ボクたちを人は恐れる。普通の人は。
ノーマルは所詮違うんだ。ボクらとは。
……考える、考える、考える。
僕も昔兵部と同じ事を思ったことがあった。
……大人も僕を恐れた。普通の子供とは違うから。
チルドレンたちも同じだ。僕と出会う前の彼女たちは大人を信じきれずにいた。
……超能力者は特別な力をもってしまっただけのただの人だ。
僕は考える。
まどろみの中。
ゆめをみる、ゆめをみる。ゆめをみた。
懐かしいゆめだった。
母さんが泣いていて、悲しい顔をした父さんがいた。
……かなしいゆめを見た。
……僕はベッドの中でまどろむ。
そしてゆめを見る。
悲しい顔をした薫達の顔と、兵部たちの顔。
超能力者たちの顔を。
……かなしいゆめを見た。
かなしいと思う気持ちは同じだ。
……エスパーは特別な力をもってしまっただけのただの人間だ。
同じ人間だ。
考える、ベッドの中で考える。
相容れることのないパンドラとバベル。
どこまでいっても平行線の……僕らのことを。