あ〜る〜晴れた〜ひ〜る〜下がり〜
俺は尚香さんと二人きりで薄暗い場所にいる。
「尚香さん! 尚香さん! ぼかぁ……ぼかぁもう……!!」
「あと少し、もう少しです。これで最後ですから」
「あぁっ! でも、でももう!」
「もう少しの辛抱ですから……」
「うっ!」
「……って、やってられっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
『ギャァァァァァ!!』
霊波刀に切り裂かれた低級霊が悲鳴を上げた。
「ふざけんなーーーーーーーーーー!!!!! 今日でもう一週間やぞ!!!!! ええ加減休ませんかーーーーーーーーー!!!!!」
事の起こりは一週間前。
俺と鬼道の二人はいつものように仕事を終わらせて六道邸に帰宅した。
「ふー。やっと終わった〜」
「今日は格別に数が多かったな〜ええ加減疲れ果てたわ〜」
タタタタ……「お?」タンッ
「蛍人さ〜〜ん、おかえりなさ〜〜い♪」
「ただいま、冥子ちゃん」
軽やかな音と共に冥子ちゃんがいつものように飛びついてくる。
「マ〜〜くんも〜〜お疲れ様〜〜」
俺の首をガッチリとホールドして背中にぶら下がった冥子ちゃんがフワフワの笑顔を見せた。
「おおきに、冥子ちゃん」
「ごめんね、冥子ちゃん。俺たち理事長のとこに報告に行かなきゃいけないからさ、ちょっと待っててよ」
「え〜〜」
「すぐ戻ってくるからさ」
体の正面に回し、そのさらさらの髪をなでる。
「んっ……む〜〜、ぜったいよ〜〜?」
「わかってるって」
頬を膨らませながらも、しぶしぶ離してくれた。
後で冥子ちゃんが寝るまで付き合うことを約束させられてしまったが……。
「というわけで除霊は完了です」
「ご苦労さま〜〜」
相変わらず派手ではないが売り払えば家くらい楽に立ちそうな調度品の並ぶ理事長の執務室。
カップ麺何個分?
「それじゃあ俺らはこれで……」
「ああ〜〜ちょっと待って〜〜」
帰ろうとしたところを理事長に呼び止められた。
「なんスか?」
「蛍人君は〜〜暑いところと寒いところどっちが好き〜〜?」
「いきなりなんなんスか?」
「いいから〜〜答えて〜〜」
「う〜ん……どっちかってーと暑いトコっスね。暑いトコは野宿しても死なないけど、寒いトコは凍死するかもしれないですし」
「鬼道君は〜〜?」
「ボクは寒い所ですわ。寒いのは重ね着すればなんとかなりますけど暑いのはどうにもなんないですから」
「そう〜〜わかったわ〜〜」
言うと、理事長は机の上に『ドンッ!』と2cmくらいありそうなファイルを数冊置いた。
「……なんですか、それ……?」
いや〜な予感が脳裏を、取ると150点もらえる羽の生えた金色のボールの如く飛び回った。
「お仕事よ〜〜急ぎのものもあるから〜〜すぐに荷物をまとめてね〜〜」
そんな訳で俺たちは旅立った。
鬼道は北海道、俺は沖縄へ。
あの質問ってこーゆー意味だったんですね(涙)
さらに冥子ちゃんにはしばらく会えないから「うそつき〜〜」って泣かれてお約束通りプッツンしちゃってコゲコゲになるし。
カンベンしてください理事長(滝涙)
まあそんな訳で沖縄から九洲へ、さらに四国中国関西中部と俺は駆け抜けたのだ。
んで、今回鬼道と別行動になったGS免許を持っていない俺には尚香さんがついて来てくれている。
実は尚香さん、GS免許を持っているそうなのだ。
メイドさんなのにGS免許を持っている尚香さん……謎だ。
なんでメイドなのにGS免許を持っているのか聞いてみると。
「メイドですから」
と、微笑みと共に返された。
意味不明ですよ尚香さん……。
でも流石六道の分家というだけあって、なんでもそつなくこなす。
動きは俊敏だし道具の扱いも一流と言って差し支えない。
まああの理事長がただのメイドを雇っているはずもないか。
「いい加減休みをくださいお願いしますマジでこの通り」
ジャパニーズ・ドゲザ。
ほこり?
あーハウスダストって大変ですよねー。
尚香さんはちょっと考えた後。
「仕方ないですねぇ……構いませんよ?」
と言ってくれた。
「マジっすか!? ありがとうございます!!」
さすが尚香さん! やっぱり優しいな〜。
「今回の仕事で全部終わりですし」
「終りなんかい!!」
俺の突っ込みは某天馬の星座の戦士よりも早く決まった。
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間違ったものを読者の方々が読まれて冷めちゃうよりもこっちがいいかな〜って思ったんですがそもそもボクが間違えなかったらすんだ話なんで言い訳ばっかでゴメンなさい(TT)
コメント返しはいつすべきなのか悩む今日この頃……もらった話のところですべきか次回更新のときか……誰かご意見聞かせてください。 (ATO)