●● 約束 ●●


「レオン!!」
ビットがはじめてバトルに参加した日の夜。シールドライガーを整備していたレオンは、ビットに呼び止められた。
「旅に出るって・・・本当か?」
「ああ」
「その怪我で・・・か?」
片腕と片足にはギプスと包帯が巻かれ、松葉杖が痛々しい。
「しばらくはウォーリアー登録を停止してもらうつもりだ。連盟にそう連絡しておけば、怪我が治るまではのんびりできるからな」
「・・・おれの、セイか・・・?」
会って数日だが、こんな・・・叱られた犬のようなビットは初めてみる。彼なりな罪悪感があるのだろう、この少年にも。
レオンはそんなビットに微笑み返し、
「おまえのせいじゃないよ。・・・俺が、考えることがあるからだ」
「考える・・・こと・・・」
「そう、『俺がどこまでできるのか』を試したい」
壁がわに設置されたベンチにビットを誘い、腰掛ける。傍らにはレオンの荷物が用意されていた。
「おまえはここでライガーゼロに会い、最高の相棒を得た。だろう?」
「・・・うん」
「俺はお前達に大きな可能性をみた。・・・それ以前に、可能性を秘めたライガーゼロに俺は・・・いや、俺たちは撰ばれなかった」
「・・・・・・」
「こいつはお前を待っていたんだ。自分の可能性を引き出してくれるウォーリアーを」
「レオン・・・」
「だから俺はシールドーライガーの可能性をどこまで引き出せるか試したいんだ。
ウォーリアーとして」
「そっか・・・」
「ああ」
そう言ったレオンの表情は、どこかすがすがしい。
「そうだ、ビット。右腕をだしてみろ」
「右腕?」
ビットは言われたとおりに、右腕を突き出した。その拳に、レオンが同じ右腕で応える。そうすると、おたがいの拳が向き合った状態になる。
「これは・・・ウォーリアー同士の『再戦』、もしくは『再会』の誓いだ」
「『再会』・・・か。そっか、じゃあそのときは、レオン!!」


最高の相棒を駆る好敵手だな!!


「約束」壱谷ユタsama(No.11)

No.11の壱谷ユタ様からの素敵な小説…と言うか、シナリオ(ご本人談)です〜v
メンバー30名突破記念(?)に頂きました!!ありがとうございます〜v
「第2話と第3話の間くらいの、生ぬるいレオビ」などと仰っていたのですが、そんな事は
全然ナッシング!!(笑)
ウォーリアとしての自分を見つめ直し、一人で地に足をつけて立とうとしているレオンと、
そんなレオンと最高の状態で向き合おうとするビットが愛しい感じですv
お互いの認め合って、高みに向かおうとする姿勢って、ある意味最高の幸福のひとつだよね
…などと思ってしまう、今日この頃…
ゆ…夢見過ぎ?自分!?(笑)

(お庭番わんこ青竜)