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絶対可憐チルドレン短編集

運命に抗って(兵部SS)


投稿者名:ルカ
投稿日時:08/12/13

 人は所詮、自らと異質なものを排除しようとする。それは確かだ。
 泣いている声が聞こえる。
 いつものことだ。
 ボクは泣いている声の主に声をかける。
 真っ黒な髪をした子供だった。
「……泣くだけじゃ駄目だ」
「……だれ?」
「……泣いても何も変わらない」
 泣いても変わらない。それは確かだ。
 小さな子供にボクは声をかけた。
 それはかってのボクを見るようだったから。
「化け物じゃない……僕は」
「ああそうだね」
 でも普通の人はそう思ってはくれないよ。と思う。
 だって彼らはボクらを恐れる。それは確かだ。
 泣いている小さな子供の頭をボクはなでた。
 そして……小さくボクは笑った。
 子供は泣くのをやめて、ボクをみた。
 遠い昔のことだ。
 そしてボクは思う。今、現在のことを。



 追憶をやめた。
 そしてボクは窓の外を見る。
 そこあるのはただの闇だった。
「少佐、どうされました?」
「いや、昔のゆめを見ていてね」
 昔のゆめをみた。
 小さな子供が泣いているゆめだった。
 声をかけた男をボクは見る。
 もう小さな子供じゃない。
 ボクは遠い昔のことを思う。
 救えない、エスパーは普通の人では救えない。
 それはボクの持論だ。
 女王もボクらのところに遠い未来にやってくる。
 でも少しだけ心が痛む。
 もしあいつが小さい頃のこの子のそばにいれば。
 違う未来もあっただろうか?
 考える。考える。
「……ねえ、ボクのところにきたこと後悔してない?」
「いいえ、それが多分……」
 選んだ道ですからね。あの時の……子供の。
 そういって彼は笑う。
 ボクがつれてきた子供達はみんな大きくなっている。
 でも違う未来もあったんじゃないかと思う。
 いつか……後悔する日がくるかもしれないと思う。
 彼らが……。
 でもボクはあいつのやっていることは間違ってると思う。
 だからボクは抗う。
 運命に抗い続ける。
 


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