャラを浮かせようという次元の話ではない。
 次のバージンヘアシリーズで成果がなかった場合、M&R社にとって、取り返しのつかないことになる。玲奈様の美しいバージンヘアは、M&R社にとって最後の切り札だったのである。
 このCMのコンセプトは、シャンプーで髪が綺麗になった女の子が、嬉しくなって、広い草原を走り出して、その時の長〜い黒髪が風になびく様子を撮影しようというものである。
 こういうストーリー性の薄い設定の時にこそ、モデルの演技力が必要とされるのである。玲奈様は、勿論、芝居の経験も撮影の経験もない。慣れない状況に、いつもの不思議ちゃんオーラは影を潜め、何とか父の役に立とうと必死になっていた。
 自ら現場を指揮する大蔵は、ことCMに関しては、妥協を許さない男だった。相手が実の娘でも変わりはない。もう何度もテイクを重ねても、髪が綺麗になったという嬉しさが、まるで伝わって来なかった。
 そして、テイク20目の走り出すシーンで、今までの疲労から足がふらつき、つまづいて前のめりに転んでしまった。

 出たーーーーーーーーーーーーーー!!!不思議系お嬢様、三杉玲奈様のつまづきのっぺらぼーーーーーーーーーーーーーーー!!!

 立ち上がって、さらに前に進もうとする玲奈の姿に、高貴なお嬢様のオーラはなかった。それから、長〜い前髪を掻き分けて僅かな視界から片目を覗かながら、とぼとぼとヘアーメイクの囲いのある所に歩いて戻って行った。
 彼女が、嬉しい気持ちを表現出来ないのも無理はない。この撮影が終了したら、神永中学の校則に従って、長〜い黒髪をバッサリ切って、ショートヘアになるつもりだったのである。そのことは、CMのヘアーメイクの担当者にも伝えてあったが、自分の長〜い黒髪に最初にハサミを入れるのは、玲奈が一番好きな女性にしようと思っていた。彼女が姉のように慕っている三杉家の現役女子高生メイド、垣内結奈である。玲奈は、今日の朝、結奈にそのことを打ち明けて、無理矢理承知させた。
 そして、結奈も、メイドをクビになる覚悟で、あることを心に決めていた。玲奈の長〜い黒髪にハサミを入れた後、自分もショートヘアになることを
 それにしても、玲奈様の足どりが重い。髪をバッサリ切ることへの恐怖心がこうさせるのだろうか?もう見てられない。そうだ!主役の砂良がどうなっているのか、伝えなければ、ワーーーーープ!


    ギュイーーーーーーーン!


 おっ、ここは電車の中だ。私の瞬間移動の技量もなかなかのものだ。
 丁度、電車が主要駅を過ぎた後で空席が出来ので、砂良達は、4人掛けのボックスシートに座ることにした。
ひかり「砂良ちゃん、三つ編みしてないの忘れないでね。」
砂良 「あっ、そうだね。」
 砂良は、思わず、そのまま座りそうになったが、一旦止めて、ふくらはぎまで達する長〜い黒髪をお尻で踏ん付けてしまわないように、前の方に持ってきてから座り、膝の上に置こうとしたが、ミニスカートの裾からはみ出してしまうので、蛇のように幾重にも巻いて、大切そうに太股の上に乗せた。
 同じく尻越えヘアーのひかりも、漆黒のバージンヘアを太股の上に横たわらせ、なゆきも、念のために、鏡面ヘアを胸の前に出して、腰掛けた。
ひかり「アイドルも、ヘアモデルも、自分で髪を傷付けたらいけないからね。」
 それから、ボックスシートの髪長美少女カルテットは、今日の出来事やテレビや学校の話、そして、互いのバージンヘアを触りっこしながら長〜い黒髪のヘアケアの話で盛り上がっていた。
砂良 「それじゃー、真白さんは、その長い前髪をパッツンしちゃうの?」
ひかり「そうなったら、私の仲間よ、真白さん。」
なゆき「えー、ゆきちゃんで、いいよ。」
 なゆきは、照れ隠しに、長い前髪を鼻まで垂らしながら、言った。
砂良 「でも・・・」
なゆき「私のこと、初めてゆきちゃんて呼んだの、砂良ちゃんなんだよ。
    なゆきちゃんて、言えなかったみたいで。」
砂良 「えーーーーっ、嘘でしょ?」
なゆき「覚えてないの?昔よく遊んだの。」
 砂良は、あの忌ま忌ましい事件のショックで、幼い頃の記憶が一部欠けているところがある。第6話参照
ひかり「二人とも、同じシャンプーもらったの?」
砂良 「私は、トリートメントも。彩ちゃんは?」
彩乃 「シャンプーだけ。」
 砂良は、検査結果を聞かされた時のことを思い出した。彩乃にトリートメントが渡されなかったということは、それだけ髪質が自分よりも良かったことを意味する。
砂良 「多分、彩ちゃんが選ばれるね。」
なゆき「どうして?」
砂良 「10項目中8項目も、彩ちゃんの方が上だって・・・。」
ひかり「まだ、分からないでしょ?」
砂良 「私、クラス委員とか押し付けられて、凄く嫌だと思ったけど、今日
    初めて、選ばれない寂しさを知った気がする。」
 今の砂良の言葉で、場の空気が一気に暗くなってしまった。あー、こちらも何だか、辛気臭くなってきましたねー。それでは、先程のCM撮影の方に行ってみましょう。


    ギュイーーーーン!


 おっ、ヘアーメイク中ですか。でも、ヘアーメイクさんも、本当に大変ですねー。こうして、テイク毎にやり直さなければならない。
 まず、乱れてしまった長〜い髪にブラシをかけて、のっぺらぼーーーーー!にしてから、きっちり七三に分け目を付ける。高貴なお嬢様には、このような飾り気のないシンプルな髪型がよく似合う。
 ヘアーメイク完了ーーーー。27回目のスタート地点に立った。
助監督「はい本番!」
大蔵 「用意、スタート!」
玲奈様「嬉しーーーい!」
 そう言って、サラサラのポーズを決めてから、
玲奈様「天使になったみたい。空も飛べるかな。」
 それから、草原の小高い丘に向かって、ウキウキしながら歩き出す。そして、丘のテッペンまで来たら、嬉しそうにお尻まで届く長〜い黒髪をなびかせながら、走るのであるが・・・。

 27テイク目は、何故だか、そのまま立ち止まっていた。
 もうやる気を無くしてしまったのだろうか?スタッフ全員が、息を呑んだ。
 その時、一陣の突風が、丘の頂上に立つ玲奈様を襲った。そして、彼女は、長〜いバージン・ヘアをなびかせながら、そのまま倒れ込んでしまった。
大蔵 「玲奈ーーーーー!!」
 父の大蔵は、自分が監督であることも忘れて、玲奈の元へ走り込んだ。
大蔵 「玲奈、大丈夫か?もう止めるか?」
玲奈様「大丈夫です、お父様。今、御祖父様の声が聞こえたの。そのまま、
    風に身を委ねれば、きっと良いことがあるって
。」
大蔵 「玲奈・・・。」
 玲奈が、いつもの不思議ちゃんスマイルで言うので、大蔵も、少しばかり安心した。
「お嬢様ーーーーーーーーー!」
 遠くから声が聞こえる。若い女性の声。この敷地内で、玲奈様の次に若い女性といえば・・・現役女子高生メイドの垣内結奈である。
助監督「メイドか?撮影中は、絶対に入って来るなと言ったのに。」
「玲奈様ーーーーー!やりましたよーーーーー!」
 そう言いながら、結奈は、何か白い紙を持って、玲奈様の方に向かって、全力で走って来た。
「合格でーーーーす。」
 こんなに一生懸命に走る結奈を見たことがない。その時の風圧で、結奈が付けていたメイド用の白いヒラヒラ付きのヘアバンドが、結奈の黒髪をつるんと滑り抜けて、長〜い黒髪が全て解放され、風の海を泳いでいた。
玲奈様「結ちゃーーーーーーーん!!!」
 それに、呼応するかのように、玲奈様も、結奈に向かって、走って行った。
大蔵「よし、今だ!撮れ。」
カメラマン「はい!」
結奈「三ツ星才女学院、補欠合格の通知が来ましたーーーー!」
 丘の麓で抱き合った二人は、まるで、生き別れの姉と妹の再会のようだった。
助監督「ドラマみたいですね。」
大蔵「ああ、本当に良かった・・・。」
結奈「おめでとうございます、お嬢様。」
「ありがとう、結ちゃん。」
「言ったはずです、私が必ずお守りすると。この長い黒髪は、私にとっても宝物ですから。」
「結ちゃん、毎日、三つ編みにしてね。」
 これで、玲奈の夢は叶ったことになる。彼女の夢は、結奈と同じ制服を着て一緒に、才女坂(さいじょざか)を上ること。才女坂とは、バス通りから三ツ星の正門まで続く長い坂のことで、入学式の頃には、桜並木が祝福の花を咲かせてくれる。高等部と中等部の違いはあるが、二人とも、三ツ星才女学院の生徒であることに変わりはない。
玲奈様「御祖父様の声が聞こえたの。結ちゃんは諦めてないから、私も希望を
    捨てたらいけないって。だから、撮影に集中出来なくて・・・。」
 断髪の恐怖心からも解き放たれ、この後、撮影が順調に進んだのは言うまでもない。
 そして、このシャンプーの商品名は、バージンロング用シャンプー「REINA(レイナ)」と名付けられた
 さて、そろそろ砂良の一行が、西埼玉駅に着く頃かな。駅の方へワーーープ!


    ギュイーーーーン!


「西埼玉ーー、西埼玉ーー」

 砂良達は、ようやく長い旅を終えて、それぞれの家に向かった。皆と別れて一人になった砂良は、今日の出来事を家族にどう報告しようか、あれこれ考えていた。髪長ラーメンのこと、ハッピーシザースでなゆきを救い出したこと、メーテルでのこと、オフィスエイトでのこと・・・どれも、ちゃんと話そうとしたら、それぞれ1時間以上はかかるだろう。
「砂良ちゃん。」
 そんな砂良を呼び止めたのは、椿屋の看板娘、椿の妖精こと、椿薫(つばき・かおる)であった(第15話参照)。
薫 「砂良ちゃん、今日、三つ編みじゃないね、珍しい。」
砂良「うん、そのままの状態で帰るように言われて。カオちゃんも、今日の
   服可愛いね。その簪(かんざし)も素敵!」
 砂良は、考え事をしながら歩いていたので気が付かなかったが、椿屋にはテレビ局の取材が来ていて、薫もそのためのよそ行き用の着物を着ていたのである。
砂良「本当に分かるなー、椿の妖精って言われるの。」
薫 「やだ、もう。そんなこと言っても何も出ないよ。あっ、そうだ。砂良
   ちゃん、ちょっと待ってて。」
 元々、椿の妖精という呼び名は、砂良が付けたようなものだった。丁度、砂良の視力が急激に落ちはじめた頃のことである。いつも部屋で本ばかり読んでいて、頭の中が妄想やファンタジーで一杯な時に、薫が普段着ではなく、初めて店の宣伝用の着物を着ているのを遠目で見た時、それが薫だと気付かずに、家や近所の人に、「椿屋の前に妖精がいる」と言って廻ったのが始まりである。
 先程、呼び止められたて、薫を見た時、砂良は、あの時と同じような神々しさを感じた。それほど、今日の薫の笑顔は、輝いて見えたのである。
 薫は、急いで家の中に入って、しばらくして出て来ると、誇らしげに、砂良に白い紙切れを見せた。
「ジャーン。」
「合格?」
「うん、この前のオーディションの合格通知が来たの。」
「やったーーーー!凄いね。」
「うん、砂良ちゃんのお陰だよ。あの時、教えてくれたから、夢の叶え方・・・。」

 砂良の父、長良は、M&R社の宣伝部を志望していたが、理系出身の彼は、研究所に配属され、最近では、バージンヘア用のシャンプーの開発に携わっていた。
 そのシャンプーは、彼が初めて企画の段階から完成まで関わった仕事だったので、かなり愛着のある商品だった。また、M&R社の社運のかかった商品であったために、その売り込み戦略にも相当な関心があった。
 この商品の基本的コンセプトは、「日本人として生まれたままの美しさ」であったが、なかなかそのようなイメージの女性タレントがいるものではない。
 そんな中、砂良の幼なじみのが遊びに来た時に、長良は、彼女が女優を目指して、ある劇団に所属していることを知った。そして、久しぶりに会った薫の品格のある容姿と美しい黒髪は、正に、長良が企画段階からイメージしていたものと合致していたのだ。
 長良は、もうこの子しかないと思い、薫の所属する劇団を宣伝部に紹介して、オーディションの枠を設けるように話を進めた。
 オーディションの応募条件は、劇団内で最も髪が長くて美しい女の子であったが、実際に「劇団赤い羽根」の枠で受けに来たのは、薫ではなかった。
 劇団の代表が、敢えて、別の少女を送り出したのである。彼女の名は、秋本エレナ。薫よりも、1つ年下で、噂によれば、代表のことを「パパ」と呼んでいたとかいないとか。
 このオーディションに、薫が受けに来ていたのなら、すんなり決まっていたかもしれないが、イメージに合った子がいなかったため、大激戦となり、消去法で、薫の代わりに来た秋本エレナがイメージモデルに選ばれた。
 そして、彼女が、そのシャンプーのCMに出演した後、女の子系の雑誌に紹介される等、少しの間、マスコミに注目される存在となった。そんな状況で、自分を見失ってしまったのだろう。自分のすることなら何でも受け入れられると勘違いし、自身の美しいロングヘアに激しくシャギィを入れてしまったのである。
 これによって、商品の大きなイメージダウンとなり、売り上げが伸び悩み、社長令嬢の玲奈様がCMに引っ張り出されたのは、前述の通りである。
 そして、M&R社の大きな損失の原因となった劇団赤い羽根の代表、眉月康(まゆづき・こう)は、同時に、なゆきの長〜いポニーテールをバッサリ切り落とそうとするテレビの企画を出した放送作家でもある。

「あの時、砂良ちゃんが、私に言ってくれた言葉、今でも忘れないよ。」
「何て言ったっけ?よく覚えてないけど。」
 本当は、はっきり覚えていた。あの時の本気になった自分を思い出したら、急に恥ずかしくなって、そう言ってしまっただけである。
薫「いきなり、夢の叶え方知ってる?って聞くから、びっくりしちゃった。」
「ああ、あの時は・・・お父さんの方から頼んだことだから。それが、あんなことになってしまって・・・。」
薫「夢を叶える方法は1つしかない。自分の力を信じて、最後まで絶対に諦めないことだって。
 それは、砂良がもっと幼い頃に、父の長良から聞かされていた言葉だった。あの男、ただの髪フェチかと思いきや、結構良いこと言いますねー。
「今度のオーディションは、劇団の枠外で勝手に受けちゃったから、もう劇団には居られないけど、でもいいの。どうしてもやりたかったから。」
「自分の可能性に懸けたんだね。凄いなー、小学生なのに尊敬しちゃう。」
「砂良ちゃん、今度の役ね、髪が長くないといけないの。だから、今までずっと大切に伸ばしてきたんだ〜。」
「そうなんだ、気付かなかった。カオちゃん、いつも髪下ろしてないから。」
「砂良ちゃん、見て。」
 薫は、簪(かんざし)に手を伸ばして、一気に引き抜いた。
 
  ピュッ、スルスルスルーーーーーーーーッ

 支えを失った薫の漆黒の長〜いバージンヘアは、重力に引かれるまま、滝のように落下し、薫の背中、そして、腰に巻かれた大きな帯まで包み隠して、遂には、お尻を越えた辺りで、綺麗に一直線に並んでいた。
 帯の形に沿って、白く輝く艶に、砂良も思わず息を呑んだ。
砂良「お人形・・・お人形さんみたい。」
薫 「伸びたでしょ?この長い髪に感謝しなくちゃ。今度のは、本当に
   やりたい役だったから。そうでなくても、長い方が好きなんだけどね。」
 薫は、背中にあった髪の一部を前に持ってきて、愛しそうに見つめていた。
薫 「夢は、諦めちゃ駄目だよね。」
砂良「うん。」
「砂良ちゃんの夢は何?」
「う〜ん、髪を切らなくてもいい世界で暮らすことかな。可笑しい?」

 薫は、いつもの満面の笑みで、首を横に振った。すると、薫の真っ直ぐな黒髪が左右に揺れて、それまで後ろにあったサイドの髪が肩を越えて、薫の体を包み込むように広がっていった
カメラマン「薫ちゃん、その姿でもう一枚。」
 流石に、プロは、こういうタイミングを逃さない。一枚だけでなく、もう何枚も、撮りまくっていた。
 美しい黒髪の隙間から透けて見える着物の模様が、何とも言えない風情を醸し出していた。その美しさは、思わず砂良も大きなため息をつく程だった。
カメラマン「薫ちゃん、大きく回って。」
薫「はい。」
 遠心力で、宙に浮き上がる薫の漆黒のバージンヘアは、お尻を越えた辺りで揃えられているので、とても美しい円を画いて回転している。
 砂良も、カメラマンに便乗して、人形のように美しい薫の姿を写真に撮った。
砂良「カオちゃん、もう一回廻って、今度は動画で撮るから。」
 薫は、嫌な顔一つせず、ニコニコしながら回転してくれた。こんな幸せそうな笑顔の少女を、こんなにも輝いている少女を、砂良は、初めて見た気がした。
 こんな笑顔が出来るのは、薫という少女が、ある壁を乗り越えて、自分の夢に大きな一歩を踏み出したという実感があるからだろう。
カメラマン「それじゃー、そちらのお嬢さんと2ショットでいいですか?」
砂良「お嬢さんだって。」
薫 「一緒に写ろ。」
砂良「いいですよ。」
 カシャ、カシャ。笑顔と笑顔、世界一の髪長美少女と椿の妖精との夢の2ショット。これは、とんでもないお宝写真ですぞ!!
「砂良ちゃん、夢は諦めたら、終わりだよね。」
「うん。」
 大きく頷いた砂良は、半のっぺらぼーーーーーになり、長〜い前髪をかき上げた。昨日よりも、更に、大人っぽくなった気がする。
「私も信じてるよ。カオちゃんは、絶対に、人を感動させる女優さんになれる!」
 砂良は、将来の大女優の笑顔に見送られながら、椿屋を後にした。
 詩鳥家、砂良の長〜いバージン・ヘアを休める場所である。彼女を待ち受けていたのは、いつもの笑顔と美しくなって帰って来た妹に衝撃を受けている年頃の兄、良介であった。
「お兄ちゃん、ありがとう。有名人の写真、一杯撮ってきたよ。」 
 そう言って、砂良は、良介に、携帯電話を返した。良介は、ワンレングスが眩しく揺れている砂良を直視出来ず、何も言わずに携帯を取り上げて、自分の部屋に入って行った。本当は、ゆきちゃんのこと等、色々聞きたいことがあったはずなのに、砂良のジョークも返せない程照れていた。
 砂良は、買って来たお土産を家族に渡すと、取り敢えず、自分の部屋に戻って一息ついた後、副店長の青井空子から渡されたメモを読んでいた。そこには、こんなことが書かれていた。

  ヘアモデルとしての心得

1.次の撮影の日まで、以下の行為は禁則事項とする
・長時間きつく縛ったり、何かで留めたりする等、
 髪に跡が付いてしまいそうなこと
 (三つ編みなどは、以っての外)
・長時間、日光に当たること
・無理なブラッシングをすること
・その他、髪を傷めるような全てのこと
2.次の撮影の日までにしておくべきこと
・シャンプー、トリートメントは、一日置き
・ブラッシングは、朝昼晩の一日3回
・今の髪型の扱いや仕種に慣れておくこと
・そのためには、例え一カ所でも、
 髪を留めたり結んだりしない生活をすること
・ただし、安全上、やむを得ない場合は、
 一カ所だけ緩く短時間にすること
なお、次の撮影に関する詳細は、立花ひかりを通して連絡する。


  以上
 要するに、長〜いワンレングスを解いたまま、ずっと生活していなさいということですね。家でも、そして、学校でも。
 う〜ん、これは、我々にとって、とてつもなく楽しい学校生活になりそうだ。体育の時間とか、どうなるんだろう?
通夜「お姉ちゃん、御飯だって。」
 砂良の沢山の土産話を首を長〜くして待っていた長良、小夜子、良介、通夜。彼等に砂良が最初に発した言葉は、

 「ねぇ、お父さん、夢の叶え方、知ってる?」


         第2章終わり
 
     第3章に続く・・・

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「バージン・ヘア」(あとがき)パート
アールジェタン さん  2011.2.15(Vol.920) 初出___Cont.No.RV0222a    
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   第22話「V計画始動」の後書き

 全国の髪長美少女ファンの皆さん、もしも、髪長美少女しかいない街があったら、どんなに良いだろうなんて、考えたことないでしょうか?そんな発想から出来たのが、小町通りです。前話で、砂良は、メーテルでの断髪(毛先だけ)という大きな試練を乗り切ったので、22話は、髪長美少女達の笑顔が溢れるような思い切り楽しい回にしようと思いました。まあ、フィクションだから何でも有りということで、皆さんも、透明人間になったつもりで、女の子だけの街を想像してみて下さい。
 本話のタイトルは、君は生き延びることが出来るか?でお馴染みの「V作戦」から名付けた訳ですが、その内容が気になりますよね。取り敢えず、店の名前の書いてある紙袋を持って、メーテルを宣伝するということなんですが、勿論、それだけで終わるはずがありません。砂良や他の髪長美少女の分からないところで、金に群がる色んな大人達が彼女達のバージン・ヘアを巡って争うことになるのか?その向こうには、輝ける未来が待っているのか?何れにせよ、このV計画の内容によって、物語の展開が大きく左右されることは間違いないでしょう。

 さて、作者のご都合主義の街、小町通り(別名:バージンロード)にご都合主義的に美しい4人組が、様々な都合の良い店に来店する訳ですが、ファッションリーダーという設定のゆきちゃんが、都合良く、ミニスカショップに誘導してくれました。
 髪で、スカートの半分以上が見えない。こんなエキサイティングな場面が他にあるでしょうか?
 そして、その店で買ったばかりのミニスカを履いて、直ぐさま、パンチラの記念撮影までしてしまうとは。
 因みに、「ミニスカショップ・ひらり」という店名は、某・大所帯アイドルグループの曲名から、頂戴しました。曲調が古臭いので、曲自体はあまり好きではないんですが(古臭いと懐かしいは、髪一重)。
 それから、もう一つアイドルネタになりますが、砂良がサーラショップから噴水広場まで追いかけて行った二人組は、私のブログによく登場していた田口まりん(現・神崎真凛)ちゃんと、その相棒だった田辺きららちゃんがモデルとなっています。二人のことをご存知の方なら、納得して頂けると思います。
 そして、その二人に、結構重要な役割を担ってもらいました。砂良の幼なじみ、椿薫ちゃんが神永町にあると言っていた「しとりの泉」について、何かを知っているかもしれないということです。これによって、目が離せないキャラになりましたね。再登場も、あるかもしれません。
 さてさて、この可愛いらしい二人組と運命的な出会いをした砂良は、しとりの泉と関係があるかもしれない噴水の前で記念撮影した訳ですが、この噴水の中にある人魚の像のアイデアは、勿論、某・名作漫画の幻のラストシーンに感銘を受けて思い付きました。人魚の具体的なポーズについては、洗髪しているとしか書いてありませんので、その全貌が明かされるまで楽しみにしていて下さい。

 そして、ミニスカショップの次に滞在時間が長いと思われる「マジカルコムコム(魔法のくし)」でのくしけずりシーンは、第2章でも屈指の官能場面と言えるでしょうし、個人的に好きなのは、地下鉄の通気孔でのパンチラ&バージンロングの吹き上がりシーンです。
 地下鉄があるような街に行ったことがある人なら分かると思いますが、雨が止んだ後に、地下鉄が通過したりすると、通気孔から水の玉が浮き上がって、とても幻想的な場面を見ることが出来ます。今回の吹き上がりシーンも、それに負けない美しさがあるのだろうと勝手に想像してみて下さい。
 その後、砂良達は、小町通りの様々な店で買い物をしますが、砂良の携帯で撮った写真の場面の他にも、色んな髪のアレンジをして楽しんだという設定になってますので、映像化の際は、その各場面を詳しく、そして可愛いらしい髪長美少女達の笑顔を沢山撮って、スクリーンに映し出してして欲しいです
 そして、青春の1ぺーじでは、とても収まりきれない海のバカヤローシーン。4人の髪が真横になびいた時の長さを考えると最低でも、5ページは必要でしょうね(笑)。
 この時の4人の発言は、結構興味深いですよね。それぞれ、皆さんの想像力で、深読みしてみてください。
 こうして、沢山の思い出を作った砂良達4人組ですが、いつまでも「砂良達」とか「4人組」と言っていても味気無いので、どなたか、琴ちゃんの代わりに、この4人組( 砂良彩乃ひかりなゆき )の名付け親になってくださる方がおりましたら、遠慮なく私かスネークハートさんに連絡してください。お待ちしておりますm(__)m

 さて、次回は、いよいよ第2章最終話の後書きになりますので、今まで書けなかったネタばれ満載となります。
 それでは皆さんは、次回は、第23話「夢の叶え方」の後書きでお会いしましょう。
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「バージン・ヘア」(あとがき)パート
アールジェタン さん  2011.3.14(Vol.922) 初出___Cont.No.RV0223a    
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   第23話「夢の叶え方」の後書き

 全国の髪長美少女ファンの皆さん、遂に、第2章の最終話「夢の叶え方」の後書きまで来ました。本当に、長〜いお付き合いでしたね。
 小町通り(バージンロード)での夢のような出来事の後は、起きてしまった現実の後始末。現役アイドル、真白なゆきを仕事場からさらって行ってしまったことへの償いをしなければなりません。
 ここで(オフィスエイト)、砂良は、東京遠征の最後に、大きな壁を越えることが出来ました。友達のために、自分の長〜い前髪を切ろうとしたのです。恐らく、これまでで、最もショッキングなシーンだったのではないでしょうか?
 そして、なゆきの言葉を聞いての涙・・・。そうです。髪長美少女は、よく泣きます。心が繊細な上、長〜い黒髪で、泣き顔を隠せるし、涙も拭える。
 そんな砂良の勇気ある行動でも、何も動かなかった。それでも、この日流した涙の意味は大きい。ちょっぴり大人に成長した第3章の砂良にも、どうか注目してください。
 因みに、なゆきが所属していたオフィスエイトの「エイト」は、八木社長の「八」の字からとりましたが、同時に、ロングヘアー女性のシルエットも、表現しています
 そして、その事務所をクビになったなゆきの夢は、オフィスエイト以上の髪長美少女王国を作ること。まだ小学生なのに、夢があるのって、素晴らしいですね〜。
 かくいう私の夢は、勿論、「バージン・ヘア」の実写映像化です。なゆきの夢と少し似てますね(^^)

 所変わって、ここは、三杉ヶ丘。CMの撮影が行われた三杉家の庭です。以前にも、お話しましたが、このCM撮影のシーンは、第2章のタイトル動画からヒントを得て、思い付きました。昔の映画の一場面らしいですが、今の時代では殆ど見られない光景ですよね。スネークハートさん、素晴らしい映像を本当にありがとうございました。
 さて、その動画の後ろ姿の主、不思議系髪長美少女、三杉玲奈様を娘に持つ三杉大蔵氏の経営するM&R社は、新製品「レイナ(reina)」の前に、バージンヘア用のシャンプー「エレナ(erena)」を開発し販売しましたが、ここから、本作における様々な登場人物が出来たいきさつをお話します。
 今となってはもう、スネークハートさんでも、AKB48というアイドルグループの名前は、聞いたことがあると思います。地方支部や研修生まで含めると100人以上の大集団ですが、私は、まだ20人くらいの1チームしかなかった頃から、秋葉原の劇場に足を運んでいて、(予想以上に時間はかかりましたが)近いうちに今のような状況になるだろうと思っていました。
 そして、AKB本体の2つ目に出来たチームKに所属していた(去年卒業)えれぴょんこと、小野恵令奈ちゃんこそ、M&R社のシャンプー、エレナの語源になった元・髪長美少女です。
 彼女は、髪が伸びるのが速いらしく、最初はセミロング程度だったのが、数ヶ月過ぎた頃(丁度、第12話「処女髪に水滴りて」を書いていた)には、腰に達するまでになっていました。
 それに感激していた私は、その当時の恵令奈ちゃんの年齢が砂良達に近かったこともあって、砂良が使っていたバージン・ヘア用のシャンプーの名前を「エレナ」としました。
 ところが、突然、バッサリやってしまって、ガッカリさせられたので、彼女には悪役になってもらうことにしました。こうして、砂良の幼なじみ椿薫の代わりに、CMのオーディションを劇団の代表の意向で受けることになった「秋本エレナ」というキャラが出来ました。
 彼女の名字の「秋本」及び、劇団赤い羽根の代表にして、なゆきのバッサリ企画を考案した放送作家、眉月康(まゆづき・こう)の名前も同じく、悪名高きAKB48のプロデューサー、秋元康氏から拝借しました。
 私のブログで、よく出てくる「ゴキブリ男」という言葉は、23話の本文中の「ゴキブリのような男である」から引用しましたが、秋元をイメージした不名誉な称号が、その反対側の勢力である髪切りつんく氏にこそ相応しい状況になってしまうとは、本当に芸能界というのは訳の分からない所ですね(>_<)
 そして、椿の妖精こと、椿薫というキャラは、えれぴょんと同じくチームKに所属して、私のブログにもよく登場していた早野薫ちゃんがモデルとなっています。椿という名字は、その美しさが彼女自身のイメージに重なるのもありますが、文字通りシャンプーTSUBAKIのCMに出演出来るくらいの大女優になって欲しいという願いを込めて付けました。
 スネークハートさんは、椿薫のことをレトロ美少女と評してくださいましたが、私が彼女に抱いていたイメージが正にそれだったんですよ。その思いが伝わって、本当に嬉しかったです。
 因みに、本作の椿薫と秋本エレナは、敵同士になっていますが、早野さんのブログによれば、キャラのモデルになった二人は、卒業生同士で一緒にカラオケに行くような仲のようです。
 そして、ここまでお預けにしておいた椿の妖精、薫姫の簪(かんざし)抜きで第2章の見せ場は終了しますが、これまで長い年月をかけて書いてきた第1章と2章というのは、第3章以降に於ける世界一の髪長美少女、詩鳥砂良の髪型、即ち、ずっと三つ編みをほどいて生活しなければならないという夢のシチュエーションを実現されるための長くて長〜い前フリだったのです。
 そして、砂良の最後の台詞にして本話のタイトルでもある「夢の叶え方」は、諦めないこと。これは、第18話の冒頭のシーンで、長良も言っていますが、この言葉を引用した著書があります。かつて、東京パフォーマンスドールというグループに所属していた穴井夕子さんの「夢の叶え方」という本です。
 人は皆、選ばれ続けないと、その時点で辞めてしまう。それでも、自分の力を信じて挑戦する者だけが、勝ち残ることが出来る。私も、「バージン・ヘアの実写映像化」という夢を未だ諦めてません。
 何だか、私らしくない終わり方になりましたが、最後に重要なお知らせです。 

 2002年よりこれまで、中年ロングヘアーさんの小説コーナーをお借りして連載を続けてきましたが、スネークハートさんの「仕事が忙しいので自身の作品に専念したい」という意向を尊重し、私の都合等も総合的に熟慮した結果、第3章からは、現在更新停止中の「正義の味方クロストロン・ワン」で連載を続けることにしました
 スネークハートさんのような神業的な編集は、とても真似出来ませんが、私なりに、「内容が分かりやすく」をモットーに頑張っていこうと思います。
 スネークハートさん、長い間、本当に、ありがとうございました。
 なお、小説の更新等のお知らせは、「クロストロン2」で行いますので、「2」も方も、要チェックでお願いします
 それでは、読者の皆さん、正義の味方クロストロン・ワンで始まる「バージン・ヘア」の第3章を、今後とも、宜しくお願いしますm(__)m





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「バージン・ヘア」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2010.1.1(Vol.899) 初出___Cont.No.snake22    
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編集・発行者からの御礼−−第2章 第22話「V計画始動」
アールジェタンさん、「バージン・ヘア」の新作、第22話「V計画始動」のご執筆・ご投稿ありがとうございました。

今回もまたまた大きなボリュームの作品でしたが、前話で砂良ちゃんと彩乃ちゃんが東京に、メーテルに呼ばれたのは、 ヘアカットが目的ではなかったことが明確になりましたので、今回はかなりリラックスしてストーリーや情景を楽しむことができましたネ。 少女とバージンロングヘアの可憐さとSFっぽい響きのタイトルとのちょっとミスマッチさも面白いです。
> 砂良と彩乃に「バージン・ヘア」と書かれた紙袋、 なゆきとひかりにも「メーテル・ヘアエステ無料体験コース」と書かれた紙袋 .... まあ結局は、このヘアサロン「メーテル」の宣伝のためにこれまで4人の少女の髪をエステしてきた.... ということですヨネ。悪く言えば大人のビジネス世界に子供を利用したということになるんでしょうが、でもこのように 少女の願望も叶えて我々ロングヘアーLOVERも満たしてくれるポジティブな相互利用ならば願ったり叶ったりですね。 現代の日本の茶髪を蔓延させようとする美容業界と簡単に洗脳される女性たちのネガティブな協力関係とは大違いです。
で、少し上に戻りますが、 > 「今日のヘアモデルの仕事は終了です」 .... “今日の” と言うことはすなわち、これからも “別の方法で” ヘアモデルの仕事を続けてもらいますということでしょうかネ。

> 「みんな長過ぎ」 .... 私はここで一瞬「えっ!」と思ってしまいました....当然「髪が長すぎる」という意味に。 読者の方々の中にもそう思った方が居たと思いますし、アールジェタンさんもそれを狙われたのでは....?(^_^ )
> 乙女の長〜い黒髪にミニスカート・・・誰かさんが好きそうな組み合わせですね .... いや〜〜〜この読者の方々の中で、この組み合わせが好きでない人はまずいないでしょう(笑)
> シャンプー、ヘアエステ直後の4人の長〜い髪の少女が並んで歩く様は .... このストーリーを読んでこの情景を思い浮かべますと、あの資生堂・椿のCMもぜひショートストーリー仕立てのロングバージョンを作ってほしい と思ってしまいますねぇ。私は芸術的作品・創造物は時代を映す鏡でもありその時代を後世に伝えるアーカイブでもあると思うんですよね。 自分の作品でも少し意識しているところもありますが、アールジェタンさんも同じく現在の資生堂・椿のCM(そのほかにもリジョイなども)を ストーリーに盛り込まれてるのかなとも感じてしまいます。
> バージン・ヘアの女性しか入れないというルールがあり・・・茶髪女が入場出来ないように見張っている .... 現実にも“若者の町” とか言われている通りなどにもそういうルールが作られると嬉しいですよね。 架空の話の上とは言え、ここまで正面切っての茶髪批判は爽快です。 今の世の中って茶髪に媚売り過ぎですもんね。


> スカートの裾から下にはみ出ている髪 .... いや〜〜〜コーフンしますねぇ。“スカートを超えている髪” ってホント、ゾクッとします。 ほんの2cmの違いであっても、“スカート丈の1cm上” と “スカート丈を1cm超えている” とではかなり違うんですよね。 更にはミニスカですから膝の関節の裏側も露呈しているわけですよね。その膝の関節の裏側を越えているか否かでも コーフン度はまた違ってくるものなのです。
で、今回4人ともミニスカになるということは、砂良ちゃんとひかりちゃんはスカート丈超えですが、 なゆきちゃんと彩乃ちゃんはスカート丈上ということですよね。 そしてひかりちゃんは膝関節裏側より上でしょうが、砂良ちゃんは更に膝関節裏側も超えているWコーフンヘアーということになりましょうネ。
ですので、砂良ちゃんの長さならば、もしもくるぶしまでのロングスカートだと髪先の到達位置が明確には見えませんので、 “同じ長さであっても、ミニスカとロンスカではコーフン度は異なる” ということなのです。 まあロングスカートだと髪の長さを想像する楽しみも有る事は有るのですが。
更には、> 「砂良ちゃん、髪でスカートが見えない」 .... いや〜〜これまたコーフンするフレーズですねぇ....「髪で○○○が見えない!」ってのはその髪の長さの非常人性を表しているかのようでホント、 ゾクゾクっとくるのです、私。
で、その上で....> のっぺらぼーーーになってしまった .... その “スカートが見えない” を口実(?)にして、またもやのっぺらぼーにさせてしまう執念がスバラシイ(^_^ )。 思い返せば前の数話中で何度か “最後ののっぺらぼー” と書かれていたような気がしましたが、 無事なことが分かれば前にも増して蔵出し放出全開って感じですヨネ。 “二重に輪のある惑星”、“2つの円周を”、“その反動で逆方向に” といった科学的風な解説も いつもながら楽しいです。

> 長〜い髪を洗髪している美しい人魚姫の像 .... 私も描いたことが有りましたが、人魚姫って本当にそそられるところがありますよね。 どんな彫刻家が作ったんだろうとかロングヘアーを全面に出した町造りのアイディアを出し合う様子など想像するとまた 楽しくなってきます。そう考えると、大分県の大田村なんてのは(耳寄り情報参照)今の日本には珍しく特筆すべき地区ですよね。
ところで、> 「信じようよ、しとりの泉の伝説」 .... ここで不思議な展開になってきましたねぇ。たしか第15話で初めて語られた時(by薫ちゃん)、 その後第17話で再び語られた時(by愛子ちゃん)ともに、しとりの泉は埼玉県の神永町に在りそうなニュアンスでしたが、 今回の2人のニューフェイス少女(まりん&きらら)のこの会話からはまるでこの東京都の小町通りの噴水がそうであるかのように 感じてしまいますよね。そしてそこに丁度 “しとり砂良ちゃん” が居合わせたところもヒジョーに意味ありげで、 とっても気になりますヨーーーー。 こういった謎解きもまた「バージン・ヘア」を読んでいく上での大きな楽しみですよね。 アイディアや名付け方そして少しずつ小出しにしていくところもとてもお上手です。それにしても....
> 二度目のくしゃみでカチューシャが落っこちてのっぺらぼーーになってしまった .... ねえ、常人だとなんの変哲もない1つの些細な行動でも、いざさらさらつやつやのバージンヘア少女だと、 のっぺらぼーになってしまうんですねぇ、そう考えると “生活しにくそーーー”(^_^ )。そこがまたそそられるところですが。


> 黒髪の美しさが引き立つような明るい色の服が多い・・・なゆきがコーディネートしたファッションは、 芸術性の高い噴水広場の景色にとてもマッチしていた .... 4人がコーディネートを済ませて揃ったところで、舞台である小町通とそこに佇む・そこを行き交う美少女たち を含めた画面のカラーをここで我々読者に伝えて下さるところが素晴らしかったです。 人夫々で感じ方は違うでしょうけど、なんとも透明感溢れる美しく可憐なカラーの画面が目に浮かぶようです。
> 「マジカルコムコム」・・・店の前には大きな櫛のオブジェ .... 先のサーラのグッズ店、ミニスカショップ・ひらり、そしてこの櫛の店と、 いかにも少女たちのための町・通りに相応しいお店が登場してきますね。店名もとてもそれらしくユーモラスです。 そしてそれらの店を梯子している美少女たちの姿はさぞかし可憐で可愛いことでしょうねぇ。 巧みに読者のイマジネーションを掻き立ててくださいます。
> 地下鉄の通気孔の真上・・・吹き上がる強風・・・のっぺらぼーーー .... なんとなくひかりちゃんの確信犯のような気もぉぉぉ....(^_^ )
> ひかりは・・・元のピカピカの鏡面ヘアにした。その鏡で自分の前髪も直してしまった .... このチャッカリぶりが面白くて可愛いですし、 > なゆきがひかりの前髪を触ろうとしても・・・拒み続けて触らせなかった .... 相変わらずの一貫した頑なさもひかりちゃんの個性を再認識させて下さいます。
> 面白い櫛・・・髪を滑り降りている間ゴンドラの中の人形が髪を拭いているかのように動き出す .... こういった小道具でもよく凝って考えられますよね。その姿・形が目に浮かぶような丁寧な文章による説明もお上手です。 で....
> 最後には前髪で落下させてお約束ののっぺらぼーーー .... 必ずと言っていいほどそれを使ってのっぺらぼーを作り上げるコダワリがまた美しい!(^_^ )

そうして「マジカルコムコム」を官能の世界に変えてしまって(?)お店を出た美少女カルテットですが....
> りぼんの専門店、カチューシャだけを扱う店、シャンプーの専門店 .... 先のサーラのグッズ店、ミニスカショップ・ひらり、櫛の店・マジカルコムコムに続き、 髪長美少女の町・小町通りに相応しいお店が更に続々登場して、我々読者に町のイメージをより明確にして下さいます。
> 携帯で撮った写真・・・一枚目彩乃の・・・二枚目なゆきの・・・三枚目ひかりの・・・四枚目砂良の .... ここらは4人の少女たちの “旅の思い出” ってな感じです。ここまではややお仕事チックな行動って感じでしたが、 エンジョイすることも忘れずに入れて下さるところが良いですし、4人4様の写真で夫々に“大人っぽい”とか 形容詞が付けられているのも丁寧ですし、主人公の砂良ちゃんを4枚目に持ってくるところも、 とても流れがお上手でした。
> 彩乃、なゆき、ひかり、砂良の長〜い髪でさえも地面と平行を保ったまま風の海を泳いでいる .... まるでこいのぼりのようですヨネ。こんな完璧な平行ヘアーを作り上げるなんて滅茶苦茶に器用な海風ですが、でも、 そんな奇跡を成し得てしまうほど4人の髪は奇跡的な美しさだということで納得させられます。 海辺ということなのでまるで4人の人魚が泳いでいるかのようでもあったでしょうねぇ?
> 校則の・・・社長の・・・転校ばっかり・・・バカヤローーー!!! .... このバカヤロー3連発は、乙女たちの本音が聞けてとても面白かった箇所でした。 3人とも普段は押さえ込んでいますので分かりませんでしたけど、やはり本音はこうだったんですねぇ。で.... > 「えっ、あ、今日は楽しかったーー!」 .... 最後にコケてくれて笑わせてくれるところがまた良いですねーー。彩乃ちゃんのオトボケぶりが再認識できました。
> 「あなたが忘れたのは、この金の櫛かな?」 .... この度アールジェタンさんが始められましたブログ上で「バージン・ヘア」を髪長ファンタジー小説と言われてまして、 私も『なるほど』と再認識いたしましたが、 ここで、おとぎ話の一節を導入されるところもまたファンタジー小説らしい楽しさです。 しとりの泉、人魚姫の像、この金の櫛の件とファンタジー性が連続して溢れてますよね。 そして上述の海のバカヤローの青春ドラマ風など、今回というか毎回本当に多くの楽しい要素・アイディアが盛り込まれてますよね。


さて、「バージン・ヘア」が始まって7年あまりが経ちましたが、1つの大きな謎(?)が今回明かされましたね。 それはタイトル文字に込められた意味でした。
> ウに濁点じゃないですか?・・・ハになっているのは長い髪の女性のシルエット・・・濁点が二重の艶を表現してるの .... ナルホド。私は実は “ウに濁点” はまったく気付かず、“バ” をごく自然に受け入れていただけでした。 まさかそういう深い意味が込められていたとは....。 たしかに片仮名の “ハ” の文字って、女性のロングヘアーの頭頂から肩にかけての、まるで富士山のようなすそ広がりのシルエットを 連想させる形ですよね。今回初めて気が付きました。 更には....
> 間にある点は・・・魔法の一滴っていう意味 .... ここにもまた意味が有ったんですねぇ。さすが美少女をこよなく愛されるだけあってピュアな感性をお持ちです。 御見それ致しました。「バージン・ヘア」のもつちょっと不思議さ・ちょっと非日常さそして可憐さには “魔法” という言葉が ピッタリです。

さてさて、神永中学校の悪校則の件が残されているとは言え、取りあえずメーテルでは大過無くほぼ全てが順調に収まったと 思いきや.... > 渋宿の美容室で引き起こした事の後始末がまだ残っていた .... そうでしたそうでした。あのことを無責任に流してしまうのではなく、ちゃんと決着をつけようとなさるところが立派です。 私のようないいかげんな作者だとあれはあのまま終わらせてしまうことでしょう(笑)。 どうやら最初に大きな審判が下されるのはなゆきちゃんのようですねぇ?
更には前話のラスト部分の > モデルの第一候補は砂良ではなく彩乃の方なのだと言う .... もまた気にかかるところです。今回のラスト近くの > 「私がヘアモデルに選ばれたら」 とか > 「4人でアイドルグループとか組んだらどう?」 といった台詞とはどのように整合が取られるのかも気になりますねぇ。

では今回もまたまた力作でした第22話「V計画始動」のご執筆・ご投稿まことにありがとうございました。
「バージン・ヘア」(ご感想)パート
アールジェタン さん  2010.1.8(Vol.900) 初出___Cont.No.RV0222b    
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スネークハートさん

明けましておめでとうございます。
そして、今回も、詳しい感想を頂きして、ありがとうございました。
前回で、一つの大きな山を越えましたので、今回はいくらか気楽に読んで頂けたかと思います。

>SFっぽい響きのタイトル

某・機動戦士ものを意識して付けました。

>これからも、別の方法で、ヘアモデルの仕事を続けてもらいますということでしょうかネ

後半の空子の台詞で、「これからのことは、ひかりちゃんを通じて連絡しますから」とあるので、まだあると思った方がいいでしょう。

>椿のCMをストーリーに盛り込まれている

はい、それは、渋宿のサロンロードの時から、かなり意識して書いています。あのCMは、色んなバージョンがあって楽しめますが、たまに、茶髪の素人っぽいのが出てくることがあるので、あれは止めて欲しいですね。

>ミニスカですから膝の裏の関節の裏側も露呈している

それは、とても重要ですよね。長〜い黒髪が揺れて、膝の裏が見え隠れしたり、ふくらはぎをくすぐったりして。やっぱりロングにはミニスカです。

>なゆきちゃんと彩乃ちゃんはスカート丈上

スカート超えに越したことはないですが、その前の段階で、スカートの腰のラインを越えて、スカートの上に横たわっている黒髪も、また最高です。なゆきくらいの長さだと、いつスカート丈を越えるだろうかと思いながら見ることも出来ますね。

>人魚姫の像・・・私も描いたことがありましたが

勿論、あの名画が無ければ、このアイデアも思いつきませんでした。本当に、あの絵は、いつ見ても、ため息が出ます。

>しとりの泉・・・小町通りの噴水がそうであるかのように

今のところ、2つの説が出てますよね。本当のしとりの泉とは何なのか、最後までじっくりと読んで確かめて下さい。

>さらさらつやつやのバージン・ヘア少女だと・・・生活しにくそーーー

そんな女の子をじっくり観察したいですよね。第3章では、そういう場面をもっと増やしたいと考えています。

>なんとも透明感溢れる美しく可憐なカラーの画面が目に浮かぶようです

何分、作者が女の子のファッションに疎いものですから、読者の皆さんに想像してもらう手法にしました。ですから、皆さんの好きな服を、頭の中で髪長美少女達に着せてあげて下さい。

>その姿・形が目に浮かぶような丁寧な文章

ありがとうございます。あの櫛の仕掛けをどうやって説明しようか悩んだんですが、ちゃんと伝わったようなので嬉しいです。

>海辺ということなのでまるで4人の人魚が泳いでいるかのよう

素晴らしい表現ですね。今度、何かの場面で、使わせてもらいます。

>ブログ上でバージン・ヘアを髪長ファンタジー小説と言われてまして

正確には、「髪長美少女ファンタジー小説」なんですが、いつぐらいから、ファンタジーっぽくなるのか、第3章以降を楽しみにしていて下さい。
でも、そんなところまで、詳しく見て頂けて、本当に嬉しいです。私なら、多分、動画のところしか見ないでしょうから。

>最初に大きな審判が下されるのはなゆきちゃんのようですねぇ

ということで、次回は、いよいよ、第2章の最終話です。果たして、ゆきちゃんは、事務所をクビになってしまうのか?また、第2章が、どのような結末になるのか、どうぞお楽しみに。

<編集・発行者からの御礼>
アールジェタンさん、明けましておめでとうございます。

> 勿論、あの名画が無ければ、このアイデアも思いつきませんでした .... どうもありがとうございます。でも、あの絵は元々アールジェタンさんが送って下さった画像にヒントを得て 描いたものですから、まあキャッチボールのような感じですね(^_^ )
> 本当のしとりの泉とは何なのか .... まあもしかして、一箇所だけとは限らないとか?(^_^ )
> ゆきちゃんは、事務所をクビになってしまうのか .... 「社長のバカヤロー」と言ってた訳ですから、特に未練はなさそうに思えるのですが....

では、今年もよろしくお願い申し上げます。
<3回前投稿>
「バージン・ヘア」(ご感想)パート
モンキーハート さん  2010.4.1(Vol.904) 初出___Cont.No.mkhrt01    
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詩鳥砂良が神永中学に入学してからの第3章について

第1章から第2章までのストーリーはとても官能的で感動しました。女の子同士の友情にも感動しました。できるだけ早く詩鳥砂良が神永中学に入学してからの第3章のストーリーが読みたいのですが。

モンキーハート さん、「バージンヘア」にご感想をくださいまして、
まことにありがとうございました。

by SNAKEHEART(HP編集・発行者)

<前々回投稿>
「バージン・ヘア」(ご感想)パート
アールジェタン さん  2010.4.3(Vol.905) 初出___Cont.No.RV0223b    
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モンキーハートさん

ご感想を下さいまして、本当にありがとうございます。
ストーリーを褒めて下さって、とても光栄に思います。
砂良が神永中学に入学する前には、断髪校則という大きな壁を乗り越えなければなりません。
第3章では、この他にも、いくつもの感動やサプライズを用意してますので、どうか首を長くしてお待ち下さい。
<3回前投稿>
<前回投稿>
「バージン・ヘア」(ご感想)パート
SNAKEHEART  2010.4.17(Vol.906) 初出___Cont.No.snake23    
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編集・発行者からの御礼−−第2章 第23話「夢の叶え方」
アールジェタンさん、「バージン・ヘア」の新作、第23話「夢の叶え方」のご執筆・ご投稿ありがとうございました。
今回もまたまた大きなボリュームの作品でした(第2章の締めくくりでもありますし)が、 救われた少女や夢が叶った少女もいて次章以降への希望も感じられる、 1つの締めに相応しい明るい内容だったと感じられました。 モンキーハートさんが言われたように女の子同士の友情(お互いを思いやり、足を引っ張ろうと誰もしていない)も微笑ましいですよね。

> 一人の少女が鏡台の前に座って・・・彼女の名は垣内結奈 .... 前話の終わりが4人娘で東京の小町通りだったのが、1話明けるとこうして場所も人物もコロッと変わっているのも、 連載小説の楽しさですネ。
> 帰りのブルーマリン号が余りにも混んでいて・・・電車の中は長〜い髪の女の子達ばかりで .... そういえば最近知ったんですけど、横浜の市営地下鉄ってブルーラインって呼ばれているそうですってね? そういうことが 分かってから再読するとニンマリしてしまいます。 ま、それはともかく、“だらけ” 程ではないにしても1990年代初め頃は関西の車内でもちょっと似た光景も味わえたかなぁ....(あぁ虚し)
> 光る物体をじっと見つめていた。 「玲奈様、あなただけに、辛い思いをさせません。」 .... 冒頭部で、謎めいた台詞と行動を印象付けておいて、お話が進むにつれて徐々にその謎解きをしていく、 いつもながら巧みですね。
> 元々、オフィスエイトは・・・社長に逆らうことは出来なかったのである .... この一連の回想録(?)に於ける、業界人たちの様々な思惑が絡み合っている様は、『いかにも』と 納得させられるリアリティがありますね。
> 髪長美少女タレントの発掘に着手して .... なんとなくイエローキャブのロングヘアー版って感じですね(^_^ )。実際私、 『巨乳じゃなくて超ロングヘアーなら、どれほど素晴らしいだろ』と思ってました。
> 「君がなゆきの代わりにその長〜い黒髪をバッサリ切るとでも言うのかね」 .... これはもしも実現したならば、なゆきちゃんのような知名度は無いにしても映像的には更に ものすごい物になるでしょうから、眉月が喜びそうですね。 と考えるとなんだか今後、砂良ちゃんが眉月に目を付けられて....なんて想像もしてしまいました。
> 「ハサミの形した櫛なんだよ」 .... 本当にこんな商品ってあるんですかねぇ? ありそうな気もしますヨネ(^_^ )
> 砂良は・・・ハサミを取り出して .... とてもショッキングなシーンでしたが、オチを知ってから冷静に考えられますと、 砂良ちゃんはもうすっかりハサミ恐怖症を克服したということでしょうかネ?
> 「事務所の社長になるのが夢なの・・・髪長美少女王国を作りたいの」 .... おお〜〜〜これは小学生らしからぬ(?)スケールの大きな夢なんですねぇ。アイドルじゃなくて そのはるか上を目指しているなんて。ぜひとも実現してほしいですね。


> M&R社では、社長の大蔵が・・・バージンヘア戦線で大きく遅れをとることとなってしまった .... 上のオフィスエイトの件と同様、これもまた『いかにも』と納得させられますね。先のはいやらしいマスコミ人で、 これは軽率な女の子が共に、日本女性の美しいロングヘアを汚していると、現代の日本を象徴していますね。
> ストーリー性の薄い設定の時にこそ .... でも、ロングヘアー好きの男性が喜びそうなマニアックさが、寧ろ嬉しい設定だと思います(^_^ )
> シャンプーで髪が綺麗になった女の子が、嬉しくなって広い草原を走り出して、その時の長〜い黒髪が風になびく .... なんとなく、この第2章のタイトル動画に近い映像のように思えますねぇ(^_^ )。 あの動画はアールジェタンさんのご要望を聞いて作成したのですが(2006年の8月か)、 その時点で既にこの草原を駆ける玲奈ちゃんのシーンを頭の中に描かれていたのでしょうか? あるいは このタイトル動画に合わせて今回のこのシーンを執筆して下さったのか? あるいは偶然一致したのか? ....いずれにせよ、タイトル動画を作った私としては嬉しかったです。
> 何とか父の役に立とうと必死になっていた .... こんな髪長美少女の娘から慕われている父親って幸せですよね。先日まで放送されていた「ねこタクシー」というドラマで、 主人公の父親が最初、娘の山下リオちゃんから「シッ、シッ」と汚い者扱いされてたのはヒジョーに気の毒でした(^_^ )
> テイク20目・・・今までの疲労から足がふらつき・・・つまづきのっぺらぼー .... ここでまた、のっぺらぼーに持っていく手法がとても笑えました。大蔵氏が映像の鬼ということも 玲奈ちゃんののっぺらぼーを作り出すための道具というか理由付けになってしまったわけですね(^_^ )
> この撮影が終了したらショートヘアになるつもり・・・結奈も自分もショートヘアになる .... なんだか心中のようですね。悲壮感が最大に漂っております。もしもそうなれば、よりによって玲奈お嬢様がバッサリ第1号に なってしまうところでした。


> 互いのバージンヘアを触りっこしながら長〜い黒髪のヘアケアの話で盛り上がっていた .... そういえば去年の9月頃だったかなぁ、地下鉄の隣の車両に膝裏までのまっすぐな黒髪の女子高生が(クラスメートらしき、これはフツーの女子高生と共に)乗ってきましてね、 私すぐさま次の駅でその車両に乗り換えました(笑)。その娘は丁度空いた目の前の席に座ったんですが、 その時に長ーーい髪を体の前にもってきて、そして降りるまで20分近くの間ずーーーっと一瞬の休みもなく、 その髪を梳いたりいじったりしながら連れの娘と話してました。このシーンを読んでその時の光景を思い出しました。 傍目を気にせず髪に夢中になっている(そこがまたカワイイ)ロングヘアーの女の子って、よくいます(いましたと言うべきか ^_^ )もんね。
今の時代(主にマスコミからの悪影響により)、髪に愛着を持っている娘はホントに少ないと思うのですが、 でもここまで伸ばしている娘だとやはり愛着を持っているみたいですね。 まとにかく、こういう些細な現実の官能体験をも思い出させてくれるところもまた「バージン・ヘア」の すばらしい所ですよね。
> 砂良はあの忌ま忌ましい事件のショックで幼い頃の記憶が一部欠けているところがある .... リアリティが良いですねぇ、事件の生々しさ・砂良ちゃんの受けたショックの大きさが伝わってきます。 汚れを知らなかった純粋な少女だとホントに有りえそうですもんね。

> 乱れてしまった長〜い髪にブラシをかけて、のっぺらぼーーにしてから .... “SUNSUNと降り注ぐ太陽の光の下、緑の草原の上で...”。この周囲に何の障害物も無い、完全開放された空間の中での のっぺらぼーってのも、また一味違うクリアーな姿でしょうかねぇ。
> 「天使になったみたい。空も飛べるかな」 .... 良いですね〜〜〜ちょっとクサめ(失礼 謝)のこの台詞が、まるで1970年代のアイドル全盛期を思い起こさせて懐かしくなってきます。
> その時、一陣の突風が・・・そのまま倒れ込んでしまった・・・「今、御祖父様の声が聞こえたの」 .... お上手ですねーーこのあたりの演出も。おそらく玲奈ちゃんにとって(「バージン・ヘア」に於ける)最大のクライマックスシーンかと想像するのですが、 そこで彼女の特徴である “不思議少女” を改めて印象付けさせておられます。
> 風圧でメイド用の白いヒラヒラ付きのヘアバンドがつるんと滑り抜けて、長〜い黒髪が全て解放され風の海を泳いでいた .... これまた素晴らしいシーン。『もしあのヒラヒラした頼りないヘアバンドが飛ばされたなら』の期待は、メイドを見ると 誰しも(?)が期待するところです。今回、映像的にはこのCM撮影パートが最大のクライマックスだったかなと思うのですが、 その中でも特にここから> 丘の麓で抱き合った二人はまるで生き別れの姉と妹の再会のようだった までの一連はまさに涙モノの超ドラマティックシーンです。大蔵氏が思わず撮影してしまった気持ちも分かります。 第2章の締めくくりシーンのようにも思えましたデス。

> 「三ツ星才女学院、補欠合格の通知が来ました」 .... 第14話「お・や・す・み」(3年近く前のご執筆)の中で > 「大丈夫です玲奈様。まだ補欠合格の発表もあります」 の台詞は、私ちょっと簡単に読み流しておりましたが、ちゃんと意味があったんですね。 CM撮影の日(それはすなわち玲奈ちゃんの髪の命日を意味していた!)と補欠合格発表の日が一致していたことになるんですねぇ。 “偶然” の2文字だけでは片付けられない何かのパワーも感じます。
> 入学式の頃には桜並木が祝福の花を咲かせてくれる .... 良いですね〜〜〜〜この爽やかな表現。バージン髪黒と同様美しさの象徴であるお花を擬人化して、 守られた玲奈ちゃんの髪に祝福を贈るなんて....すごくピュアな感性が書かせた表現だと思います。
> 「私が必ずお守りすると」「結ちゃんは諦めてないから、私も希望を捨てたらいけないって」 .... (再び)第14話「お・や・す・み」の中で > 「玲奈様の黒髪は、私が必ずお守りします」 とたしかに言ってました。具体的に彼女が何か裏で行動をしたのかどうかは分かりませんが、でもお話を読む限りでは、 “希望を持ち続けることで、願いが叶う”(Believe in yourself. So your dreams will come true.ってトコでしょうか ^_^ ) という少女らしいひたすらな願いが玲奈ちゃんの危機を救ったようでした。論理的とは言いがたいそこがまた良いところなのです。
思えば玲奈ちゃんに関しては、何もかもが非論理的・非現実的って感じで、そこがまた面白かった(^_^ )


さてこれにてめでたく、神中の悪校則から救われた第1号少女−−玲奈ちゃん−−が誕生したわけですかね?  第2章の締めくくりにふさわしかったと思いました(今後、予断を許さないとは言え)。
では、まだ救われてはいない少女たちに戻りますと....
> 「砂良ちゃん、今日、三つ編みじゃないね」 .... 以前レトロ美少女と表現してしまった薫ちゃんが再登場しましたね。 思えば前日薫ちゃんに会った時は砂良ちゃんはまだ三つ編み少女でしたが、 この30時間余りの間の砂良ちゃんのヘアースタイルだけでない心の成長まではさすがに薫ちゃんでも読めないでしょうねぇ。
> 「その簪も素敵!」・・・薫もよそ行き用の着物を着ていたのである .... 薫ちゃんが登場すると本当にしっとりと落ち着いた上品で懐かしい不思議な空気が流れてきますよね.... もしかして年齢ごまかしてたりして(^_^ )
> 「椿屋の前に妖精がいる」と言って廻ったのが始まりである .... 現在の「サーラ」に夢中になっている砂良ちゃんのファンタジー好きは、だいぶ前から萌芽していたということですネ。 キャラクターにちゃんと整合が取れている感じです。
> 砂良の父長良はM&R社の宣伝部を志望していたが・・・テレビの企画を出した放送作家でもある .... おおーーーここでなんと、先の2つの回想録(本文中の茶色文字の文章塊)がこの回想録と一緒に繋がってしまいましたねぇ。 まるで3つの120度のリングパートが繋がって輪となったような、あるいはジグソーパズルのピースが埋まったような.... 巧みに繋がったことに感心しました。
まあそれを繋いだ人物は眉月というゴキブリ男だというのも皮肉ではありますが、砂良ちゃん,なゆきちゃん,玲奈ちゃん,結奈ちゃん,薫ちゃんの5人の美少女と、 長良氏,大蔵氏,八木社長の悩む3氏と、オフィスエイト,M&R社,劇団赤い羽根の3団体、そして秋本エレナと眉月の悪2人が 複雑に絡み合って(中には面識の無い人たちも多数いる)、それによって主にこの第2章の様々なショッキングシーンや 官能シーンそして感動シーンを作り出していたことになるんですねぇ。 そしてここに絡んだ5人の美少女たちがみな“自分を信じて、最後まで絶対に諦めない”の信念を持ち、 (夫々大小はありますが)難局を乗り越えることができた(例えば玲奈ちゃんは断髪から救われたし、薫ちゃんはオーディションに受かった) ....そう考えると本当に良く練られておられます。素晴らしいです。
またそれと同時に、薫ちゃんが初登場した第15話「髪風船」を読んだ時には、 私が実態が分からなくて何となく読み流した > 「あのシャンプーのCMに出たっていう子」 > 「代表の決定が絶対だから」 の意味も今回明確に判明しました。ってことは、アールジェタンさんは少なくとも2年半以上も前から この複雑な人物リングを頭に入れられて、ずっとご執筆して来られたということになるんですね....う〜〜〜んっ、感服!

> 薫の漆黒の長〜いバージンヘアは・・・お尻を越えた辺りで綺麗に一直線に並んでいた .... 前回登場した時にはずっとアップスタイルで解こうとしながらお預け(^_^ )してしまい、 しかも > 「このオーディションに受かったらね。この髪・・・」 と意味深な言葉で最後まで謎のベールに包まれていたレトロ美少女・椿薫ちゃんの髪が遂にお披露目なりましたネ、 これも第2章のラストに相応しい! やはり期待通りの美長髪のようでしたし、薫ちゃんの気品を一段と高めているかのようです。 “伸ばしっぱなし系” ではなく “先揃え系” なんですね。
> 世界一の髪長美少女と椿の妖精との夢の2ショット .... や、や、これは....砂良ちゃんが、砂良ちゃんの超ロングバージン・ヘアがマスコミの目に触れたじゃああーーりませんか!! 今回、 このことについてはアッサリと流れた感じでしたが、今後なんらかの影響を及ぼしそうな予感も私はするのですが。
> ヘアモデルとしての心得 .... これもよく考えておられますね(^_^ )。アールジェタンさんの『完全にまっすぐでつやつやさらさらの、 究極のバージンロングヘアーをできる限り沢山増やしたい』という、少女たちへの願いが込められているかのように感じましたデス。
さて、今回のみならず第2章「少女覚醒」のラストの台詞となりました、 「夢の叶え方、知ってる?」 .... 今回のタイトル「夢の叶え方」が、先ずは玲奈ちゃんと薫ちゃんの夢を今回叶え、そしてこれからも、 まだ(神永中学の断髪校則の)恐怖から開放されていない砂良ちゃんを初めとする髪長美少女たちも、 夢を持ち続ける限りは救われる可能性がある(何せ、そう言った本人の砂良ちゃん自身がまだ夢 −−髪を切らなくてもいい世界で暮らすこと−−が叶っていない ^_^ ) ....という希望も示唆しているかのように私は感じましたデス。第2章の締めくくりに相応しいですヨネ。


では今回もまたまた力作でした第23話「夢の叶え方」のご執筆・ご投稿まことにありがとうございました。
そして(2006年8月に始まりました)第2章「少女覚醒」の完結、本当におつかれさまでした。
<前々回投稿>
<最新投稿>
「バージン・ヘア」(ご感想)パート
アールジェタン さん  2010.4.21(Vol.907) 初出___Cont.No.RV0223c    
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スネークハートさん

今回も、お忙しい中、第2章の最後に相応しい詳しいご感想を頂きまして、本当にありがとうございます。

>横浜の市営地下鉄ってブルーラインって呼ばれているそうですってね?

そのことは知りませんでしたが、横浜にはよく遊びに行ってました。昔から、ロングヘアの女の子が多いという印象でしたが、ある日、とんでもない少女と遭遇してしまいました。 その時の様子については、私のブログ(クロストロン・ワン)のほうに、そのうち書くかもしれません(宣伝?)。

>砂良ちゃんはもうすっかりハサミ恐怖症を克服したということでしょうかネ?

ハッピーシザースでの出来事や、友達のために何かしてあげたいという思いから、大きな壁を越えることが出来たのだと思います。それでも、全く平気になったとまではいかないでしょうが。

>なんとなく、この第2章のタイトル動画に近い映像のように思えますねぇ。

流石に、お気づきになりましたね〜。最初に、あの映像を見た時、「あの後ろ姿は、砂良じゃなくて、玲奈様だな」って、思ったんですよ。それから、あの場面をCMにしようと。本当に、あの絵がなければ、思い付かないアイデアでしたし、第2章の構成全体に大きな影響を与えてくれました。スネークハートさん、素晴らしい映像を本当にありがとうございました。

>まるで1970年代のアイドル全盛期を思い起こさせて

私の認識だと、アイドルの黄金期は、80年代だと思っていたんですが、確かに、70年代の方が、実力派の大物が多かったですね。その辺りの考察は、クロストロンの姉妹ブログ「翼のない天使達」で新たに始まったアイドルの歴史シリーズで、詳しく述べたいと思います(また、宣伝?)。

>薫ちゃんが登場すると本当にしっとりと落ち着いた上品で懐かしい不思議な空気が流れてきますよね

椿薫は、思い入れの強いキャラなので、そんな風に感じとって下さって、とても嬉しく思います。

>少なくとも2年半以上も前からこの複雑な人物リングを頭に入れられて、ずっと執筆して

第12話で、シャンプー名として「エレナ」を出した時には、まだ、決まってなかったんですが、この辺りの人物リングは、現実世界とリンクしておりまして、時期が来たら、後書き等で詳しく述べることになると思います。

>第2章「少女覚醒」の完結、本当にお疲れ様でした

こちらこそ、ここまで長くお付き合い下さって、ありがとうございました。スネークハートさんの詳しい考察は、書く側にとって、大きな勉強になりましたし、何よりも、生きる励みにもなりました。

それでは皆さん、次は、後回しにしていた第19話以降の後書きでお会いしましょう。
<前回投稿>

<編集・発行者からの御礼>
アールジェタンさん、私の感想にレスを下さってありがとうございました。

> 本当に、あの絵がなければ、思い付かないアイデアでしたし .... ええーーそうだったのですか。少しでもお役に立てて光栄です。
> 80年代だと思っていたんですが、確かに、70年代の方が .... ああーーあれはまあ私の思い入れで言ってしまったようなものだったですね(笑)。 私、70年代は10代の学生で、80年代は仕事に追われるサラリーマンでしたので、アイドルの印象は70年代の方が強いのですヨ。
> スネークハートさんの詳しい考察は .... いえいえ、別に考察しているつもりではないのですヨ。一応どの小説に感想を書くときも、『ここを触れてあげたら、作者は嬉しいんじゃあないかな』と 思うことを書くことにしているのですよ。自分自身もオリジナル作品を作ってますから、作者の気持ちはある程度分かる気がしますのでね。 勿論作者のかたの考えと一致しない場合もあろうかと存じますが。

では、第3章以降も、楽しみにしております。






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1日も早く、ウイルス・迷惑(SPAM)メールが絶滅しますように!(怒)



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    ただし実はこの前と後の2つのbの文字はニセ文字ですので、
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