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GS六道親子 天国大作戦!

アメリカン・ドリーム? 1


投稿者名:Tりりぃ
投稿日時:06/ 2/28

*この物語はアシュタロス戦の後、ひのめが誕生した辺りから始まります。
美神令子がヒロインではないのでヒロイン交代が発生しておりますがご容赦ください。





六道冥子の家はココ都内? と首を傾げたくなる位広い庭園と大豪邸だ。
さて、その邸宅では顔をしかめた冥子に似た和服の女性がテラスに座っていた。
彼女の名前は六道幽子。冥子の母親にして六道邸の主、そして六道財閥のオーナーである。
彼女の前には今まで誰かがいたかの様に紅茶が置かれていた。

「…2人は〜 ちょっときついわね〜…どっちかを〜……」

幽子はため息をついてから侍女を呼んで新しい紅茶と冥子を呼ぶ様に命じたのだった。






 GS六道親子 天国大作戦! 〜 アメリカン・ドリーム? 1 〜 




冥子はいつもとは違って緊張した様子で幽子の前に現れた。
幽子はそんなにこやかに口を開く

「で〜、冥子は〜 どっちにしたの〜?」
「………えっとぉ」
「式神を〜 封じて子供を作るのと〜、素敵な〜 殿方を〜 見つけるのと〜」

豪華なテラスに高価なティーセット、2人の身を包むのはごっつ高そうな衣服だが話の内容は
ごっつ違和感ありまくりである。

「2週間前に〜 話したけど〜 もう一度〜 確認するわね〜」

にこにこして幽子が説明口調になるが、ここは一つ作者権限で幽子の口からではなく説明したい。


六道冥子は言うまでもなく六道財閥の次期オーナーである。
六道財閥オーナーが他の財閥と違うのは財閥をまとめる役目と十二神将(式神)を操る者である事
だった。
今のオーナー、幽子は冥子が産まれる前は十二神将を操っていたし今現在のオーナー業もそつなく
こなしているのだが、冥子をふり返り見ると…十二神将はともかく、オーナー業の方ははっきり
言って無理だと六道一族は結論づけていた。

冥子の方もオーナー業が自分の手に負えないと承知していたのだが、ここで難関が立ちふさがった。
次期オーナーをどうしようか、という最大にして最重要な難関だ。

最初は冥子ものほほんとして六道一族が押す婿養子候補達とお見合いをしたのだが、見合い相手達の
コメントを紹介したい。

「もう勘弁してください」
「命にかかわるので辞退いたします」
「五体満足に生きたいのですいません」

逃げ出した候補者に頭を抱えた六道一族は冥子に最終通告をつきつけた。

一つは式神を全部封じて婿養子を向かえる事。
もう一つは冥子の式神がいてもかまわないオーナーになりうる人物を冥子が探す事。

どちらも冥子にとって困難な選択だ。しかし他にはどうしようもない。

半年前位に冥子は「鬼道」という男性を推薦したのだが、十二神将に対しての耐久性は認められたが
本人が財閥オーナーを望んでいない事(ありていに言えば冥子に惚れなかった)で却下された。


そして、今日が冥子の最終選択日になってしまっていた。


六道一族は「冥子が式神を封じて婿養子を迎え入れる」と踏んで、とある男性をおさえていた。

名を皐月信五郎。六道一族でホテル経営の手腕が買われての抜擢である。ちなみに御歳45歳。

21歳の冥子に詐欺だと言うなかれ。経営手腕が買われる場合、どうしても熟年が対象になるものだ。




さて、冥子と幽子に話を戻す。

冥子はうなだれていたが意を決したように顔を上げる

「結論は〜 来年にしない〜?」
「…今私が〜 結論出して〜 いいのね〜?」

幽子が冥子の影から出したマコラでビンタしようと構えさせる。

「う……今日結論〜 出さないと〜 ダメぇ〜?」

にっこりうなずく幽子に冥子がおずおずと切り出した。

「よ、横島くんなんて〜 どうかな〜 と思うの〜 この子達も〜 横島くんなら〜 好いているし〜」
「横島くんねぇ〜」

幽子が首をかしげて考え始める。

GSの能力的には鬼道に勝るとも劣らない。いや、鬼道よりお買い得だろう。
性格的なものは煩悩以外は満点だが、煩悩を入れるとマイナスに食い込むだろうか。
経営手腕は未知数だ。前に美神令子の除霊事務所を任されて大もうけしたのは知っているが、それと
財閥運営を一緒にはできない。しかし有望ではあるだろう


「……横島くんを〜 一度試して〜 みるのも〜 いいでしょう〜」
「よかった〜 これで少し〜 時間が〜 稼げたわ〜」

本当に安堵している冥子に幽子がにっこり笑いかける。

「これで〜 失敗したら〜 問答無用で〜 式神封印の〜 入り婿決定だからね〜」
「う……」

冥子、自業自得というか、ピンチである事を自覚した模様である。
うなだれる冥子を余所に幽子は鼻歌まじりで紅茶を口にした。




こうして、横島忠夫は自分の知らない所で自分の未来が決定したのだった。



「うぉ?! なんか寒気が?!」
「あー、横島。今なんの時間だかわかっているか?」
「どこからか、美神さん以上の冷気を放つ異様な視線が?!」
「…横島、廊下に立っとれ」

いきなり席を立って騒ぎだした横島に、教師がピっと廊下を指差していたりする。



「じゃぁ〜 こっちから進めてみるから〜、冥子も〜 しっかり〜 やるのよ〜」
「は、は〜〜い…」
「令子ちゃんのことなら〜 まかせておきなさい〜」
「は、は〜〜い……」
「うふふふ…どうしようかしらぁ〜〜〜」

心底楽しそうに脳内シュミレーションを始める幽子に冥子が視線を逸らす。

こうして、美神令子も預かり知らない所で未来が決定されようとしていた。




「……ナニ? この悪霊ににらまれたようなイヤな予感は?」

令子が読んでいた雑誌を放り投げて戦闘態勢で左右を見渡す。

『美神オーナー、悪霊も妖怪も結界に引っかかっておりません』
「そ〜お〜〜? な〜〜んか、悪い予感がすごくするんだけど」
『結界もきちんと稼動しております』
「…私の気のせいかしら……? それとも今日の仕事に何かあるのかしら?」

人工幽霊一号のとりなしでソファーに座りなおす令子だが、その目はまだ不安に輝いている。



「やっぱり〜〜 唐巣神父にも〜〜 一役〜 買ってもらわないとね〜」
「え〜〜〜、そんな〜 大げさに〜 しなくってもぉ〜」
「ダメよ〜〜 仕込みは〜 十分に〜 しなくちゃ〜〜」

幽子はメ、と冥子をしかりながら脳内シュミレーションに浮かれながら席を立つ。

この日、なぜか霊能者達がいきなり悪寒にかられたり、不吉な予感に襲われたりするのだった。






 


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