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魔神少年

第三話 アップダウン・バード(その1)


投稿者名:蛟
投稿日時:06/ 3/19

 
『結晶は予定通り不備なく手に入った、貴様も用済みだ』
 
『テメェ!!!』

『ふん、消えろ人間…もうお前の顔は見飽きたよ』

『ふざけんなっ! 魔神だかなんだかしらねぇけど、調子こいてんじゃねぇぞっ!』

『死ね』

『くそぉ…!!!』



『ルシオラーーーーーッ!!!!!!!』



 ガバッ

「…………」

思わず飛び起きた横島の眼にまず入り込んできたものは、ちょうど対面に設置された窓から射し込む、眩いばかりの朝の太陽の恵みだった。

「何だ……今の夢……」

突如飛び込んできた陽光に、しばし眼を細め、手で顔を覆う。
見れば、先程の夢のせいだろうか、多量の寝汗による被害が、下着どころか敷布団にまで及んでしまっている。
その気持ちの悪さに少し顔をしかめた横島だが、それよりも夢の内容に不安と不快感を覚えた。

「ルシオラ…………」

愛する妹の衝撃的な姿が、今だ頭から離れない。
















「遅いっ!!!!」

亜麻色の髪に抜群のプロポーションを持つ美女が叫ぶ。

名は美神令子。

その圧倒的な実力と美貌で日本に、いや世界にその名を轟かせている超一流のゴーストスイーパー。しかし大方の人間は、彼女の本当の顔を知らない。

「ったく、丁稚の分際でこの私の貴重な時間を無駄にさせるなんて……減給にしちゃおうかしら?」

その麗しい外面からは、おそらく万人が想像すらしがたいであろう彼女の本質。
金に汚くガサツで自分本位、世の中は自分が中心になって世界をまわしているのだと言わんばかりの傍若無人っぷり。

「まあまあ、いいじゃないですか。横島さん、ここまで歩いて通ってるんですから。いままでちゃんと遅れずに来てたんですし、一回ぐらい…」

そう言って怒り心頭の美神をなだめるのは、滑らかな黒髪を腰まで伸ばし、和服を纏った少女。
よく見ると向こう側の景色が透けて見え、自身の周りには人魂が浮かび、あまつさえにはフワフワと空中を浮遊しているではないか。

「ダメよおキヌちゃん。甘やかすのはこの先のあの子の人生経験上よくないわ。ここはビシッと減給の一つでもして……」


 バタァン!!!

「これ以上の薄給でこき使われてたまるかゼニゲバ女ーーーーー!!」

 ごしゃっ!!!!

「分不相応の重役出勤さらしといて開口一番それかいっ!!!」

勢いよく開かれた扉。唸る右ストレート。
体重が乗り、捻りの加えられた拳は横島の左頬にジャストミート。きりもみ回転で吹き飛ばされ壁に激突した横島は、鼻や口から滴る血を物ともせず反論する。

「たかだか10分くらい遅れたぐらいで減給てなんやーーー!」

「やかましいっ!! 時間厳守って言ってあったでしょ! この仕事はまず時間に正確なことが信用の第一になんのよっ! あんたのせいでこのあたしの信用に泥塗るようなことになって見なさい……減給なんてもんじゃ済まないわよ」

横島の反論をモノともせず、一気に正論をまくし立てた美神。最後の脅し文句は恐らく冗談でもなんでもないであろう。横島はグウの音も出ずたじろいでいる。

「ま、まあまあ美神さん。横島さんもなにか理由があったのかもしれないですし」

横島の有様に同情したのか、おキヌが二人の間に割って入る。
実は幽霊であるこの少女は、美神が依頼を受け向かった先で偶然出会い、本来成仏するはずだった彼女だが、成仏の仕方が分からないということで、ひょんなことから助手として美神が雇ったのだ。

「あいかわらず、おキヌちゃんは横島君に甘いわね…まあいいわ。おキヌちゃんに感謝しときなさい」

まったく…と言いつつ美神は足早に車へと乗り込む。

「で、どうしたんです? 遅刻なんて珍しいじゃないですか」

おキヌは本来300年も前に生活しいていた少女。その為現代日本の常識はほとんど通用しなかった。が、二人の努力の成果か、最近では少しずつ現代の環境にもなれ、スーパーでの買い物くらいは楽にこなせるようになった。

すっかり傷も癒え、何事も無かったかのように立ち上がった横島は、用意されていた特大のリュックサックを背負い車へと向かう。おキヌもそれに続いていく傍ら、横島へ今回の遅刻の理由を尋ねた。
 
「いや、大したことじゃないだ…ただ…変な夢を見てね」
 
「夢? …ですか?」

横島は今朝見た夢を思い出し首を捻った。

「コラ二人ともーっ! さっさとしなさいっ!!」

ガレージから美神の怒声が響く。二人はあわてて車へ乗り込みと、美神自慢の愛車が唸りをあげガレージから飛び出していった。
快晴の空の下、三人を乗せたコブラは最短ルートを通り依頼主の元へと疾走する。

「のおおおおおおおおおお!!!!! 美神、さ、ん……もっとゆっくり…!!!」

「だまらっしゃいっ! あんたのせいでしょうが!」

「わーいい天気、今日はお洗濯ものが良く乾きそうですね♪」

こんな感じが、いつもの美神令子除霊事務所の日常風景である。





…一方その頃…




 
ここは魔界中心部、アシュタロス城。
相変わらず馬鹿でかいこの城内には様々な地位や種の魔族達がゆうに200人以上が生活している。
一般的な魔界のイメージにあるドロドロジメジメした雰囲気などまったくない、暖かくフレンドリーな空気が漂うこの城は、ある意味魔界としては異質でありその城主である魔神アシュタロスも変わり者で通っている。

そのあまりの広大さに、同じ城内で生活しているにもかかわらずいまだ一度も顔を合わせた事がない者同士が多数存在するこの城で、全ての者達がその名を知っている人物はたったの二人。
一人は当然この城の主であるアシュタロス。そしてもう一人は今はここにはいない、魔界育ちの人間の少年、横島忠夫である。

「………はぁ………」

彼が人間界へと旅立ってからはや一ヶ月。
彼を慕っていた者は意外に多く、その者達は彼の決意に快く送り出した反面、やはりそれぞれ大小寂しさや喪失感を感じていた。その中でも、一際心に穴がポッカリ開いてしまった人物は、現在開発途中である新製品の構想もろくに進まずため息ばかりついていた。

「………はぁ………」

時刻は朝の7時。自然の多い魔界は、意外にも朝は人間界に負けず劣らず清清しいものなのだが、今のルシオラの心の隙間はそんなものでは到底うめられるものではなかった。

「そんなにため息ばっかりついてちゃ、逃げてっちゃうよ? 幸せとかがさ」

もう朝であることを告げに来た実の妹も、そんな姉の有様に少し口が酸っぱくなってしまう。

「……おはよ」

「また徹夜? 姉さん、忠夫との約束ぜんぜん守ってないじゃない」

「……歯は磨いてるわよ……」

チャプチャプ…と液体の入った試験管を揺らしながら頬づえをつくルシオラは、気のない返事ばかり。
髪はボサボサ、眼は寝不足からか虚ろですこし隈も見えている。

「まったく、長女がこんな調子じゃねぇ…向こうで気が気じゃないだろうね、忠夫も」

「……………」

少し挑発するようにけしかけたべスパだったが、まったくの無反応。もともと短気で直情的なべスパは回りくどい言い方をやめビシッとお灸をすえてやることに決めたようだ。

「姉さん! いい加減にしなよ、もう一ヶ月だろ? 寂しいのは分かるし監視もできないのは不安ってのも分かるけど、別に忠夫の命に危険があるような任務じゃないし時期が来れば逢えるし終われば帰ってくる! そろそろウジウジすんのやめなよっ!」

べスパの怒号にピクッと反応したルシオラ。ゆらゆら揺れていた試験管はその動きを止め、彼女は初めてべスパの方へと顔を向けた。

「…わかってるわよそんなこと…」

「いーやわかってない! あれでも忠夫はメドーサの弟子だよ。こと生き延びる手段に関しては骨の髄まで叩き込まれてるはずだし、無駄に傷の治り早いし…とにかく姉さんが思ってる程忠夫は弱くはないよ」

「それもわかってるわよっ!!! だからって心配することの何処が悪いの!? こっちからも向こうからも連絡とれないのよ? 不安になるのは当たり前でしょっ!!」

「だからっていつまでも塞ぎ込んでいじけてんじゃないって言ってんのよっ!! そんなんじゃ忠夫も安心してあっちで生活できないじゃないのさっ!!」

「だからそれがわかんないから心配なんじゃないっ!!!」

遂には口げんかを初めてしまった二人。
忠夫が人間界へ旅立ってからのルシオラは、周りが見ていられない程の落ち込みようだった。もちろんべスパも寂しいわけはない。しかし度を越していると思ってしまうその気持ちの失落っぷりに、彼女は逆に怒りを覚えてしまうこともしばしばあった。
べスパは、忠夫を信じている。彼の強さ、逞しさを。この魔界で17年も生き抜いたのは伊達ではないと、べスパは知っている。だからこそ彼を気持ちよく送り出し、今も彼が元気でいると信じているのだ。しかしべスパの眼からみたルシオラの態度は、まるで彼を信じていない、曲がりなりにも自分達の兄である彼をただのか弱い人間としてしかみていないかのように映っていた。


「たしかに、べスパの言うとおりだね」

二人の背後から聞こえたその声は、隣の部屋に住居を構えるメドーサであった。
三姉妹の部屋は基本的に鍵をかけていない。横島がいるときはそんな物騒なことは間違ってもできなかったが、彼がいない今、わざわざ扉をロックする必要はないのである。

「仮にもあの子はアタシの弟子。そう簡単に死なれちゃ困る、まだまだ修行は途中だしね……ま、心配する気持ちは分かるけど、したんだろ? 約束を。必ず帰ってくるってね。あの子は嘘はつかない、約束も必ず守る…それも知ってるだろ?」

「……うん」

あまりにも珍しい、メドーサの慰めるような口調に少し驚くルシオラ。
メドーサは無意識のうちに自分自身にも言い聞かせているのだろう。彼女もまた他の者達以上に寂しさを抱えている一人であるから、ルシオラの気持ちが痛いほど分かってしまう。

「だったらいつまでもグジグジしてないでシャンとしな。アイツが帰ってきたとき笑顔で抱きしめてやれるくらいにな」

「なっ! 抱きしめるって………」

「まあ、そんな貧弱な胸じゃアイツは喜ばないだろうけどねぇ。せめてこれぐらいはないと♪」

自分の胸を突き出してそう言ったメドーサの表情は勝ち誇り愉悦が満ちていた。

一瞬唖然としてしまったルシオラ。直後、挑発されたことを理解した彼女は徐々に表情を怒りで真っ赤に染める。

「そんなおっきな胸年取ったらたれるだけよっ!! 何事も程々が肝心なのっ!!!」

「程々ねぇ〜、まあアンタがそれでいいならいいけどね? ちなみに知ってると思うけど、ターゲットの人間も中々のスタイルの持ち主だってねぇ。アタシには劣ると思うけど……ま、よく考えれば確かに程々がいいと思うよ。動くのに邪魔だし肩はこるし…ホントうらやましいねぇ、うん」

軽口を叩きながらメドーサは一足先に部屋を出る。取り残されたルシオラはうつむきプルプルと怒り身を震わせている。

「じゃ…じゃああたしも先に行くわ」

べスパはこのことに関しては下手な慰めは逆効果だと分かっているためそそくさとメドーサについて部屋を出てしまった。
先程までの暗さは何処へいったのやら、ルシオラの頭の中はメドーサと自分の創造主への怒りで山盛りであった。

「あたしだって…あたしだって好きでこんな胸に生まれたんじゃないのに………アシュ様の…………バカヤローーーーーーッ!!!!!!!!」

「ルシオラちゃんうるさいでちゅ…」

彼女の叫び声に寝ぼけ眼のパピリオが布団の中でポツリとつぶやいた。

「でもなんだか…久しぶりに元気そうでちゅ…ZZZ」








「…あれ?」

「どうしたの? 横島君」

「いや、なんか知ってる人の叫び声が聞こえたような…」

澄み渡る青空を見上げて、横島はそう呟いた。

「何言ってんのよ、仕事なんだから気を抜かないように。死んだって知らないわよ」

美神の言葉に両手で頬をバシッと叩き気合を入れた横島は、目の前に佇む洋館に眼を向けた。
東京郊外にある古びた洋館。それはあまりにも露骨に人の訪問を拒むかのようなたたずまいだった。外壁はひび割れ、何かの植物が蔦のように絡まっている。
この仕事をはじめ一月が経ったが、横島は未だにこの雰囲気になれることはないらしい。が、なにかあれば一目散に逃走しようとしていた最初の頃に比べれば格段の進歩と言えようか。ただ単に、逃げたところで結局美神につかまってしまう結果になってしまうで諦めているだけかもしれないが。しかし、生まれて17年間も魔界で暮らしていたにも拘らず、オカルトに弱いとは不思議なものである。

「わかってますって。俺だってまだ死ぬわけにはいかないっすからね」

「? なにそれ?」

「へ…? いや、な、なんでもないっすよ」

どこか不自然なその言葉に違和感を覚える美神。
横島も無意識にセリフに、館のほうから聞こえたおキヌの声にすぐ忘れてしまった。

「美神さーーーん。準備おーけーですよーーーー!」

「さあ行くわよ。くれぐれも油断しちゃだめよ、なにかあっても最悪荷物だけは死守するように…わかった?」

「毎度のことながら、俺の命って『屁』とも思われてないんすね…」

ギィィィ

さび付いた扉が軋む音を立てて開かれる。
館内は外以上に荒れ果てた様子で、そこら中が溜まりに溜まった埃やゴミで埋め尽くされたなかに、床や壁にはまだ新しいと思われる生々しい血痕が夥しく彩りを加えている。

美神は右手に神通棍、横島は見鬼君を構え慎重に一歩一歩館の中心へと進む。
恐る恐る忍び足で美神についていく横島は、いちいち血痕を見つけるたびにビクッとなりながらも、なんとか冷静さを取り繕おうと美神に話しかける。

「さっきおキヌちゃんなにやってたんすか?」

「館の中心からちょうど天辺の屋根に結界護符を貼り付けてもらったのよ。ここはちょうど妖怪や幽霊が盛んに発生したり魔界や地獄に通ずる『鬼門』になりつつあるの。館の四方と天辺と中心、この6点に結界護符を貼り付けて陣を完成させて鬼門が完全に開ききる前に封じるのよ」

今回の依頼は大手不動産屋からのもので『祓っても祓っても悪霊が沸いてくる。どうにかしてくれ』とのことだった。
どうやらこれまでは金をケチってあまり有能とは言えないGSへばかり依頼していたようで、皆その場にいた霊を祓うだけで仕事を終えていたようだ。当然根本の解決にはなにも至っていなかったためにっちもさっちも行かなくなった不動産屋は、高額だが腕も確かな美神令子除霊事務所へと依頼してきたのだ。

「それにしても…まあよくもココまで荒らしてくれたもんだわ。ここにある血痕、たぶんほとんど依頼されてきたGSのでしょうね…着いたわよ」

美神と横島の眼の前には血のように赤い扉が佇んでいる。ちなみにおキヌは車で待機中。

「さぁ、行くわよ一瞬たりとも気を抜かないように」

この向こうがこの館の中心。おそらく悪霊の巣窟となっているだろうその場所へ二人は足を踏み入れる。

 ガチャ

美神が扉を開ける。そこはかなりの広さだったが、元々はであったようで、数多くの本棚にはぎっちりと様々な書籍が詰め込まれている。が、主を失ったそこは最早夥しい数の霊たちに占拠されている状態。外へと漏れ出さないように、館の四方と天辺に貼り付けられた結界護符のため、溜まりに溜まったその霊の数は数えるのも億劫になるほどである。

「ひええええええっ!!! なんすかこれーーーー!!!」

「いちいちびびってんじゃないの!! 所詮雑魚の集まりよ!」

臆することなく戦場へと飛び込む美神。まるで踊りでも舞うように華麗に神通棍を揮うと、面白いように悪霊共が蹴散らされていく。一匹また一匹と切り伏せ消滅させていくその姿に、横島は感嘆を覚え、美しさに眼を奪われていた。その時、間隙を縫って現れた一匹の霊が横島へと突進してきた。

「横島っ! ボーっとするなって言ってんでしょうが!!」

そう叫んで横島の方へ向かったが、まだまだ悪霊の数は多い。
救出に向かうのが一歩遅れた美神は

間に合わない

そう思ったが、その直後彼女は信じられないもの見た。

「うおっ! あっぶね〜」

「(かわした?)」

まるで洗練された、一切無駄のない動きで悪霊の突撃をかわし、もしもの時の為に持っていた破魔札で華麗にしとめたのだ。素人には絶対に無理な、訓練された動き。不思議に思った美神だったが一先ず片付けるべきモノを片付けることにした。

「ラスト一匹!!!」

最後の一匹を切り捨てると、中心部にすかさず結界護符の一枚を貼り付け、印を組む。

「横島君!」

「っは、はいっ!!」

すぐさまリュックから残りの結界護符四枚を取り出し、印を組み集中している美神の四方に貼り付けていく。

「オッケーっす、美神さん!」

「行くわよ『…刑門(けいもん)・灯門(ひもん)・鐘門(きょうもん)・鎖門(さもん)…我、闇と光の狭間に起つ者なり…我、血脈と四円を持ちてこの世ならざる道を封ずる者なり』」

美神の詠唱により五つの結界護符が光を放つと、連動して館外部に取り付けられた護符も光を放ち、やがて館全体が光に覆われる。

「『封印』!!!」

光が収まる。と同時に美神も印を解く。つかれたのか大きく「伸び」をして首をひと廻しすると横島の方へと向くことも無くさっさと書斎から出て行ってしまった。

「? あれ、美神さん?(やばい…あんだけ油断するなっていわれてたのに、やっぱ怒ってる?)」

カツカツと出口へ向かう美神は終始無言だったが、いざ扉を開け外に出ようとすると、やはり疑問に思っていたのか、横島に疑問を投げかける。

「ねぇ、横島君…あなた…」

「!!はいっ?」











「「久しぶりジャン」」





ビクッ

二人は突如聞こえた声に驚き、美神はすかさず神通棍を構える。声の先を見据えた美神だったがそこは暗く、目標を視認するには至らなかった。

「何者っ!!!」

美神の問いかけに返答は無く、代わりに闇からキラリと一条の閃光が煌めいた。

「美神さんすんません!!!」

「えっ!?」

横島は反射的に美神を扉の外へと突き飛し、扉を閉める。声色と独特の語尾で、彼にはすぐ誰であるか分かった。その為、自分達の関係を知られるわけにはいかない美神を館から追い出した。

「……なんの用だ……ってのは、ナシか?」

闇から姿を現したのは、両腕のかわりに翼を携えた女性。

「やっと見つけたジャン? 横島!!」

横島と個人的な因縁の深い、魔族ハーピーであった。











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