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GS横島 超極楽大作戦!!

唐突な始まり!(その2)


投稿者名:セガノ
投稿日時:07/ 1/15

 声が、聞こえる。

「……っ、……ぇっ!! …ん……っ!!」
《……シ…! …コ…マ!! …をさ……て!!》
 
 誰かが、呼んでいる。
 
 いつも聞いている気がする、騒がしい声と。
 どこか懐かしい、だけど常に傍で聞いているような声。

「…生っ、せん……っ!! せ……ぇ!!」
《ヨ…シ…! ……シマ!! 目を……し…!!》

 誰かが呼んでいるのに。
  声が、聞こえているのに。
 なのに、身体が動かない。

「先せ…っ! せん…ぇっ!!」
《ヨコ…マ! 目を……して!!》

 目が開かない。
口が開かない。
 手が上がらない。
足が動かない。
 身体が――動かないんだ。

「先生ぇっ!! せんせ…っ!!」
《ヨコ…マ!! …を覚ま…て!!》

 あいつが目を覚ましてと言って、いる――の、に。

……あいつ。誰だっけ。
あいつ。あいつ。あいつ。
誰よりも何よりも大切な―――あいつ。
 あの、綺麗な、俺の蛍。
 何もしてやれなかった、あいつ。
夕日が好きだと言った―――あいつ。
 
 畜生――かおが、なまえが、おもいだせない。
あいつの、なまえ………

  『昼と夜の一瞬の隙間。 短い間しか――』

 あいつは、そう言った、あいつは……。

「せん…せぇっ!!」
《ヨコシマ!!》

―――ああ、そっか。やっと、おもいだした。
 あいつは。 彼女の、名は。

「るし、おら……」

 今まで動かなかった口が嘘のように開き、同時に俺は、誰かが身体にのしかかるようにして覆いかぶさっているのを理解する。 ゆっくりと目を開けながら、俺はようやく思い出した彼女の名を、もう一度呟いた。
「……ルシ、オラ……」

 彼女と出会う為に、俺はまだ、死ぬわけにはいかない。


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