椎名作品二次創作小説投稿広場


ナイトメア計画(修正版)

ナイトメア計画4


投稿者名:NOZA
投稿日時:17/ 9/12

【梅枝ナオミ5】

「ウッヒャァァァァァァ!!!!」

ナオミは空中で身もだえする。
今何か、とっても非常識な思念波を感じた!
ナオミは殺そうと思った。たとえこの思念波を送りつけてくるのが宇宙の彼方にいるなんとか思念体であったとしても殺さねばならない、必ずやと決意した。

・・・・・・あれ?なんで私はこんな物騒なことを考えてしまうのかしら?

気を取り直して上空から地上を探す。一面の乳白色の砂漠。なにも・・・・あれ?
ナオミは遠くに赤いもの・・・・いや、朱色かしら・・・があることに気が付いた。このモノトーンの色彩のひどく乏しい世界にとても目立つ。

《人だ!誰かが倒れている!!》

ナオミは一直線にそこへ向かう。


【宿木明4】

う〜〜〜〜〜〜ん・・・・・・いや、ほんとシャレになってないよ・・・・
宿木明は乳白色の砂漠に大の字に寝転んで灰色の空を見上げる。本当に困った。どうしたらいいのだろう?

なーーーんも打つ手ないもんなぁ。いろいろと調べてみたけど、手がかり無し。
あーーーまったく、なるようにしかならないかぁ・・・・・
初音、大丈夫かなぁ・・・・・おかしなもの拾い食いしてなきゃいいけどなぁ。
あと短気起こして暴れてないといいけど・・・・・


【犬塚シロ7 犬神初音4】

「明返セ!!返セ!!シネ!!ニゲルナ!!!明喰ッタナ!!!ドコヤッタ!!!」

「チィィィィッッッ!!!!」

モノトーンの世界で非常識な死闘は続いていた。シロは不利だがよく持ちこたえている。

初音の動きが未熟なためだ。初音は狼としての戦闘の訓練など受けていない。
そもそも教えられる人材もいない。

人狼族を除いては。シロは狼の戦闘に対応できる不思議な存在。

《とはいえ・・・・・》

あまり長時間は持たない・・・狼化すれば勝てるでござるが・・・・

シロは仲間を殺すような真似は絶対にしない。

《困ったでござる。どうすれば・・・》


【美神令子7】

美神はただ、ぼーーーぜんと自称未来の自分を見つめる。

「やだ・・・ふふ・・・自分とは言え照れちゃうわ」

と、嬉しそうに自称未来の自分は恥ずかしがる。

「この子は長女で、今お腹の中に妹か弟がいるの♪」

未来の美神は嬉しそうに、幸せそうに自分のお腹をさする。

とても幸せそうだ・・・・・美神にはそんな未来の自分が信じられない。

「あの・・・・・私、いったい、どうして?ここに?」

美神はもっともな疑問を聞いてみる。

「うちの玄関の前で倒れていたの・・・この子が見つけたのよ・・・・たぶん雷か高圧電流を浴びて、未来に吹き飛ばされたんじゃないかしら?」

あっちゃーまたやっちゃったのか・・・・と美神は考える。時間移動能力は封印したはずだが、この封印はあまりアテにできないようだ。事故ならしかたない。

そう言えば・・・・変電所で除霊作業中だった・・・・・・・け?

なぜか確信が持てない。記憶はまだ混濁している。

「無理に思い出そうとしないで。とにかく今はゆっくりしていなさいね?」

自分の子をあやすように未来の美神はやさしく美神をいたわる。

「あの・・・・未来の私」

なに?と未来の美神が首をかしげる。

「10年後の私は・・・・幸せですか?」

もの凄い似合わない質問を美神はした。しかし未来の美神はニッコリと微笑み返す。

「ええ・・・・とっても」


【横島忠夫6】

「よ・・・・よし・・・わかった!必ず戻るから待ってろよ!!下に降ろさなくていいか!?」

横島は鉄骨に体を預けるルシオラに問いかける。

「ここでいいわ・・・・ながめがいいし、おまえがあいつを壊せばすぐ見えるから・・・!」

ルシオラはニッコリと微笑む。

「そ。そーだな・・・・!」

「攻撃は通じなくとも、文珠をうまく使えばスキをつくるくらいはできるはずよ!がんばってね!!」

「お、おうっ!!」

横島は東京タワーから飛び立とうとするがピタッと止まる。何かを感じ取ったのか、横島はルシオラに振り向く。

「本当に・・・・大丈夫だな?ウソだったらただじゃおかねーからなっ!!」

「大丈夫・・・!!」

ルシオラは横島を安心させるようにニッコリと微笑んだ。しかしすぐに大声で横島を叱り飛ばす。

「って何回言わせるのよっ!?早く行きなさいっ!!」

「は、はいっ」

その声に押されるように横島は一歩を踏み出す。

一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。一歩を踏み出す。

・・・・・・・・・・・・・・・

一歩を、踏み出せない・・・・・・

《あれ・・・・・・》

横島はふと自分の両手を見つめる。両手は滴り落ちる水滴を受け止める。
その水滴がとめど無く溢れる自分の涙だと、すぐには気が付かなかった。

行ってはダメだ。行けば必ず・・・・・後悔する。

俺は・・・・俺は・・・・結末を、知っている。


【皆本光一9】

《マテ!!ナンダコノコウケイハ!!!!》

「熱戦銃でこの距離なら・・・・・確実に殺れるね」

《ダカラマテ!!!コレハナンダ!!!ソンナバカナ!!!ナゼ!!》

「撃てよ、皆本!」

《ウテルカバカ!!ナンナンダコレハ!マテボク!!》

「でもーーーあたしがいなくなっても何も変わらない・・・・・他の大勢のエスパー達は、戦いをやめないよ」

《ダカラコレハナンナンダ!!》

エスパー・ハンターを向けたまま皆本は叫ぶ。

「なら・・・みんなをとめてくれ!!頼む!!『エスパー』だ『普通』だってーーーーこんな戦いが何を生むっていうんだ!!」

《モットモダガボク!!ソレドコロジャナインダ!!》

薫が耳に手を当てる。通信機だろうか?何か聞き耳を立てているように見えるが、皆本には聞こえない。

「もう・・・・無理だよ」

悲しそうに薫がつぶやく。
また遠くで大きな爆発が起こり、爆炎が空を焦がす。

「知ってる?皆本・・・・」

薫は右手を皆本に向かって突き出すと、その手の先に力を凝縮させる。手の先に光球が形作られる。危険な状態だ。

《マテ!ウゴケ!ボクノカラダ!!》

「あたしさーーーーー」

《マテ!マテ!!マテ!!!》

「やめろ・・!!薫ゥゥーーーー!!!」

撃て!撃て!撃て!とエスパー・ハンターは唸る。
○せ!○せ!○せ!と悲しい武器は訴える。

早く○せ!今○せ!○せ!○!○!せ!○!○!せ!○!○!せ!○!○!せ!○!○!せ!○!○!せ!○!○!せ!○!○!せ!○!○!せ!○!○!せ!○せ○せ○せ○せ○せ○せ○せ○せ○せどんどん○せ!!!!

エスパー・ハンターはニヤッと笑ったように見えた。

《ダレカ!ダレデモイイ!!ボクヲトメテクレ!!タスケテクレ!!!》

皆本は『エスパー・ハンター』の引き金を引いた。

ドン!と鈍い発射音を響かせて高エネルギーの弾体が撃ちだされた・・・・


【宿木明5】

「あーきーら♪」

灰色の空を眺めていた宿木明の目の前に、ちょっと釣り目の豊かな茶金の髪の少女が突然、ヌッと顔を突き出す。

うわっと叫んで明は慌てて体を起こした。

「は・・・・初音?!え・・・・お前どこから?!」

さっきまでは初音は絶対にここにいなかった。初音どころかだだっ広い砂漠に人影はまったく無かった。まったく忽然と現れたようにしか明には思えなかった。

「お前・・・・・テレポート使えたっけ?」

あるいは透明化か?いや、いくらなんでも初音にそんな能力はあるはずが無い。それは自分が一番良く知っている。

・・・・・ああ、狼ならまったく気がつかれない間に近づくのは可能か。いつの間にか近づいていたのか。

「脅かすなよ初音・・・・でも良かった。心配したんだぞ?」

明はホッとした。やれやれ、これで無力な一少年状態から抜け出せる。さて、しかしどうしたものだろう。なんとか他の人たちとも合流しないと。

「あーきーら♪」

同じ調子で初音はニッコリと笑う。上機嫌だ。

「どうしたんだよ、初音・・・・・何かいいことでもあったのか?」

突然初音は明に抱きつき、ペロペロと明の顔を舐める。
明は顔を真っ赤にしてうろたえる。

「わ・・・・ちょっとやめろ初音!待て、待て!!」

しかし初音はやめない。明の言うことをまったく聞かない。

「初音〜〜〜〜〜〜〜!」

その時、彼らのいる世界の一部に明確な変化が現れた。


【タマモ8】

ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・

玉藻前は必死に逃げる。彼女を殺害せんとする人間の軍勢から。
私にはもう行く場所が無い。逃げる場所が無い。暮らす場所が無い。
宮中になど行くべきではなかったのだ。優しい父と母の元で暮らしていたかった。
この顔を潰せばよかった。権力者などに見初められるべきではなかった。
でも、好きだった。権力なんて欲しくなど無かった。私は愛していたのだ。
今そんな想いはもう、無い。妖狐に居場所はなかったのだ。
私は何も望まないのに。何も欲しくはないのに。ただ静かに人並みに生きることを望んでいるだけなのに。

妖狐だからと奪うのか?危険だからと忌み嫌うのか?誰も手を差し伸べてはくれないのか?
生きていてはいけないのか?長久にわたり安住の地は無いのか?私の存在そのものが悪なのか?
彼女はもう疲れていた。考えることに。希望をつなぐことに。
人を憎もう。人を呪おう。私は憎しみで人が殺せる。たとえ殺され、石と化そうとも・・・・

人間はいつまでたっても同じなんだ。変わりはしないんだ。私は俗世の終わりまで憎まれるのだ・・・・・・・


【宿木明6 谷崎一郎7】

「ナオミィィィィィィィーーーーー!!!!」

突如何も無い空間から忽然と現れた谷崎主任を見て、明は心底ビックリした。なにがなんだかどうなっているんだ!!!
慌てて初音を突き飛ばす。あさっての方向を見て口笛を吹いてみたりする。

ハッ!!そんな小学生チックなリアクション取ってる場合じゃない!!

「谷崎主任!!いったいどこから?!主任はテレポーターだったんですか!?」

谷崎は明の質問をまったく無視して叫ぶ!

「マイ・フェイバリットナオミはどこだ?!」

「え・・・マ、マイ?・・・・ナオミさんですか?いや、ここには俺と初音しか見当たらないんですけど・・・」

谷崎はチッと舌打ちする。精神世界を突き破ったがナオミのいる場所には出れなかったらしい。 ちょこざいな、無駄な抵抗を!どんな挑戦でも私は受ける!!

谷崎は絶好調であった。迷惑極まりない。

ポカーーンとする明。違う意味で非常識な人だと思っていたがリアルに非常識な人だったとは。しかし助かった。これで3人。しかも今度は現場運用主任だ。
谷崎with『ザ・ハウンド』はまったく未知数な編成ではあるが、谷崎主任は本来優秀な人・・・だと聞いている。欠点があまりに目立ちすぎてアレなんだけど。

しかし谷崎は非常にガッカリとした顔をしていた。当然だ。ナオミがいない。ハズレだ。

ん?

しかし谷崎は何かに興味を惹かれたらしい。谷崎は初音に近づくとジーーーーーと初音の顔を見つめる。

初音はニコニコと嬉しそうにしている。

ちょっと明は複雑な気分だ。ちょっとだけ面白くない。

「ははーーーーんなるほどな・・・・なるほど、そう言う事・・・・・なのね」

谷崎は何がわかったのかウンウンと頷くと、初音からまったく興味を失くしたらしくスタスタと歩き出す。

「あれ・・・・主任!どちらへ?!」

明は戸惑う。何がなにやらまったくわからない。

谷崎は明たちから10メートルほど離れると。何も無い空間をワキワキと揉み始めた。

《もしかしたら病院に連れて行くべきなんだろうか?》

明は心配になる。

谷崎はまた明のところまで戻ってきた。

「明君、少々危険だから離れていなさい」

???何が何やらまったくわからないがとりあえず谷崎から離れる。

谷崎は足を少し開いてグッと腰を下げる。そして両手を揃え腰の辺りにゆっくりと引き、拳法家のごとく呼吸を整える。そして必殺の呪文を唱え始める!!


    「カ〜〜〜〜〜〜〜○〜〜〜〜〜〜〜〜○〜〜〜〜〜〜〜メ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


ちょ、ちょ、谷崎主任?と明はおののく。

    「波ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」

谷崎が突き出した両手からカメ・・・・いや、謎の怪光線が撃ち出される!!!!!

イロイロと問題の多そうな怪光線は先ほど谷崎が調べていた辺りの空間を吹き飛ばした!!!

何も無いはずの空間に大きな穴が開く!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

谷崎は何事も無かったかのようにその穴に向かって歩く。

明はあまりの事に思考が付いていかない!!!

「ではな、明君。私はナオミのところに行かねばならん!!」

谷崎は明に言葉をかける・・・・・へんじがない。

「あ、忠告しておこう。ここは精神世界。『夢』の世界と言うとわかりやすいか。精神を集中するといい。この世界からの脱出は困難ではない」

へんじがない。ただのしかばねのようだ。

「あと、その初音君はニセモノよ。本人じゃないわ。気をつけてね」
ニコッと谷崎は微笑みながら明に忠告する。

へんじがない。ただのしかばねのようだ。

「さらば明君!!いざ行かんナオミの元へ!!!」

勇壮なマーチがよく似合う宇宙戦艦の艦長のような叫び声と共に谷崎は忽然と消えた。同時に開いた穴も消え去り、世界はまた元に戻る。

・・・・・・・・・・・・・・

ハッ!!!と明は意識を取り戻した。おお明、死んでいたとは情けない。

何かとってもヒドイ悪夢を見ていた。なんてヒドイ悪夢なんだ。俺ど〜〜〜〜かしてるぜ!!
疲れてるのかなぁはははははははははは。

変な夢だった。谷崎主任がいたような気がする。それがカ○○○波だって。俺ヤバイかも。
さらに主任がオカマっぽかったような気もする。この任務が終わったら賢木先生に相談してみよう。そうしよう。

明の背後で、初音がニヤッと笑った。


【蕾見不二子2】

蕾見不二子はフカフカの大きなベッドの上で幸せな睡眠を貪っていた。大きな皆本抱き枕を抱えている。特注だろうか?

「う〜〜〜〜〜〜ん・・・・・・ムニャムニャ・・・・ギャルの・・・・・・パンティ・・・・・ ふにゃぁムニャァ・・・・・・・おくれ」

彼女がどんな夢を見ているかは、まったくわからない。


【梅枝ナオミ6 氷室きぬ5】

またキモチワルイ思念波を感じたがナオミは無視した。気にしたら負けかな?って思っている。

それよりも、この子のことだ。

ナオミは横たわる少女に膝枕をして介抱していた。袴姿・・・いや、巫女姿だ。
GSチームの子だ。名前は、氷室さんだったか。
ただ気を失っているだけのようだ。大きな怪我もしていない。

しかし・・・・この子・・・・私にソックリだ・・・・・

遠い親戚だろうか。世の中自分にそっくりな人が3人いると言うが、まさにそのうちの2人というような感じ。

《でも・・・・・私より肌なんかとっても綺麗・・・・健康的な幽霊?みたいな》

なんか変な表現だ。なんでそんな表現を思いついたのかしら?

《うぅ・・・・かわいすぎる・・・・・なんか変な気分になる・・・・》

ナオミは顔を赤らめる。女子校の悪しき風習が出てしまったのか?二条女子高は薔薇の蕾の園・・・・・
アニメのオリジナルエピソードでもそれっぽい取り扱われ方をしていたし・・・・

いいえ!私はその点に関してはノーマルです!ストレートです!

皆本さんみたいなタイプが好きだし!普通最高!!

なんとなく危険思想っぽい言い方をして完全に否定する。

「うぅっ・・・・・」

おきぬは少し苦しげにうめいた。


【美神令子8】

そうか、幸せなのか・・・・・

「私はGSをやめて、今は専業主婦よ。それなりの預金はできたし」

自分自身からそんな言葉を聞くのはもの凄く意外だ。なんだか信じられない。

幸せな家には、幸せの匂いがする。古い新しい、広い狭い、高い安いは関係無い。
温かい家には、温かい匂いがする。そんな空気がある。

この家からは確かに感じられる。それほど大きなマンションじゃないみたいだけど、高価な調度品とかは無いけど清潔でセンスの良い、良いつくりのもの。

明るい子供の声。オーディオから流れるショパンのノクターン。窓から入り込む風の音。

穏やかだ。幸せで、平和な家庭。

私は、望んでも得られなかった。今はもうわだかまりは無いけど、おかしなバラバラであることを宿命付けられた家族。

・・・・・だからこそ私はこんな穏やかさを選んだのだろうか。平穏を選んだのか。

幸せであるならそれでいい。未来の私にそれ以上を望んではいけない。

「そ・・・それで・・・・あの・・・・・その・・・・・・」

美神はモジモジと両手の人差し指の指先をつっつく。
当然聞いてみたいことがある。何よりも聞いてみたいことがある。未来の私は専業主婦だと言った・・・・・主婦だと。

ピンポーンとごくありふれたドアフォンが鳴った。


「あ、帰ってきたみたい」 「かえってきたみたーーーい!」

とても嬉しそうに未来の美神は笑う。未来の私の子が唱和する。

「私の、旦那様よ♪」

うわっ、よりにもよって旦那様ときた、旦那様と!デレデレじゃないか。未来の私、恥ずかし過ぎる・・・・・・・


【宿木明7】


「あーきーら♪」

ドンッ!!と初音の強力なタックルを喰らって明は仰向けに倒れる。
初音は明に馬乗りになって押さえつける。明は押し倒された形だ。
潤んだ瞳で初音は明を見下ろす。ハァと初音は溜息を漏らし、薄くピンクのルージュをひいた唇を舐めた。

「ウフフ・・・・あーきーら♪」

「ちょ・・・・ちょっと初音!!待ってくれ!こーゆーことは皆本さんみたいにコメリカに留学するようになってから!!」

明はどこからそんな個人情報を入手しているのだろうか。
しかし初音はまったく動こうとしない。

「あーきーら♪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オイシソウ♪」

へ?と明は呆ける。

初音は突然変身した!巨大な狼に!!!!!

「明、ダイスキ・・・・・イタダキマス♪」

わ・・・わーーーーー!!!ちょっとま!!!!!

明は初音に喰われた。文字どうりの意味で。必要な表現はスプラッタ表現であり、エロ表現の入り込む余地は無かった。



        「オイシカッタ♪」




        <宿木明 肉食系女子END>



       ***NEXT【ナイトメア計画5】***


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