椎名作品二次創作小説投稿広場


ツンデレラ


投稿者名:UG
投稿日時:05/ 7/18

 君のことを考えると胸が痛い。

 最初は、頼りない年下の男の子だった。

 だから君によく言ったっけ。


 「男の子でしょ。頑張って」


 実際、君はよく頑張ったね。

 常に期待以上の活躍をしてみんなを驚かせたもの。

 今では、みんなが君を頼りにするようになっちゃったけど・・・でもね横島。

 君を一番最初に認めたのは私。

 君の成長を一番近くで見ていたのも私。

 これって結構、自慢なのよ。

 君は自分の価値を分かっている?

 今も車の助手席に当たり前のように座っているけど・・・

 当然のように私の助手をしているけど・・・

 君が望めば、破格の待遇で迎えてくれる所は沢山あるのよ。

 なんでまだウチにいるの?

 馬鹿な女だったら期待しちゃうわよ。

 ねえ、横島君・・・

 信号待ちの間、私が君の横顔を見ているのに気付いてる?

 良い男になったね。

 君の成長は私の願いだった。

 ―――早くイイ男になってね。

 ―――そうすれば素直に好きと言えるから。

 これは出会った頃からの私の思い。

 本当に、君は良い男になった・・・だから。



 好きだなんて絶対に言えない。



 だって・・・君は今、夕日を見ているもの。

 彼女を思い出すとき、必ずその表情になるのね。

 なんて、悲しく・・・そして優しい顔。

 君を男にしたのは私じゃない。

 君の心にガラスの靴を残したのは私じゃなかった。

 だから・・・

 この思いは伝えられない。

 絶対に。


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