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絶対可憐チルドレン短編集

「一人はさびしい……」(皆本過去)


投稿者名:ルカ
投稿日時:08/ 9/13

 どうして僕はずっと一人なんだろう?
「……皆本君は協調性がありません」
 そう先生は僕の顔を見ていった、お母さんは三者面談で、いつもこのような台詞を先生に聞かされて、悲しそうな顔をしている。
「……この子はいじめられてるんじゃないでしょうか?」
「いいえ、殻に閉じこもる傾向があるようですねえ」
 僕はずっとクラスで一人だ。友達を作ろうとしても、皆が僕を避ける。
 僕はどうして、ずっと一人なんだろう?
 頭がよすぎて気持ち悪い、と言われたこともある。
 僕はただ頭に浮かんだことを、授業の時に答えているだけなのに。
 先生は僕が質問するたびにいやな顔をする。
 僕はずっと黙ることにした。
 だって、話すたびにみんないやな顔をするから。
 すると【協調性がない】と言われるようになった。
 お母さんはいつも悲しい顔で先生のその台詞を聞いている。
「……でも先生僕は」
「また口ごたえなの?」
 お母さんは何もいえない、いつも僕をかばってくれていたけど、疲れ果てて何もいえなくなってるんだ。
 僕は人を悲しませるだけの存在なのかな?
 僕は窓から見える青空に目を向けた。
 先生はとてもいやそうな顔で僕をまた見る。
「……私の話は退屈?」
「いいえ……」
 僕はできるなら友達がほしかった。
 なんでも言い合える友達。
 いつでも遊べる友達。
 でも僕は多分ずっと一人だ。
 先生の声はもう聞きたくなかった。
 僕は青空をただ見ている。
 窓の外から見える空を。
 いつも授業中は空を見ていた。だって先生は僕と視線があうたびにいやそうな顔をするから。
 僕は一人はさびしい。
 誰か、僕と友達になってほしい。
 お願いだ、誰か、誰か、誰か。
 今日も僕は青い空を見上げる、そして一人ぼっちの僕を再確認する。
 お願いだよ、誰か僕の声を聞いて。
 お願いだから……お願いだから。


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