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〜GS・短編集〜

美神と横島の怒り 〜おキヌの苦しみ〜 3話


投稿者名:道化師の黒銀
投稿日時:07/ 4/ 3

「ねえ、横島くぅん。 何で栄光の手が進化しているのかしらん?」
美神の言葉通り、横島の霊気の武器命名『栄光の手』は普段は片手だけしか発動できないが、今は両腕を肩の付け根まで覆うほどになっており、形も変化しており攻撃的な形状になっている。
栄光の手の甲についている両方の金属状の玉には、陰陽の形をした文珠がはめ込まれている。

「はっはっ、美神さんこそ神通棍から稲妻を出していますけど。 しかも更にムチの形が変化してるし。」
横島の言葉通り、美神の武器、神通棍は一般的な棒状からムチ状に変化しており、それがいくつにも枝分かれしており、それから霊力が電気に変化しているのか稲妻が出て、それが部屋の壁、床、天井に飛び落ちている。
ムチの一部はもうすでに完璧に雷のムチになっている。



「それに、横島君。 あなた霊気が全身を覆っているし、しかもその霊気から
文珠がポコポコと生成されて、周りに浮かんでいるしV 
そして、それがぁ栄光の手の進化形の腕に一直線に均等間隔ではめ込まれてるし。
すごいわぁ。」
美神の言葉通り、横島の周りには横島の霊気から生み出された文珠が無数に浮かんでおり、進化した栄光の手には手の甲に陰陽の形をした文珠が両方にあり、腕を覆う栄光の手には均等間隔で普通の文珠がはめ込まれている。


「はっはっ、美神さんのお褒めに預かり光栄なことですね。
美神さんは前世返りでも起こしているらしく、霊気に魔気が混じっていますよ。
はははは、それもすごいことですよ〜。」
横島の言葉通り、美神の前世は魔族であったので今回のことで少しだけ前世返りを起こしたらしく、人間ではないかぎり持ち得ないはずの魔族の魔気が人間としての霊気に混じり始める。


美神と横島はもうすでにいくつかの線がキレているのだが、最後の線・・・理性という線はキレてはいない状態である。

最後の線まで後一本がある・・・。


タマモを抱えたシロは目をタマモとおびえた目で2人とも見合わせるとこの場からゆっくりと逃げ出そうとした。

『・・・・・・・!!!!!』
(阿修羅が2人いるでござる!!)
(あの2人は魔王神!??)

・・・・恐怖の時までもう1歩・・・。


<しかし・・・お2人が逃げ出ようとした時に・・・・。>


尻尾を丸めたタマモを抱えたシロが尻尾を丸めて美神と横島の前から避難しようとして腰ずさりをしようとした時・・・。




[さて〜とっ!]  

さわっ! 
[いやあああ!!!!!]


[何だ、お前らその女からすんのかよー? 
オレはこの女からするけどなー。]

[へへへ、意識があった方がおもしれぇから後でなぁ。]
その言葉に同意するマスターにやられた男達。



TVに映る映像についに美神と横島の今までギリギリの所で我慢していた堪忍袋のヒモが切れるのと同時に堪忍袋が爆発する!!!

<そんなお2人の様子をここに絵で表すとすれば・・・・。
 お2人の背後で堪忍袋という名の火山が超大噴火する風景でございましょう。>

堪忍袋が爆発したのと同時に今までの比でない殺気と霊気がものすごい勢いで、逃げ出そうとしていたシロとタマモに容赦なく吹き付けられる。


『ひいいっ!!!』
「タ・・タマモ・・。」
「シ・・シロ・・・。」

その圧倒的な力にシロとタマモは動けなくなって、シロはタマモを抱えたままその場にへたりこむ。



「横島君!! 今すぐ行くわよ!!」
「はい!!」


美神と横島はおキヌが幽霊の頃から身内と同じで妹のように大事に思っていた。
そのように大事にしていたおキヌに対する男達に我慢できなくなり、美神と横島は
殺気と霊気を出したまま半壊どころか全壊に近い部屋から飛び出した。

その時に、人号幽霊壱号に対する指示を美神が出し、廊下(?)にいたタマモを抱えたシロを横島が左脇に抱えた。

「人工幽霊壱号!! TVの映像をそのまま記録し続けていなさい!!」
《了解です。美神オーナー。》

シロは硬くなって動けずにいる間に横島に脇に抱えられたことにより、かなりの近距離になった。
『ひっ!!』

その時、2人の殺気と霊気が近距離になった瞬間、精霊石の力が無くなって、シロは獣形態に戻った。

ぼん!!


2人は事務所の車庫にある車のところまでものすごい速さで行った。

横島に脇に抱えられたシロは人間形態の時からタマモを腕に抱えているので獣形態の姿では、抱えることが難しいので2匹とも必死になって抱き合っている。
「ひいいい!! タっ、タマモ!! 大丈夫でござるか!!??」
「おっ・・落ちる〜!!」

車庫までくると、美神と横島はドアを開けずに飛び乗ると美神の運転により急発車した。

「横島君!! 飛ばすわよ!!」
「ういっす!!」
『ひいいぃぃぃ!!』

美神の運転するコブラは信号無視、追い抜き、速度を300km/h以上オーバーなどの荒い運転で目的の場所へ向かった。

<なお、コブラは最高速度280km/hです。
なぜここまでの速さが出せるかというと、それは除霊などで逃げた霊、妖怪などを追いかけるために霊力にで普通以上の速さが出せるようにしてあるからです。>



道行く人々は美神と横島の気に当てられて、生存本能から近付いてくるのを認めた瞬間慌てて道を開けたおかげで巻き込まれた人間はいない。



[はい、警察です。]
[街中を暴走車がものすごい勢いで走っています!!
[! それはどこですか!?]

[はい、オカルトGメンです。]
[街中をなんか、とんでもない気を放つ人が車に乗って、爆走しています!!]
[! それはどこですか!?]

[[▲◎辺りの道を東南に向かって爆走しています!!]]

<どうやら、誰かが警察とオカルトGメンに通報をしたそうですね。>


その頃の『遊夜心』喫茶店では

[・・へはっ!?]

マスターの上に跨った男は変な声を出したかと思うと床に叩きつけられた。

[ふぺっ!?]

その犯人は意識を失ったはずのマスターであった。
マスターは意識が覚醒すると男の股間を蹴り飛ばして、体を折り曲げて足を男の肩に置くとそのまま締め付けて床に叩きつけたのであった。

その様子に男達はその方を見た。
[!!??]

マスターはおキヌを抑えていた男に飛び蹴りを食らわせた。
[はあっ!!]
[ぶっ!!]

男がおキヌから離れたのを確認したマスターはおキヌの手を取ると、ドアを開けて部屋の外に出るとドアをすばやく閉めて下にあるカギをかけた。


[オジョーサン(お嬢さん)!! 早くみセ(店)かラテマスヨ(から出ますよ)!]
[は、はい!!]

2人は店から出ようと走り出した。


部屋に閉じこもられた男達はドアを破壊しようとしていた。
[くそ!! 早く、ドアを破るんだ!!]

[まあ、まて、こんなドア、オレの力で開けられるぞ。]
[そういえば、お前は霊力を少しだけ持っていたな。]

どうやら、男達の中に霊能力を持っていたのがいたらしい。
その霊能力男は手に霊気を集めるとドアのカギがかかっている所を壊した。

[おお!!]
[すげぇ!]
[早く、あいつらを捕まえるんだ!!]


ピーポー ピーパー
《前を行くそこのオープンカー止まりなさい!!》

「うるせぇ!! 今は一刻も争うじゃん!!」
「横島君! 座席の下の武器を使いなさい!!」
「了解っす!!」

シロとタマモは横島に左に抱えられたことにより、車に乗り込んだ時に車の真ん中に自動的になってしまい殺気と霊気の密度が濃い所に強制的に座らされ、降りることもできずに2人のプレッシャー(気)によって、気を遠くして痙攣している。

『・・・。』ビクッ ビクッ
魂だけで会話している2匹。
(・・・もうダメでござる・・・。)
(・・・あははは私も・・・・・。)


警察のパトカーに追いかけられた美神は横島に座席の下にある武器で攻撃してもよいと許可する。
そして、許可を貰った横島はいくつかの火器を装備した。

《警察だ!! そこを行く暴走車止まりなさ・・!!》


パトカーに向かってマシンガンを抱えた横島が、連続して連射する。
この時、引き金にかかっている栄光の手は一部が小さくなっている。

ドドドドドドドド

《うわあああ!!!!》


マシンガンがパトカーのタイヤに当たって次々とパトカーがぶつかるが、弾丸から逃れたパトカーが前に出て、なおも追いかける。

カチ カチ

「ちっ、弾丸切れか。」

舌打ちして、そんな事を言った横島はマシンガンを放り出すと、背中に背負った対戦車用の武器『RPG−29』を肩に担いで引き金を何の迷いもなく引く。

弾が発射される。

ズドオオンン

《!! 回避!!》

パトカーが爆発で吹き飛ばされる。
《うわあああ!!!!》
《ぎゃああぁぁぁぁ!!》

黒煙がもうもうとたちのぼる。


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