椎名作品二次創作小説投稿広場


GS冥子?

サクラ咲く? (前編)


投稿者名:案山子師
投稿日時:06/ 6/ 2

 「横島ッ右だ!」

 「でやぁ―――っ!!」

 「左からも来るぞッ!」
 横島の周囲には何十もの式神が取り巻いている。

 「ヤタ上昇ッ!! そして一気に下降ッ!!」
 命を受けてヤタは上空へと大きくはばたきそのまま一気に鋭い鍵爪を突き出して滑空する。

 ギュウウウウウーーーーーーーーーーーーーーー

 ヤタの通った道に浮かんでいた式神は媒介の紙を切裂かれただの紙切れへと変わっていく。
 「隙がありッ!!」
 ヤタが空中からの滑空を終え再び体制を立て直す瞬間を狙って月光は、狼の姿をした式神を横島本人めがけて放つ!

 (クソッ!!)
 ヤタと自分との間に距離があるため式神を手元に戻す前に狼の式神の牙が横島の体に突き刺さるほうが早い。

 おもむろに懐に手を入れた横島は丸いビー玉のようなものを取り出した。
 「でやぁ〜〜〜〜っ!!」
 それには『護』と書かれていた。

 「文珠かっ!!」
 月光が言ったように横島はつい最近。詳しくは死の試練を終えた後から文珠を使えるようになっていた。

 ぐぅうううううううう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 文珠の結界に阻まれて狼の式神は横島に近づけない!

 「いまだッ!! ヤタ突っ込めっ!!」

 再び体制を立て直したヤタは、結界に阻まれている式神を目指して一直線に飛んでいく。
 驚異的な加速度で一気に結界の内側へとたどり着くとそのまま文珠の結界を潜り抜けて式神の媒介となるケント紙を見事に真っ二つに切裂いた。
 「よっしゃあッ!! そのまま一気に月光にかましたれッ!!」
 式神を切裂いた後もその速度は衰えずまっすぐに月光へと向かっていく―――――。
フッ!? ヤタのくちばしが月光に当たる瞬間、その姿は一瞬にして使役者の影へと引き戻された。

 「甘いぞ横島、私に背を向けていてはいい的だ」
 気絶した横島の後ろでは、腕組みをした日光が小鬼の姿をした式神を従えそういった。



 「ツっ、痛て〜。こっちは一人なんだからちょっとは手加減しろよ」
 気絶していた横島の頬をなめていたショウトラが、トテトテと冥子の方へと歩いていく。
 「まあそういうな」
 「しかしあれだけの量の式神を捌くとはおぬしもなかなかやるな」
 「「久々に楽しい戦いだったぞッ!!」」
 「でも〜〜〜本当に横島クンすごかったの〜〜〜」
 いつの間にやら冥子さんも俺の修業を見ていたらしく横で拍手しながら歓声を上げていた。
 「これなら明日の試験も絶対合格にね〜〜〜」
 「はいっ!! 冥子さんと一緒に合格できるようにがんばります!」
 GS資格試験は目の前まで迫っていた。




 GS試験当日

 「おっしゃぁ〜〜〜今日はやってやるぜ〜〜」
 会場を前にして気勢を上げる横島。その周囲には受験生特有のピリピリした空気が漂っていた。
 「しっかしこれだけ(人が)多いと冥子さんどこにいるのかわかんねぇなぁ〜」
 あたりを見回すと、袴姿や坊さんみたいなヤツ、どこかの民族衣装のような、インディアンの格好をしたやつなど奇怪な姿をした者たちがいっぱいいた。
 「午前中の一次審査で128名に絞られて、午後からは実技で64名かぁ・・・俺本当に大丈夫なんだろうか・・・・・・」
 先ほどの勢いもどこへやらあたりを見回せば全てが敵。この狭き門を通るために何年も修業してきたやつもいるだろう。自分は精精数ヶ月しか訓練していないのに本当に大丈夫なんだろうか―――――。
 「だぁあああ〜〜〜〜〜〜〜っ!! 考えても始まらん! こういうときは自分なりのリラックスして気持ちを落ち着けなくては・・・おっ!?」
 参加者を見渡すとそこには結構綺麗なお姉さんがいたりする・・・・!?
 「姉ちゃんや〜〜〜〜〜っ!!? ドガ!! バキッ!!」
 「ちょっと何なの一体。こっちはGS試験で気が立ってるっていうのに! まったくこんなやつまで試験受けるなんて本当に信じられない」
 手にもった神通棍。長いオレンジの髪。制服を着ているが、服越しでも分かる見事なプロポーション。その人物は横島のかつての雇い主『美神令子』だった。


 「ああ〜〜〜〜横島クンどこにいるの〜〜〜っ!?」
 会場入り口付近で横島と待ち合わせをしていた冥子だが、あまりの人多さに迷子になっていた。
 「みんな〜〜一緒にさがしてね〜〜〜」
そういうと、冥子はインダラに乗り。周囲の人の中を他の式神達は駆け回っていた。12体もの式神が、人がごった返した中を走り回っているので周囲はまさにパニックに陥ろうとしていた!
 「ちょっとあんたみんなの迷惑になるでしょ!! 式神をいますぐしまいなさい!!」
 「ふぇ〜〜!?」
 「こっちも試験で気が立ってるんだから早くするワケ」
 「え〜〜でも〜〜〜」
 「でもじゃないワケっ! 早くしなさいッ!?」
 「はい〜っ!!」
 式神を全て影の中に戻してその人物に向き直る。
 「たくっ! あんたは一体何がしたかったワケ」
 「冥子〜〜、横島クンとはぐれちゃって式神たちに探してもらってたの〜〜〜」
 「そのために式神を12体も出すんじゃないワケッ!!」
 そういって去ろうとするエミだが、
 「まって〜〜っ!! 冥子〜〜、横島クンとはぐれてとっても不安だったの〜〜お願いだから一緒にいて〜〜〜〜ッ!?」
 泣く泣くすがり付いてくる冥子にエミは何とか引き離そうとするが右腕に張り付いたまま絶対に放そうとしない。
 「こら放しなさいって!?」
 「お〜ね〜が〜い〜〜〜っ」
 「あ〜〜〜もう! 分かったから、分かったから! そいつが見つかるまで一緒にいてあげるから手を放すワケッ!?」
 「ありがと〜〜〜そういえばあなたは何ていう名前なの〜〜」
 「私は小笠原エミ。アンタ名前は何ていうワケ?」
 「私は六道冥子っていいます〜〜はじめまして〜〜〜。私のことは〜、冥子ってよんでね〜〜〜」
(・・・・・・厄介なのに懐かれたワケ―――。)


「ねぇ、ねぇ、お姉さんも今年初受験なんですか? 実は僕も初めてなんですよ。一緒にこれからの試験について語り合いましょうよ」
神通棍でのされたにもかかわらず、横島は脅威の回復能力を見せて相変わらず令子に付きまとっていた。
「ああっ!? もう! うるさいわねっ!? 邪魔よッ! いいかげんにしないと本当に怒るわよっ!!」
そう言っている間にも横島はすでに地面とキスして、ボロボロになっていた。
「たく・・・試験の前だって言うのに何でそんなに元気なのかしら。あきれるところを通り越して尊敬するわ」

!?

地面に死んだカエルのようになった横島を見ながらため息をついていると、多くの参加者の中に見知った人物の姿が目に入ってきた・・・・・たがいの視線がふと重なって、
「「あ〜〜〜〜〜ッ! エミ!?」令子!?」

「まさかあんたが試験を受けにきてるとは思わなかったわ」
「あんたこそまさか今年の受験にいるとはね。でも、残念ね令子私がココにいるからには今年の主席は私で決まりなワケ。まあ、次席目指してがんばってね」
「それはこっちのセリフよ! 私があんたなんかに負けるわけないでしょ!」
二人の背景には、まさに竜と虎の姿が浮かび上がっていた。(ちなみに令子=竜、エミ=虎である。)

「あ〜〜〜〜っ!? 横島クン〜〜そんなところでなにしてるの〜〜?」
二人の背後で忘れられてた横島を見つけた冥子が駆け寄る。
「なに、あんたコイツの知り合い?」
「冥子、コイツがあんたの探してたやつなワケ?」
無残にボロ雑巾のようになった横島は、再びショウトラのお世話になっていた。
 ポン。左右同時に冥子の肩を叩く二人。

「冥子(アンタ)コイツだけは止めときなさい人生棒にふるワケ(わよ)」

 そのとき会場全体に試験案内のアナウンスが響き渡る。

『受験番号1〜50番の受験者は試験会場に入場してください〜繰り返します〜・・・・・』

「あっ!? 私じゃない! それじゃあねエミ軽く受かってくるから二次審査で会いましょ」
そう言って一人試験会場に向かっていった。
「ふっ! 上等なワケ。この小笠原エミの実力を見せてあげるわけ」

『受験番号51〜100番の受験者は試験控え室にて待機してください〜繰り返します〜・・・・・』

「横島クン〜〜〜、起きて〜〜もうすぐ試験がはじまわよ〜〜〜!」
「何してるワケ、急がないとッ」
そういって横島を担いでいこうと肩に手を回すが、
むにゅ!? 
ぴきッ!!!!!!
「アンタ一体何してるわけ―――――――――――――――――――――――――ッ!!!」
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンンンンンンンン
横島の回した手が偶然? にもエミの胸にっ!!
 怒りの鉄拳を受けて会場の外まで吹っ飛ばされる横島!!

 「わざとじゃないです!! ほんとにすみませんっ!!!!」
 エミの鉄拳によって目を覚ました横島は、いまや米搗きバッタよろしく頭を下げまくっていた。
 顔が変形してすでに誰だかわからなくなっており、さすがの冥子も引いていた。
 「エミちゃんお願い〜〜その辺で許してあげて〜〜〜〜」
 「ほんまに事故なんです! 偶然なんです! 決して疚しい気持ちは無かったんです!!」
 「・・・・・まあ、今日のところはこの辺で許してあげるワケ―――でも、次にやったら」
 「つ、次にやったら・・・・」
 「死ぬよりも過酷な呪いで永遠にいたぶり続けてあげるから覚悟するワケッ!!!!」
 般若のような顔でそう脅された横島は試験が始まるまでの短い間ずっとエミの前で土下座し続けた。
 

 「それでは次のグループのかた入場ください」
 案内人に言われてエミ、冥子、横島は他の参加者と一緒に試験会場へと向かう。
 
 「諸君の霊力を審査します。足元のラインにそって並んで霊波を放射してください!」
 「「「「は――――――――――――ッ!!」」」」
 エミ、冥子、横島も霊力を全力で霊力を放出する。
  「54番!! 63番!!64番!!72番!! 99番!! 合格っ!! 二次審査へ向かいたまえ」

 「やった〜〜合格なの〜〜〜!」
 「やりましたね〜〜冥子さん! エミさん!」
 「あんたたち大変なのはココからなのよ。ほんとに分かってるの?」
 だが、舞い上がってる二人にはエミの声は届いていなかった。

 一次審査を合格した三人はそのまま近くのファミレスで昼食をとっていた。
 「試合はトーナメント形式で合格には二試合勝てばいいワケ。そのあとの成績もGSになったあとの仕事に直接かかわるからみんな必死になるんだけど」
 「横島クン〜〜これおいしいよ〜〜〜」
 「ほんとっすか、それじゃあ一つ」
 「・・・・・・・」
 ぴきッ!
 バン!! 机を叩いてエミが、
 「あんたら本当に次の試合受かる気あるワケッ!!」
 「い、いやだな〜ちゃんと聞いてますよ」
 コクコク 横島の反応に冥子も口に物が入ってしゃべれないのでうなずいてその意思を示す。
 「試合は特殊な結界の中で行われてルールなしのストリートファイト! ただし霊力を使わない攻撃ではダメージを与えられない」
 「つまりそれって、普通に殴っただけじゃ大丈夫だけど、霊力がこもっていれば軽く叩いただけでも大ダメージになるかもってことですか?」
 「まあ簡単に言えばそういうことになるワケ。それに直接戦闘以外にも冥子みたいに式神を使う子もいるだろうし、どっちにしろこの試験では容姿は当てにならないワケ」
 「まあアンタたちもがんばりなさい。私は先に行くから」
 そう言って席を立ったエミは、レジで自分の分を支払ってから試験会場へと向かっていった。


 「それではこれより二次審査を開始いたします! 今回の審判長冬月氏によって組み合わせを決める『ラプラスダイス』が振られます! ラプラスダイスはあらゆる霊的干渉を受けずに運命を示すサイコロです! そのためこのサイコロで決められたことは絶対公平かつ宿命となります」

「あ〜〜〜どきどきするの〜〜。エミちゃんや横島クンは緊張しないのかな〜〜〜」

「くっそう。さすがにココまで来ると緊張するな・・・・でも、エミさんもなかなかええ体しとったなぁ〜〜〜」

「ふっふっふ、令子この試験で私が上だってことを思い知らせてあげるワケ」

 「GSになったら稼いで、稼いで、稼ぎまくってやるわ!!」



 「それでは組み合わせ通り選手はコートに入ってください!」

 「1番コートか、一回戦は一体どんなヤツが」
 選手たちが次々にコートの中へと入っていく。

 「よう〜〜おめ〜がオイラの対戦相手か?」
 「ああそうだ。まあよろしくな」

 良かった対戦相手は俺と同じ中学生らしい。手には木刀を持ってサンダルを履いたゆるそうなヤツだか、さっきのエミさんの助言通り見かけで判断するのは危険だ。
 
 第一試合 横島選手×朝倉選手

 「注目の一戦はなんと言っても六道家所属、期待の新人横島忠夫選手でしょう。何でも彼は人類初の文珠使いであるとの情報が入っています! だが、相手もかなりの古い家柄! まさに注目の一戦です!!」

 「何!? 文珠だと!?」
 「まさか、あんな子が」
 「あいつそんなに凄いやつなわけワケ」
 文珠という一言に会場全体がどよめきを隠せずにいる。
 しかし、緊張している横島はそんなことを気にする余裕はまったく無かったが。

(ん? あいつの背後に何かの霊みたいなのが見えるけど・・・・)

「試合開始!!」

「オイラはゴーストスイーパーになる! いくぞっ! 阿弥陀丸! 憑依合体!!」
御意っ!!

「お〜〜っと! 朝倉選手自らの体に侍の霊を取り憑かせて戦うとは新しい戦法ですが、これはっ!?」

 試合が始まると同時にさっきまでゆるりとしていた対戦相手の動きは一変してものすごい俊足で刀を振るってきた!
 「でぇ―――――ッ!?」
 咄嗟に左に転がりながら初太刀を交わすことに成功するが、相手は直に二撃目を放てる体制になっている。

 「拙者の一撃を交わすとはなかなかやるでござるな。だが、葉殿のために拙者手加減は出来ぬ」
 「くそっ〜〜〜〜こうなったらヤタ!! 行くぞ」
 横島の命を受けて影の中から飛び出してきたヤタは真っ向から対戦者に向かって突っ込んでいく。

 ((勝負は一瞬・・・))


 「勝者横島選手!!」
 「あれ!? 俺なんでなんとも無いんだ」
 目の前には大地にひれ伏した朝倉選手とその横にさっきの幽霊浮いていた。

 「・・・・アンナに・・・殺される(ガクッ!!)」
 「葉殿〜〜〜〜〜〜ッ!!」

 「朝倉選手! 侍の霊を体に憑依して戦う発想は良かったのですが、結界内では全ての“物理攻撃“が無効となることを失念していたようです」
 「霊を体に憑依させても木刀は何の霊力も持たない木刀なために相手にダメージを与えることが出来ませんでした。まさかこのようなことになるとはっ!?」

「帰ったら地獄の特訓ね」
「葉君・・・・・」
インディアンのような民族衣装を着た男の前では、赤いバンダナを巻いた少女が静かなる殺意募らせていた。その横にいる小さなダルマのような少年は、少女の怒りにこれから起るであろう少年の惨劇を思い描いて、がたがた震えていた。

「しかし横島選手、式神によるカウンターの速度はなかなかのものでした。これは次の試合も期待できそうです」
観客は、先ほどの解説に合った文珠を見られなくて残念そうだったが、横島が勝利したため次の試合でその姿を見られると思い、さまざまな思考をめぐらせていた。

「勝者! 六道冥子!!」
横島が終わってからすぐに冥子も一回戦の勝鬨をあげる。
 「ありがと〜〜サンチラ〜〜、アジラ〜〜、アンチラ〜〜」

 「勝者! 小笠原エミ!!」
 「勝者! 美神令子!!」
 残りの二人も無事勝利し、GS資格試験一日目はこうして全員無事に通過を決めたのだった。



 その夜
 「「「「かんぱ〜〜い!!!」」」」
 横島と冥子はオレンジジュースを六道婦人は葡萄ジュースを持ちながら乾杯の音頭をとる。
 「おめでとう〜〜二人共〜〜! この調子なら明日合格間違いなしね〜〜〜」
 「私も明日は応援に行くからね〜〜〜」
 六道婦人と冥夜の言葉に、二人共とてもうれしそうだった。

 横島と冥子の二人は二次審査の一回戦を突破し次ぎの試合に勝てば合格というところまできているのだ。

「任してくださいっ!! 横島忠夫明日は必ず合格して見せます!!」
「私もがんばるの〜〜」
「それじゃあ明日ために今日は特別料理を用意したからたくさん食べてね〜〜」
六道婦人が近くのメイドに言いつけると次々と料理が運ばれてくる。
「お待たせしました」

「おっしゃ〜〜っ!! 今日は食いまくってやるぜ・・・・・・(ピキッ!)」
豪華な皿が並ぶのを見ながら横島達の姿が固まる。

「本日のメイン料理ヤモリのフルコースです。『ヤモリの串焼き』、『ヤモリのバター添え』、『ヤモリの姿煮』、『ヤモリハンバーグ』、『ヤモリのスープ』、『ヤモリの塩焼き』、『ヤモリの煮付』、『ヤモリの刺身』『ヤモリ寿司』、『ヤモリの餡かけ』、『ヤモリの餃子』、『ヤモリシューマイ』、『ヤモリスパゲッティー』、『ヤモリのから揚げ』、そして今回趣向を凝らしてデザートに『ヤモリゼリー』を用意しましたので後でお持ちいたします」

淡々と料理の説明をするメイドに、微かな悪意を感じてしまうのは俺だけだろうか。

(こっ・・・これは一体ッ!? なぜにこんな物が―――イジメ?)

「ヤモリは霊力の回復にいいのよ〜〜横島クンの好みが分からなかったから和洋折衷いろいろ用意したから好きなだけたべてね〜〜〜」
六道婦人の笑顔が今日ほど凶悪に感じたことは無かった。

「めっ! 冥子はあんまりおなかすいてないから、私の分までたくさん食べてね〜〜〜」
(めっ、冥子さんっ!? ずるいっすよ〜〜〜っ!!!)

「あら冥子そんなことじゃ明日の試験受からないわよ〜〜〜」
笑顔を崩さずに言う六道婦人だが、その背後のプレッシャーは“食・べ・ろ”と言っていた。

「いかがなされましたか横島様? この料理が気に入らなければお好きな“ヤモリ”料理を用意いたしますが?」
その笑顔がいつもにも増して凶悪に見える。
(あのメイド俺に何か恨みでもあるのかっ? 確かにこの前着替え覗こうとしたがあれはその前に見つかって未遂じゃないか〜〜〜〜〜ッ!?)
すでに処刑宣告された囚人にまで落ちたテンションで俺は、おそるおそるヤモリの串焼きを口に運ぶ・・・・

「ぐぼっ!?」

「よっ、横島クンどお〜〜?」
冥夜さんがおそるおそる味について聞いてくるが、俺は涙で味のわからなくなったヤモリを飲み込むので精一杯だった。

「あら〜〜横島君涙を流すほどおいしかった〜〜。冥子も早く食べなさい〜〜」
この後机の上の料理の大半がなくなるまで俺たちは、イモリのフルコースを食べ続けた。

 (俺・・・明日だめかも知れない・・・・・・)

後日、冥夜は語る。この日ほど自分が幽霊でよかったと思った日はないと。



GS資格試験2日目。

「あ〜〜〜っ!! エミちゃん〜〜〜ッ!?」
「エミさ〜〜んっ!? チュドォオオオ〜〜〜〜〜〜〜〜ン」
試験場でエミを見つけ飛びついていった二人だが、横島はエミのカウンターを喰らってノックアウトする。
「おたく昨日言ったことまさか忘れてないワケ?」
「いっ! いやだな〜ほんの軽いスキンシップですよ、あはあはあはははははは〜〜〜」
「それで、冥子もいつまでも引っ付いてないで離れるワケ」
「あ〜〜エミちゃんひど〜〜い〜〜」

「エミ。朝から余裕ね」
朝から漫才繰り広げる三人の前に美神令子が現われる。
「令子。アンタも一回戦は受かったみたいね、まあそれでこそ私がライバルと認めただけのことはあるワケ」
「ふふ。今日こそ私が上だってことを教えてあげるわ」
再び燃え上がる二人の炎を前に、
「あのう〜〜エミちゃんのお友達ですか〜〜私六道冥子って言います〜〜。エミちゃんのお友達なら私のお友達ね〜〜よろしく〜〜〜」
そう言って手を差し出す冥子の手をとって。
「友達っていうほどじゃないけど、まあアンタも今日の試験がんばりなさい」

シュタッ!!

「美神さんっ!! 自分は横島忠夫と申します!! 以後お見知りおきを―――あれ」
復活した横島だがそこにはすでに誰もいなかった。

「アンタもあんなヤツと一緒で大変ね〜」
「ええ〜〜横島クンはいい人なの〜〜〜」
「そんなことより今日の試合に集中しなさい」

「・・・・・・・・ちょっとっ!! 皆さん待ってくださいよ〜〜〜ッ!?」
三人の後を必死で追いかけていく。

 「あ〜〜〜緊張するの〜〜〜」
 「大丈夫ですよ。冥子さんなら絶対合格できますよ!」
 「大丈夫。俺が保障しますよ」
 「ありがと〜〜横島クン〜〜〜」
 「まあ、私たちと当たらない限り大丈夫だと思うワケ」
 「そんなまさか。いきなり身内であたるなんて―――」

「それでは本日の第一試合を開始します。横島選手! 六道選手! 4番コートに入ってくださいっ!!」

「なに〜〜〜〜っ!! 次の相手が冥子さんだと〜〜〜ッ!?」
「え〜〜〜〜〜っ!! 横島クンと試合するの〜〜〜〜っ!?」

ラプラスダイスで選ばれた組み合わせは、絶対かつ公平。二人がこの場で争うのは宿命なのかっ!!


今までの評価: コメント:

この作品はどうですか?(A〜Eの5段階評価で) A B C D E 評価不能 保留(コメントのみ)

この作品にコメントがありましたらどうぞ:
(投稿者によるコメント投稿はこちら

トップに戻る | サブタイトル一覧へ
Copyright(c) by 溶解ほたりぃHG
saturnus@kcn.ne.jp