「んぎゃあぁぁ!」
室内に響く悲鳴、『ザ・チルドレン』現場運用主任・皆本光一の悲鳴、
彼は今日も元気よく壁にめり込んでいる。
「はははー!思い知ったか皆本ぉ!
『今回はあまり成長してないな。』なんて言わせねーぞ!」
皆本が壁にめり込んでいる原因、薫が元気よく笑う。
「ひぃ!またウチらでそんなこと考えて!」
葵がテレポートで飛びのく。
「・・・うふふ。」
壁にめり込む原因の原因、紫穂が静かに笑う。
彼女たちにとってはごくありふれた日常の光景である。
「な、何度も言うようだが、そんなこと考えてないぃぃ!」
皆本の悲壮な叫びをさえぎるように電話が鳴る。
やっとのことで薫のサイコキネシスから解放された皆本だが、彼に休息は無い、
傷ついた体に局長の容赦ない大声が突き刺さるのであった。
「緊急事態発生、チルドレン出動!」
殺伐とした空気の漂う事件現場に、颯爽と4人が到着する、
白昼堂々とテロリストによる立てこもり事件が発生したのだという。
「おっしゃ、テロリストはどこだ〜?」
やる気満々の薫をよそに、周囲の警官たちは現場の事後処理を始めていた。
「お前たち、ようやく着いたか。」
バベル局長・桐壺が呼びかける。
「せっかく来てもらったところ悪いが、事件はもう解決してしまったよ。」
ばつの悪そうな局長。
「ちぇっ、せっかく暴れる気になってたのに。」
「なんや、急いで来て損したわ。」
「お、お前らなあ・・・」
不満を漏らす薫と葵、その態度に業を煮やす皆本。
「・・・あら?」
そんな折、紫穂の視界に見慣れぬ人物が映りこむ。
他の警官たちとは違う黒いコート、そして何より目以外を覆い隠す覆面、
その奇妙な男は足早に車に乗り込み現場を去っていった。
「局長、今あそこにいた人は誰ですか?」
紫穂の問いかけに局長の顔が曇る。
「あそこにいた人・・・覆面をした男のことかね?」
「え?どこどこ?そいつが犯人?」
騒ぐ薫を抑える皆本、そして弾き飛ばされる皆本を尻目に局長が答える。
「実は私もよくは知らない、何でも警察の上層機関が雇っていたフリーのエスパーらしいが・・・」
「なるほど、じゃあウチらの前にその人が解決したっちゅうことやね?」
「うむ、そういうことだ。・・・本当にすまーん!
わざわざ子供たちの貴重な時間を割かせているというのに、私はあぁ!」
号泣して謝る局長の姿に皆本は思う。
「本当に大丈夫かなあの人・・・」
バベル本部に戻り、検査と調整を受けるチルドレンたち。
「ねー、紫穂、そいつってどんな奴だった?」
暴れる機会を奪われたためか、薫が少し機嫌の悪そうに尋ねる。
「うーん、格好が格好だけに『変な人』としか思わなかったわ。」
「そやなあ、一人だけ覆面って怪しすぎや。」
盛り上がる3人に皆本が割って入る。
「格好は変かもしれないが警察上層部が雇うほどのエスパーだ、かなりの超度を持ってると思うぞ。」
「その通りだ、皆本。」
突然の一声、本部に戻った局長が入ってくる。
「バベル局長がフリーのエスパーを知らないでは済まされんからな、少々調べてみた。
彼のコードネームは『マイダス』、超度6のエスパーだ。」
局長がそこまで言ったところで紫穂が言う。
「でも知らなかったんでしょ?」
「・・・・・」
しばしの沈黙、そののち。
「し、知らなかったのは容姿だけであって、決してさっき知ったわけではないぞぉ!」
うろたえる局長を尻目に話は進み、皆本が所長に尋ねる。
「超度6って・・・能力は何なんですか?」
少々落ち着く局長。
「うむ、彼は変わった能力を持っていてな、触れたものを純金に変えると聞いた。
『ゴールデンタッチ』というものだそうだ。」
皆本が何か言おうとしたが、キラキラと目を輝かせたチルドレン達によって阻まれた。
「すげー!それってすぐに大金持ちじゃん!」
「なんかとっても魅力的なお人やわあ。」
「一人はお友達に欲しいわね。」
地面にねじ伏せられた皆本はただ笑うしかなかった。
そんな時、携帯電話の呼び出し音がけたたましく鳴り響く。
《地下街にてESP関連と思われる事件発生、大至急チルドレンに出動要請!》
「ここだな、通報のあった地下街は。」
皆本とチルドレンの3人は、現場である地下街の入り口までやってきた、
すでに警官隊が避難誘導と封鎖を行っており、周囲は騒然としている。
「『ザ・チルドレン』現場運用主任の皆本二尉ですね?」
現場責任者であろう男が皆本に話しかけてきた。
「現在、犯人の数は不明です。少し前に隊員が数名突入したのですが、連絡が取れない状態にあります。
同行したフリーのエスパーも同様に連絡がつきません。」
「フリーのエスパー!?」
4人の頭に『マイダス』の名がよぎる。
「やっぱ超度6じゃあイマイチだね〜」
嬉しそうに薫が言う、その表情はやる気に満ちている。
「ここはひとつ、超度7との差ってやつを見せてやろうか!」
言うが早いか、薫は単身地下街へ向けて突進、残る2人も後を追う。
「ま、待て!もっと慎重に・・・!」
皆本も慌てて地下街へと向かった。
入り口からだいぶ離れた地下街の中、無人のため不気味な静けさが広がっている。
「・・・!」
3人の足が止まる。
「何・・・コレ。」
「き、金や!」
薄暗い、少し崩れた地下街にあったもの、それは先に突入した隊員と思われる純金像であった。
「ちょっと待って。」
紫穂が純金像に手を触れる。
「間違いない、先に突入した隊員の人たちだわ。
記憶によると先行していたエスパーが突然引き返してきて・・・」
その時、3人に向けて怒声が飛ぶ。
「誰だ!」
声の先には黒いコートにマスクの男、立てこもり現場で紫穂が見たあの男の姿があった。
「おっさん・・・あんたがやったのか・・・?」
薫が一歩前に出て男を睨み付ける。
男の方は予想だにしていなかったのか、少々驚いているようだった。
「子供・・・?
お前たち、噂に聞く『ザ・チルドレン』か?」
男の質問に薫はさらにいきり立つ。
「答えろ!マイダス!」
薫のサイコキネシスが発動し、マイダスを壁へと叩きつける。
「ぐはあっ、むおぉぉ・・・」
めりめりと壁に押し付けられるマイダス、マスクで覆われた顔の目に苦悶の表情が浮かぶ。
「や・・・やめろ!」
一瞬の隙をつき、マイダスは何かを投げつける。
次の瞬間、薫の右腕に痛みが走った。
「うあっ!」
薫の右腕に金のカードが突き刺さっている。
その痛みで一瞬サイコキネシスが弱まり、マイダスは床へと崩れ落ちる。
「どうした!何があった!?」
走る靴音と皆本の叫ぶ声が響く。
「こ、これは・・・どういうことだ!?」
現場に駆けつけた皆本はその状況に困惑する。
「皆本はん!アイツや!」
「!!」
葵の言葉にとっさに銃を構える皆本。
ドドドドォ!
だがその時、5人のいるすぐ近くで爆発音が鳴り響いた。
「何!?」
次の瞬間、地下街の天井か床か、崩れ落ちて5人を飲み込んだ。
しばらくして紫穂は目を覚ました、
周囲は瓦礫ばかりで状況がよくわからない。
だが、自分が一人取り残されてしまったのは理解できていた。
「痛っ!」
右足の痛みで気が付く、どうやら瓦礫に足を挟まれてしまったようであった。
さらに悪いことに、落下の衝撃のためか指輪の通信機も損傷している。
「気が付いたようだな。」
男の声、しかしそれは皆本のものではなかった。
足を挟まれ身動きの取れない紫穂の前に立つ男、
それは先ほど隊員を金に変え、薫に傷を負わせた『マイダス』であった。
「どうも下に落ちてしまったようだ、周りは瓦礫だらけだな。」
話しかけてくるマイダスに対し、紫穂は冷たい視線を向ける。
「あなたは何者?目的は何?」
冷たく言い放つ紫穂を、マイダスはじっと見つめている。
「ああ、確かサイコメトラーのお嬢さんだな。
私のことは隊員達から読み取らなかったのかね?」
「途中まではね・・・あなたが突然引き返してきた所まで。
突然の事だったみたいで、隊員の記憶にはその先がなかったわ。」
「ふむ、それだけではあまり意味が無い。
生きた人間を金に変えるなど、私にしか出来ない事なのだからな。」
マイダスは周囲をぐるりと見回す。
「とりあえずはここから出たいところだが、サイコメトラーとゴールデンタッチではどうにも・・・!?」
「!」
そんな時、2人は水が入ってきていることに気が付いた。
「地下水か水道管か・・・どちらにしろマズイな。」
水はかなりの勢いで溜まってきていた。
入ってくる水の量しだいでは、上に上がっていれば助かるかもしれない。
紫穂は必死で瓦礫から足を抜こうとするが、瓦礫はまったく動く気配が無い。
「・・・・・」
マイダスがスッと紫穂の方へ歩み寄る。
「な、何!?」
紫穂のすぐそばまで来たマイダスは、その手をゆっくりと突き出してきた。
「・・・お前も金になれ。」
崩落が起こった現場の少し前方、積もった瓦礫が次々と弾かれてゆく。
「くっそぉ!どこだあぁ!」
大声で叫びながら瓦礫を砕いてゆく薫。
崩落のさい、薫と皆本は葵のテレポーテーションによって難を逃れていた。
「うう・・・ウチがもっとしっかりしとったら・・・」
咄嗟のことだったためか、位置が悪かったのか。
全員を瞬間移動しきれなかったことを悔やむ葵。
「大丈夫だ!絶対に!」
本部の応援部隊とともに瓦礫の中を捜索する皆本、通信機が機能していないことが気がかりであった。
そして、前を捜索していた隊員から声が上がる。
「見つけました!ここです!」
その声に一斉に駆けつける3人。
「し、紫穂・・・」
薫が言葉を失う。
排水と瓦礫の撤去がなされたその場所には、ついさっきまで紫穂であった純金像が置かれている。
今にも泣き出しそうな薫と葵、そのとき、現場に向かって奥から何者かが走ってきた。
「・・・あいつは!」
まだ瓦礫が残る奥から、身を翻してマイダスが駆けてくる。
「・・・て・・めえぇ!!」
薫が感情をむき出しにマイダスを睨み付ける。
だが、それを遮るように皆本が叫ぶ。
「待て薫!その人は・・・!」
さらにそれを遮り、マイダスが叫ぶ。
「気をつけろ!来るぞ!」
ガガガ!
マイダスが叫んだとほぼ同時に銃声が鳴り響く。
血が飛び散り、マイダスの体が薫の目の前に落ちてきた。
「これだけの状況でよく生き残ったものだな、化け物め!」
瓦礫の奥から武装した集団が姿を現す。
「だが、最後には我々『普通の人々』が勝利するのだ!」
超能力排斥団体『普通の人々』、そのテロ実行部隊が銃口を向ける。
「く、こんな時に・・・!」
皆本はテロリスト達に銃口を向ける、
だが、完全武装している敵に対し、それはあまりに無力であった。
そして薫はそんな状況の中、ただマイダスだけを睨み続けている。
「・・・食らえ。」
薫が小さくつぶやく。
ただそれだけであったが、テロリストと自分たちの間で爆発を起こすのは造作も無い事だった。
「むわぁっ!」
テロリストたちがのけぞる、しかしこの爆発は『普通の人々』に向けられたものではない。
爆発の衝撃でマイダスの体が弾かれる。
「やめろ!落ち着くんだ薫!」
皆本の制止する声も今の薫には届かない。
感情とともに高ぶっているサイコキネシスのためか、いつのまにか制御装置も外れていた。
「こいつが・・・紫穂を・・・!」
そのとき!
「待って!薫ちゃん!」
皆本のものではない、幼い声が響く。
「・・・え?」
振り返る薫と葵、そこには紛れも無く紫穂がいた。
「だから待てと言っただろう!彼の能力は可逆なんだ!」
皆本はマイダスの体を抱え起こす。
「もっとも、僕もついさっき知らされたところだが・・・」
肩を貸しているマイダスのほうを見る皆本。
「・・・お、溺れる前に、時間を、か、稼ぐ必要があったからな・・・」
息も絶え絶えにマイダスが口を開く。
「おっさん!」
我に返った薫がマイダスに駆け寄ろうとするが、マイダスはそれを制止する。
「わ、私のことはいい、それよりも、は、早く奴らを取り押さえるんだ。」
「・・・」
マイダスの言葉に薫は再び向きを変えた。
そのとき、薫の頭につい先ほどまでのことがよぎる。
(や、やばい・・・相当ひどいことしちゃった気がする。)
(後で謝ったらええって・・・多分。)
妙な沈黙、変な空気が流れる。
その沈黙を破ってテロリストが叫んだ。
「ええーい!撃て撃てー!」
その声に反応して、待ってましたとばかりに薫が動く。
「させるか!サイキックゥ・・・乱れもぐら叩きぃ!!」
「んぎゃああ!」
声が先か爆音が先か、薫のサイコキネシスによりテロリスト達が床にめり込む。
その様子を見て、安堵の表情を浮かべる皆本とマイダス。
「痛つつ・・・何て割に合わない仕事だ、まったく・・・」
皆本の脇でぼやくマイダス、その後ろから応援の隊員たちも駆けつけてきた。
「ふふふ・・・我ら『普通の人々』を甘く見るなよ。」
応援の隊員に拘束されたテロリストの一人が突如口を開いた。
「ECMこそ忘れてきたものの、そこに良い物が置いてある、お前たちへのプレゼントだ。」
テロリストの視線の先に、大きなジュラルミンケースが一つ。
咄嗟にテロリストはケースを蹴り、その衝撃でケースの蓋が開く。
「こ、これは!」
皆本たちの目に飛び込んできた物は、ケース一杯の高性能時限爆弾、
しかもそのタイマーはすでに3分を切っていた。
「大事なもん忘れとるくせに、こんなもんばっかり持ってきとるんやなあ。」
「・・・ここでこんなものが爆発したら、周囲の市街地が陥没するぞ!
まさか自爆までやるつもりだったとは・・・」
その瞬間、テロリスト達の態度が一変する。
「隊長!このままでは我々も危険であります!」
「し、しまったぁ!死ぬのはいやじゃあぁ!」
「お、お前達何を考えて動いてるんだ・・・!?」
皆本が狼狽するテロリストのむなぐらをつかみ上げる。
「くくく、我らを甘く見るなと言っただろう?
エスパーが死ねば良し、周りを見捨てて逃げるもまた良し、だ。
さあ、早く何とかしていただこうか!お願いします!」
半べそをかきながらわめきたてるテロリストに紫穂が手を触れる。
「ダメ、こいつら解除方法を知らないわ。使い捨てだったみたいね。」
「くっ、あと2分ちょっとでは解体も無理か・・・!」
それを聞いて葵がジュラルミンケースを抱き上げる。
「ならウチが!安全な所まで移動させたる!」
慌てて皆本が叫ぶ。
「待て!そんなもの、不用意に転移させるのは危険だ!」
そう叫ぶ皆本に対して、葵は少し微笑んだ。
「大丈夫、安全が確認できる所まで、ウチごと移動すればええんや!」
葵のもとに、薫と紫穂も駆け寄る。
「ならあたしたちも一緒に!」
「何かの役に立てるかもしれないものね。」
皆本の声がより高ぶる。
「やめるんだ!お前たちが・・・!」
「うむ、そのとおり。子供たちが危険な目にあう必要はなーい。」
いつのまにか、マイダスは薫たちの後ろに立っている。
そしてマイダスは葵からジュラルミンケースを取り上げた。
「あ、何すんねん!もうあと30秒も・・・!」
「金になれ!」
マイダスが叫ぶ。
次の瞬間、爆弾はジュラルミンケースごと金塊になり地面に転がる。
「私は君たちのように強くはない・・・だからせめてこんな仕事をやっているのだ。」
呆然と見つめる4人。
「さて、早く地上の空気を吸いに行こうじゃないか。」
地上に戻った5人、待機していた救急隊に治療を受ける。
一番重症だったはずのマイダスは、簡単な手当てを済ませただけでくつろいでいた。
「どうやらテロリスト達の狙いは私の暗殺だったようだな。」
「大丈夫なのか?傷は。」
皆本がマイダスにたずねる。
「私はこれでも報酬で雇われているプロだ、一応フル装備なものでね。
少々全身の骨が痛い以外は大した事はない。」
「うう・・・」
ニヤリと笑うマイダス。その笑顔に隠された何かに、皆本は少したじろいだ。
「心配するな。あの年頃の、しかも高度なエスパーならなお難しくて当然さ。
あの根性といい、大した金の卵だよ。」
(悪魔の卵かもしれないんだけどね・・・)
マイダスの言葉に皆本は少し複雑な表情をうかべる。
「皆本!」
皆本のもとに、手当てを終えたチルドレンたちが集まってきた。
「お前たち、大丈夫か?」
「もちろん、あたしたちがあんな事くらいでどうにかなるわけないじゃん。」
薫の憎まれ口が、皆本にとっては何よりの薬であった。
「あ、あの〜、マイダスのおっさん・・・」
薫が照れくさそうにマイダスの方を見る。
「・・・心配するな、私は怒ってなどいない。
私こそ、怪我をさせてしまってすまなかったな。」
「『君達のような元気で可愛い子供を近くで見られるだけ幸せだ。』ですって。」
「な、何ぃぃ!」
いつの間にか紫穂がマイダスに手を当てている。
「ふむふむ、『さらに皆本くんのようなコもいるとなると最高だ。』ねえ・・・」
「ひぃっ!近寄らんといて!」
「う、嘘を言うな嘘を!」
狼狽するマイダス。
皆本には彼の気持ちがよく分かっていた、が、ちょっと距離をおいた。
「せ、説明もなしに金に変えたことを怒っているのか!?
それとも大した事ないとか言った事か?だったら謝る!
こういった仕事はクールさをかもし出しておきたいものなんだあぁ!」
泣きながら去っていくマイダス。
「あ、ちょっと・・・うわっ!?」
追いかけようとした皆本が勢いよくずっこける。
見ると、彼の両方の靴が金塊に変わっていたのであった。
「あ、あいつ・・・やっぱり怒ってるんじゃないか!」
「おーい、車も金にされてるぞー。」
「・・・こ、子供なのはどっちだよ。」
「『子供の不始末は保護者の責任』ですって。」
その後、バベル本部にて。
「みんな無事で何よりだ、ご苦労だったな。」
3人を誉めちぎる局長に、紫穂が質問する。
「局長、金になっていた隊員の方たちは?」
「もちろん、全員回収して元に戻っておるよ。
あれは咄嗟にガス攻撃から身を守るためにやったようだな。」
局長が続ける。
「マイダスは主にサポートなどを得意とするエスパーだ、
君たちが初めて彼を見たという現場では、爆弾処理をやっていたそうだ。」
薫がまた面白くなさそうに言う。
「なーんだ、てっきり殺し屋みたいな奴かと思ってたのに。」
ハッと思い出したように葵が口を開く。
「あ、そうや!皆本はんの靴とか、金のカードとかはどないしたん!?」
目を輝かせる葵に対して皆本が答える。
「残念だけど、爆弾と一緒に処分したよ。・・・車も。
彼の能力で作り出した金は、決して世に出さないのが契約条件の一つだそうだからね。」
その答えになんとも残念そうな葵。
その横で薫が紫穂に近づく。
「ねー、紫穂。金塊になるのってどんな感じだった?」
「さあ、覚えてないわ。」
「あー、こんな事ならちょっとくらいくすねとくんやったー!」
三様に騒ぎ出すチルドレンたち。
「ああもう、お前たち!ちょっと静かに・・・」
グシャッ!
壁の中で皆本は思う、
『本当に・・・金の卵であってくれ・・・』と。
創作意欲を掻き立てられ、絶対可憐チルドレンの短編を書いてみました。
私はコミックス組なので、2巻を読んだ所で書いたものだったり、
オリジナルキャラが出てきたりといろいろあるとは思いますがご容赦ください… (黒土)
絶対、超度6の能力じゃないですね、コレw
むしろGS向きの能力かと思われw (帝)
この能力を「超能力」として作品内で使うためには、少々工夫が必要かと思います。たとえば、「原子変換能力:物質を構成する陽子、電子、中性子などを組替えられる能力。サイコキネシスの変異系に分類される」とでも基礎設定をしておきます。そしてこのオリキャラ「マイダス」は更に「変換後の物質が金:Auに限定されるが威力自体は絶大、総合的に超度6と判定される」とでもしておけば良かったかと。「ゴールデンタッチ」という能力名は、いささか不満要素です。
少々論点がずれました。この話が「超能力物」である以上、ファンタジー的ではなしにSF的な背景を重んじるべきだ、と言いたいのです。そして表現として「いかにも科学的『っぽく』聞こえる」事が重要だと思うのです。あくまで「科学的」ではなく「科学的っぽい」で充分なのですが。 (WEED)
>絶対、超度6の能力じゃないですね、コレw
むしろGS向きの能力かと思われw
>この話が「超能力物」である以上、ファンタジー的ではなしにSF的な背景を重んじるべきだ、と言いたいのです。そして表現として「いかにも科学的『っぽく』聞こえる」事が重要だと思うのです。
アドバイスありがとうございます。
確かにそのあたりの解説が不足していました・・・
超能力ものを取り扱う際は以後気をつけます。 (黒土)