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金の卵と金の腕

夢と超能力の国・前編


投稿者名:黒土
投稿日時:05/10/28

 超能力支援研究局・通称『バベル』、その会議室にてブリーフィングが行われていた。
屈強な体格のバベル局長・桐壺が自ら任務の説明に当たっているものの、
任務を受けるはずの3人は真面目に耳を貸していない。

「お前たち、ちゃんと作戦内容を聞いておけ!」

皆本が大声で注意するも、その程度で何が変わるはずもない。

「まだちょっと眠いんだよ・・・」
「一応、話は聞いとるからええやろ・・・」
「・・・・・」

朝早くから呼び出されたためか、チルドレンの3人はまだ寝ぼけているようだ。
しかし、壁に埋められるよりはマシなので、皆本はちょっと安心していた。

「あー、いいかね。もう一度作戦内容を説明するぞ。」

怒る事も無く、局長は優しく説明を繰り返す。

「今回君達に行ってもらうのは奪還・制圧任務だ。
 昨日、『酸泥コーポレーション』の研究開発支部が武装集団に襲撃される事件が発生した、だが公にはなっていない。
 実はこの会社は軍需産業も取り扱っていて、政府とのつながりもある、問題なのはそこだ。」

一生懸命聞いているのは皆本だけだが、それでも局長はあきらめない。

「襲撃したのは同社が新兵器のテスト用に雇っていた私設部隊、飼い犬に手を噛まれた形だな。
 奴らは奪取した新兵器での攻撃を盾に、政府に300億円を要求してきた。」

「新兵器・・・ですか?」

皆本の問いかけに局長の表情が険しくなる。

「・・・『ESPギア』、資料にはそう書かれている。
 これを装着することにより、ノーマルや超度の低いエスパーでも高超度の能力を発揮できる物だそうだ。
 もしこの情報が本物で、奴らの中に超度7の力を発揮できるものがいたとすれば・・・」

「・・・なす術もなく、都市は壊滅する・・・」

局長は黙って頷く。

「声明があったのが1時間前、一刻も早く解決しなければならない。
 同社は奪還を希望しているが、いざと言う時には破壊しても構わんそうだ。
 ・・・だからね・・・お願いだから早く行ってきてくれたまえ!」

局長の悲壮な大声に、思わず飛び起きるチルドレン達。

「はいはい、わかりました。行ってきまーす!」

部屋を飛び出していく3人。

「それから、重大な事件ゆえにフリーのプロを雇ってある!彼と協力して・・・」

3人を追いかける皆本の背中に、局長の声がこだました。



 現場に到着した薫・葵・紫穂の3人、皆本は現場から少し離れた車の中から指示を出す。
武装グループが立てこもっているというその場所には、当然のごとく緊迫した空気が・・・流れていなかった。

「・・・って、ここ遊園地じゃん!」
「しかも日曜のまっ昼間、ぎょうさん人がおるっちゅーねん。」
「途中で私服に着替えろって、こういうことだったのね。」

私服で日曜日の遊園地に立つ3人、見た目はどうみてもただの子供客である。

《本部が感知した場所がここだ、92%の確率だから間違いないとみていいだろう。》

皆本からの通信が入る。

「それから、どうしてお前が来ないんだよ?」
《ちょっと他にやっておくことがあってね、しばらく同行できない。
 こちらからはちゃんとモニターしているから、お前たちの行動は把握できる。》

不満そうな薫をよそに、皆本は話を続ける。

《ここのどこかに犯人グループが潜んでいるはずだ。
 私服警官も紛れてはいるが派手には動けない、こちらでも探査は続けているから、まずは助っ人のエスパーと合流してくれ。
 くれぐれも目立たないようにな。》

周囲を見渡す薫、しかし場所が場所だけに家族連れやカップルばかりしか見当たらない。

「助っ人って・・・どこにいるんだよ。」

「あなたの後ろに、サイコキノのお嬢さん。」

突然の呼びかけに振り向く3人、そこには遊園地に必ず1体はいるであろう着ぐるみが立っていた。
しかし問題はそこではない、薫も葵も紫穂も、今までその存在に全く気付くことができなかったのだ。
薫はついさっきまで全く視界になかった物体の出現に身構える。

「そんなに警戒しなくてもいい、私がバベルの助っ人だよ。」

そう言う着ぐるみの口から見えた目、薫たちはその目に見覚えがあった。
男のコードネームは『マイダス』、高額の報酬で雇われるフリーのエスパーである。

「あ、いつかの変態のおっさん!」
「ま、まさか今回の報酬はウチらと遊園地で・・・」

「いやいやいや、私は断じて変態ではない!」

いきなりの洗礼にうろたえるマイダス。

「あら、今回は何を考えているのかしら?ちょっと見せて欲しいかな〜」

そして凍りつくマイダス。
気配も感じさせずに後ろを取った、プロの貫禄は脆くも崩れ去った。



 「あ、もしもし皆本さんですか?無事に合流できましたよ。
 あの子達は今ちょっと手が離せないので私が連絡しておきますね。」
《・・・何で泣いてるんですか?》

ソフトクリームを食べるチルドレン達の代わりに、皆本と連絡を取るマイダス。
変に敬語になっている彼の鋭い瞳にうっすら涙が浮かぶ。

「こういうのは本来あなたの役割でしょ・・・それよりそっちの具合はどうです?」

《今のところあまり思わしい結果は出ていません、
 怪しいと思われるポイントがいくつか選別されたくらいです。》

「了解、ではそれらのポイントを当たってみましょう。」

通信を終了し、マイダスはチルドレン達のもとへ勇気を出して近づく。

「通信は聞いていたね?自体は一刻を争う、仕事に戻っていただこう。」

しぶしぶ立ち上がる3人、
せっかくの遊園地で仕事というためかかなり機嫌が悪そうである。
フリーゆえにいくつもの任務をこなしてきたマイダスだが、今回ほど恐怖を覚える仕事はそうなかった。

「・・・あー、これから我々も調査に向かいます。
 ポイントはこの『関東ディズィランド』のバックステージ、
 夢が壊れると思うが、その名のとおり目まいなど起こさないでくれよ。」

軽い冗談にもチルドレン達のリアクションは冷たい。
皆本に励まされつつ、3人+1人は探査ポイントへ向かうのであった。



 一方そのころ、人目に付かないとある場所で悪巧みをする集団。
彼らこそが『酸泥コーポレーション』を襲撃した武装集団である。

「姉御、やつら要求に応じますかね?」

仲間の一人にそう話しかけられた人物、
特殊部隊風の男たちに囲まれる、姉御と呼ばれた大柄の女が答える。

「馬鹿だね。300億もの大金、そうすぐに用意できるわけないだろう?」

その言葉に周囲の兵士たちは驚きを隠せない。

「どういう事ですか?」
「・・・これだけ派手にやっておけば、必ず特務エスパーがやって来る。
 後は研究所からいただいたコイツを使えば、300億なんてはした金は必要ないのさ・・・」

姉御と呼ばれる女首領は、赤と黒でデザインされたゴーグル付きヘッドギアのようなものを弄びながら言う。
それには『ESPギア・試作型』と書かれている。

「さあて、奴らそろそろここを嗅ぎ付けたかも知れないね。
 準備は万全にしておくんだよ!」
「ハッ!」

女首領の号令に合わせ敬礼する兵士たち。
だがその時、すでに彼らに近づく影があった。



 園内を進むチルドレン達、しかし日曜の人ごみのため思うように移動できずにいた。
遊びで来ているのならばそれでも我慢できたかもしれないが、仕事ゆえに3人の不満は募る。
さらに本来は皆本のあるべき位置に、雇われの身の男がいるのだからなおさらである。

「あーもう!本当にこんな所にテロリストが潜んでるのかよ!?」

薫が不満をぶちまける。

《確率は95%に上がっている、間違いはないはずだからもっと真面目にやってくれ。》

そんな皆本の言葉に一番焦っているのは、現場にいるマイダスであった。

(うう・・・あまり刺激しないで欲しいな。)

チルドレン達の恐ろしさを知っている彼には、今回の皆本のポジションが羨ましくて仕方がない。

ドオォーン!

その時、突如大きな爆発音が響いた。
見るとアトラクションの裏手から黒煙が上がっている。

「・・・さすが95%、よう当たるなあ。」
《感心している場合じゃない!すぐに現場へ向かってくれ!》

突然の爆発に逃げ惑う客たち、捜査に当たっていた私服警官たちが避難誘導を始める。
人の流れに逆走して現場に向かう4人。

「客もいなくなって丁度いいぜ、いっちょう暴れるか!」

うっぷんが溜まっていたためか、いつも以上のやる気を見せる薫。
ふいに人影が視界に入る。

「うっ!特務エスパーか!?」
「くそっ、こんな時に・・・!」

特殊部隊のごとく完全武装した男が2人、例の武装集団の一員であることは間違いない。
何故かひどく慌てた様子で、薫達を見るなり銃口を向けてきた。

「甘い!サイキック・蟻さんのごっつんこ!」

「ぐはあぁ!!」

薫が叫ぶと同時に兵士2人の体が持ち上がり、空中で激しく衝突する。
地面に落ちてのびている兵士達に、残る3人も近づく。

「・・・これでよし、簡易拘束具ってとこかな。
 さて、少し話を聞かせてもらおうか。」

マイダスは兵士の腕を交差させ、上半身の装備を金に変える。

「はあ〜、やっぱり素敵な錬金術やなあ。」

葵のため息まじりの言葉に反応するマイダス。

「・・・私の力は錬金術ではない。
 そもそも錬金術とは卑金属を化学反応により貴金属に変えようという試みだが、
 現代では化学反応によって卑金属を貴金属に変えるのは不可能だと判明している。」

突然の講釈に目を丸くする一同。
そんな状況はお構い無しにマイダスが続ける。

「私のこの力は、物質に元素レベルで働きかけ、強制的に純金へと変換するもの・・・だそうだ。
 具体的なことはまだ良く知らないが・・・君達だって自分の力の全てを説明できるわけではないだろう?
 ちなみにそういった原理で機能しているために、その気になれば・・・」

《おいおい、今はそんなこと言ってる場合じゃないだろう!》

皆本からの通信で我に返るマイダス。

「おっと、すまない・・・。ついムキになってしまった。
 紫穂さん、お願いします。」
「あら、終ったのね。」

初めから何も聞いていないチルドレン達。
周りの景色を眺めていた紫穂が、拘束された兵士に手を触れる。

「情報にあった武装集団に間違いないわ、人数は全部で7人。
 襲撃した研究所からかなりの装備を持ち出してる・・・詳しい情報はリーダーの女が一任しているみたい。
 それと・・・ついさっき別の部隊の襲撃を受けたようね。」
「別の部隊?」

ドオォーン!

紫穂の言葉をさえぎるように、再び爆音が鳴り響く。
度重なる事態に薫のテンションはどんどん上がっていった。

「面白くなってきたじゃねーか!」
《こら!待つんだ薫!》

皆本の制止も聞かず、薫は爆発のあったバックステージへ向かう。

「しゃあないなあ、ウチらも行こか。」
「薫ちゃん、はりきってるわね。」

3人の後ろに取り残される大人数名。

「・・・皆本さん、どうやら当たりですね。」
《ええ、そこは警官に任せて後を追ってください。》

通信を終え、着ぐるみを脱ぎ捨てたマイダスは薫たちの後を追う。



 従業員用通路に入るチルドレン達。
遊園地のバックステージなど普段見る機会がないためか、何やら不思議な感覚を覚えていた。

「お、メマイーマウスの頭があるぞ!」

薫の指差す先に転がる着ぐるみの頭。
愛嬌のあるマスコット『メマイーマウス』だが、古くなった頭部だけが複数転がっているのは
子供ならずともかなり不気味である。

「はは・・・、確かに夢は壊れるわな。」

葵が着ぐるみの頭部に近づこうとしたその時、
山になっている『メマイーマウス』の頭が勢い良く燃え上がった。

「うあっ!?」

慌てて飛びのく薫と葵。
通路の先に目をやると、少し大柄な人影が近づいてくる。

「・・・特務エスパーかい、タイミングの悪いことだねえ。」

炎に照らし出される姿。
特殊な装備に身を固めたスタイルのいい若い女、ゴーグルを装備しているため顔は分からないが、
その頭部には赤いヘッドギアが装着されている。
例えるならばまさしく『忍者』、いや、『くのいち』という感じである。

「あれは・・・Eカップ!」
「え?あ、うん、まあ確かにそうだけどね・・・」

薫の言葉に律儀に答えてくれる女、
意外といい人かもしれない。

「やっぱりな〜、
 装備で押さえつけてあるけど、それくらいはあると思ったんだよ〜!」
「・・・・・コホン。」

下品な笑い方をしている薫はさておき、今度は葵が喋る。

「あれは・・・ESPギア!」

葵の言葉に女はニヤリと笑う。
それと同時に、今度は脇に置いてあった金属製の缶が爆発した。

「ふふ・・・もう知ってるだろうけど、アタシが会社を襲撃した部隊のボスさ。
 そして同時に、アタシは強力な発火能・・・」

「サイキック・ハンマアァァ!!」

話の長い女首領が悪いのか、気の短い薫が悪いのか、
強力なサイコキネシスによって女首領は通路の奥に吹き飛ばされた。
そこに置いてあった資材の山から這い出してくる女首領。

「は、話は最後まで聞け!このクソガキ!」

女首領が怒鳴るが、当然チルドレン達に悪びれる様子はない。

「こういうときは先手必勝って決まってんだよ!」
「おお、なかなかしぶといオバハンやな。」
「私たちの前で自己紹介なんかしてるほうが悪いのよね。」

「・・・くそっ!」

おもむろに女首領が手をかざす。
その瞬間、薫たちと女首領の間に巨大な火の手が上がった。

「覚えときな、クソガキども!」

通路の奥から罵声と走り去る足音が聞こえる。
スプリンクラーは作動しているものの火の勢いは強く、ちょっとやそっとでは消えそうにない。
しかし、彼女たちにとってそんなことは問題ではなかった。

「こんなんでウチらを撒けると思うてんのかいな。」

葵は眼鏡を上げて余裕の表情を見せ、瞬間移動能力を発動。
薫と紫穂を連れ、3人はその場から消える。

「・・・あ。」

残ったのは遅れてきた男が一人。
その男、マイダスは炎の燃え盛る通路に呆然と取り残されていた。



 女首領を追って瞬間移動したチルドレン達、
3人が到着したのはショー用ステージの前だった。

「さっきのオバハン、どこ行ったんや?」
「・・・見て、あれ!」

周囲を見回す薫と葵に紫穂が呼びかける。
その指差す先には、先ほど取り押さえた兵士と同じ格好の男が2人、
負傷しているのか倒れたまま動く気配がない。

「どうなってんだ・・・?」

すると突然、3人は何者かによって横の茂みに引き込まれた。

(静かにしな!奴らに見つかっちまうだろ!)

3人を押さえつけつつ小声で怒鳴る人影、それはさっきの女首領であった。

「あっ!てめ・・・!」

大きな声を出そうとする薫の口を、慌てて女首領が塞ぐ。

(静かにしろって言ってるだろ!・・・あっちを見てみな。)

茂みからこっそり覗き見る3人。
女首領が示した先には、彼女たちとはまた違うテロリストの姿があった。
しかも、そのテロリスト達のすぐ横には見覚えのある車両型の装置が起動している。

(見えたかい?奴ら新型ECMを使ってやがる。)

確かに女首領の言うとおり、薫はサイコキネシスが発動しない。
葵もテレポーテーションが、紫穂は自分を押さえている兵士の心を読むことができないでいる。

(こっちの兵はもう2人しか残ってない、正面からじゃ殺られちまうよ。)
(それより、あいつらは何なんだよ?)

ようやく小声になった薫が女首領に尋ねる。

(予定外だが『普通の人々』の連中さ。
 奴ら、アタシの計画を台無しにしやがって・・・あんた達も消す気だよ。)

そこまで言うと、女首領は何かを取り出した。

(でも、あんた達特務エスパーの力とこいつがあれば
 何とかなるかもしれないね。)

そう言う女首領の手には、彼女が装着しているものと同じ型のヘッドギアが握られている。
それには『ESPギア・1号機』と書かれていた。

「いっただき!」

間髪入れず、女首領からヘッドギアを取り上げる薫。

「悪いけど、実はあたし達の仕事はこれを取り返すことなんだよね。
 残りの一つも渡してもらうよ。」

薫は取り上げたヘッドギアを装着する。

「へへ、何つーか、あたしがこれ装着したら神の領域っての?」

「かかったね・・・」

女首領はニヤリと笑い、何かのスイッチを入れる。
すると薫の頭に装着されたヘッドギアが音を立てて起動しはじめた。

「な・・・う、うあああ!」

激しい閃光がほとばしり、薫は絶叫して地面に倒れこむ。
そして光が収まると、薫がゆっくりと立ち上がる。

「やっぱりいくら強くてもガキはガキだね。」

薫の後ろにつける女首領。

「奴らにECMを奪われたときはどうしようかと思ったけど、チャンスは必ずあるもんだよ。
 政府にすら教えていない極秘の新兵器『マインドジャグラー』、
 こいつで特務エスパーを奴隷にして他国に売る計画は無事成功ってわけだ。」

「・・・ベタなこと考えてるなあ。」

ため息をつく葵。
女首領の作戦もそうだが、何よりも薫の軽薄な行動が彼女をどっと疲れさせた。

その時、騒ぎを聞きつけた『普通の人々』が駆けつける。

「見つけたぞ!エスパーどもめ、裁きを受けるがいい!」

「・・・お嬢ちゃん、やっちまいな。できるはずだよ。」

女首領が薫に命令すると、
薫はゆっくりと『普通の人々』の方へ向き直る。

「・・・うおおああ!」

凄まじい叫び声。
その瞬間、周囲の空気が一瞬にして変わるのが感じられた。
ECMなど関係ない、誰にも止める事のできない超度7のサイコキネシスが炸裂する。

「すごい・・・これなら1000億だって高くはないよ!」

立ち込める土煙が晴れてゆく。
そこにはECMの残骸と、重傷を負った『普通の人々』の兵士たちが転がっていた。

「か、薫・・・」

言葉を失う葵と紫穂。
2人の手にはいつの間にかエスパー錠がかけられている。

「おっと、あんた達も動くんじゃないよ。
 ふふ・・・3人セットならいくらになるんだろうねえ・・・」

兵士が葵と紫穂を立ち上がらせる。
3人の持っていた通信機は、すでに兵士の足の下で残骸へと変わっていた。

「さてと、まずは邪魔な集団を一掃しておくかね。」

ヨロヨロと立っている薫を連れ、女首領は遊園地の中央に向かって歩いていく。
その後を追うように、葵と紫穂は兵士に連行されていった。


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