当作品の主な登場人物(1)
ベスパ
本作の主役。意識体(魂)のみで過去(1894年の日本)に。自分のオリジナル(作品中では霊基構造体のパターンを提供した者の意)と思われるフォンという少女の魂がない肉体に憑依中。現在,それが,任務−プローブの拉致を阻止−を果たすことにつながると考え,ホームズたちと行動を共にしている。
シャーロック・ホームズ
表向きはヨーロッパの犯罪王であるモリアーティーと格闘の末,ライヘンバッハの滝に落ちて死亡とされている。実際は死の寸前から吸血鬼化の末に再生,世界見聞の旅の途中に日本に立ち寄る。そこで,これも死を偽っていたモリアーティー(作品中では,しばしば”教授”と呼ばれる)と会い,フォンに取り憑いた者の正体を探ることを依頼される。以後,なし崩しに元始風水盤−”蝕”にまつわる諸々に関わることになる。現在,最終実験を阻止する−一連の事件を仕組んだ超越者の意図を挫く−ために行動中。
渋鯖 光一
経済界の大物,渋鯖栄一の庶子,オカルトと科学の両面に通じる若き天才。父親が抱いた元始風水盤への疑念を”教授”に相談したことで”教授”側の調査が始まっている。現在,”教授”の要請でホームズに協力している。現在,ベスパとコンビを組み,最終実験の阻止に向けて活動中。
芦 優太郎
アシュタロスが己の霊基構造体をベースに創造した上級魔族級の力を有する使い魔。過去世界において進められている”計画”の実行者。ただし,現時点では,自分の正体については知らず,霊能者であっても普通の人間で帝国陸軍対霊的戦闘部隊の指揮官だと思っている。なお,すべての感覚はアシュタロスとリンクし,それを介してアシュタロスは彼を操ることができる。
フィフス
現在(21世紀初め),アシュタロスを蘇らせるために必要なコアとしてのプローブ=芦を拉致するために反デタント派が過去に送り込んだ使い魔。極微使い魔を使って人間の精神をコントロールできる。原形はベスパと同じもので,彼女とはルシオラやパピリオと同じ意味で姉妹の関係(ちなみに名前−フィフスは制作順で五番目だから)。過去世界では”蝕”に協力している。物語始めに,フォンから魂を抜き取ったのも彼女。
蛍
ルシオラのオリジナルと思われる少女で”乱破”。個人としての戦闘力は高く薬物を使った幻術を得意とする。芦の対霊的戦闘部隊の一員で”教授”の護衛だったが,”教授”の拘束と共に終了。現在は“妹”と一緒に,逃げたホームズ,渋鯖,ベスパを追う任務に就いている。
蝶々
パピリオのオリジナルと思われる少女。テレパシーをベースにする超常能力者(エスパー)で,その変形発動により虫から小動物あたりまでを操り,それが得た情報を自分のものにできる。一定以上の精神的ポテンシャルを持つ生物にはそれは使えないが,対象の感情はある程度,透視(よむ)ことはできる。芦の対霊的戦闘部隊の一員で”教授”を護衛の護衛だったが,”教授”の拘束と共に終了。現在は“姉”と一緒に,逃げたホームズ,渋鯖,ベスパを追う任務に就いている。
前回『虎口』のあらすじ(それ以前のあらすじは13・16・対面1に掲載)
フィフスとベスパ(と渋鯖)が戦ったところでホームズは芦と出会い,最終実験について延期を提案する。芦は提案を拒否するだけでなく,ホームズをスパイ容疑で拘束,さらに”教授”,ベスパ・渋鯖も一味として拘束を命じる。
この動きでホームズたちは芦も元始風水盤を狙っていると断定。ホームズ,ベスパ・渋鯖はそれぞれに脱出し最終実験阻止へ向かう。
また,蛍,蝶々は護衛の任を解かれ,逃げたホームズたちを追うことになる。
時は流れ,世は事もなし 交叉1
里から半日の近さとはいえ秩父山系へと連なる山々の一つ。
土地の者でなければ,隣り合う山との区別がつかないほどにありふれた山ではあるが,”その筋”の人間には古くからの霊山である妙神山や強大な地霊が封じられたとされるオロチ岳と地脈で繋がる霊的な要衝として知られている。
その山の中腹,昔の,下手をすると千年近く遡った頃に造られ,そして忘れられた山城(サイズでいえば砦と呼ぶべき規模だが)の跡。そこに軍が入り,作られた施設。書類上,非正規戦闘戦技研究機関兼同教導学校となっている施設ではスタッフがあちら,こちらと血走った目で駆け回り,些細な行き違いで罵声が飛び交う。
今日という日,施設内に極秘で作られた元始風水盤の最終起動実験が行われることになっている。用語こそ『実験』だが”風水盤”を継続的に稼働できる状態にまで持っていくことになっており,それは実質的な完成を意味する。
後日に予定されている政府のお偉方を迎えての完成披露などオマケでしかなく,用語上,失敗は許容されるとしても,実質として失敗は許されない。
そうしたプレシャーに拍車をかけるのが,急に切りつめられた日程。
もともと,前回の実験で完成一歩手前に漕ぎつけたとはいえ,細々とした部分を仕上げる(何より”針”の完成)のために,まだ月単位の時間が必要とされていた。さらに,臨界を越えるための霊的エネルギーを満月から集める関係上,最終実験は今日の満月ではなく,次の,たぶんさらに次の満月の日と誰もが考えていた。
それが,『三日で』とされれば,スタッフ全員が不眠不休でコトに当たるしかなく,精神的に追い詰められるのも当然だ。
実験に関係する区画とは対照的に人が出払い静かな宿舎界隈。
突貫工事とギリギリの予算のせいで住環境は野営よりはマシという程度だが,幹部に用意されたものはそれなりの水準にはなっている。
元始風水盤建造責任者でここの実質的なナンバー2の呉公については総責任者兼所長である茂流田と同じ待遇で,一定の広さの部屋を複数,自由に使うことが許されている。
そんな一室,研究用と称して部外者の立ち入りを禁じた部屋で,人待ち顔でいる呉公。
全体の慌ただしさから見れば『何を遊んでいる?』という声の一つも出そうだが,建造責任者としての仕事は前日までに終えており,今夜,午前零時を持って行われる最終実験を別にすれば,各部署にハッパをかけるくらいしか仕事はない。
そして,”本来”の準備については,手をつけていないものもあるが,早くしたことで,見つかる可能性もそれなりに出てくる。そこを踏まえると,ちょうど今は時間のエアポケット。
朝にフィフスの支配下にあるスタッフから,”主”が会いたいというメッセージがあり,この場所と時間を指定した。
約束の時間になるが現れる様子はない。
わざとやっているのではと思うほど遅刻の常習者なので,それで苛つくことはない。手持ちぶさたのまま,姿見に自分を写す。
今日という日に相応しい真新しい道服に道帽,諸々の装飾,腰に提げた松紋古定剣だけは使い古されたモノだが,一族が伝えてきた剣で多くの魔と,それ以上の数の人を葬ってきた業物,今日はそこに幾つ数を加えることになるのか‥‥
自分の元にこの”仕事”が持ち込まれたのが二年前。
裏世界にあって一目置かれているとはいえ,一犯罪組織に過ぎない自分の元に一国を覆すという仕事が持ち込まれた時には,タチの悪い冗談と笑い飛ばしたもの。しかし話の要が元始風水盤にあると知らされた時,それが冗談とは対極であることを悟る。
というのも”蝕”が選ばれた‥‥ というより自分が選ばれた理由が,あまりに強大な力ゆえ歴史から葬られた元始風水盤の知識を継承する一族の長だからというもの。
それこそ,千年,二千年の長きに隠してきた自分(と一族)の秘密を知るだけでなく,引き継がれる中で失われた部分を埋める知識まで提供できるという依頼者を相手に断るという選択肢はなかった。
禁断の知識を持ち,異民族の専横に恨みを持つ亡命者という触れ込みで,この国で霊的な問題を仕切る芦と接触。彼の支援とオカルトを操る凶賊−”蝕”−に手を焼く政府に付け込み霊的な防衛手段として元始風水盤の建造を認めさせると共に,建造責任者の地位も手に入れる。
政府を動かした時点で,”蝕”は舞台から降りても良かったのだが,急に大人しくなるのは不自然だし,犯罪結社としての汚点を拭うため活動は続ける。
ちなみに汚点とは,結社の暗殺者が殺すべき相手寝返ったこと。
“蝕”がオカルトを使い,何度かこの国の治安組織を翻弄した後,前面に立ったのが対霊的戦闘部隊。そこからは,煮え湯を飲ませ飲まされる関係。
やがて,その部隊が指揮官である芦という個人に依存していることが分かり,最も優秀な暗殺者を送り込んだが,寝返られるという展開に。
その報復としての一幕をしつらえたのだが,幕を上げないままに終わりそうだ。
元々の予定では,最終実験までの一月の間のどこかで仕掛けるつもりだったが,依頼者からの督促(半島情勢が急を告げたためと聞いている)であれば,それを優先するのがプロというものだ。
抑えていた不満を思い出し苛立ちが顔に出ようとした時,彼の背後,床の隙間から,質の悪い原油をイメージさせる粘性の高い液体が滲み出る。見る間に人の背丈ほどに盛り上がると人の姿に,さらに数回表面が波打ち柔軟ながらもメタリックな質感を持った黒灰色のボディスーツを纏った女性−フィフスの姿になる。
「いつもは呼びつけても来ない事が多いお前が,こちらを呼び出すとはどういう風の吹き回しだ?」
と皮肉を込みの挨拶を向ける呉公。
「私にとっても今日は苦労が報われる日,その喜びをパートナーと分かち合いたいと思っても不思議ではなかろう」
フィフスは心にもない台詞であることを示す無表情さで言葉を返す。
「我々と行動を共にして十月余り‥‥ 言葉が空虚であればあるほど,もっともらしく語るという処世術は学べなかったようだな」
「表面だけの人間関係の保ち方など使い魔には,一番,必要のない知識だからな。とは言っても,一緒に行動したことで人間という存在について,様々な必要のない知識と経験を学べたことは感謝している」
”余計な”コトも含めて,というニュアンスも添えるフィフス,片頬の冷笑を緩め
「まあ,さっきの台詞は,人間関係に不慣れな魔族の冗談だと思ってくれれば良い」
「わかった。それで本題は何だ? まさか出来の悪い冗談を言うために呼びつけたわけでもあるいまい」
「もちろんだ,来てもらったのは新しい情報が入ったからだ」
「‥‥ ほう,ここに来て新しい情報だと?」
呉公はうさんくさげに相手を伺う。
「夕刻に着く予定の芦様だが,今朝,早くに‥‥ というか明け方に宿を発った。このまま何もなければ,昼頃にはこちらに着くはずだ」
「どこからその情報を手に入れた?」
「説明する理由が私にあるのか?」と突き放す返事。
ここで”主”とプローブのリンクを盗聴しているという情報を出す必要はない‥‥ どころか有害だろう。
因みに同じ霊基構造という繋がりで設定できる”通信”回線を盗聴することは魔界の至高者でも不可能だが,”主”の霊基構造について”未来”ならではの情報があれば難しくはない。
「まあいい。お前なら,奴の周辺に”立ち聞き”できる人間の一人や二人,用意していてもおかしくないからな」
今更,愚問だったと自己解決する呉公。
「さてさて,それが我々にとって吉なのか凶なのか‥‥ 奴が早く出た理由は判らんのか?」
「何でも知っていると思ってもらっても困る」とこれも素っ気ない言いよう。
プローブの思考も”主”に流れる以上,変更の理由も“盗聴”できるが,やたら手を出し,勘づかれれば全ては崩壊する。実際,これに手を付けたのも終わりが見えてきたから,それも“つまみ食い”程度にしかしていない。
予定の変更に気づいたのも,運が良かったからに過ぎない。
一方,呼び出した上にまともに取り合わない態度は愉快ではない呉公だが,いつものことだと割り切り
「芦も間違っても無能とは言いがたい男じゃからのぉ 奴の”顧問”も色々と動いておったし,実験が早まったコトに不信を感じ,何かの手を打とうしての変更かもしれん‥‥」
と言葉にすることで考えを整理する。
「それで,変わったのは到着時間だけか?」
「分かる範囲ではそれだけだ。随員も当初の予定通り従卒が二人だけで,東京にいる対霊的戦闘部隊を動かした様子もない」
「早くなっただけで,それ以外の変更はない‥‥ か。なら,段取りを入れ替えるとしても,全体としてはこれまで通りに進めるしかないな。影が揺れるのを見て,いちいち怖がっていては何もできん」
「さすがにコトの軽重は計れるようだな。私もそれでイイと思う」
「意見の一致を見たのなら,残るは小心者に”釘”を打つことか」
と呼び出した理由を察する呉公。
陰謀の”主役”が突然の繰り上げに動揺してボロでも出されると目も当てられない。
「そういうことだ。あと,こちらに探りを入れていた顧問の手の者もこちらに向かっている。そこも一応は伝えておく」
ベスパと他二人が芦の手から逃れたという情報も掴んでいる。
ベスパだけなら,力の差もあって,さほど警戒はしない。けれど,同行しているのは史上,有数の名探偵と(知られてはいないが)オカルト史では屈指の業績を上げた天才,その知力を軽視するわけにはいかない。
「‥‥ 分かった,気をつけておこう」
と,付け加えられた説明にもなおざりな反応の呉公。
当然のことながら,二人が天才だという(未来の)情報をフィフスは明かさないので,最低限の警戒心しか生まれない。
「ところで,今の話しからするとフォン‥‥ の体も,奴らと一緒に動いているのだな?」
「ベスパ‥‥ 取り憑いた魔族の名前だが‥‥ が魂の容れ物として使っている以上,そうなる。それがどうかしたのか?」
「体がこちらに来るとなれば,裏切り者に煮え湯を飲ませる機会もあるなと,考えたのよ!」
「なるほど,そういうことか」オリジナルの存在をすっかり忘れていたフィフス。
殺すだけなら魂を封印した“人形”を壊せば済む。けれど,目の前の老人は魂を戻した上で裏切りの報いを相手の意識に刻みたいのだろう。
「拘りがあるのは分かるが,拘りすぎるのもどうなのかな」
「お前には関係のないことだ! 裏切り者をどうするかはこちらの問題。余所者にあれこれ指図はされなくはない!」
「そう思うのは勝手だが,我々,共通の目的を忘れないでもらいたいな。こちらとしてはお前たちには芦様の身柄を押さえることに集中してもらいたい。そこに余計な目標を持ち込まないでもらいたいな」
「どこまでも芦のことが優先するのだな,お前は!」
「当然だ! 私はそのためにのみ生まれた身だ!」
とそう考える自分を誇るフィフス。
「そうだ‥‥ フォンを含め,連中をどうするかについては私に任せてもらえないか?」
「芦を捕らえる以外を雑念呼ばわりしたクセに,お前が対応して,こちらに手を出すなだと?! そっちこそベスパとやらに拘っているのではないのか?」
「お前と一緒にしないでもらいたいな。『私に』と言ったのは,それが一番,理にかなっているからだ。そっちに連中に振り向けられる余力はあるまい」
‥‥ 痛いところを突かれ顔をしかめる呉公。
実のところ,芦率いる対霊的戦闘部隊との戦いで”蝕”は弟子(と呼ぶ構成員)の多くを失っており,残るは片腕たる青令に襲撃部隊にいる五人,それと先日,呼び寄せた六人だけ。
東京に残った,それなりに戦える弟子が,体を使う魔族に簡単に倒されたのだから,半端に弟子を向けても失うだけに終わる。
そうした点を考慮すれば,目の前の存在に任せるのが一番なのだろう
「分かった,お前に任す! 邪魔にならない限りは,こちらからは手は出さない‥‥ が,任せた以上,確実に対処してくれるのだろうな?」
「もちろん、言われるまでもない」と表情に出さずニヤリとするフィフス。
本筋ではないが懸念すべき問題で主導権を握れたから。
自分の任務は,プローブを”未来”に拉致すること。そのためには歴史で”分岐”を起こすわけにはいかない。
そこを踏まえると‥‥
シャーロック・ホームズという存在の扱いは難しい。
立場は一都市の一諮問探偵に過ぎず,教科書に載るような人物ではないが,百年未来でも,常識として語り継がれ,数多の派生作品を生むことになる冒険譚の主人公として百万単位の人間の行動や決断に影響を与えている。また,幾つかの公開事件と非公開事件を通じ歴史的な出来事にも影響を与えたとも言われる。
それが,前半生で死んでしまえば”分岐”が生じる可能性がある。
また,渋鯖光一という存在も‥‥
この人物は,人生の大半を世捨て人として過ごすらしく、いなくなっても社会に対する影響は皆無に近い。けれども,美神・横島の姿なき執事である人工幽霊壱号の生みの親,その存在が二人の行動に影響を及ぼした可能性は無視できず,こちらも生かしておきたい。
あらかじめ“蝕”に手を引かせておけば,不幸な偶然で死ぬ可能性は減らせる。
‘できれば,本格的に事態が進む前に関われないようしておきたいのだが‥‥’
と,考えがまとまりきらない中,フィフスは戸棚の脇にまとめて立てかけてある六本の剣に気づく。その傍に行くと一本を手に取り
「芦様を捕らえるために用意したのがこれだな! さすが,大陸でも五指に入る道士だけのことはある。しかし,これで足りるのか? 良ければ,これを使う者たちに使い魔を入れ”底上げ”をしてやってもいいのだが」
「ここまで出し惜しんだ割に,今日は大盤振る舞いだな」
「出し惜しんだのは,芦様に手の内を知られたくなかったからだ」
どこが問題だとフィフス。皮肉を効かせ
「実際,目の当たりにした誰かさんに対抗する術を見つけ出されてしまったわけだし」
目の前の人物は何人もの手下にマインド・コントロールを受け入れさせた上で,その体を生きたままで切り刻み術の正体を突き止め,対抗策を見つけ出した。
「知らぬ内に僕にされるのも業腹だからな」と皮肉に当てこすりで返す呉公。
「まあ,申し出には感謝するが,これらを使いうのは先日,呼び寄せた者たちでな。皆,己の霊力で”底上げ”ができる。つまり,使い魔を入れても大して変わらん。それに,剣の一本,一本,持ち手の霊力に合わたせ細かく調整しておるのでな。そこに,”異物”が混じると,調整の意味がなくなるわけで,それは避けたい」
もっともらしい言い訳にわずかに緊張が漏れる。本音は,芦を殺す場にフィフスの耳目があっては拙いからだ。
「提案しただけだ。そちらが要らないというのならそれで良い」
それを気づかぬ風のフィフスはあっさり提案を引っ込める。
「今度こそ,これで話は終わりだ。次に顔を会わすのは,占拠が終わった時。互いに予定通り役目を、きっちりと果たしておきたいものだ」
「そうだな‥‥ そうありたいものだ」と皮肉抜きで同意する呉公。
その後は、互いの生死を賭けた戦いが待っているのは無言の同意事項だ。
フィフスが液化して床に消えるのを見届け,呉公は所長室へ向かった。
今後の展開に向けた準備には必要ですが、こういうシーンが続くと、どうしても横島&美神のようなシリアスぶった悪党をギャグの世界に引き込むキャラを求めちゃいますね。多分、この作品には出ることはないと思いますが(笑)
着地点を想像しつつ次を読みに行きます。 (UG)