椎名作品二次創作小説投稿広場


復活

J空からお月様が落ちてきた(幕間)


投稿者名:ETG
投稿日時:07/10/ 8

「ふあーっ よく寝たな〜〜〜〜」

なんだかとっても良い夢を見ていたようだ。気分が爽快だ。

横島が布団の中で、んーと伸びをすると胸のあたりに柔らかいちっちゃなものがしがみついている。

「んー、ルシオラぁ」

もはやとても胸ポケットに入らないルシオラだが、横島の心臓の音を聞くと安心するらしく、寝るときは胸のあたりによくしがみついてくる。

横島もいつもどおりちっちゃなルシオラを抱きしめ愛撫する。
近頃大きくなったこともあり、その至福の感触を楽しめるようになった。
ルシオラも口で[「バカっ」とか「エッチ」とか、いやがったり大事なところを手で覆ったりするものの逃げ出したりはしない。
それどころか頬をつつく指を抱えて頬摺りしながら枕にしたり,ちいさく噛んでみたり。

18禁メディアでは決して味わえない心も満たされる至福のひとときである。

(くーっ、長年の労苦が報われつつあるんや〜〜〜! 俺にもとうとう抱きしめさせてくれる女の子がっ)

ぷにぷにと柔らかいほっぺたや、つつしまやかな胸、スレンダーな肢体を柔らかくゆっくりなでやる。

(大きくなったなぁ。もう子供くらいになったかなぁ)

両手でぷにぷにぷにもみもみ。
ささやかな幸せに浸る横島。

(?)

よく考えてみればまだそこまで大きくないはずだ。
40〜50cmくらいのはず。両手でさわれるはずがない。

それにルシオラはおおまかな外見はともかく、細かい造作まだまだ未完成。
できてたら18禁を不機嫌ながらも許可してくれてるはずがない。

知らない人が見たら精巧なフィギュアに見える程度のディティールなのだ。
だからルシオラは横島に裸を晒したことは……実はない。

つまりはつるぺたの人形の手触り。
今触ってるモノとはだいぶ違うはず。


「なんだこりゃ?」


寝ぼけまなこをこすって布団をめくると


ピエロ帽をかぶって服をはだけられた子供が真っ赤な顔で目に涙を浮かべている。


肌寂しくなって一緒に寝ていたらあっちこっちいやらしくなで回されて目を覚ましたのだ。
恥ずかしくて外へ出られなかったようだ。

信用していたら重セクハラをカマされてすごいショックだったのだろう。

いつもの元気はどこへやらすっかり怯えている。


「パ パピリオ!? な、な、」
「―――ヨコシマがこんな鬼畜だとは思わなかったでちゅ〜〜〜っ」

布団をめくったととたんに泣きながら飛び出した。



うわぁ―――――ん



そのまま部屋からすっ飛んで襖をピシャンッと締めて出て行った。

―――――パピリオもう起きたの。あらどうしたの?―――――――

―――――ヨコシマが、ヨコシマが―――――――

布団で体を起こしたまま呆然とする横島をよそに襖の向こうではえぐえぐと泣きながら要領わるく説明している。
説明している相手は・・・・・・・


最悪。


「よぉ―こぉ―しぃ―まぁ―ッ!!」
怒りのオーラで真っ赤になった髪を逆立てて襖を蹴破ってきたのは令子。

朧と神無を美智恵と西条に紹介した後、
朧の物言いにかなりむかつきながらも仕事だからとなんとか押さえ込んで横島を呼びに来たのだ。
そこにこれである。


金色夜叉の手には‘一万マイト用神通棍’が伸びて輝きを放っている。
どうやらフル充電した上に怒りが上乗せされて使えるようになったらしい。

「み、美神さん!! 誤解です!! 誤解っ!!!!」

それを見た横島が久々に命の危険を感じて後ずさる。

「ほぉーう。言い訳があるなら聞こうじゃない」

今ここで横島を殺せば儲け話がチャラになってしまう。
暴れ回る感情を何とか千両箱で抑えつけて さえずれ とあごをしゃくる。

「じつは――――」

かろうじて思いとどまったらしき令子に正直に話そうとするが

内容が内容だ。
(は、話せん。正直に話しても殺される)

普段布団の中でルシオラといちゃいちゃしてるのでついうっかり、などと言おうものなら。

「やっぱりね…」

言い淀んだ横島を見た令子が改めてとさかに来たのか再び‘一万マイト用神通棍’がジャキッとばかりに伸びる。

「ちが――――
「問答無用!! 極楽へ行かせてあげるわっ!!」


戦闘用決め言葉。本気だ。


ずっどぉおおおん!!


一万マイト用神通棍が振り下ろされ地響きが響き渡る。

普通ならここでさらに往復びんたやらハイヒールやらの攻撃になるが、
さすがの令子でも‘一万マイト用神通棍’での攻撃は1回で力を使い果たしたらしい。

肩で息をしてほどよく潰れた肉塊を踏みつけていると、
地響きを聞いてわらわらと集まってきた皆にパピリオがぐしぐし泣きながら説明して回っている。

「せ、先生はぺどでも良かったんでござるかっ」
「はぁ〜〜ぁ。やっぱり見境なしの鬼畜よね」
「横島さん。見損ないました」
「ア、アニキ、な、なんでこんなのがもてるんだな」
「軍人にあるまじき行いを…。先に知ったら銃殺してやったものを」
「横島クン。それは重い罪だよ。降りたらとりあえず留置所に入ってもらおう」
「パピリオを一緒の部屋に寝かしたのが間違いでした」
「ポチ、ルシオラもベスパもパピリオと同い年とはいえ外見も精神年齢も違うのじゃが」

さすがに月神族たちは妙神山の奥の間ともいえるここには入り込んでこなかった。
集まってきたのは顔なじみばかりだ。

「//////////」

パピリオからの説明を聞いて一人だけ真実を察したルシオラが真っ赤になって黙っている。
誤解はヨコシマのためにもパピリオのためにも解いてやりたいがどうしたものか。
さすがにこんな衆人環視の元で閨のことを説明する勇気はない。

「ルシオラさん」
「ハイィッ!!」

思い悩んでいたルシオラ、耳元で美智恵に囁かれ、思わずきおつけになってしまう。

「思い当たることが有るのかしら?」
「あ、あるような気も…」
「一応、同棲してるんだもんね。想像は付くわ」

美智恵がムスメの見かけによらぬオクテ加減にも苦が笑いしつつ回復しだした横島に活を入れる。
さすがに‘一万マイト用神通棍’での一撃は回復が遅い。

何とか意識を回復したところに美智恵が優しく話しかける。

「横島クン。ひのめと間違えたのよね」
「ふぇ?」
横島は思わず奇声を出す。隊長はこの上本物のペドに堕とそうとしているのだろうか。

「いつもよくひのめと遊んでくれてそのまま寝ちゃってるもんね」
「はぁ」
「ひのめはほっぺをつついたりやおなかをさすると喜ぶから」

ここまで言われてやっと横島も理解した(ルシオラの魂内会話での援護有り)。

「そ、そうなんです。つい寝ぼけてパピリオとひのめちゃんをまちがえてなで回してしまったんです!」

慌てて助け船にしがみつく。

「確かに添い寝を口実によくさぼってたわね」
横島を失って事務所の雰囲気を悪くはしたくないタマモがそれに乗ってくれる。

「先生はひのめどのとの遊びで疲れ果てて寝ておられるだけでさぼっているのではござらん!!」
こっちは素で返してくる。

しかしこれだけ集まったメンツを納得させるにはやはり少し弱かったようだ。

「でも、パピリオの話ではフトモモやお尻もなで回されたそうですが」
「赤子相手にフトモモはなでんか」
「かなりしつこかったようだしな」

半分以上が納得してない様子でさざめき出す。
聞いていておキヌは心眼出して本当のことを確かめたくなったが横にはヒャクメが居る。

「ん――――ん?」

そのヒャクメが皆の期待の視線を浴びて難しい顔で虫眼鏡をとりいだす。
しばらく全身の目で横島をなめ回して眼鏡をしまうや爆弾発言。

「ウソ、なのねー」

「なにっ」
「やっぱり」

ガチャリ、シャキッ!!

精霊石銃の安全装置をはずす音や神剣の鯉口を切る音。

ザシュッ

一万マイトの神通棍が再び伸びる。

ヒュルルル〜〜〜

笛の音が聞こえ始める。


美智恵が、もーだめね、とばかりに天を仰いでいる。
真実を暴かれれば他のメンツはともかく令子は……


「ヒャ、ヒャクメ〜〜俺を殺す気か!!」

横島が叫び、ルシオラが真っ赤になったところで


「裸のルシオラさんと美神さんとおキヌちゃんと冥子さんとそれに小竜姫やワルキューレも込みで
 布団の中でホントにほんとにいやらしいことをする夢を見てたのね〜〜。美智恵さんなんかも入ってる鬼畜なのね〜。
 かわいそうにパピリオはルシオラさんの代わりに徹底的に隅から隅までなで回されたのね〜」


横島自身も忘れていた真実を一から百まで暴いた覗きの神様がご神託を下す。


どうやら目が覚める前からパピリオを撫で回していたらしい。
実際の女性の肌触りにふれられたことから超幸せなリアルな夢が見れたようだ。
パピリオは姉妹と言うこともあり、生前?のルシオラの手触りに似ていたのだ。
おかげで煩悩霊力源のさいてー男の霊格は小竜姫の予想よりもさらにちびっと上がった。


それはともかく。

「ルシオラさんや美神さん1人だけの夢ならともかく、女として許せないですねー」

さいてーであることには変わりない。


ヒャクメの裸体も目の位置、鱗の位置や模様まで一致していた。
覗きの神様が知らない間に覗かれていたでは沽券に関わる。


もちろんこのご神託で横島は小竜姫に顔を踏まれ、ワルキューレにグーで殴られ、
令子とルシオラにもシバかれ、おキヌの平手打ちを喰い、美智恵にも神通棍で殴られた。
入ってなかったシロにまで噛みつかれた。

しかしなにせ毎度のこと。
何とか西条のジャスティスと軽機関銃の弾のみは防げたこともあり死ぬほどではなかった。




まぁなんにしろパピリオの誤解が解けたことは多としなければなるまい。

「ヨコシマはヨコシマでちゅね。ろりでなかってほっとしたでちゅ」

ドカバキと横島が全員から制裁を喰らう傍らでほーっとパピリオが安堵のため息をつく。
姉と間違われたのならそう悪い気はしない。
ヨコシマと姉が両思いなのは皆周知の事実。

「でもなんでみんなあんなに怒り狂ってるでちゅかね。ルシオラちゃんまで。
 ヨコシマはそんなもんでちゅ。昔っからわかった話でちゅ」

この辺よくわからなかったらしくちょっと小首をかしげる。

「一発殴ってほっとけばいいでちゅ」

「パピリオも一回恋を経験すればわかるわ」

ぼそっとつぶやいたのはもちろんタマモである。

「ほんっと女の敵よね」



「あのへんはサタン様といい勝負じゃ。人間としてはむしろあっぱれかのう」
座り込んで見物していた土偶羅がのたまう。
「アポルオンに勝つかもしれんのう」

「サタン様、太陽神は女ったら…もとい艶福で有名ですが、それといい勝負ですか」
そばで同じく見物していたジークが珍しく口を挟む。男として気になったか。

「アシュ様にインプットされたデータを閲覧する限りではな。アポルオンは知らんがサタン様はパターンが似てるような気もするな」
いうなり自分の湯飲みをぐいっとジークに突き出す。

「横島さんの女好きは魔界にもひびくものになるということですか」
ジークもどっかり座り一升瓶に入った液体ハイレベル放射性廃棄物を土偶羅が差し出した湯飲みに入れてやる。

「今はままごとみたいなもんなんじゃろうな。メフィストはともかくルシオラはそんなにガード甘くは造っとらんでな」

土偶羅が湯飲みを一気にあおって続ける。
メフィストで懲りたアシュタロスにその辺はくれぐれも念を押されたのだ。
その上に人間とヤったら消滅、という脅しまでかけといたのにこの様だ。

飲まなきゃやってられんらしい。

「人間、しかも生まれて20年たたんヤツに墜とされるのはしんじれんわい。メフィストでもじゃがな」

そんなことでは欲望がとことん強い人間を相手にする三つの願い事の悪魔などやってられない。

しばらくぶつぶつ愚痴を垂れた後ゆらりと立ち上がる。

「わしゃこれで帰るぞ。月神族とあの辺の女どもとの乱痴気騒ぎなど見たくもないわ」
「僕も帰りたい気分です」
「宮仕えはつらいのう。さいわいワシは任務完了じゃが」




to be continued


今までの評価: コメント:

この作品はどうですか?(A〜Eの5段階評価で) A B C D E 評価不能 保留(コメントのみ)

この作品にコメントがありましたらどうぞ:
(投稿者によるコメント投稿はこちら

トップに戻る | サブタイトル一覧へ
Copyright(c) by 溶解ほたりぃHG
saturnus@kcn.ne.jp