「うちが何をごまかしてるっていうんや!」
パンドラの支部、そこで怒り狂う一人の女性。
長い黒髪をなびかせ、眼鏡越しに怒りに狂っているのは、それは彼女のあるコンプレックスの為だった。
柔らかい感じがする丸っこい目は、今は怒りに満ちている。
「あのな、うちが何をごまかしてるっていうんや、いうてみ?」
「……ほんとはAカップのくせに」
「……胸パッドって便利よね♪」
柔らかく優しく慈愛に満ちた笑みを向ける長い髪の女性、うふふふ、とものすごく優雅に笑う彼女はどこかとても怖かった。
指を唇に当てとても優雅に笑っている。
「葵ちゃん、白状したほうがいいわよ?」
「違うっていうてるやろ!」
葵、あたしは何も胸パッドが悪いっていってるわけじゃない。ただなあ……と肩までの髪を伸ばした女性が憐れみの眼差しとクスクス笑いを葵に向ける。
「あのな、薫、いくら長い付き合いのあんたでも怒るで?」
「……あら違うの?」
うふふふ、できたらよんであげようかな〜。と最高の微笑みで女神は葵を見た。
「……あんたらとはいつか決着つけなあかんと思っていたところや……」
「ストップだ、女王達、あの……」
「変態爺はだまっとき!」
指を怒りの形相で、止めにはいった少年へと葵は向けた。思い切り彼は壁にのめりこんでしまっていた。
やれやれ、といったように彼はなんとか突き出ている手をお手上げ、といったように上げた。
「あらあらやるつもりなの?」
「上等だ、やってやる。そしてひんむいて胸パッドだってことを証明させてやる!」
「できるもんならやってみい!」
戦いははじまったばかりである。
多分にまあどっちかに軍配が上がるだろう……。