2003年 蕎麦栽培

Prologue

麦、そば、どこかロマンチックな響きがあるのはなぜだろう、ひえや粟とはあきらかにトーンが異なる
蕎麦文化はなぜか高尚な雰囲気で論じられる

ホームページの開設数で人気を較べてみよう
以下はGoo検索によるキーワードとヒット数である
ひえの栽培 
 粟の栽培  米の栽培 1680 これはなんといっても主食であるから認めざるを得ない
同じく主食の 小麦の栽培 
433 に対して 蕎麦の栽培 1026 の健闘はどうだ

公正さを期するためにYohooも見てみよう
ひえの栽培 
 粟の栽培 20 米の栽培 約2530 小麦の栽培 688 蕎麦の栽培 約2200
おおすじ同様の傾向で検索エンジンの信頼性も確認ができた
日本人が蕎麦に愛着を感じていることは客観的に言えるようである

そばとうどん、どちらが好きか友人とコメントを交わしたが、私はうどんを選択した
友人はそば、そばには思い出があるという、なんとか食べさせてあげたいものだけれども・・・・
出雲蕎麦の例外はあるが、うどんは西日本文化圏、蕎麦は東日本文化圏に分けられ、
嗜好は生い立ちからの関わりに支配されるのではなかろうか
再びHP検索で関心度を計る うどん 503806 そば 1207714
蕎麦の大勝、ただ食べるというだけではなく、楽しみを感じる何かをもっているのだろう


ともあれ、蕎麦を論じ、あわよくばつるつると喉に通すために、種を蒔こう



8.17 種蒔き
   種: 信濃1号 蒔種量: 約500グラム 畑: 約1アール(22m×5m)
   肥料: エコ肥料 20s 7袋 鶏糞 15s 2袋

畑は里山らんどの一番高いところに新たに開墾した

下方に向かう斜面部に比べると勾配は緩い、
やせ地が適するというけれどある程度の肥料は必要だろう

種は畝に条蒔き、11等分に分け、面積ごとパラパラと振っていく

先達のHPには200倍とか300倍とかの数値が見えるが
果たして500グラムの種が何キロになるのか









8.24(第1週) 発芽
   

              
一週間でここまで伸びた

蒔いたときには気にしていなかったが双葉になると粗密が目立つ
もっときちんと蒔いておくべきだった






8.31(第2週) 



粗密に見えたのは、成長速度の違いだった
密の部分はあるけれど、まあ一応まんべんなく緑色が土の上にそろった

奧に見えるのは蒟蒻芋
元気がなくて南さんの畑とは雲泥の差
あちらは矢の茂みになっているというのに
こちらの芋は少しは大きくなっているのだろうか









9.7(第3週)

雨が降っていないのに順調に生育している
気が早いのはもう白い花のちっちやな蕾をつけている
畑に立っているのは夾竹桃
蒟蒻芋はもう期待出来そうにない
土の中で消えていくのだろうか














9.14(第4週)

丈30センチほど、白い花を付けているもの、そうでないもの、
成長の違いが大きい
水分の違いか、肥料の違いか
痩せ地でもいいというけれど差を見れば考えてしまう
最終的にどうなのかが問題なのだけれども
もう少し落ち着いて見てみよう



左の画像は南さんの畑の蒟蒻芋
 第2週で紹介した里山らんどの蒟蒻芋畑と較べると違いがよくわかる
里山らんどの蒟蒻芋はさらに地上の部分が消えた
南さんの話では地下の芋の部分はそのままあるだろう、と
元本は保証されているということか
そうであればもう少し条件の良い場所を探してみよう







9.21(第5週)

白い花が咲いた

けれども倒れている蕎麦がたくさんある。大きさもいろいろ
失敗に気が付いた
倒れている蕎麦は根が、といってもヒゲ根がちょろっと出ているだけだが、
地表面に張り付いているだけ、立てるわけがない

種を蒔いたときに雨に流されないように少し土をかけただけ
深く土をかけるとちゃんと地表面にでてこられるか、それが心配だった

だけど自然の力はそんな半端なものじゃなかったんだ




9.27(第6週)

先週は土寄せや植え直しでかなり立て直しをしたのだけれども、また強風が吹いたのかほとんどが倒されている
もう寝たままで実を結んでもらおう
見た目では成長が確認出来なかったが画像で見るとやはり違いがわかる

蒟蒻芋は数本を残して地表から消えた








10.5(第7週)

栗の木にひとつだけついている実
ふゆう柿もひとつだけ実を付けている。
蕎麦の一粒が一本の茎になり、たくさん付けている白い花がみんな実になるのなら確かにそこそこの収穫はあるのだろう。
と、とらぬ***の皮算用。









10.12(第8週)

左の画像はわかりにくいが倒れたまま育っている蕎麦にまばらに黒い実がつき始めている。
白い花が残っている部分もあるのに。
収穫時期が近づいているのである。

右の画像、リサイクルショップで手に入れた石臼。
上の栗の実が落ちて臼に乗っている。









10.19(第9週)

状況は先週とあまり変わらない。
畑のへりで育っている蕎麦はひょろひょろとして頼りない、やっぱり肥料は与えなければいけないみたい。
画像真ん中へんの茎はみな根元から倒れている、来週収穫の予定。















10.26(第10週)収穫

収穫のタイミングはよくわからないのだけれども先達の蕎麦ページによるとだいたいこのあたりのようであ
収穫ははさみで茎を切りとっていく
刈り取りではなく切り取りでは風情がないのだけれど

里小屋の土間に拡げたが、葉と茎がついたままではけっこうなボリュームがあって拡げたとはちょっといいがたいが
上方白く見えるのは花ではない、光線の加減である


先達のHPにハサがけとあったが、やはりそこまで考えておかなければいけないようである

滋賀甲南町で本物?の収穫前の畑を見たが、倒れてはいないが丈は里山らんどの育ちの良いのと同じくらい、実も同じように付いていて、とりあえず安心した

さてこれからどのくらいの実が残るのか
そば殻の取り方を調べて、石臼の修理も急がなければ

切り取り後の蕎麦の紅葉、なぜかここだけ秋の色











11.30

収穫から一月以上もたった
この間何もしていなかったわけではない
2/3程は実だけの状態になったが1/3はまだ自宅の屋根裏ロフトに広げたままである
里小屋で乾燥させていたが里山は湿度が高くカーテンを閉めているのでパリッとは乾かない
そばは乾燥しても実は簡単にははずれそうにない
少ない蕎麦の実を一粒でも無駄なく回収するために一茎ごとしごき取る
この方法は1a分と少ないからなんとかできるのであって、倍もあればもうやっていられない方法である

それから葉とかゴミを分離する装置(とうみ)も作らなければ。

東急ハンズでこね鉢と新しい石臼を手に入れた、小さいけれどすぐに確実に使える
早く引きたいのである
そして早く新蕎麦を打って食べたい




2004.1.10

結局玄蕎麦のままで年を越してしまった。
収穫は玄蕎麦の状態で6s、蒔いた種は500cだったので12倍
どこかのページで100倍とかあったがそれだったら50s、ちょっと無理な数字だろう

唐箕
大きな漏斗を拵えて落とし口にしたまでは良かったけれども、送風装置をエアブロアーにしたのはまずかった。
吹き出し口が小さく風の面積が小さいのですぐ落下して軽いものも引っかからないのである。
考えてみると当たり前のこと、これでは実が飛ばされ殻やくずが下に残ってしまう。
送風装置を扇風機のような風の面積の広いものにしなければいけなかった。
とりあえずは大きな容器に入れた蕎麦の上からブロアーを吹き付けゴミを舞い上げ、
さらに横から風を送る方法が合理的だった。

石臼
まずは小さな石臼を採用、石が軽すぎてただ回すだけではつぶれない。
で、両手で上から押さえつけて回す
最初は実がつぶされ殻が分離するがまだ粉にはほど遠い状態
粗く殻を取り去りもどして再度挽く。
2,3度繰り返すとようやく粉が落ちてくる
うらごし用の網を利用したふるいにかけるとサラサラの粉だけが取り出せる
なぜか殻は粉にならずふるいに残る
きちんと分離することができてそば粉らしくなった
大きな石臼も抜けていた下臼の心棒を取り付け試してみる
回し用のハンドルがないのでこれも同様に両手で回し挽く
重しとしての力を掛ける必要がなく、量も多く処理出来るのでやはりこちらが楽である
しかし挽きなおしに石臼をどけて蕎麦を集めるのには重たく何度も繰り返すのは大変
結論、粗挽きに大臼?(中臼)を使い、繰り返し挽いて粉にするのには小臼を使う

とりあえずは1sほどのそば粉に精製、さあ次はいよいよ蕎麦打ち