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GS横島 超極楽大作戦!!

唐突な始まり!(その3)


投稿者名:セガノ
投稿日時:07/ 2/ 6

「先生っ、先生ぇ! せんせぇっ!!」


先刻まで悪霊たちが渦巻いていた廃工場に、シロの声が響く。


横島が全身に負った切り傷や擦り傷をヒーリングしながら、時折傷口から唇を離して彼に呼びかける声だ。 


―――霊群の核である怨念と執念の籠もった髑髏を砕き、群れから散りつつもまだ現世に残ろうとする亡者たちを、傷つきながらも除霊してから経つこと、数十分。


廃材の山から掘り起こした横島を、シロは自分の傷も顧みずにヒーリングし続けたが、一向に彼は目を覚まそうとしない。
 

再度、ヒーリングを止めてシロは呼びかける。


「先生っ…せんせぇっ!」


いくら呼んでも、横島は苦しげで悲しそうな表情をしたまま、目を覚まさない。

シロの心に、不安と焦りが広がる。


……このまま目を覚まさないなんて、そんなのはイヤでござるよ…! せんせぇ……!!

「先生ぇ!!  先生っ!!」


全身のヒーリングはほぼ終わり、わずかに傷跡らしきものが残るのみとなっている。


――だが、横島は目を覚まさない。

強く頭を打ったからか、頭を打ってだいぶ時間が経ってしまったからか。

どちらにせよ、横島が目を覚まさず、目の前に倒れているという現実がシロの前に広がっている。


―――その光景が、なにかと重なる。


傷口はふさがったものの、血まみれで倒れる横島のその姿が。

…血まみれで倒れる、先生…?

そこまで思い、シロは幻の既視感の正体に気づく。


………この光景は、この光景は、この光景は……!!


――父上のように、先生が……!

 
シロが実際にその目で見たわけではない。


酷く切り刻まれていたため、葬式の時にも会わせてもらえなかった、父の姿。


だが、だからこそ幻視し、その想像に毎夜叫び起きた父の姿。


妖刀八房を片手に月夜高く哄笑する犬飼の足元で、切り刻まれ血まみれで事切れる父の姿―――!!

 
その、シロの幻視する父の姿に、倒れ伏す横島の姿が重なる。

予感に、涙がこぼれる。


……嫌だ。 横島先生まで失うのは……!!


「嫌でござるよ……!!」


そして、シロの叫びと共に。


横島の、目がひらく。


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