軟膏をマジメにぬる

       ことが大切です。

気まぐれにぬったり、ぬらなかったり、よくなったからとやめてみたり、市販のくすりをぬってみたり、では、なかなか治りません。

軟膏は水に濡れても落ちません。少しべとつきますが安定性がよく比較的よく使用します。

クリームはのびがよく、塗ったあとはさらさらしますが水に濡れると落ちてしまいます。

ローションは広い範囲につけるのに便利で、頭の地肌にできた湿疹などによく使います。

●「強い軟膏」恐怖症
ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)の入った、いわゆる「強い軟膏」はアトピー性皮膚炎にたいへん効果があり、これなしで治療するのは無理な相談です。弱いステロイド薬を長く使うよりは、強いステロイド剤を短期間使って減量する方がよいとされています。ステロイド剤の長所も短所もよく知りつくして使っていますから、指示どおりにぬっていれば副作用の心配はありません。目の周りにステロイドを塗ると手でこすって目に入り緑内障がおこることがあります。目の周りにはステロイド剤は塗らない方が良いでしょう。気になる副作用ですが、very strongのステロイド剤を1日1回6週間使用した報告では、血液検査で異常なかったとしています。また二歳未満の人に総量として、顔面に20g未満、頭部20g未満、顔面と頭部以外90g未満6ヶ月ステロイド剤をぬっても、副作用としての頬部の血管拡張、ステロイド紅潮等は見られなかったとの報告があります。少なくとも2週間以内なら安全と考えられます。

ステロイド外用剤の強さ

5 弱いステロイドweak レスタミンコーチゾン
テラコートリル
オイラックスH
ネオ・メドロールEE
エキザルベ
4 中位ステロイドmild キンダベード
グリメサゾン
アルメタ
アフタゾロン
デカドロンエアゾル-N
3 強力ステロイドstrong リドメックス
フルコート
リンデロンVG
ケナログ
ケナコルトAG
アフタッチ
2 かなり強力ステロイド
very strong
マイザー
ブデソン
トプシム
フルメタ
ネリゾナリンデロンDP
1 もっとも強力ステロイドstrongest デルモベート ダイヤコート  ジフラール

ステロイドの皮膚からの吸収は皮膚の角層の厚さと関係します。うでを1とすると陰嚢が42倍と最も高く次いでほっぺた13倍、下顎13倍、おでこ6.5倍、脇の下3.6倍、頭3.5倍、背中が1.7倍、足首0.42倍、足の裏が0.14倍となっています。


●保湿剤の塗り方

まず顔から。顔に塗る総量をお母さんの左の手の甲(親指と人差し指の間)にまとめてのせます。保湿剤を均等にちょん ちょん ちょんとおでこ ほっぺたに人差し指の腹で塗ります。それから人差し指の腹で広げます。

顔と同様に塗る総量を手の甲にのせて保湿剤と適当にちょん ちょん ちょんと塗って分散させ手のひらで広げます。

手 足の指顔と同様に塗る総量を手の甲にのせて、お子さんの手足を左手でもってあげてください。保湿剤と適当にちょん ちょん ちょんと塗って右手の人差し指と親指を使って関節から爪まで保湿剤を広げてください。


●ローションの塗り方
一滴を指先に落とし皮膚の3−4cmに広げて塗ります。
つける量の目安:つける範囲で加減してください。目安を参考に

ステロイド剤:薄く少量 チュウブから押し出して5mm程度が目安です。

1日1回お風呂上がりにぬってください。1日3回法と変わりがなかったとの報告があり重症でなければ、ステロイドの量を減らす目的や煩雑さから1日1回で良いでしょう。

非ステロイド剤:ふつうに チュウブから押し出して7mm程度が目安です。

抗生物質や抗真菌剤:たっぷり 皮膚がベトベトするぐらい指先にたっぷりと赤くかゆがるところはステロイド剤を、乾燥しているところは保湿剤を塗りましょう。

参考:ステロイド外用剤の局所性副作用は
1.皮膚萎縮 2.ステロイド紅潮 3.乾皮症 4.毛細血管拡張症 5.色素異常 6.多毛 7.局所感染症の誘発 8.ステロイド緑内障(目の周囲のアトピーには注意)
スキンケアは毎日のことでたいへんですが、子供とのふれあいの場ですし、スキンケアでアトピー性皮膚炎がかなり良くなしますので、将来的なことも考えるとスキンケアは大事なことです。学校でもスキンケアが必要なとき、保健室で休み時間に塗られたらいかがでしょうか。