椎名作品二次創作小説投稿広場


〜GS・短編集〜

後日談〜美神事務所〜


投稿者名:道化師の黒銀
投稿日時:07/ 5/19

パラ・・・

紙が立てる微かな音が部屋の中にする。

「・・よし、これでいいわ。」

書類をチェックしていたのは、この事務所の所長である美神令子であった。

そして、書類を作成したタマモに話しかける。

「いいこと、依頼は何も除霊だけでなく、土地に関する霊能の調査、霊障の調査、そして除霊が終わった後のアフターケアなどもあるわよ。」

「うん。」

「細かい点はまだ難しいけど、全体としては良くできているわね。」

「ホント!」

「細かい所は、何かがあったときに後から見直すときに使うから、これは除霊に関する事以外でも大事なのよ。
 ま、今はコレでいいわ。」

美神にほめられて目を輝かせるタマモであった。


「それにしても、アナタが私の仕事を手伝いたいっていうのにはビックリしたわ。」
「そう?」
「けど、助かるのも真実だしね。」
「えへへへ。」



・・・先日の美神と横島の暴走以来、タマモは美神に尊敬の念を抱くようになってしまった。
これは、恐怖の感情が昇華されてしまったことによるのである。

大妖怪である九尾の狐の転生体であるタマモは美神を個人の人間としでなく、我が主として定めた。
これで、タマモが前世の力を完全に取り戻して大妖怪九尾の狐として目覚めたら美神は最強の妖狐を使い魔として使う事ができるが・・・
もちろん、美神は気付いてはいない。


カチャとドアが開いてシロが入って来る。
「失礼するでござる。」
「どうしたの?」

シロは、タマモと違い精神がまだ未熟な子供なので先日の出来事をタマモのように昇華させるといった芸当は出来ないので、とる道はただ1つであった。
それは、精神を鍛える事であった。その為に天狗の所へ行った。

そこで言われた事は・・・
「・・・その出来事を忘れる事もできるが・・・・自らの意思の力で乗り越えられぬば精神が身体と技術に伴って来ぬから、いい機会だから精神を鍛えるがよい。」
・・・であった。
その為には、まず悪夢を克服する事から始まった。
「まず、その出来事を悪夢に見ないようにすれば、精神の消耗を抑える事が出来るからその分、精神の修行に回せるからお主自身で悪夢を見ないようにするのだ。」


その結果、シロは夢を見ないようにいつも以上の修行をして夢を見ないくらいの深い眠りについたので、アノ出来事に関する恐怖が少しだけ薄れてきたら次は天狗の所で修行をする予定である。


その為に、先ほど中庭で霊波剣を振るっていたのである。(両手・両足に50kgの重り、合計200kgの重りを4つ着けている。)
「庭で素振りをしていたら、なんか怪しい男が見ておったので探りを入れたのでござるが、拙者が近づいた途端に逃げ去ってしまってである。」
「ふうん。 シロ、その怪しい男ってどんな男なの?」

タマモがシロに質問をする。

「そうでござるなあ・・。 外見は金髪にサングラスで、何かの化学繊維で作られたスーツを着ていておったでござるが、鉄と火薬の匂いがプンプンと匂っていたでござる。」
「車の匂いじゃない?」
「車には乗ってはおらんでござった。」
「ふーん。」
タマモとシロが話していた時、電話のベルが鳴った。

ブルルル・・

電話がかかってきたので、受話器に手を伸ばして取った美神は何かを話すと受話器を置いた後、携帯電話を取り出すと登録してある番号を押して誰かにかける。

そして、相手が出るのを確認すると大声で怒鳴った。
「くおらー!! 横島ぁ!!」

その声にタマモとシロは話すのを止めて美神の方を見た。

「・・・・!!」
『・・・・・。』
「・・!! ・・・・・。」
『・・・。』

「・・ったく、あのアホが。」

会話が終わった後、美神はタマモとシロにコトの事態を説明した。

「今、先生から電話があったわ。」
「え? 先生って、神父からでござるか。」
「ええ、そうわ。」
「何でも、先生からの話によると横島君の所に外国のGS関連の男達が来たらしいわ。
銃を使うという荒っぽい手段を使ったらしいわ。」
「え!? 先生は、無事でござるか!?」
「無事に決まっているでしょう。」
「とりあえず、詳しい事は教会で聞きましょう。」
(なんせ、先生は若い頃あっちこっちで活躍していたから思い当たることがあるはずだわ。)

美神の言葉に頷いたタマモとシロは美神と共に教会へ向かった。


ちなみに、おキヌは学校の修学旅行で外国のGSの事を学ぶためにスイスへ行っている。


そして・・・教会に着いた美神は横島を殴った。


ドタタタタ・・


「くおら!! 横島ぁ!! 前に連絡用に携帯電話をあげたのにナゼ連絡しなかったの!?」
「げごおっ!!  あ・・・。 忘れてた・・・・。」
その言葉に父ブラドーから持っていくようにと言われた本を読んでいたピートは小さく突っ込んだ。

「横島さん、忘れていたんですね・・。」

「このボケ!! 何かに巻き込まれたら必ず連絡しなさいと言ったでしょう!!」
「ああーっ!! 堪忍やーっ!!」

ドカドカ

「ええい!! 問題無道!!」
「だってー!! 携帯電話なんて、高額な物は怖くて使えなかったんだやー!!」

ゴキッ!!

「ええい! 壊してもいいから、慣れなさい!! 壊れたら、また支給するから!」
「え? それは、愛の告白と受けとっ・・・・ぶっ!!」

横島の顔面に美神の拳がめり込む。

「このあほんだらーっ!!」


その様子を唐巣神父、ピート、タマモ、シロの4人は見ていた。


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