●赤あざ
あざは母斑と呼ばれ、赤あざ 青あざ 黒あざ 茶あざ その他に分けられます。自然に消えていくものには治療をせず、生涯そのままの状態でとどまり見かけ上、機能上の問題のある場合は積極的に治療をします。中には全身の病気を合併していることがあり、検査が必要なことがあります。

単純性血管腫

顔に多く、ぶどう酒を流したような形をとります。生下時にあり、もりあがりはありません。自然に消えることはありません。顔面の三叉神経部分では、緑内障や中枢神経症状を認めることがありますので要注意。同様に手足片側の血管腫があると全身の合併症を伴うことがあります。思春期に膀隆することもあります。色素レーザーで特に顔面、頚部は良くなる時があり皮膚科で相談してください。
正中部母斑上まぶた、眉、額、うなじにできます。大体1歳半までに消失しますが、うなじの血管腫は消えにくいです。
苺状血管腫苺を半分に切っておいたような表面顆粒状の柔らかい突出したあざ。生下時にあるとは限りません。はじめ扁平でも生後2−3週から隆起するものもあります。原則として通常は5−6年で消えるので自然消退を待ちますが、9−10歳までかかるものもあります。

皮膚科受診
巨大なものは消えてもしわやたるみを残すことがあります。目の周囲の血管腫は眼球圧迫をすることがあります。外傷を受けやすい部位のものは、ただれたり潰瘍になることがあります。

静脈性蔓状血管腫

出生時から見られる常色から淡青色、青色の比較的柔らかい皮膚腫瘍。身体の成長とともに徐々に増大します。手術療法以外には有効な治療法はありません。

Kasabach-Merritt症候群

巨大な血管腫があってその中に出血を生じ、血小板減少症など血液の病気を合併します。入院治療が必要です。

●青あざ
太田母斑女子の顔面神経領域にある褐青色斑で、眼のなかや口の中にも認めることがあります。生まれたときから認める場合と思春期に認める場合があります。自然消失はなく1歳過ぎてからレーザー治療を行うことがあります。
青色母斑手背足背によく認める青あざ。直径1cm以上または黒色調のものは早めに皮膚科受診してください。

蒙古斑

お尻にみられる青色班で小学校入学までに自然に消えます。しかし、お尻以外のところにできたものは消えない場合があります。レーザー治療でほとんどきれいに治ることがあります。

●黒あざ
ほくろから全身に及ぶものまで大きさ形は様々です。
悪性になることがあり気をつけるときはかなり大きな時、爪部や足底にできたもの(小児では悪性化はまれ)、ほくろの上に新たにできものができたとき、全身に多数の6mm以上のほくろががあり皮膚ガンの家族歴があるとき、は皮膚科の先生に相談しましょう。

サットン母班

周囲に白斑を伴うほくろです。ほくろをとると白斑も消えるようです。

●茶あざ
扁平母班頻度が高く大きさ、形は様々です。レーザー治療で良くなる方がありますが、完全に消去する事は困難で、再発をすることもあります。


レクリングハウゼン病

1.5cm以上で6個以上の反褐色班(カフェオレ班)があれば診断できます。骨の異常や中枢神経系の異常を合併することがあります。


アルブライト症候群

カフェオレ班以外に性的早熟、骨疾患を合併します。ポイツイエーガー症候群 唇 手などに2-3mmの黒褐色が多発します。腸管にポリープができることが多いです。

汎発性黒皮症

生下時より点状から直径5mmくらいまでの扁平濃褐色班が多発します。眼科疾患、心疾患、肺疾患、陰部疾患、成長障害、難聴などを合併します。

色素失調症

主に女の子にみられ出生児より赤班、水疱が多発します。その後色素新着を認めます。奇形を伴うことが多いようです。

色素性乾皮症

光線過敏症で、たとえば日光浴後、色素沈着を認めます。この疾患であれば、悪性疾患を合併することが多いです。

●その他
尋常性白斑 境界鮮明な白あざ。多数ある時は自己免疫疾患を合併することがあります。

結節性硬化症の白斑 木の葉様で周辺がやや不規則なな白あざ。体に多く、白あざの長軸が皮膚の割線方向に一致しているのが特徴です。この疾患は中枢神経合併症がありますので要注意です。