粉症の有病率は成人も含めると約17%とされ、国民病とまで言われています。1才からアレルギー性鼻炎を発症しています。1月からハンノキ、2月から5月はスギ、ヒノキ、4月から6月はカモガヤ、オオアワガエリ、チモシー、8月から10月はオオブタクサ、ヨモギ、少し遅れてカナムグラ、10月からはセイダカアワダチソウが飛散し、これらの原因による花粉症が多いようです。

花粉症も原因があって起こります。花粉に対して私たちの体内に作られた抗体が反応してある時突然発症します。花粉を出来るだけ体内に入れないためには外出時にはマスクやめがねをかけましょう。マスクは花粉を90%以上、めがねは目に入る花粉を1/3に減らすという報告があります。マスクは安い使い捨てのものが良いかもしれません。自分にあったマスクを使用しましょう。

自分にあったマスクを使用しましょう。

帰宅時には衣服に付いたは花粉をよく払い、洗顔をし、着替えてください。家の中に持ち込む花粉を少なくすることで症状を抑えることが出来るのです。洗濯物は外でよくたたき布団は布団乾燥機を使用した方が花粉がさけられます。

かぜと見分けることが難しいことがありますが、かぜでは数日で鼻水が黄色に変わり1−2週間で良くなります。アレルギー性鼻炎では鼻の痒みを訴え、よく鼻こすりを見受けます。急性または慢性副鼻腔炎ではくしゃみはありません。小児では時に副鼻腔炎、扁桃腺炎、中耳炎を合併していることがあり注意が必要です。

鼻炎 結膜炎以外の症状

口腔アレルギーでは果物を食べると口の中やくちびるに痒みやぴりぴり感がある時があり、食べず嫌いとされていることもあります。また喉頭アレルギーではのどのいがいが感やかゆみ乾燥感、違和感を認めることもあります。耳症状としては耳がかゆかったり、耳がつまった感じがする人もあります。また喘息、じんましん様の発疹のこともあります。花粉を飲むことによると考えられている下痢食欲不振のこともあります。

かぜと間違うことは?


花粉症でものどが痛い(78%)、気管支症状(35%)等の呼吸器症状があります。くしゃみに咽頭痛、咳を合併するためかぜと間違うことがあります。

抗アレルギー剤は花粉の飛び交う2週間前から使用すると効果的です。

アレルギー性鼻炎

●症 状

くしゃみ、鼻水、鼻づまりが長く続きます。朝、たてつづけにくしゃみをしたり、鼻がかゆいのでしきりに鼻をいじります。
小児は鼻腔が狭く、循環障害が起こりやすく鼻詰まりの人が多いと言われています。通年生のアレルギー性鼻炎でも約半数の人が目をかゆがります。アトピー性皮膚炎を20%、喘息を30%ぐらい合併します。


●治 療
・抗アレルギー剤:効果発現まで1−2週間かかります。
アレルギー反応を抑える点鼻液を毎日続けてください。抗アレルギー剤の飲みぐすりを続けることもあります。点鼻薬は副作用は比較的少ないです。


・症状を抑えるくすり:抗ヒスタミン剤 ステロイド剤
抗ヒスタミン剤はある程度即効性があります。くしゃみ、鼻水が中心のタイプに適していますが、少し眠くなることがあります。症状が強い時はステロイド剤の入った点鼻液を短期間だけ使います。1-2日で効果発現し、7-10日でピークとなりまますが、刺激感、乾燥感を訴える人がいます。2倍量まで使用可能ですが長期使用はやめましょう。


●点鼻の使用方法
・頭をうつむき加減にし、片方の鼻腔をふさぎ他方の鼻腔を内に噴霧器の先端を垂直に立てて入れてください。鼻から息を吸い込みながらノズルが確実に止まるところまで一気に押し上げて噴霧吸入します。他方の鼻腔も同様の操作を行ってください。医師の指示した用法

・噴霧回数を守ってください。

・噴霧後は薬剤を鼻の奥まで行き渡らせるために、頭を後に傾けた状態で数秒間鼻から静かに呼吸してください。


#出かける前に綿棒に薄くワセリンをつけて鼻の中を1回転させてください。
花粉が鼻粘膜につかず少しましかもしれません。

#帰宅後洗面器に生理食塩水を入れて(水1Lと食塩9g)鼻をつっこみずるずると吸い込んで洗いましょう。インタールの点鼻後ティッシュでかんでも可。花粉を鼻から排除しましょう。

#長期予後は平均11年経過で30%が治癒、34%が改善とする報告があります。約1/3の人が、成人しても治療が必要のようです。


アレルギー性結膜炎


●症 状

眼がかゆい、いたがゆい、涙目、眼の充血などが長く続きます。
眼をこするので、まぶたが赤く腫れることがあります。

●治 療
・抗アレルギー剤:インタール ザジテンなどアレルギー反応を抑える点眼液を毎日続けてください。症状が軽くなっても指示があるまではやめないでください。

・症状を抑えるくすり:
リボスチン(抗ヒスタミン剤)、フルメトロン(ステロイド剤)症状が強いときはステロイド剤の入った点眼液や眼軟膏を短期間だけ使います。必ず指示どおりに使ってください。


●点眼の使用方法

点眼時には点眼便の先が目やまつげに触れないように固定して下まぶたを少し引っ張って から1滴ずつ出るようにそっとビンを押す。点眼後はそのまま1分ぐらい目を閉じる。