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BACK TO THE PAST!

更なる意外な結末


投稿者名:核砂糖
投稿日時:06/ 7/19



魔人ヨコシマ殲滅作戦終了後、約三日が経過した。

話はとある神族の秘密基地に移る。時刻は深夜遅くであった。

基地の秘密の入り口付近を、二柱の神族がコソコソと何か、カバーに包まれた大きな物を運んでいた。
常に暖かな日差しが満ち溢れる天界に世闇と言う概念は無かったが、皆が寝静まる頃合は存在する。
そんな時刻であった。

神族達はきょろきょろとあたりを見回し誰にも見られていない事を確認すると、秘密基地の中に荷物を運び入れ、入り口を塞いだ。

入り口を塞ぎ終わるともう、そこに誰かが居たような痕跡は全く無くなった。



「・・・持ってきたか?」

「ふん、馬鹿を言うな。これを見れば解かるだろう」

中で待機していた、また別の神族が問い、荷物を運んできた神族はぽんぽんと荷物を叩いてみせる。そしてバサリとカバーを外した。

カバーの下からは、何か巨大なカプセルのようなものが現われた。
カプセルの中には、人のようなものがぷかぷかと浮いていた。
「今のコイツは魂ごと霊体を凍結された状態になっている。
三世界を荒らしまわったと言う魔人といえども、こうなってしまえば可愛いものよ」

「おお、これが・・・魔人ヨコシマ・・・」

感嘆の声があがる。


しかし、
「ちょっと待て・・・。コイツ本当に魔人ヨコシマか?」
元々基地の中に居た方の神族が言った。
「魔人ヨコシマは男性体だと聞いたぞ。

だがコイツはどう見ても女性体ではないか!!」
彼はカプセルの中でぷかぷか浮いている、コスプレのような真っ黒な衣装を除けば息を呑むほど美しい女性を指差し、声を荒らげる。


「そう荒ぶるな。我らも疑問に思い確かめたがどうやら本人らしいのだ」
「魔人ヨコシマが二体の魔族の女を取り込んでいると言う話は聞いているだろう?しかも奴の体の大半はその魔族達だと聞く。
多分最後の戦いで魔力を使いすぎたせいで外見がオーバーフローしたんだろう。

・・・しかし変わり果てたな」

かつてヨコシマ本人を資料として見た事があるこの神族は今の彼・・・いや彼女を見て呟いた。

ちなみにもしこの場に美神令子や氷室キヌが居たとしたら、「あ、ユニコーンのときのアイツだ。アレ・・・でもあの時よりもやや胸が・・・」と言うだろう。
今のヨコシマの外見は横島の女性に対するイメージと、そしてルシオラとパピリオの胸に対する怨念で構築されていた。



「そうか・・・ならいい。

だがどっちにしろ魂さえ有ればよかったのだぞ?」

「本来ならこっそり魂だけを抜き取ってくる手はずだった。しかし何者かが我々の計画がしるされているプログラムファイルにハッキングをかけてきたことが解かってな。
少々強引に事を急ぐ必要があったのだ。

こっちには数々の情報を握る雷神が付いていたからな。迅速に行動できた」

「無理やり奪取して来たのか?」

「何、心配するな。魔人の魂さえ手に入れてしまえばこっちのものよ。

今更誰が、例え最高指導者に気付かれようとももはやこの計画は止められぬわ」

「そうだな。ならばさっさと始めてしまおう・・・



我々による楽園の創造と絶対統治を!!」


秘密基地の中の証明が一斉にバチバチと灯る。

そこは巨大な円形状のドームだった。所狭しとのたうつように色とりどりのコードがひしめき、その全てがドームの中心にある、巨大な装置向かって集まっている。

「全ての電源を入れろ!!」

リーダー格らしい元々基地の中にいた神族が残りの二柱に命令を下す。

「・・・全システムオールグリーン。完璧だ!!」
「あとは魔人の魂を設置するだけだ・・・やれ!」

一柱の神族がカプセルを砕き、液体と一緒にトコロテンのようにでろんと外に飛び出した、ぐったりとした横島の体を抱え上げる。


そして円形ドームの中央・・・コスモプロフェッサの中に放り込んだ!


かつてアシュタロスの造ったコスモプロフェッサとは、だいぶ形が違うし、何だか美しさが無かったが、それは確かにあの悪夢の兵器だった。


「ついにこの日がやってきたか・・・なんと待ちわびた事か・・・」
リーダー格の神族は、慈しむようにコントロールパネルを撫でながら口を開いた。



彼らは神族過激派の・・・それも特に過激な一派の神族で「神族は魔族とは永遠に解かり合えぬ物であって決して手を取り合う事など考えられない。神族が絶対的な世界の指導者たるものであって、ひ弱な人類を導かねばならない」という思想の元に行動する厄介なグループだった。

彼らは、このデタントを良しとしていなかった。何故なら彼らにとって魔族とは攻め滅ぼすべき存在であり、決して対等な存在ではなかった。
しかも最近は人間までもがでしゃばり、こちらと同じ立場に立とうとしているそうではないか。
だがその間違いをいくら指摘しても、神族上層部は動かない。これはゆゆしき問題であった。


だが彼らは一つの解決策を見出す。
かつて、アシュタロスとか言う全世界にケンカを売った大うつけ者の悪魔が作った最終兵器。アレを使えば世界のパワーバランスをひっくり返す事などたやすい。
魔族を滅し、神族に人間如きが到底及ばない無敵のチカラを持たせる事だって出来る。


しかしコスモプロフェッサを使うとなると一つ問題があった。
本体自身の設計は、アシュタロス一味から没収したモノの中に混ざっていたのを失敬する事に成功した。だが、問題はそのエネルギー源にあった。

コスモプロフェッサに使用するエネルギーは人間の魂を特殊な製法で結晶化させたものだ。
これを作るには多大な時間を有する上に、同じようにして魂を集めていたら、アシュタロス戦役の経験から、アシュタロスと同じ事をしている事をしようとしていることがばれてしまう。

そこでだ、神や悪魔の超強力な魂を使用する事によって時間を短縮するアイディアが生み出された。多少エネルギーが足りていなくとも、数回動けばよいのだから。
それに神魔の魂は加工しやすいので、契約でくくる必要も無い。

だが実験の結果それは失敗だった。どうやら人間の魂でなければいけないようなのだ。理由は良く解からないがそうなのだ。
よく考えてみればそれもそのはずである。もし神魔の魂でも動くのなら、アシュタロスがとっくにやっている。


野望は絶えたかのように見えた。

しかし彼らは発見する。

人と悪魔のハイブリッド・・・横島忠夫を。




彼らは結果をシュミレーションした。するとシュミレーションでは見事成功すると出た。

こうしてこの神族の、作戦は始まった。



「始めはGS協会にこいつの抹殺をさせようとしたところから始まったよなぁ」
「ああ、せっかくこっちが殺し屋まで派遣してやったのに馬鹿な人間の女に邪魔されて失敗に終わったのだ。
しかもせっかく殺しかけたのに、わざわざ蘇生させたあの忌々しい魔族にも邪魔されたよ。おかげでこいつの人間の部分が薄まって、それは大慌てをしたな」
「結局、少しでも人間のところが残っていればコスモプロフェッサが動くという事がわかるまで、随分慌てたものだ」

かかかか、と言う笑い声とカタカタとキーが叩かれる音が響く。

「・・・よし、それでは魔人の魂の解凍及び分解開始」

カチリ、とエンターキーか叩き込まれ、コスモプロフェッサが淡く光る。
横島の魂が分解され、エネルギー化されてゆくのだ。


「さて、それでは・・・


コスモプロフェッサよ・・・魔を滅し、人に身の程をわきまえさせろ。

そして我らに・・・世界を治めるチカラを与えたまえ!!!!」





カチッ!と音がして、トドメのエンターキーが叩き込まれた。
















ビーーーービーーーー!!

しかし、奏でられるのは破壊と創造のオーケストラではなく、けたたましいエラー音だった。

「何だ!!何が起きた!?」

コントロールパネルを弄くっていた神族はエラーの原因を探ろうと、激しくキーを叩く。


やがて原因を示すメッセージウィンドウをが開く。
『燃料の魂、規定値に達していません。ぶっちゃけ出力が足りません』


「な、なにぃぃぃっ!?


馬鹿な、シュミレーションではちゃんと・・・」

目の前のモニターを信じられないという表情で見つめる神族。


すると、彼の疑問に・・・・答える者が居た。












―――それはな俺の魂が完全じゃないからだよ。


自分達以外がいるはずの無い場所で、自分達ではない声を聞いた彼らは、ばっと飛びのき辺りを見回した。
しかし不審な影はどこにも無く、「くくくく」という笑い声だけが何処からともなく聞こえてくる。


「どこだっ!どこに居る!?」

リーダー格の神族がクルクル回りながら辺りを見回すのを見て、謎の声はさも可笑しそうに、


―――どこを見ている?こっちだ・・・


ビーーーービーーーー!!

『コスモプロフェッサ内部に高エネルギー反応。危険です』

響き渡るエマージェンシー音。

「ま・・・まさかそんなはずが・・・・」

わなわなと振るえながらゆっくりとコスモプロフェッサを振り向く神族達。
するとそこには最悪の予想通り、エネルギー体と化した魔人横島が、コスモプロフェッサから上半身を生やしていたのだった。


―――よう。中で聞いていたが・・・お前らみたいな奴が、全ての原因だったとはなぁっ!!!!!




ごぁぁぁっ!!

身体を失っても、尚も凄まじい霊力が神族達を吹き飛ばし、壁に叩きつける。


「そんな、有り得ない・・・こいつの魂は神族の封印で凍結されていたんだぞ!しかもたった今分解されていたんだぞ!!

それなのになんで意識を保っていられる!?」


―――さっき、自分で解凍してたじゃねぇか。


「だからってフツーは意識なんぞ保てるわけ・・・」

―――フツーはな!!!


そう言われて神族は閉口する。
目の前にいる存在に、常識など通じるはずが無い事を思い出したのだ。



エネルギー体横島はそんな情けない神族達を見てさも可笑しそうに笑い、

―――さぁてそろそろ・・・

その手の平に、光が集中する・・・文珠だ。込められた文字は『再』『生』

「良い子の復讐のお時間だ」


バキリ!と身体に戻った横島はコスモプロフェッサを内部から破壊しつつ飛び出して、



世界最凶の魔人を前にして怯える神族達の前に降り立った。

そして自分の体に起こった異変に気付く。


「うおっ!なんじゃこりゃ!?身体がいつだかのアニマになってる!!


てめーら・・・一体何しやがった?」

「違う!!我々じゃない!元からそうなっていたんだ!」

「・・・そうか、横島忠夫の部分が少なくなったから外見もルシオラとパピリオみたいに女になっちまったのか。


・・・そうそう、そう言えばお前、さっきパピリオや美神さんの事、何つった?」

横島は、ゆっくりゆっくりと魔人から距離を取っていた神族の足を、容赦なく踏み砕く


めしゃっ!!
「ぐぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「そしてお前も」

がすっ!!
「ひぎぃっ!?」

「お前もだよ・・・」

ぐしゃっ!
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!」







どがっ!ごすっ!・・・がん!がん!がん!がん!



・・・。



わざと殺さず、痛めつける為だけに横島はそのチカラを振るった。
秘密基地が、次第に赤く染まってゆく。


「あ〜あ。俺って本当に憎い相手に会ったらさ、切れて暴れまくるともんだと思ってた。

でもさ、実際はその逆で、むしろ怒りのあまり冷静になっちまうんだなぁ。
これってやっぱ年のせいかなぁ?


どう思う?」

ばきぃっ!
「がっ・・・!!」

血に染まり、床に這いつくばるもはや抵抗する事も出来ない憎い仇を見て、横島はつまらなそうにつばを吐いた。


「あ〜・・・お前らの顔見てるのも、もう飽きたな。


そろそろ、消えるか?」



横島の手の平に、膨大な霊力が集中する。
目の前の奴らを転生の輪から消滅させる為に。


こいつら程の存在だと、殺しても殺してもすぐに転生してしまう。それではこちらの気が晴れないので、横島は完全に消滅させようとしているのだ。



「ば、馬鹿な真似は止せ・・・下手をすると貴様も消滅するぞ?」

「へえ、まだ喋れたか」
床に這いつくばる神族の一人が、弱々しく口を開き、横島は迷惑そうな顔をした。



「今の貴様は・・・魂が欠けていると言ったな・・・・。只でさえ魂が・・・安定していなかったん・・・・だろう?そんな状態でチカラを酷使すれば・・・」
「うるさいよ?」

ごりっ!
「うぐっ・・・」

横島は生きも絶え絶えの神族の頭を、踏みつけ、強制的にその口を塞ぐ。黒いブーツの下で、神族がうめく。

しかし横島自身も彼の思った通り、全身を駆け巡る不快感に顔をゆがめていた。額には脂汗が浮かび、魂の崩壊による激痛を物語っていた。
それでも、手の平の輝きはとどまるどころかそのチカラを増してゆく。



「・・・心配せずともいいんだよ。

例え俺消滅しようとも・・・『俺』は、死なん。

いやーあとは消滅するだけかと思っていたけど、・・・・
最後の最後で、いい事知る事が・・・出来た・・・ぜ」





―――どういう事だ・・・?


神族はその言葉を発する事無く、光の中に消えていった・・・。
















―――さぁ後始末はつけた。後は任せたぞ、『俺』。











―――俺もお前と生きたかったなぁ、シロ・・・。













熱いとも冷たいとも言えない、ただ凄まじいとしか言えない衝撃が辺りを揺るがし、

全てが収まるとその爆心地で、ボロボロになった男が一人・・・音も無く崩れ落ちた。








天界で、巨大な火柱が上がり、何事かと駆けつけた神々がコスモプロフェッサの残骸を見つけていた頃、人間界では犬塚シロ、タマモ、ドクターカオス及びマリアの取調べが終わった所だった。

世界最凶の魔人に荷担したといったら、本来なら大罪に値しそうなものだが、何故か彼女らの罪は問われない事になっていた。

何故なら彼女らが魔人に操られておらず、自分の意志でしたがっていたという事が立証できなかったのと、誰かがそうするようにと圧力をかけてきたのが原因らしい。



だがやはり誰もが、犬塚シロ達が最後の最後でヨコシマを裏切り、保身に走ったと考えていたのだった・・・。











ギィ・・・


軋むような重々しい音がして、人間界と天界の中継所である妙神山の扉が左右に開き、まるで出所でもするかのように何人かの者達が現れる。

シロは久しぶりに見た太陽の光に目を細め、タマモはコキコキと首を鳴らしてから伸びをし、カオスはぼりぼりと眠そうに頭を掻き、マリアは無表情だった。
彼らは天界での取調べを終え、晴れて釈放となりシャバに出てきたのだ。
実際、出所みたいなモノだった。


続いてそんな彼女らを睨みつける冷たい目線が門の中から現われる。

小龍姫だ。
ちなみにもう二対の冷たい目線もここにはあるのだが、門が全開になっているので今は見えない。


「・・・よくもそう抜けぬけとしていられるのですね」

小龍姫の怒りを抑えた声がシロ達の耳に響く。

「あなたと剣を交えたとき、あなたは本当にあの魔人を夫として慕っていた。
それなのに我が身可愛さに自らの夫を犠牲にして生き延びるなんて・・・。

出切る事ならば今ここで切り捨てたい所です。


さぁ!とっとと失せなさい!あなたたちに顔など見たくありません!!」


バターン!と勢い良く扉が閉まり、鬼門たちが目を回した。

シロ達は気まずいのか、それともまた別に理由か、俯いたまま山を降りていった。


そして俯いたまま町を歩き、俯いたままバスに乗り、俯いたまま電車に乗り、俯いたまま東京某所にあるドクターカオスの秘密基地の一つに帰ってゆき、




ニヤリと笑う。







「もう出て来ていいでござるよ、先生」

シロはそう言ったとたん、何故か口元を抑えてうずくまる。
この家の勝手を知っているマリアは素早く洗面器を探し当て、さっと彼女に差し出した。

シロは洗面器を受け取ると、その中に嘔吐する。





おえぇぇぇぇぇ・・・・






すると何と吐瀉物の中から塊が這い出し、猛然と抗議を始めた。


「こんの馬鹿犬!!腹ん中に俺がいるのにあんなに食う奴がいるかっ!!!俺は死にかけてたんだぞ!!」

「きゃいん!・・・すみませぬ。無事だって解かっていたから食欲があって・・・」

ぎゃあぎゃあと口やかましく騒ぐ二人だったが、やがてお互いが無事である事を喜び合い、固く抱きあった。

「先生・・・よかった」
「ああ。もういなくならないって約束したからな」



最後の戦いで、もはや戦闘不能に陥った横島が最後に取った策、それはかつてメドーサが月面の戦いで見せた奥の手の真似だった。

つまるところ死んだふりしてシロの腹ん中に逃げ込んだのだ。
しかしばれては拙いので魂をも分割して切り離し、更に置いていく方に霊体組織の大半と身体全てを与えてダミーにした。


なので、ダミーといってもそれは横島本人といっても差し支えないどころか、
魂や霊体組織や身体の絶対量からすると逃げ出した方こそが分身だったとも言えるほどの分身であったが、
横島(分身)も妻の為なら消滅させられてもいいと考えていたので、深く気にしないことにした。




うまくいくかどうかは賭けだったが、作戦は見事成功(副作用として身体は縮んだが)。そこはシロ達が罪人扱いされる恐れはあったが、何とかなったらしい。


彼らは全世界を敵に回し・・・その絶望的な状況を打破し、生き残ったのだ。



横島とシロは、その喜ばしい出来事を互いに喜び合い、そして歓喜した。





「ふ〜・・・何とかなったのぅ」

辺りいっぱいに幸せオーラを撒き散らし始めた二人を見つめているカオスは、強大な大勝負の終りに、長いため息をついた。

「魔人ヨコシマは死んだ事になったろうから、もう追ってのかかることも有るまい。
ありがたい事じゃ。


しかしそれにしても感動のはっぴーえんどにしては・・・・」










―――ちとゲロ臭いのぅ・・・。


カオスはつーんと鼻を刺すようなカホリに鼻をつまんだ。

ちなみに先ほどマリアは不機嫌そうに己を充電しに部屋を出てゆき、鼻の効くタマモに至ってはとっくに別室に避難していた。


だが、ちょっとぐらいゲロ臭かろうが周りから煙たがられようが、この二人の間を引き裂くような事は決してなかろう。








なお、これからしばらくして、天界で突如起こった火柱の根元にあったコスモプロフェッサの残骸の調査と、少し前にドクターカオスが神族過激派の極秘ファイルからハッキングにより入手していたデータにより、魔人ヨコシマの事件の真相は世界中に知れ渡った。


こうして魔人ヨコシマはただの凶悪犯ではなく、巨大な陰謀に巻き込まれた悲劇の男として歴史の中に名を刻む事になるのだが、そんな事はこの二人にはあまり関心の無い事であった。












「せんせー!お風呂の時間でござるよー!!」

「やめんかーーー!!!体がちっちゃくなっても風呂ぐらい自分で入れるわー!!」

「そんな事言わないで拙者に任せるでござる〜〜」

「おいこらっ!やめ・・・・・・・・てめー身体が元に戻ったら覚悟しろよ!!!」










BTP第二部・・・・・完。


                           ば〜い核砂糖

























「なるほど随分と面白い事を考えたもんだ」

そいつは、横島が起こした天界での爆発の直後、まだ誰もがその場に辿り着いていない頃に現われた。

そいつは、異世界の邪神やらと呼ばれたりしているが、その正体は誰にも、最高指導者にすら解からない天空の爪弾きモノだった。




「にしても君もしぶとい・・・・とは言ったものの、今にも消滅しかけてるか」

そしてそいつは爆心地の上に倒れるボロクズ・・・魔人横島を不可視の力で拾い上げる。

「良くこれを破壊してくれた。色々導いたかいが有ったよ。

でも最後がいけなかった。これでは・・・・




世界は終末に向かってしまう」

そいつはあたり一面に散らばったコスモプロフェッサの残骸を見て、ため息をついた。

「・・・君にはもう一働きしてもらう事になるだろうな。

とりあえずその時までに、身体を修復させるか・・・」


一瞬、あたりに光が溢れ・・・・それが収まると、そいつも、魔人も、まるで最初からそこに居なかったように・・・消え去っていた。











確かにこの横島は平穏を手に入ることが出来た・・・・

だが、もう一人の横島の戦いは終わっていなかった!!!


物語は終わらない。


・・・次回予告!!






目覚めよ・・・・

まだ終りではない・・・


―――


「俺はどうなっている?消滅しちまったんじゃないのか?」



―――



「ここかい?ここは空間と時空の終着点。

つまりは・・・この世の終りって事さ。」



―――



「君があんな目に会うのは仕方が無い事だったんだよ。」



―――



「私たちは最初から世界の下僕だったのさ。

さて・・・・・・ここまで言えば分かるよな?

・・・・もう一働きしてもらうよ」



―――



だって君の魂は・・・・私が作ったんだ。



―――



まぁそう怒るな。人生やり直せるんだよ?








BACK TO THE PAST第三部


ついに開かれる過去への扉・・・・(な、長かった)


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