某日、晴れ渡る青空の下、一つの運命的な出会いがあった。
「ふんふんふーん♪」
亜麻色のロングヘアーに肌の露出が多いボディコンスーツに身を包んだちょっと無理目の美女が、自分の家だろうか、玄関にポスターのようなものを貼り付けている。
「よしっ…と。うん、我ながらいい出来だわ」
ポスターには大きく『アルバイト急募!』の文字が書かれてあり、その下には若干小さな字で『君もゴーストスイーパーなれる!!』とある。
「……はぁ」
先ほどまで上機嫌だった美女は、突然肩を落としため息を吐く。彼女の美貌のためか、そんな仕草一つとっても道行く人々の視線を集める。
「たしかに事務所立ち上げたばっかりじゃ1人でなんて無理だけど…」
グッ…と拳を握り締め
「もったいない…ああ、もったいない!! きょうび人件費だって馬鹿になんないってのに…」
搾り出すように、そりゃあもう悔しそうにブチブチと呟く。
「やっぱり私ほどのゴーストスイーパーの助手なんだから美形なの最低条件よね〜…は〜、どっかに美形で優秀でタダでいいから働かせてくださいっていう男いないかしらね〜」
運命の扉は
「ずっと前から愛してましたーーーーー!!!」
「きゃぁーーー!!」
こうして開かれた。
「雇う? あんたを」
「はいっ!!!」
私はいきなり抱きついて訳の分からんことをほざいたこの馬鹿を、これでもかと睨んだ。
雇う?このガキを?
「じゃあ合否が決まったらコッチから連絡するからそれじゃ!」
「ああっ! そんな連絡先も聞かずに!!!」
ああっもう!!!
「いきなり人に抱きついて『ずっと前から愛してましたー』なんてほざくガキを雇うやつがいるのよっ!!!」
「すんません! 美人を見るとツイ飛び掛っちゃうんで…というわけでお願いします!給料なんていくらでも良いんです! どんなキツイ仕事もしますっ! そばに置いてくれるだけで良いですからー!!!!」
ピクッ
「いくらでも?」
ん〜〜〜……………よしっ!!
「時給250円!」
「ありがとうございますっ!!!」
これが、美神令子と横島忠夫の出会い。運命の扉が開き、歯車が音を立てて動き出した瞬間だった。
「じゃあ、明日の朝8時から。力仕事だからちゃんと寝て、朝ごはん食べてくるように」
「はいっ! 失礼します!」
ビシッと敬礼の真似事をした横島は、軽快に走り去っていった。
「勢いで採用しちゃったけど、大丈夫かな」
美神は一抹どころではない不安を覚えながら、青く澄み切った空を見上げた。
「ま、面白そうだし、いっか」
ガチャッ…キィ
少年、横島忠夫が扉を開く。
ぱっと見でも少なくとも3LDKはありそうな高級感溢れる室内には、彼以外に人の気配はない。玄関を見ても、靴は彼が履いていた、どこにでもありそうなスニーカー1足だけしかない。
リビングにたどり着いた少年は、使い古されていないまだ新品であろうソファーにドカッと腰掛け
「…通信鬼」
そう呟くと、少年の手の平から音を立てて奇妙な形のモノが現れる。かろうじてスピーカーのようなものがあることから、何かしらの通信手段なのだろう。
「コード203105、俺だ、つないでくれ」
少しノイズのようなものが聞こえ、すぐにスピーカーから低いビブラートの利いた男の声が聞こえた。
『私だ、首尾は?』
「ああ、ビンゴだ。適合確率99.998%、アイツの発明にはいつも驚かされるな。」
『そうか、ついに見つけたか…』
「とりあえず接触して、今後の接点を作っといたぜ。明日からはゴーストスイーパーの助手だ」
『ふふ、お前は当分人間界に常駐だな。娘達がすこし悲しみそうだがな』
「あんまり好きじゃないんだけどなぁ、人騙すのって」
『あまり深く考えるな。どうせ長期間の任務だ、思うとおり、自由に行動したらいい。』
「まあ、明日初出勤が終わったらそっちへ一度戻るわ。いろいろ準備あるしな……ふわぁ〜…じゃあもう寝るわ。明日早いしな」
『ああ、でわ私も眠るとしよう』
「……ああ、じゃあな、アシュタロス」
ピ
音を立てて、歯車が動いている
初めまして、蛟です。
GTYの方で「魔神少年 プロローグ」を投稿させていただきました所、こちらに移ったほうが良いとのご指摘を受け、こちらに再度同じものを投稿させていただきました。以後「魔神少年」はこちらに投稿させていただきます。
今回が二次小説初挑戦で、まだ良く分からないことが多くサイト様にご迷惑をおかけしてしまうやも知れませんが、どうかよろしくお願いいたします。 (蛟)
過去に何があったのか気になりますね。
まだプロローグですし、これからもじっくり読ませていただきます。 (masa)
魔族のスパイ…やはり続きが気になる展開ですが、横島の迫真の演技にはビックリしました。
う〜ん……「ずっと前から愛してました〜!」は案外、演技じゃないのかもしれませんね。美女を見ると当たり前のように発する言葉ですから(汗
どこまでGSや神族達を騙せるのか見物です。続き頑張ってくださいね! (ジェネ)
これは楽しみだ!♪
次回は楽しみに待っています〜♪ (ミーコ)
GTYからの移籍については、GTYでの投稿から何らかの手直しがあればベターだったのですが、今回はGTYでも実質プロローグのみの投稿で手直しの余地が少なかったので止む無しと判断します。
ざっと読ませて頂いたところ、『でわ』は『では』に修正すべきだったと思います。web上に存在する日記などのコンテンツでは、割と崩した日本語表現や表記が普通に使われていますが、創作文の場合はできるだけ正しい表現・表記を用いることを心がけるようにして下さい。些細な誤りで読者が読む気を失うこともあるようですので、余計な部分で不利益を被らないように留意して書いて下さい。
あと、管理側として気にかかるのは、この作品のラストが貴方の頭の中にあるのか、とうことです。
特に初心者の方に多いのですが、いきなり長編から始めて途中で断筆したり、行き当たりばったりの展開で無駄に文章量が増え、結局何を書きたかったのかわからなくなったりすることがあります。
途中で連載作品の投稿が止まることは、当ページにとっては不利益なことであり、避けたい事柄です。「結末が決まっている」ということは、作品を通じて伝えたいテーマが定まっているということであり、それが定まっていればそこに向かって進めばたいてい完結します。しかし、結末が決まっていないと、書き手側自身が伝えたいテーマをはっきり認識していないため、物語が迷走したり、あるいは途中で飽きたりして、連載途絶という結果になってしまう可能性が高いと考えています。
行き当たりばったりで話を作り上げる手法もあるでしょうが、少なくともどこに向かって進めていくのかくらいは決めていただきたいと思います。
個人的には、GTYの一投稿分で収まるような短編作品を何度か書いて、小説形式の文章を書くことに慣れ親しんでから、長編投稿を始めるようにした方が、より確実に進められると思うのですが、そういったことも一度考えて頂ければ…と思います。
普段は投稿内容のことまではあまり言わないんですが、今回は初めてSSを書かれる方ということで、アドバイスも含めさせて頂きました。
>masa氏
当ページでは、半角カナの使用は禁止していますので、次からは気をつけて頂きますよう、お願い申し上げます。 (溶解ほたりぃHG, 椎名作品二次創作小説投稿広場)
そして何より、横島の侵入捜査・・・先がすっっっっっっげーーーーーーーー気になるーーーーーー。 (鷹巳)
私のコメントもキッカケの一つでしょうか・・・でしたら、余計なお世話だったかな?
いろいろ問題もあるようですが、取りあえず御自分のペースで頑張ってみて下さい。
でわ、公約どうりA評価をw (帝)
読みづらいとまではいきませんが気になります。
美神と横島?の出会いの会話が原作と多少違っていることに意味はあったんでしょうか。 (河童)