遠い遠い遠い空の彼方にあるものは幸せなのか?
それはわからない。
……超能力者が世界を滅ぼす。
そういってあの人は銃をにぎった。
……ノーマルとボクらはわかりあえない。
でも強い瞳で、そうじゃないと言い切るやつがいた。
ボクたちの希望である女王たちは、今はそいつのもとにいる。
いつかわかるだろう、ノーマルとエスパーは相容れないものであると。
「貴方たちは希望です。私たちの」
そういって心酔した表情でボクに彼らは言う。
違う、希望は女王たちだ。ボクじゃない。
強い瞳で、ノーマルとエスパーは相容れることができるとやつはいう。
それはありえない。
いつか女王たちも思い知るだろう。
思い出すのはただあの強い憎しみの眼差し。
あの人が銃をボクに向けた時の、強い憎悪。
……化け物といわれることはつらい。
とても辛い。
とてもとても悲しい。
あいつは絶対に女王を殺さないと言い切る。
それは絶対にない。
予知は絶対だ。誤差はほとんどない。
ボクは遠い空の彼方を見上げる。
強い瞳であいつが言い切る言葉を否定して。
……希望なんて、この世界にはない。
ノーマルがいる限り。
パンドラの箱は開かれて、希望が残ることもない。