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医療機関の皆様へ

 2020年4月に改定された診療報酬は医療機関にどんな影響を与えるのでしょう。
 診療報酬と消費増税は別物と言っていたにもかかわらず、蓋を開ければ、最終的には反映されていませんでした。改定の内容は新たに加わった項目も加算をとるには、厳しいハードルを何重にも越えなければ加点できない内容です。一説では2025年に向けた医療体制制度の整備に向けた骨太の方針に基づいての改定であると言われています。どちらにしても診療報酬改定後3カ月の検証をして、より良い方向へ進むことが大事です。

 さて、政府は2016年度に都道府県ごとに医療費の抑制を導入する方針を打ち出しました。診療報酬請求が電子化されて、地域格差の大きい1人当たりの医療費のデータを分析して都道府県に目標設定し、達成状況を公表することで医療費が掛かり過ぎている都道府県に改善を促す方向です。今の状態で医療費が増加することは、それを賄う個人と企業が負担する税金と保険料が過大になることが目に見えており、この対策の一つとして行なわれたのでしょうか。

これはフランスなどが導入して効果を上げています。フランスでは開業医や病院からの情報をもとに、国の医療費(支出)目標を設けて、各医療機関(公私とも)が部門ごとに大枠を設定して、それに合わせて診療単価等を決めており、実際の支出が目標を上回ることがあっても、過大に上回れば抑制策を検討するなど対策を講じているようです。

 日本でも小泉政権時代には社会保障費全体の数値目標を掲げていましたが、批判を受けて後に撤回することになりました。社会保障費のなかでも医療費の増加が課題であり、地域格差のある医療費を各々の地域で改善を促す仕組みの構築こそが重要ではないでしょうか。ちなみに医療費が1人当たり最も多い県と最も少ない県では約1.5倍になっています。

 半世紀前から予防検診が唱えられていますが、人生100年時代を考えますと、今後は社会全体で疾患の予防に取り組み、国民一人一人が自覚と関心を持っていかなければなりません。

 また、昨年からの「コロナ」は、第2次世界大戦後初の世界レベルの感染症で、見えない「細菌」という敵に、科学の発達と人間の英知を結集して、その終息まで医療界全体で支えていかなければなりません。

医療現場で日々感染症と闘っておられる皆様に敬意を称します。

令和3年2月        
株式会社 メディカル・ワーク  
医業経営コンサルタント
医療安全管理者       渡邊 忍
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