椎名作品二次創作小説投稿広場


日々

意味なき哀歌


投稿者名:素人系2世
投稿日時:06/ 9/15

                 ―日々―


 その日も、俺は何時も通りに、夕日を見に“あの場所”に行った。
  「………何時見ても、綺麗なのは変わらないな……」
 最近暇が出来ると、そのたびに俺は空を見上げる。早く夕日が出ないか、そればかり考えてる。昔は、あれ程有った煩悩も、今では欠片も感じない。まぁ、皆を不安がらせる訳にもいかないから、昔通りに振舞ってはいるけど、案外バレテルかもなぁ。
  夕日を見て美しいと感じるたびに、体以外の何処かが痛む、あの時の事を少し思い返すだけで、其の痛みはドンドン増してゆく、“今更変えれない”“もう遅い” 何度も何度も何度も、自分を納得させようと繰り返し言い聞かすたびに、あの時の 彼女の笑顔が脳裏をよぎる。よぎる度に痛みが増す。

  痛い、痛い、「ナンデ、アノトキタスケレナカッタ?」  痛い、痛い、痛い
  痛い、痛い、「今更後悔しても、遅いのになぜ後悔する?」痛い、痛い、痛い
  痛い、痛い、「ナゼ、オマエハイキテイル?」      痛い、痛い、痛い
  痛い、痛い、「何時まで引きずってる?、意味がないのに」痛い、痛い、痛い
  痛い、痛い、「コノクズガ、コイビトゴロシガ」     痛い、痛い、痛い
  痛い、痛い、「俺は…俺のやれる事をしただけだ」    痛い、痛い、痛い
 痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い!!
 
 責める声も、弁護する声も、どちらも俺、コノ声は夕日が沈むまで続く、コノ痛みも、夕日が沈みきるまで続く。そして夕日が沈むと、俺はふら付く足で、家に帰る。此れが俺の日課、贖罪にすらならない。俺のくだらない日課だ。


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