「わっはっはー!! 正義のGS、横島忠夫見参!! 喰らえぃっ!!」
叫び声と共に投じられたのは、『爆』と刻まれたビー玉大の玉――文殊だ。
投げられた文殊は迫る悪霊たちの目の前で一瞬止まり、『爆』の文殊を輝かせると同時、その内側から轟音と爆風を展開し、爆発によって悪霊を退ける―――!!
「よっし! シロ、行くぞ!!」
「分かったでござる、先生!」
掛け声を合わせ、散った悪霊たちのもとに横島とシロは走る。
その手には、剣状にした『栄光の手』と霊波刀。
視線の先には、再び集まろうとする悪霊たち。半ば肉がこそげ落ち骨や内臓が見えてしまっている、ゾンビのような奴らや、ヒトとしての形を保ってはいるがその目には何もうつしていない、抜け殻のような奴ら。
その姿かたちは様々だが、共通点がひとつ。
――――それは、生者への怨嗟の声。
ある者は呟き、あるモノは嘆き、あるものは叫ぶ。
ちくしょう、ちくしょう、チクショウチクショウチクショウチクショウチクショウあいつのせいだ俺がなんで僕はなにもしていないまだだ私は死んだ何故だ死ねばいい何がおこっているあいつなど憎い嫌だ生きていたい暗いよ俺はまだ死んでない憎い憎い死にたくない生きたいよ怖いなんでだよここはどこだ痛い何も見えない憎い憎い憎いAaAAaaaAaあぁあAaうぅあぁあぁぁアァほろぉびぃろぉぉエあAaaaAaAァアアアウゥウウにくぅいぃぃAaAAああぁゥあァぁあAAあぅイイぃいいぃいいィぃイィ………………!!
「――くそっ! 霊波刀じゃ無理か……!! シロ、一旦下がれ! 体勢を整……っ危ねぇっ!!」
横島がシロに向けて声を放ち、その声に彼女が一瞬足を止めた瞬間、その隙をついて悪霊たちが彼女を飲み込もうと押し寄せる。
「くっ! …せ、せんせぇっ!?」
だが、その間に割り込み、シロを突き飛ばした者がいた。―――横島だ。
そして、半実体化した霊群が横島を切り裂き、噛み付き、轟っ、と音を立てて吹き飛ばす!
「Aァあああァaaaaaaぁァアァァアアァァ!!」
「うぎゃあああぁぁぁぁぁっ!? し、死ぬー!?」
「せんせぇーっ!!」
ずたぼろになって体中から血を流した横島は、吹き飛びながら叫ぶ。
「し、シローっ! 後は頼んだーっ!!」
さらに、「死ぬ前に一度世界中のありとあらゆる全裸美女で満員の武道館でもみくちゃにされながら『ジョニー・B・グッド』を歌ってみたかったー!!!」などと叫んでいたがそれも長くは続かず、横島は頭から壁に突っ込むと、ぐ、と一つうめき声をあげて壁際の廃材の山に埋もれて見えなくなってしまう。
「先生ぇっ!! ―――おのれ悪霊ども!! 拙者の先生をよくも…!!」
崩れ落ちてくる廃材の山と、その中で気絶しているであろう横島のことを考えながら、シロは悪霊に向かい叫び、そして思う。
……はやくしなければさすがの先生といえどまずいでござる…! 早くしなければ速くしなければはやくこいつを倒して横島先生を助けねばいけないっ、のにっ!!
「拙者の邪魔をするなっ……! 悪霊ども……っ!!」
心なしか普段より出力の増した霊波刀で、シロは幾度も霊群を切っては払い、払っては切って、徐々にその中心に迫っていく。 そして――
「グオォォオぉぉおぉゥあァアァァぁぁぁあぁぁああぁぁ!!」
「………っ! これかっ…!?」
―――見つけた。 幾度払っても集まろうとする霊群の中心――つまり、核。
其れは、肉眼でも分かるほどに大量の瘴気をまとった、一つの髑髏。
「憎い憎い嫌だ怖いおまえも嫌いだ死んでしまえばいいこっちに来い憎い憎いニクゥゥイイィイイィィィ!!」
シロは、一つ、息を吸い、
「――――すべての未練と怨情と嫉念を捨て、悪霊ども、いい加減に――」
霊群の核、瘴気を噴きだし続ける髑髏をきっ、と見据え、霊波刀を振りかぶり、
「―――極楽へ、行くでござる!!」
渾身の力を込めて振り下ろし、髑髏を打ち砕いた――。
荒い文章なうえ、一話から短いですが、なにとぞその辺りは初心者ということでご容赦を。
それでは、これからもどうぞよろしくお願いします。 (セガノ)
荒い文章などは、慣れていけばキレイに書けるようになるでしょうし、
1話が短いならば、長くしてから投稿すればいいんですから。
内容の方はこれだけでは何とも言えませんが、何か面白そうな感じが
してますので、続きを頑張ってください。 (ya)
横島とシロがメイン話、時間軸はアシュタロス編が終了した後あたしでしょうか?
次回に期待します。 (案山子師)
進展に期待させて頂こう (亮)
これから頑張って下さい。
ただし1つ指摘すれば、「文殊」ではなく「文珠」だと思います。 (ワック)