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闇の中で見る夢はどんな夢なんだろう?(絶対可憐チルドレン)

平行線(第1話)


投稿者名:ルカ
投稿日時:09/ 8/16

「不二子さん、おきているのを見るなんて久しぶりかもしれないね」
 さらりと流れる白い髪を私は見る。
 黒い髪の記憶が心によぎる。私は声の主に向かって不機嫌な返答を返す。
「どうしてここにきたの?」
「夢を見たから」
 懐かしい夢を見たから、会いたくなった。と京介が言う。
 懐かしい夢を見た。それは私も同じだった。
 だから今日は戦いあうのはやめよう。と思う。
 臨戦態勢に入りかけた己をおさめた。
「不二子さん」
「なあに?」
「どうしてここにいつも残ると……」
「不二子、いえ私はね、ノーマルとエスパーは共存できると思うの。だからパンドラのような組織にはいることは絶対にないの」
 懐かしい夢を見るたびに、全てを投げ出したくなる。
 あの時のように抱きつきたい衝動に駆られる。
 その温かい腕に抱かれて、そしてその唇に……。
 柔らかい笑みで京介は私を見た。
 私はベッドから身を起こす。
 そしてベッドの横にたつ京介を見た。
 まっすぐに、ただ見た。
「不二子さん、僕たちは……」
「私達は敵同士よ」
 でも不二子さんがこちらに来れば……。
「私は信じてる、あの子達を」
「女王たちはパンドラに来る運命だよ」
「違うわ、未来予知は変えられる」
 私たちはいつも平行線をたどる。
 私達は理解しあえない。ずっとずっとずっと。
 優しい瞳で京介が私を見る。
 そのたびに思いだすあの懐かしい昔を。
「不二子さん」
「お願いだから呼ばないで、私の名前を」
 名前を呼ばれるたびに揺らぐ心。
 どうしてもどうしてもどうしても……ゆらゆらと揺らぐ。
 ゆらゆらゆらとどうしても揺らいでしまう。
 私たちはただ見つめあう。
 そして私は深い吐息を一つついた。


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