夢を見る夢を。
遠い昔に見た夢を。
闇の中で泣き続ける子供の声が聞こえて。
それを聞くたびに私は飛び起きてしまう。
ああお願いだから泣かないで、お願いだから泣かないで……。
「京介、似合うじゃない」
「不二子さんやめてよ。いやだよ!」
「私より似合うかもね」
京介をいじめるのはとても楽しいなあ。そんなことを思いながら私はまじまじと京介を見る。
嫌がる様を見るのはとても楽しかった。
「お父様に買ってもらったワンピースだけど、京介にあげるわ」
「いやだよお。もう脱いでもいいでしょ?」
「駄目よ」
絶対に駄目、似合ってるんだから。と私はなみだ目の京介をにらみつけた。
萎縮したように見るその姿がとても可愛い。
白いふりふりのワンピースなんて、私より絶対京介に似合ってると思う。
黒髪にすごくはえてるもの。
ものすごく嫌がって泣く京介を見て、にやりと私は笑う。
「お父様にも見てもらいましょう」
「いやだよおおおおおおお!」
泣き叫ぶ京介を見るととても楽しい。
からかうと本当に反応が面白い。
私は楽しげに笑う。するとますます京介が泣く。
とてもそれは楽しい。
「うふふふふふふ」
「不二子さんなんて大嫌いだ!」
からかうと反応が楽しいからついいじめちゃう。
でも私は京介が可愛いからこんなことをするのに、京介はちっともわかってくれない。
「……不二子さんなんて大嫌いだ!」
聞こえる……聞こえるのは泣き声。
でも違う、この泣き声は違う。
夢を見る、遠い夢を。
夢を見た遠い夢を。
懐かしい懐かしい夢を。
夢を見るたびに泣きたくなる。私が。
とてもこれは怖くて悲しくて……とても懐かしい夢。
泣き声が聞こえる。闇の中でなく子供。
夢を見たくない、永遠に。
懐かしい夢を見た……そのたびに消えたくなる。
遠い昔の幸せを見せ付けられて。
「……夢」
目が覚めると、涙が一筋頬を伝っていた。
闇の中で見る夢。
いつもいつもいつも遠い昔の幸せを見せ付けられる。
残酷で優しくて幸せな夢。
目を開けると現実が見えてくる。
だからおきたくない。永遠に眠っていたい。
そう思い私は身を起こす。すると声が聞こえてきた。
二人の関係を書いてみたいと思いまして……。プロットだけたてたものです。
二人が昔恋人同士であった。という想像が入ってます。
そういうのが好きな方よかったらお読み下さい。 (ルカ)