「っ…」
急に広がる光に眩しさを感じ、かるく目を瞑る横島。
「あっ…起きました?根横島忠夫さん…あぁ…セクハラ…次にしたら命はないと思ってくださいね」
抱きつこうと動き出そうとする横島を尻目に言う。
艶のある声とにっこり笑顔で凄まれて、顔色が悪い横島であるが己の名前を呼ばれ軽く驚く。
「っえ?」
「私の名はウルドよ」
「えぇっと…ウルドさん…?」
いきなりな展開に慌てる横島。
「何で俺の名前…」
「ん?あぁ…ごめんなさいね…記憶をよませてもらったから」
軽やかな笑みをセットに人間離れした美しい人は問題発言をした。
「き、記憶をよむって…?」
「ふふ…そのままの意味よ…?」
「はぁ…そうなんですか」
気の抜けた返事を返す。
「あら、怒らないのね。対外の者は怒り出すのに…」
「まぁ…見られちゃったものはしょうがないし、大した過去なんて俺、持ってませんから」
へらっと笑いながら言う。
まったくもって危機感が無い男である。
そうかしら、とても波乱万丈な人生だと思うけど…?だから我が愛しの創造主がお気に召したのだから…。
そうウルドは小さく横島が聞こえない程度の声で呟いた。
「あの…魔道塔って?ここ何の店なんですか?」
横島は辺りを見回して不思議そうに聞く。
それもそのはずで横島とウルドが座っているイスとおそらくセットであろうテーブルとその上に置かれている大きな箱、それしかないのだ。
商品が見当たらない…何をしているお店なのだろう…?
「ふふ……魔道塔はお店じゃないわ。ここはね…創造主の恩恵を与える場所なの…魔道塔は創造主に選ばれたものだけがこれる領域なのよ。私は神魔の最高神と同レベルの存在でね、まぁ創造主の道楽のために生み出されたわけ、で私の仕事は創造主が選んだ者に力を与えることなの。横島くんって霊能力者だよね…それ関係の力をあげられるから」
にっこりと愛らしい笑みを浮かべて、わかった?と聞いてくる。
「えぇっと…つまり力をくれるんっすか?」
いまいちよくわかっていなさそうな表情を浮かべつつ、返事する。
「簡単に言えばそういうことよ」
…我が愛しの創造主の玩具になってもらうのだからこれくらいのことはしないとね。
目の前にある箱を指差し、ウルドは言う。
「そこの箱から一枚をひいてね」
箱の蓋をあけておみくじのようなものを取り出す。
「?…はい」
横島はウルドに渡して、ウルドはフムフムと読む。
「…汝、暗黒の力を持つもの、汝は13の隷属を生むだろう…」
「?」
「つまり、暗黒の力を貰って…貴方の力で13の隷属を生むのよ」
ケロっとした顔で言うウルド。
「いやそんな物騒な力を貰っても…危ないっしょ?…それに…生むって言ったて俺、男ですよ?」
見当違いなことを言う横島に苦笑しつつウルドは促す。
「そう言う意味の“生む”ではないわ…ついてきて」
横島を置いてウルドはスタスタっと奥の部屋へと先に入ってしまい、慌てて後を追う横島であった。
部屋に入ると横島はこの部屋の異常さに身震いする。
「ッ!」
いまだかつて感じたことのない力が働いている。
ぞっとする、踏み入れてはいけない“領域”に自分は踏み入れている。
かすかに両手と両足がカタカタと震えて、己の本能が叫んでいる。
『ココハ危険ダ!早ク逃ゲロ!』
そう本能が叫んでいるのに、何故か魅入られたようにその場から動けない。
「横島さん…さぁ中央に来てください」
ウルドの囁く声にまるで操られているかのように横島はフラフラっと部屋の中央へと足を進める。
横島が中央に立ったその瞬間から、ウルドは詠唱する。
それは横島が聞いたことのない言葉だった。
それが不思議と心地の好い音色となって横島の鼓膜を優しく響く。
くたっと膝を折って膝立ちになる横島はうっとりとその“声”に聞き惚れる。
満ち足りた時を過ごし、横島はウルドの最後の言葉を聞く。
『 』
すると横島の周りに幾つもの魔方陣のようなものが浮き上がる。
その瞬間、横島は急に苦しみだす。
「うぅ…う…ヴゥ…ヴァァァァ――――」
叫び、もがき苦しむ。
「アァアァァァァァ―――――!」
かっと瞳を開く。
苦しみからの叫びから、やがて自分の存在を証明させるかのように叫ぶ。
『ヴァァアァァァァ―――――――――――ッ』
横島は最後の叫びを上げ痙攣を起こす。
横島はピクピクと身体を震わせている。
そして、幾つもの魔方陣のようなものは吸い込まれるようにして横島の“中”へと入っていった。
「成功ね…」
安堵の顔と満足気な顔を浮かべながらウルドは一人呟いた。
精一杯頑張りました。
書いてるときはノリノリでした。
けど、読み返すと相変わらずのへたっぴーな文章。
め、めげない!めげずに頑張る!と闘志を燃やしている時計うさぎです。 (時計うさぎ)
「ここで謎美女が登場するのかー!!」と思って自室で暴れてましたが
紹介シーンがあっさりしすぎて物足りなかったです
しかし今後もこの作品を楽しんで読んで以降と思っているので
執筆がんばってください (海老)
読んでくださって嬉しいです。
今後も読んでもらえるよう頑張ります!
金谷様!また読んでくださって嬉しいです。
少し横島っぽさが出せたかなぁって自己満足してます。
プレッシャー…あぁ〜う、うれしいプレッシャーです、次の話も頑張って書きます! (時計うさぎ)